1. 企業情報
東北銀行は、岩手県盛岡市に本社を置く地方銀行です。個人・法人顧客向けに、預金、融資、投資信託、保険などの幅広い金融サービスを提供しています。貸出先の多くは中小企業で、岩手県内を主要な営業地域としています。フィデアホールディングスとの経営統合は解消されています。
2. 業界のポジションと市場シェア
東北銀行は、地方銀行の中でも規模が小さい部類に属し、岩手県内の地銀の中では3番手のポジションです。市場シェアは公開情報からは明確に読み取れませんが、岩手県内における中小企業への融資に重点を置いていることから、その分野での一定のシェアを有していると推測されます。競争優位性は明確ではなく、他地銀との競争が激化している状況にあると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
公開情報からは、具体的な中期経営計画の詳細は不明です。ただし、決算短信から、2022年4月～2025年3月の中期経営計画の進捗状況について言及されていることがわかります。中小企業への融資を重点分野としており、その強化が経営戦略の中核をなすと考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
東北銀行の事業モデルは、預金と融資を基軸とした伝統的な地方銀行モデルです。収益は、貸出金利息、預金利息差益、手数料収入などに依存しています。低金利環境の継続や、人口減少による地域経済の縮小といった課題に直面しており、事業モデルの持続可能性には懸念材料が存在します。
5. 技術革新と主力製品
東北銀行は、インターネットバンキングやモバイルバンキングなどのデジタル化を進めていますが、技術革新において目立った独自性は見られません。主力製品は、中小企業向けの融資と個人向けの住宅ローンなどです。
6. 株価の評価
PER: 会社予想PERは7.35倍。業界平均PER（50.4倍）と比較して非常に低い水準です。これは、収益性や成長性の低さを市場が織り込んでいる可能性を示唆しています。
PBR: 実績PBRは0.28倍。業界平均PBR（0.3倍）と比較して低い水準であり、市場における評価が低いことを示しています。
EPS: 会社予想EPSは157.91円。現在の株価1160円と比較すると、株価はEPSの約7.35倍で取引されています。
BPS: 実績BPSは4094.31円。現在の株価はBPSの約0.28倍で取引されています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は1133円～1165円の範囲で推移しており、大きなトレンドは見られません。200日移動平均線（1167.66円）を下回っており、やや弱気な状況と言えるかもしれません。年初来高値（1366円）からはかなり下落しており、高値圏とは言えません。
8. 財務諸表分析
損益計算書によると、過去数年、純利益は増加傾向にありますが、2024年3月期は前年比で減少しています。ROE（過去12か月3.53%）は低く、収益性向上への課題が示唆されます。自己資本比率（3.9%）も低い水準です。
9. 株主還元と配当方針
予想年間配当金は50円、配当利回りは4.31%と高い水準です。配当性向は65.21%と高めです。自社株買いの情報は公開情報からは確認できませんでした。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は横ばい傾向で、大きな上昇・下降の勢いはありません。信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心は一定程度あるものの、大きな動きにはつながっていません。
11. 総評
東北銀行は、伝統的な地方銀行モデルを維持しながら、デジタル化への対応や収益性向上に課題を抱えていると推測されます。低PER、低PBR、低いROEなどの指標は、市場における評価が低いことを示しています。高配当利回りは魅力的な要素ではありますが、事業モデルの持続可能性や今後の成長性について、慎重な検討が必要です。 投資判断にあたっては、今後の経営戦略や業績動向を注視することが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 8349 |
| 企業名 | 東北銀行 |
| URL | http://www.tohoku-bank.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
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