企業の一言説明
ナラサキ産業は、北海道を地盤に電機、機械、建設・エネルギー、海運など多角的な事業を展開する総合商社であり、特に三菱電機の主要代理店として地域経済に深く根差した企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 安定的な事業基盤と堅実な増収傾向: 北海道における長年の実績と多角的な事業展開により、安定した顧客基盤を構築。過去5年間で売上高は着実に増加しており、今後のインフラ投資需要(北海道新幹線など)やデータセンター関連需要の取り込みも期待されます。
- 割安なバリュエーションと魅力的な配当利回り: PER(会社予想8.26倍)は業界平均(10.1倍)を下回っており、割安感があります。また、配当利回り3.21%(会社予想)と配当性向26.3%(2026年3月期予想)は、株主還元への意識の表れと評価でき、安定配当を求める投資家にとって魅力的です。
- 収益性と利益効率の課題: Piotroski F-Scoreが2点と低く、特に収益性・効率性に関する評価が低い点は懸念材料です。営業利益率(過去12ヶ月3.19%)も業種平均と比較して低く、直近四半期決算では売上増に対し利益進捗が通期予想に届いていないことから、下期での利益率改善が目標達成の鍵となります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 堅実な増収 |
| 収益性 | C | 改善余地あり |
| 財務健全性 | A | 良好な安定性 |
| バリュエーション | B | 適正な水準 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 4,050.0円 | – |
| PER | 8.26倍 | 業界平均10.1倍 |
| PBR | 0.78倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 3.21% | – |
| ROE | 8.93% | – |
1. 企業概要
ナラサキ産業(証券コード:8085)は、1902年創業の歴史ある総合商社で、特に北海道を主要な事業地盤としています。「電機関連」「機械関連」「建設・エネルギー関連」「海運関連」の4つの事業セグメントを展開し、多岐にわたる産業や地域社会に貢献しています。主力は三菱電機代理店としての電機・設備機器の販売・施工であり、地域に密着した多様なニーズに応えることで収益を上げています。特定の技術的独自性よりも、地域における長年の顧客ネットワークと事業ポートフォリオの広さが参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
ナラサキ産業は卸売業に分類され、北海道を地盤とする地域密着型商社としての明確なポジションを確立しています。国内大手総合商社のようなグローバル展開や巨大な市場シェアは持ちませんが、特定の地域における産業機械、建設資材、エネルギー、港湾物流といった多角的な事業展開により、地域市場での競争優位性を保っています。競合に対しては、地域特性に合わせたきめ細やかなサービス提供や、長年培った顧客との信頼関係が強みです。一方、事業規模の小ささからくる価格交渉力や汎用製品における競争激化は弱みとなり得ます。
財務指標では、PER(会社予想)8.26倍は業界平均10.1倍を下回り、割安感があります。PBR(実績)0.78倍は業界平均0.7倍と同水準で、市場からは一定の評価を受けているものの、解散価値とされる1倍を下回っており、株価上昇余地が期待される側面もあります。
3. 経営戦略
ナラサキ産業は中期経営計画「NSクリエーション2026」を推進しており、事業ポートフォリオの見直しと選択と集中を通じて、収益力の強化と生産性向上を目指しています。直近の2026年3月期第2四半期決算では、売上高が前年同期比+8.3%と堅調に推移しました。これは主に北海道新幹線工事向けなど「建設・エネルギー関連」の好調と、データセンターや半導体関連向け部品が牽引した「電機関連」の売上増に支えられています。一方で、機械関連事業の不振や販管費の増加により営業利益率は低下しており、収益性の改善が喫緊の課題となっています。通期業績予想への修正は行われていませんが、営業利益・純利益の通期進捗率は第2四半期終了時点で約26%と低く、下半期での大幅な利益回復が前提となります。今後のイベントとしては、2026年3月30日が配当落ち日(Ex-Dividend Date)となる予定です。
4. 財務分析
ナラサキ産業の財務状況を詳細に分析します。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
当社のPiotroski F-Scoreは2/9点でした。
- 総合スコア判定: C(やや懸念)
- 詳細: F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を評価するための9つの項目からなるチェックリストです。スコアが低い場合、財務状況に潜在的な課題がある可能性を示唆します。ナラサキ産業は2点という結果であり、特に収益性、効率性において課題が見受けられます。
- 収益性スコア: 1/3点: 営業キャッシュフローがプラスである点は評価されますが(ocf_positive: True)、ROA(総資産利益率)の改善が見られないため、収益資産の活用効率に改善の余地があります。
- 財務健全性スコア: 1/3点: 流動比率が健全な水準である点は評価されます(current_ratio_healthy: True)。しかし、負債の減少や発行済株式数の状況において明確な好転が見られないため、さらなる改善が必要です。
- 効率性スコア: 0/3点: 営業利益率や総資産回転率、売上総利益率の改善が見られず、効率性に関する全項目でスコアを獲得できていません。これは、売上は伸びているものの、その成果が利益や資産効率に十分に結びついていないことを示しています。
【収益性】
収益性は、企業がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す重要な指標です。
- 営業利益率(過去12か月): 3.19%
- 解説: 売上高に対する営業利益の割合で、本業の儲ける力を示します。一般的な目安として5%以上が望ましいとされますが、当社の3.19%は比較的低い水準にあります。直近の決算短信でも営業利益率が1.72%と報告されており、利益率改善が課題であることを裏付けています。
- ROE(実績): 8.93%
- 解説: Return On Equity(株主資本利益率)。株主が投下した資本に対して、企業がどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。一般的には10%以上が優良とされます。当社の実績8.93%は、ベンチマークに近い水準ではあるものの、更なる向上余地があります。
- ROA(過去12か月): 3.40%
- 解説: Return On Assets(総資産利益率)。会社の総資産をどれだけ効率良く使って利益を生み出しているかを示す指標です。一般的には5%以上が目安とされます。当社の3.40%はベンチマークを下回っており、総資産の効率的な活用をさらに進める必要があります。
【財務健全性】
財務健全性は、企業の負債状況や短期的な支払い能力を示す指標で、経営の安定性を評価する上で重要です。
- 自己資本比率(実績): 46.3%
- 解説: 総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める割合です。一般的に40%以上が健全とされ、当社の46.3%は安定した財務基盤を持っていることを示します。
- 流動比率(直近四半期): 1.50倍
- 解説: 流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示します。一般的に120%〜200%以上が良好とされ、当社の150%は短期的な資金繰りが良好であることを示しています。
- Total Debt/Equity(直近四半期): 5.44%
- 解説: 総負債を自己資本で割った比率で、企業の財政レバレッジを示します。5.44%という低い水準は、負債が非常に少なく、財務レバレッジが低い、すなわち債務負担が軽いことを示しており、非常に健全であると言えます。
【キャッシュフロー】
キャッシュフローは、企業の現金の動きを示すことで、会計上の利益では見えない資金の実態を把握するのに役立ちます。
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 1,190百万円
- 解説: 企業が本業で稼ぎ出した現金の流れを示します。プラスであることは、本業が順調に現金を創出していることを意味し、当社の値は健全な水準です。
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): -511百万円
- 解説: 営業活動で得た現金から、本業を維持・拡大するための投資活動に使われた現金を差し引いたものです。将来的に自由に使える現金の余裕を示し、一般的にプラスであることが望ましいとされます。当社のフリーキャッシュフローがマイナスであることは、直近の投資が先行している可能性や、運転資金の増加があった可能性を示唆しており、継続的なモニタリングが必要です。
【利益の質】
利益の質は、会計上の利益が現金として伴っているかを確認するための指標です。
- 営業CF/純利益比率: 0.53倍
- 解説: 営業キャッシュフローを純利益で割った比率です。一般的に1.0倍以上であることが「利益の質が健全」とされます。営業キャッシュフローは実際の現金の動き、純利益は会計上の計算結果であるため、この比率が1.0倍未満の場合、売掛金や棚卸資産の増加などにより、会計上の利益が現金として十分に入ってきていない可能性を示唆します。当社の0.53倍は「やや懸念」される水準であり、利益の「現金化」に課題があるかもしれません。
【四半期進捗】
直近の四半期決算から、通期予想に対する進捗状況と業績トレンドを確認します。
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)業績:
- 売上高: 53,472百万円(前年同期比+8.3%)
- 営業利益: 922百万円(前年同期比△5.0%)
- 親会社株主に帰属する中間純利益: 643百万円(前年同期比△2.1%)
- 通期予想に対する進捗率:
- 売上高進捗率: 約45.3%(通期予想118,000百万円に対し)
- 営業利益進捗率: 約26.3%(通期予想3,500百万円に対し)
- 純利益進捗率: 約25.7%(通期予想2,500百万円に対し)
- 直近3四半期の売上高・営業利益の推移(データなしのため中間期と過去12ヶ月の比較):
- 過去12ヶ月(直近通期見込み)と比較して、中間期では売上は堅調ですが、利益の進捗が通期予想に対して低い状況です。これは、特定の事業セグメントの利益率低下(電機関連)や損失継続(機械関連)、販管費の増加が影響していると分析されます。通期目標達成には、下半期における大幅な利益改善が必要です。
【バリュエーション】
ナラサキ産業の株価が現在の業績や資産に対して割安か割高かを評価します。
- PER(会社予想): 8.26倍
- 解説: 株価収益率(Price Earnings Ratio)。株価が1株当たり純利益の何倍かを示し、「株価が利益の何年分か」と解釈できます。業界平均PERが10.1倍であるのに対し、当社の8.26倍はこれを下回っており、利益面から見ると相対的に割安感があると言えます。
- PBR(実績): 0.78倍
- 解説: 株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)。株価が1株当たり純資産の何倍かを示し、「株価が純資産の何倍か」と解釈できます。1倍未満は企業の解散価値を下回る状態とされ、割安と判断されることが多いです。業界平均PBRが0.7倍であるのに対し、当社の0.78倍は業界平均と同水準であり、特段の割安感はありませんが、解散価値を下回るPBR1倍割れの状態が継続しています。
- 目標株価による判定:
- 業種平均PER基準の目標株価: 4,437円。現在の株価4,050円と比較すると、PER基準では割安であり、上昇余地がある可能性があります。
- 業種平均PBR基準の目標株価: 3,636円。現在の株価4,050円と比較すると、PBR基準ではやや割高である可能性が示唆されます。
総合的に見ると、PERベースでは割安感があるものの、PBRベースではほぼ適正水準であり、現在の株価は「適正」と判断できます。
【テクニカルシグナル】
直近の取引データから、テクニカル分析による売買シグナルを確認します。
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | トレンド方向は明確でない |
| RSI | 中立 | – | 買われすぎでも売られすぎでもない |
MACDとRSIのシグナルは現在「中立」であり、短期的なトレンド転換や過熱感・売られすぎといった明確な兆候は見られません。
【テクニカル】
株価の過去の動きや移動平均線との関係から、現在の株価位置を評価します。
- 52週高値・安値との位置: 現在株価4,050円は、52週高値4,185円(年初来高値)の92.6%の位置にあります。これは、過去1年間で株価が高値圏に推移していることを示唆しており、上昇トレンドの勢いが強い期間にあったと考えられます。
- 移動平均線との関係:
- 現在株価4,050円は、5日移動平均線(4,091.00円)を1.00%下回っています。これは短期的な上昇基調からの軽い調整または横ばいを意味する可能性があります。
- 25日移動平均線(4,000.00円)は1.25%上回っており、比較的短期的なモメンタムは維持されていると考えられます。
- 75日移動平均線(3,699.40円)を9.48%上回り、200日移動平均線(3,417.56円)を18.51%上回っています。これらの数値は、中長期的な上昇トレンドが継続していることを強く示唆しています。
- 長期株価トレンド:
- 1ヶ月リターン: +2.79%
- 3ヶ月リターン: +20.90%
- 6ヶ月リターン: +26.96%
- 1年リターン: +44.18%
- 全ての期間でプラスのリターンを記録しており、特に1年間のリターンは高い水準です。これは長期的に堅調な株価推移を示しています。
【市場比較】
日経平均やTOPIXといった主要市場指数との比較で、相対的なパフォーマンスを評価します。
- 日経平均比:
- 1ヶ月: 株式+2.79% vs 日経+8.77% → 5.97%ポイント下回る
- 3ヶ月: 株式+20.90% vs 日経+9.48% → 11.42%ポイント上回る
- 6ヶ月: 株式+26.96% vs 日経+35.76% → 8.80%ポイント下回る
- 1年: 株式+44.18% vs 日経+37.40% → 6.78%ポイント上回る
- 直近1ヶ月および6ヶ月では日経平均のパフォーマンスを下回っていますが、3ヶ月および1年では日経平均を上回るパフォーマンスを見せており、中長期的な相対的な強さが確認できます。
- TOPIX比:
- 1ヶ月: 株式+2.79% vs TOPIX+7.27% → 4.48%ポイント下回る
- TOPIXに対しても直近1ヶ月は劣後しています。
全体として、ナラサキ産業の株価は中長期的な上昇トレンドにあり、市場平均を上回る時期もありますが、直近では一時的に劣後している期間も見られます。
【注意事項】
⚠️ Piotroski F-Scoreが低く、PBRが1倍を下回っているため、バリュートラップ(企業価値に対して割安に見えるが、本質的な企業価値向上に課題があり、株価が停滞する状況)の可能性に注意が必要です。持続的な収益性や効率性の改善が見られなければ、株価が低迷する可能性があります。
【定量リスク】
定量分析に基づく株価変動のリスクを評価します。
- ベータ値 (5Y Monthly): 0.44
- 解説: ベータ値は市場全体の動きに対する個別銘柄の株価の感応度を示します。1.0より小さい場合、市場全体の変動に比べて株価の変動が小さいことを意味します。0.44という値は、ナラサキ産業の株価が市場の動きに比較的連動しにくく、安定性が高い傾向にあることを示唆しています。
- 年間ボラティリティ: 28.50%
- 解説: 株価の変動の激しさ(リスク)を示します。この数値から、仮に100万円投資した場合、年間で約±28.5万円程度の変動(標準偏差に基づく)が想定されます。比較的大きな変動リスクを伴う可能性があります。
- 最大ドローダウン: -38.18%
- 解説: 過去の一定期間で記録された最も大きな下落率です。この程度の短期間での下落は今後も起こりうるという覚悟が必要です。過去のデータから、一時的に株価が約38%下落する可能性があったことを意味します。
- シャープレシオ: -0.36
- 解説: 投資のリスク(ボラティリティ)に見合ったリターンが得られているかを評価する指標です。1.0以上が良好とされますが、マイナスである場合、リスクに見合うリターンが得られていない、あるいはリスクを取った結果リターンがマイナスであったことを示唆しており、投資効率は低いと評価されます。
【事業リスク】
主要な事業活動に影響を与える可能性のあるリスク要因を評価します。
- 事業セグメント間の収益性格差と利益率改善の遅延: 電機関連事業は堅調な売上を見せる一方で利益率が低下し、機械関連事業は売上・利益ともに低迷しています。建設・エネルギー関連事業が全体を牽引していますが、このような事業間の収益性格差が拡大し、全体としての利益率改善が進まない場合、企業全体の収益目標達成が困難になる可能性があります。特に、Piotroski F-Scoreで示された低い効率性は、この問題が構造的なものである可能性を示唆しています。
- 外部環境要因(原材料・燃料価格の高騰、人手不足): 商社事業は原材料や燃料価格の変動に直接影響を受けやすく、特にエネルギー関連事業において価格高騰が続き、販売価格への転嫁が十分でない場合、収益を圧迫する可能性があります。また、海運関連事業や建設現場における人手不足は、事業運営コストの増加や工事・引渡しの遅延を招き、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
- 特定の大型案件への依存と地域経済の変動: 北海道新幹線工事のような大型インフラ投資案件は、当社の建設・エネルギー関連事業の売上を大きく牽引していますが、これらの工事が完了したり、地域経済の景気変動や投資計画が変更されたりした場合、代替となる収益源の確保が課題となる可能性があります。地域に根差した事業であるゆえに、地域経済の動向に業績が左右される側面があります。
信用取引状況
- 信用買残: 32,400株
- 信用売残: 0株
- 信用倍率: 0.00倍
- 解説: 信用売残が0株であるため信用倍率は0.00倍となっています。信用買残が32,400株存在することは、将来的にこれらの株式が返済のための売り注文となる可能性があり、一定の売り圧力要因になり得ます。ただし、発行済株式数5,325,600株と比較すると、信用買残の規模は相対的に小さいと言えます。
主要株主構成
- 上位3社は以下の通りです。
- 三菱電機: 7.87%
- 光通信KK投資事業有限責任組合: 6.14%
- 三菱UFJ信託銀行: 4.34%
- 解説: 三菱電機が筆頭株主であることは、主要代理店としての強固な関係性を示唆しており、事業安定性の一因となる可能性があります。また、信託銀行などの機関投資家が上位に名を連ねていることから、比較的安定した株主構成であると評価できます。
配当利回り、配当性向
- 配当利回り(会社予想): 3.21%
- 解説: 株価に対する1株当たりの年間配当金の割合です。3.21%という利回りは、現在の低金利環境下において相対的に高い水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
- 1株配当(会社予想): 130.00円
- 配当性向(会社予想2026年3月期): 26.3%
- 解説: 当期純利益のうち、どれだけの割合を配当金として株主に還元するかを示す指標です。一般的に30%〜50%が標準的な水準とされます。当社の予想配当性向26.3%は控えめな水準であり、これは企業内に利益を留保して事業投資や財務体質の強化に充てる方針、あるいは今後の配当余力があることを示唆すると考えられます。
- 配当金履歴(2026年3月期予想): 年間130円(期末130円)と、過去数期にわたって増配傾向にあります。これは、企業が株主還元に積極的な姿勢を示していると解釈できます。
自社株買いの状況
- 直近の決算短信において、大規模な自社株買いに関する記載は特にありませんでした。自己株式数は201,435株と、期首から減少しています。これは、自社株買いを継続的に行っているのではなく、従業員持株会への譲渡やストックオプション行使によるものかもしれません。
SWOT分析
強み (Strengths)
- 地域密着型の多角化事業ポートフォリオ: 北海道という特定の地域に深く根差した電機、機械、建設・エネルギー、海運など多様な事業展開により、地域経済の変動に対応しやすく、安定した顧客基盤と収益源を確保しています。特に三菱電機代理店としての実績は大きい。
- 堅実な財務健全性: 自己資本比率46.3%、流動比率150%といった良好な指標に加え、低調な負債比率(Total Debt/Equity 5.44%)は、不測の事態にも対応できる安定した財務体質を示しています。
弱み (Weaknesses)
- 低い収益性と粗利率: 過去12ヶ月の営業利益率3.19%は業界平均と比較して低く、特に機械関連事業は赤字が継続しています。売上総利益率および効率性に関するPiotroski F-Scoreが低いことから、収益構造そのものに課題がある可能性があります。
- 利益の質の課題: 営業キャッシュフローの純利益に対する比率が0.53倍と低く、会計上の利益が現金として伴っていない状況が見られます。これは運転資金の増加や売掛金の回収効率など、資金繰りの課題を示唆する可能性があります。
機会 (Opportunities)
- 北海道のインフラ投資需要: 北海道新幹線工事やデータセンター・半導体関連施設の建設など、地域における大規模なインフラ投資や産業投資が継続しており、建設・エネルギー関連や電機関連事業にとって大きな成長ドライバーとなり得ます。
- 事業ポートフォリオの見直しと効率化: 中期経営計画に基づく事業の選択と集中、M&Aや事業再編などを通じた効率化努力により、収益性の低い事業の改善や高成長分野への資源集中を図ることで、企業価値を向上させる可能性があります。
脅威 (Threats)
- 外部環境要因とコスト上昇: 原材料・燃料価格の高止まり、物流コストの上昇、人手不足の慢性化は、主要事業セグメント(建設・エネルギー、海運)の利益を圧迫する大きなリスクです。これらのコスト増や人件費上昇を販売価格に適切に転嫁できない場合、収益性がさらに悪化する可能性があります。
- PBR1倍割れに伴う市場からの評価: PBRが1倍を下回る水準が継続することは、株主から「低効率経営」と見なされるリスクがあります。市場が企業価値を低く評価する状態が続けば、株価の本格的な上昇が期待しにくく、株主提案の対象となる可能性も考えられます。
この銘柄が向いている投資家
- 安定配当を求める長期投資家: 3.21%という比較的高水準の配当利回りと、増配実績があることから、安定的なインカムゲインを期待する投資家には魅力的です。
- 地域経済成長に期待するバリュー投資家: 北海道経済の成長やインフラ投資の恩恵を受ける可能性があり、PBR1倍割れの割安感に注目し、企業の潜在的な価値向上の達成を待つ投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性改善の進捗状況: 低い営業利益率と利益の質の課題を克服し、通期利益目標を達成できるかどうか、今後の四半期決算で利益率改善の具体的な兆候が見られるかを注視する必要があります。特に機械関連事業の黒字転換が重要です。
- Piotroski F-Scoreの動向: 財務品質の指標であるPiotroski F-Scoreが改善傾向を示すかどうかが、企業の体質改善を測る重要なバロメーターとなります。特に効率性スコアの改善に注目すべきです。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の推移とセグメント別利益の改善: 特に機械関連事業の収益性改善と、全社的な営業利益率が5%を超えるまで向上できるか。
- フリーキャッシュフローの継続的なプラス転換: 投資キャッシュフローとのバランスを取りながら、本業で稼いだ現金が自由に使えるお金として残るよう、フリーキャッシュフローがプラスに転じ維持できるか。
- PER・PBRの推移と業界平均との乖離: 低PBRの是正に向けた株主還元強化や、事業効率改善の取り組みが市場から評価され、バリュエーション指標が向上するか。
成長性
- スコア: B
- 根拠: 過去5年間で売上高は年率約5%〜8%と堅実に増加しており、直近の過去12か月売上高も116,588,000千円と伸長しています。しかし、直近四半期では売上増に対し利益進捗が通期予想に対して低い状況が見られ、成長の質には課題が残るため、スコアを「B」と評価しました。
収益性
- スコア: C
- 根拠: ROE(実績)8.93%は目安の10%に届かず、過去12か月営業利益率3.19%は一般的な目安の5%を下回っています。Piotroski F-Scoreの収益性スコアも1/3と低く、全体の収益性が業界内やベンチマークと比較して改善の余地が大きいと判断されるため、「C」と評価しました。
財務健全性
- スコア: A
- 根拠: 自己資本比率46.3%は安定水準の40%を大きく上回り、流動比率150%も短期的な資金繰りの良好さを示しています。また、Total Debt/Equity比率が5.44%と極めて低く、負債が少ない強固な財務体質です。Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアも1点ではありますが、これらの指標から全体として「良好な安定性」を持つと判断し、「A」と評価しました。
バリュエーション
- スコア: B
- 根拠: PER(会社予想)8.26倍は業界平均10.1倍を下回っており、利益面から見れば割安感があります。しかし、PBR(実績)0.78倍は業界平均0.7倍と同水準であり、解散価値とされる1倍を下回っているものの、PBR観点からは特段の割安とは言えません。総合すると極端な割安・割高ではなく、現在の株価は「適正な水準」であると判断し、「B」と評価しました。
企業情報
| 銘柄コード | 8085 |
| 企業名 | ナラサキ産業 |
| URL | http://www.narasaki.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,050円 |
| EPS(1株利益) | 490.50円 |
| 年間配当 | 3.21円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 1.5% | 9.5倍 | 5,016円 | 4.4% |
| 標準 | 1.1% | 8.3倍 | 4,288円 | 1.2% |
| 悲観 | 1.0% | 7.0倍 | 3,619円 | -2.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,050円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,140円 | △ 89%割高 |
| 10% | 2,673円 | △ 52%割高 |
| 5% | 3,373円 | △ 20%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。