企業の一言説明
津田駒工業は、繊維機械(特にジェットルーム)において世界トップクラスのシェアを誇るリーディングカンパニーであり、工作機械関連事業も展開する日本の機械製造企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 世界シェアNo.1の技術力と海外展開力: ジェットルームは世界首位のシェアを持ち、収益の大部分を中国、インドといった成長する海外市場で上げており、その技術力と市場開拓力は強みです。
- 営業キャッシュフローの継続的な改善と黒字転換への期待: 過去数期にわたる厳しい業績から脱却し、営業キャッシュフローはプラスを維持しています。直近の決算では純損失を計上したものの、次期(2026年11月期)には営業利益700百万円、純利益250百万円の黒字転換を見込んでいる点は注目されます。
- 極めて低い財務健全性と継続企業の前提に関する重要な不確実性: 自己資本比率が9.7%と極めて低く、流動比率も100%を下回っています。会社自身が「継続企業の前提に関する重要な不確実性」を注記しており、財務基盤の脆弱さと事業継続性に重大な課題を抱えている点は、投資を検討する上で最も注意すべきリスクです。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | D | 懸念 |
| 財務健全性 | D | 懸念 |
| バリュエーション | D | 割高 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 490.0円 | – |
| PER | 12.5倍 | 業界平均10.7倍 |
| PBR | 1.10倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -8.75% | – |
1. 企業概要
津田駒工業は、繊維機械、工作機械関連、コンポジット機械の製造・販売を手掛ける日本の産業機械メーカーです。主力は織機(特にジェットルーム)や準備機などの繊維機械で、世界的なシェアを誇ります。高い技術力とグローバルな販売網が特徴で、収益モデルは製品販売とその後のメンテナンスサービスが中心です。特にジェットルーム技術においては世界トップレベルの独自性を持ち、産業資材分野への展開も進めています。
2. 業界ポジション
津田駒工業は、繊維機械業界においてリーディングカンパニーであり、特にジェットルームにおいては世界首位の市場シェアを持つグローバルニッチトップ企業です。競合に対しては、長年の技術蓄積と顧客ネットワーク、海外市場(特に中国、インドなどアジア地域)での強固なプレゼンスが強みです。一方で、多額の有利子負債や低い自己資本比率など、財務健全性においては厳しい状況にあります。バリュエーション指標を見ると、PERは12.5倍と業界平均10.7倍より高く、PBRも1.10倍と業界平均0.7倍を上回り、相対的に割高な水準で評価されている状態です。
3. 経営戦略
津田駒工業は「中期経営計画2026」の下、収益性改善と財務基盤立て直しを最重要課題と位置付けています。具体的には、新機種「ZAX001neo Terry」の発表と受注獲得、産業資材分野の拡大、製品プラットフォーム化によるコストダウン、工作機械の新製品開発と省人化対応、コンポジット分野への注力、DX推進などの施策を進めています。直近の適時開示としては、令和8年2月25日に定時株主総会、令和8年2月24日に有価証券報告書が提出される予定です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 3/9 | B: 普通(複数の改善点あり) |
| 収益性 | 1/3 | 営業キャッシュフローがプラス。 |
| 財務健全性 | 1/3 | 株式の希薄化は回避。 |
| 効率性 | 1/3 | 四半期売上成長率がプラス。 |
F-Scoreの総合スコアは3点と、財務状況に複数の改善点があることを示しています。収益性では営業キャッシュフローがプラスであるものの、純利益やROAはマイナスです。財務健全性では株式の希薄化は回避できていますが、流動比率や負債資本比率はベンチマークを下回っています。効率性では四半期売上成長率がプラスではあるものの、営業利益率やROEは低い水準にあります。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 2.29% (ベンチマーク: 5%以上が一般的、10%以上が良好)
- 前年度の1.09%からは改善しているものの、依然として低い水準です。利益創出能力には課題があると言えます。
- ROE(実績): -8.75% (ベンチマーク: 10%以上が一般的)
- Return on Equity(自己資本利益率)は、株主から預かった資本をどれだけ効率良く使って利益を出したかを示す指標です。マイナスであるため、株主資本を効率的に活用できていない状況です。
- ROA(実績): -0.17% (ベンチマーク: 5%以上が一般的)
- Return on Assets(総資産利益率)は、会社の総資産をどれだけ効率良く使って利益を出したかを示す指標です。マイナスであるため、企業の総資産が生み出す利益もマイナスで、資産活用に課題があります。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 9.7% (ベンチマーク: 40%以上が安定)
- 総資産に占める自己資本の割合が極めて低く、財務の安全性が非常に脆弱であることを示しています。
- 流動比率(直近四半期): 0.89倍 (ベンチマーク: 200%以上が望ましい、100%以上で短期債務返済能力が目安)
- 流動負債に対する流動資産の比率が1倍を下回っており、短期的な負債の返済能力に課題があることを示唆しています。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): +987百万円
- 本業でキャッシュを生み出せている点はプラス評価です。
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): +1,090百万円
- 営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いたもので、企業の自由に使える資金の状況を示します。プラスであるため、事業活動により資金が生み出されており、投資や負債返済に充てられる余力があることを示します。
【利益の質】
- 営業キャッシュフロー/純利益比率: 約-3.77倍 (ベンチマーク: 1.0以上が健全)
- 純損失計上により比率はマイナスとなっています。会計上の利益がマイナスであるにも関わらず、営業キャッシュフローがプラスである点は、現金の流出を伴わない費用(減価償却費など)が大きく、利益以上に本業でキャッシュを稼げているとも解釈できます。しかし、純利益がマイナスである以上、利益の質は健全とは言えません。
【四半期進捗】
提供されたデータには通期予想に対する直近四半期の詳細進捗情報は含まれていません。ただし、2025年11月期決算短信では、前年比で売上高35,447百万円(△2.7%減収)、営業利益△79百万円(営業損失へ転落)となりました。次期(2026年11月期)には売上高36,000百万円(+1.6%増収)、営業利益700百万円と黒字転換を見込んでいます。
【バリュエーション】
- PER(株価収益率): 12.5倍 (予想EPS 39.14円に基づく。業界平均: 10.7倍)
- 株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標で、業界平均より高いため、相対的に割高感が示唆されます。ただし、前年度が赤字だったことを考慮すると、次期の黒字転換予想に期待が込められている可能性があります。
- PBR(株価純資産倍率): 1.10倍 (実績BPS 445.74円に基づく。業界平均: 0.7倍)
- 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、業界平均より大幅に高いため、純資産価値と比較しても割高感が示唆されます。1倍以上であるため、会社の解散価値を上回って評価されています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | 短期トレンド方向は明確なシグナルなし |
| RSI | 中立 | – | 買われすぎでも売られすぎでもない |
MACDとRSIは中立を示しており、短期的な明確なトレンド転換シグナルは出ていません。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 現在株価490.0円は52週レンジ(安値331.0円~高値748.0円)の約38.1%の位置にあります。これは安値圏に近い水準であることを示しています。
- 移動平均線との関係: 現在株価490.0円は、5日移動平均線(536.80円)と25日移動平均線(560.36円)を下回っており、短期的な下降トレンドにあることを示唆しています。一方で、75日移動平均線(415.80円)と200日移動平均線(384.03円)は上回っており、中長期的なトレンドはまだ上昇基調を維持している可能性があります。
【市場比較】
- 日経平均との相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターンでは日経平均を16.38ポイント下回るパフォーマンスで、直近は低迷しています。
- 3ヶ月リターンでは日経平均を34.69ポイント上回り、短中期では市場をアウトパフォームしていました。
- 1年リターンでは日経平均を24.77ポイント下回る結果となっており、年間の視点では市場に劣後しています。
- TOPIXとの相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターンではTOPIXを14.68ポイント下回っており、日経平均と同様に直近は低調です。
【注意事項】
⚠️ 信用買残が420,800株と信用売残127,300株に対して信用倍率が3.31倍と、売り圧力は限定的ですが、今後の株価上昇局面で信用買い残が短期的な売り圧力となる可能性には注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5年月次): 0.59
- 市場全体の動き(S&P 500)に対して、津田駒工業の株価がどの程度変動するかを示します。1より小さいため、市場全体よりも株価変動は比較的穏やかであると解釈できます。
- 年間ボラティリティ: 41.64%
- 年間平均リターンは-4.38%であり、過去のデータに基づくと、仮に100万円投資した場合、年間で±41.64万円程度の変動が想定され、株価の変動リスクは高いと言えます。
- シャープレシオ: -0.12
- リスク(ボラティリティ)1単位あたりにどれだけの超過リターンを得られたかを示す指標です。マイナスであるため、リスクに見合うリターンを得られていなかったことを示します。
- 最大ドローダウン: -52.36%
- 過去の市場で経験した最大の下落率です。この程度の大きな下落が今後も起こりうるリスクがあることを認識しておくべきです。
【事業リスク】
- 中国市場への依存と地政学リスク: 繊維機械事業の海外売上高の多くを中国に依存しており、中国経済の減速や日中・米中の政治対立が事業環境に大きな影響を与える可能性があります。
- 為替変動および原材料・物流コストの高騰: 海外売上高比率が高いため、為替変動が収益に与える影響が大きいです。また、原材料価格や海上運賃、エネルギー価格の高騰は製造コストを押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。
- 財務基盤の脆弱性: 自己資本比率が低く、継続企業の前提に関する重要な不確実性が会社より明記されています。資金調達の制約や金利上昇リスク、予期せぬ費用発生による財務状況の悪化が継続的な課題です。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残は420,800株、信用売残は127,300株で、信用倍率は3.31倍です。信用買い残が売り残を上回っているため、今後の株価上昇局面では短期的な売り圧力となる可能性があります。
- 主要株主構成: 上位株主には、自社取引先持株会(19.46%)、日本カストディ銀行(信託口)(9.62%)、HSU CHENG CHUNG氏(6.17%)、自社(自己株口)(6.17%)などが名を連ねています。企業の安定株主が一定割合を占めていますが、特定の大株主が経営に大きな影響を与えうる構成です。
8. 株主還元
- 配当利回り: 0.00%
- 2019年11月期を最後に無配が続いており、2026年11月期も無配予想です。
- 配当性向: 0.00%
- 無配のため、配当性向も0%です。
- 自社株買いの状況: 現時点では自社株買いに関する明確な開示データはありません。
- 株主還元方針は安定配当の継続が基本方針とされていますが、現在の厳しい財務状況から、財務基盤の強化と内部留保の確保が優先されています。
SWOT分析
強み
- 繊維機械(ジェットルーム)における世界トップクラスの市場シェアと高い技術力。
- 中国・インドなど成長市場を含むグローバルな販売ネットワークと顧客基盤。
弱み
- 自己資本比率が9.7%と極めて低いなど、財務基盤が脆弱であること。
- 過去数期の営業損失計上や、直近決算での営業損失転落に見られる収益の不安定さ。
機会
- コンポジット機械や省人化対応の工作機械など、新規技術・市場への事業領域拡大。
- アジアを中心とした産業発展に伴う繊維機械のニーズ増加、特に高機能繊維分野での需要拡大。
脅威
- 日中・米中対立、中国経済の不透明性などの地政学的リスクと市場環境の変動。
- 原材料費や物流費の高騰、為替変動が業績に与える影響の増大。
この銘柄が向いている投資家
- 高いリスク許容度を持つターンアラウンド投資家: 財務健全性に課題があるものの、事業構造改革と収益改善の成功シナリオに賭けられる投資家。
- グローバルニッチトップ技術に投資したい投資家: 世界シェアトップの技術力を持つ日本企業を応援したい、長期的な回復を期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 継続企業の前提に関する注記の重要性: 会社自身が「継続企業の前提に関する重要な不確実性」を明記しているため、企業存続のリスクを認識した上で投資を検討する必要があります。
- 財務状況の抜本的改善の必要性: 低い自己資本比率、流動比率、高水準の有利子負債など、財務基盤の脆弱性が最大の課題です。今後の財務戦略や資金調達動向、収益性改善策の進捗を注意深くウォッチする必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 自己資本比率: 目標20%以上
- 営業利益率: 目標5%以上
- 継続企業の前提に関する注記の解消
- 新規受注高および受注残高の推移(特に高付加価値分野)
- 有利子負債残高の削減状況
成長性: C (やや不安)
- 根拠: 直近の四半期売上成長率(前年比)は3.20%であり、過去5期の売上高推移も停滞感が見受けられます。次期の黒字転換予想はあるものの、継続的な高成長を見込むには不確実性が高い状態です。
収益性: D (懸念)
- 根拠: ROEが-8.75%、かつ過去12ヶ月の営業利益率が2.29%と、いずれもベンチマークを大きく下回っています。純損失を計上し、収益創出力に深刻な課題を抱えている状況です。
財務健全性: D (懸念)
- 根拠: 自己資本比率が9.7%と極めて低く、流動比率も0.89倍と短期的な債務返済能力に懸念があります。F-Scoreは3点と部分的改善点はあるものの、全体として財務基盤は非常に脆弱であり、会社自身も継続企業の前提に関する重要な不確実性を開示しています。
バリュエーション: D (割高)
- 根拠: 予想PERは12.5倍と業界平均10.7倍を上回り、実績PBRは1.10倍と業界平均0.7倍を大きく上回っています。財務健全性に課題を抱え、直近は純損失であるにも関わらず、業界平均と比較して株価は割高に評価されていると判断されます。
企業情報
| 銘柄コード | 6217 |
| 企業名 | 津田駒工業 |
| URL | http://www.tsudakoma.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 490円 |
| EPS(1株利益) | 39.14円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 2.1% | 14.4倍 | 624円 | 4.9% |
| 標準 | 1.6% | 12.5倍 | 530円 | 1.6% |
| 悲観 | 1.0% | 10.6倍 | 437円 | -2.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 490円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 263円 | △ 86%割高 |
| 10% | 329円 | △ 49%割高 |
| 5% | 415円 | △ 18%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。