企業の一言説明
丸一鋼管は溶接鋼管の製造・販売を展開する国内首位の独立系企業です。建設、機械、農業用への供給を主力とし、北米・アジアなど海外へも積極的に事業を展開しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて強固な財務体質と盤石な自己資本比率: 自己資本比率80%超、流動比率400%超を誇り、財務の安定性は国内屈指の水準です。Piotroski F-Scoreも7点を獲得し、財務優良と評価されます。
- 北米事業の採算改善と高水準の営業利益率: 足元では売上高が減少傾向にあるものの、北米事業の利益が大きく改善しており、連結での営業利益率は14%を超える高水準を維持しています。
- 市場環境変動(為替、原材料市況、海外政策)への感応度: 鉄鋼セクター特有の原材料(HRC)市況や為替変動、各国での通商政策(関税など)が業績に大きく影響するため、売上高は変動しやすい性質を持ちます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 減収傾向 |
| 収益性 | A | 良好な水準 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良 |
| バリュエーション | D | 割高感強い |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,525.5円 | – |
| PER | 15.72倍 | 業界平均8.0倍 |
| PBR | 1.02倍 | 業界平均0.6倍 |
| 配当利回り | 2.94% | – |
| ROE | 7.82% | – |
1. 企業概要
丸一鋼管(5463)は1947年設立の独立系溶接鋼管最大手企業です。建設、機械、農業用、自動車部品、ガス・水道管、電線管など多岐にわたる用途の鋼管を製造・販売しています。主力事業は鋼管で連結売上高の82%を占め、表面処理鋼板も展開。日本、北米、アジア市場に積極的に進出し、特に北米市場は収益の柱の一つです。次世代造管機の共同開発など、技術革新にも取り組んでいます。
2. 業界ポジション
丸一鋼管は国内溶接鋼管市場で首位を誇るリーディングカンパニーです。建設関連に強く、また積極的な海外展開によりグローバルな事業基盤を確立しています。海外事業が連結売上高の46%を占める点が強みです。競合他社と比較しても、独自の生産技術と高品質な製品供給力で差別化を図っています。
財務指標については、PER 15.72倍は業界平均8.0倍と比較して高水準、PBR 1.02倍は業界平均0.6倍と比較して割高感があります。これは同社が堅実な財務体質と安定した収益基盤を持つと市場が評価している側面もありますが、現在の株価には一定のプレミアムが乗っていることを示唆します。
3. 経営戦略
丸一鋼管は「第7次中期経営計画」を推進しており、主要施策を着実に実行しています。最近では2025年10月1日付で普通株式の1対3の株式分割を実施し、子会社である丸一鋼販を簡易株式交換で完全子会社化するなど、組織効率化と資本政策を進めています。
設備投資に関しては、次世代造管機の導入、下関でのステンレス溶接鋼管工場建屋着工、北米・メキシコでの工場建設など、生産能力の強化と高付加価値製品へのシフトを進めています。
今後のイベント:
- 2026年2月9日 6:30 AM UTC: 決算発表
- 2026年3月30日 12:00 AM UTC: 配当落ち日
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益がプラス、営業キャッシュフローがプラス、ROAがプラスと全てクリアし、収益性は優良。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が1.5以上、D/Eレシオが1.0未満、株式希薄化なしと全て高水準で、財務健全性も優良。 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率が10%を上回るものの、ROEが10%を下回り、四半期売上成長率がマイナスであったため、効率性には改善の余地があります。 |
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 14.46%
- 一般的に10%以上で良好とされる中で、同社の営業利益率は高水準を維持しており、本業でしっかりと稼ぐ力があることを示しています。
- ROE(実績): 7.82%
- ROEは株主資本をいかに効率的に利用して利益を生み出したかを示す指標で、一般的な目安とされる10%をわずかに下回ります。しかし、安定経営を重視する企業としては許容範囲と言えます。
- ROA(過去12か月): 3.63% (ベンチマーク: 5%)
- 総資産に対する利益率を示すROAも、目安の5%を下回っており、資産効率性の改善余地を示唆します。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 80.9%
- 負債に頼らず、自己資金で事業を賄う力が非常に強いことを示します。非常に高い水準であり、財務基盤は極めて安定していると評価できます。
- 流動比率(直近四半期): 432%
- 1年以内に現金化できる資産(流動資産)が、1年以内に返済すべき負債(流動負債)の何倍あるかを示す指標です。200%以上が望ましいとされる中で、非常に高い水準であり、短期的な支払い能力に全く問題がないことを示しています。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 216.9億円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): 136.3億円
- 営業活動で安定的にキャッシュを生み出し、設備投資や有利子負債の返済などに充てるフリーキャッシュフローもプラスを維持しており、事業活動から健全なキャッシュフローが確保されていることがわかります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 0.71 (1.0以上=健全、1.0未満=要確認)
- 純利益に対して営業キャッシュフローが0.71倍と1.0を下回っています。これは、過去12か月の純利益の一部が実際にはキャッシュアウトを伴わない会計処理(例:減価償却費などの非現金費用)によって押し上げられていたり、または、売掛金や在庫の増加など運転資金の増加によってキャッシュフローが一時的に圧迫されている可能性を示唆します。利益の質は「普通(利益の大部分がキャッシュ裏付け)」と評価できますが、今後の動向は注視が必要です。
【四半期進捗】
2026年3月期第2四半期(中間期)決算では、通期予想(下方修正後)に対して売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに約48~49%の進捗率で推移しており、概ね予定通りの進捗と言えます。
- 売上高(前年同期比): △9.7%
- 営業利益(前年同期比): +18.6%
- 純利益(前年同期比): +45.1%
売上高は国内・アジアの販売減やHRC価格低下で減少しましたが、北米事業の利益大幅増と前期に計上された一時的な特別損失(株式報酬費用)の減少により、利益は大幅に改善しました。今後の通期達成は北米市況、アジアの回復、半導体向け需要、関税リスクの動向に依存します。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 15.72倍
- PBR(実績): 1.02倍
- 業界平均PER 8.0倍、業界平均PBR 0.6倍と比較すると、同社のPERおよびPBRは割高な水準にあります。これは、市場が同社の安定した財務基盤や収益力、安定した株主還元を評価しているためと考えられますが、割安感は乏しく、現在の株価は業界水準と比較してプレミアムが乗っている状態です。提供データによる目標株価はPER基準で1030円、PBR基準で899円と、現在の株価(1525.5円)と大きく乖離しており、バリュエーション面では割安とは言えません。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | 短期的な明確なトレンドは確認できません。 |
| RSI | 中立 | – | 買われすぎでも売られすぎでもない状態です。 |
| 移動平均乖離率 | 上方乖離/下方乖離/中立 | [±○%] | 25日線からはわずかに上方乖離、75日線・200日線からは大幅に上方乖離しており、中長期の上昇トレンドを示唆しています。 |
| 5日線乖離率 | 下方乖離 | -1.52% | 短期的な押し目または調整局面を示唆します。 |
| 25日線乖離率 | 上方乖離 | +1.40% | 短期的な上昇トレンドが持続している可能性があります。 |
| 75日線乖離率 | 上方乖離 | +8.92% | 中期的な上昇トレンドが継続しています。 |
| 200日線乖離率 | 上方乖離 | +19.93% | 長期的な上昇トレンドが明確です。 |
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 現在株価1,525.5円は52週高値1,579円に近く、52週安値1,016円からは大きく上昇した高値圏に位置しています(52週レンジ内位置: 21.1%)。
- 移動平均線との関係: 現在株価は25日、75日、200日移動平均線を上回っており、中長期的な上昇トレンドを示しています。ただし、5日移動平均線は下回っており、短期的には調整局面に入っている可能性があります。
【市場比較】
- 日経平均比: 1ヶ月では日経平均を1.54%ポイント下回っていますが、3ヶ月では日経平均を6.18%ポイント上回るパフォーマンスを見せています。ただし、1年リターンでは日経平均を93.15%ポイント下回っており、長期では市場全体より大幅に劣後しています。
- TOPIX比: 1ヶ月ではTOPIXを0.69%ポイント上回っており、直近の市場相対パフォーマンスは良好です。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 153.24%
- 株価の変動性が非常に高いことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±153万円程度の変動が想定され、短期的な価格変動リスクは大きいと言えます。
- ベータ値(5Y Monthly): 0.09
- 市場全体の動き(ここではS&P 500)に対する株価の連動性を示す指標です。0.09と非常に低く、市場全体の変動にはあまり影響されませんが、個別の材料や業績動向による変動が大きいことを意味します。
- 最大ドローダウン: -34.20%
- 過去の一定期間における最大の下落率を示します。仮に100万円投資した場合、過去には最大で34.2万円の含み損が発生した可能性があることを示しており、同程度の損失は今後も起こり得るリスクとして認識すべきです。
【事業リスク】
- 原材料価格と為替変動リスク: 鋼材価格の変動は収益性に直結します。特に北米事業では熱延鋼板(HRC)市況やドル円為替レートの変動が業績に大きな影響を与えます。
- 海外市場の通商政策と地政学リスク: 米国でのアンチダンピング措置など、主要市場における通商政策の変更や国際情勢の悪化が輸出・販売に影響を及ぼす可能性があります。特にアジア事業ではベトナムSUNSCOでの米国向け製品への関税影響が顕在化しています。
- 需要変動と設備投資の遅延・非効率化: 建設、自動車、半導体など主要な需要先の景気変動による鋼管需要の落ち込みリスクがあります。また、積極的な設備投資(新工場立上げなど)が計画通りに進まない場合や、投資効果が想定より低い場合は収益を圧迫する可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残97,100株に対し、信用売残68,000株で、信用倍率1.43倍と、比較的低水準です。これは将来的な売り圧力は限定的であると解釈できます。
- 主要株主構成:
- 自社(自己株口): 9.74%
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 9.48%
- ヨシムラホールディングス: 5.6%
- 機関投資家保有比率が33.19%と一定の割合を占め、個人投資家だけでなく、プロの投資家からも注目されていることがわかります。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.94%
- 1株配当(会社予想): 44.83円 (2026年3月期、株式分割後)
- 配当性向(2025年3月期): 38.7%
- 30-50%が一般的な目安とされる中で、安定した配当方針を維持しています。会社は株式分割(1→3)後も実質増配としており、株主還元への意欲が見られます。
- 自社株買いの状況: 直近の中間期で自己株式取得5,815百万円を実施しており、配当金と合わせて積極的な株主還元策を実行しています。
SWOT分析
強み
- 国内溶接鋼管最大手の市場地位とブランド力。
- 自己資本比率80%超、流動比率400%超の極めて強固な財務体質。
弱み
- 売上高が最近の数期で減少傾向にあり、成長性に懸念。
- 原材料市況(特にHRC)や為替変動に利益構造が影響されやすい。
機会
- 北米やその他海外市場における事業拡大と高付加価値製品の販売促進。
- 次世代造管機導入など設備投資による生産性向上と競争力強化。
脅威
- グローバルな景気後退や建設投資の低迷による需要減退。
- 各国における通商政策(関税など)の変更や地政学的リスクの高まり。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローは、不況時にも耐えうる強固な企業体質を示しており、長期的な視点で安心して保有したい投資家に向いています。
- 配当と自己株買いによる株主還元を評価する投資家: 安定した配当利回りと積極的な自己株買いは、株主への利益還元に期待する投資家にとって魅力的です。
- 海外事業展開による成長可能性に期待する投資家: 北米市場の成長や、アジア市場の将来的な回復に期待し、グローバルに事業を展開する企業に投資したいと考える投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 業績の変動性: 原材料価格の変動や為替レート、各国通商政策に業績が左右されやすいため、これらの外部環境要因の動向を常に把握する必要があります。
- 成長性の鈍化: 直近の売上高は減少傾向にあり、今後の成長ドライバーがどこにあるのか、中期経営計画と実際の進捗を照らし合わせて慎重な評価が必要です。
- バリュエーションの割高感: 業界平均と比較してPERやPBRは割高であるため、株価の上値余地には注意が必要です。
今後ウォッチすべき指標
- 北米事業の収益動向(HRC価格とスプレッド): 北米市場での鉄鋼市況(HRC価格)と製品価格とのスプレッド(利幅)が利益に大きく影響するため、その動向を注視する必要があります。
- アジア事業の回復状況: ベトナムでの課題が顕在化しているアジア事業の売上・利益の回復状況は、今後の連結業績を左右する重要な要素です。
- 設備投資の効果と新規事業の進捗: 次世代造管機の稼働やステンレス事業拡大、海外新工場の立ち上げが、計画通りの生産性向上や収益貢献に繋がるかを確認していく必要があります。
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: D (減収傾向)
- 直近の四半期売上高成長率が前年同期比でマイナス7.80%となっており、2026年3月期の通期売上高予想も前期比で減収が見込まれるため、「減収」と評価します。
- 収益性: A (良好な水準)
- 営業利益率が14.46%と良好な水準にある一方、ROEは7.82%と一般的な目安の10%を下回ります。しかし、安定経営を重視する中で、全体として良好な収益性を維持していると評価します。
- 財務健全性: S (極めて優良)
- 自己資本比率80.9%、流動比率432%といずれも極めて高く、Piotroski F-Scoreも7点を獲得していることから、非常に健全で盤石な財務体質であると評価します。
- バリュエーション: D (割高感強い)
- PER 15.72倍は業界平均8.0倍の約196%であり、PBR 1.02倍は業界平均0.6倍の約170%であるため、業界平均と比較して明確に割高感があることから「割高感強い」と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 5463 |
| 企業名 | 丸一鋼管 |
| URL | http://www.maruichikokan.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,526円 |
| EPS(1株利益) | 97.02円 |
| 年間配当 | 2.94円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.6% | 16.7倍 | 2,345円 | 9.1% |
| 標準 | 5.9% | 14.6倍 | 1,878円 | 4.4% |
| 悲観 | 3.5% | 12.4倍 | 1,427円 | -1.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,526円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 942円 | △ 62%割高 |
| 10% | 1,177円 | △ 30%割高 |
| 5% | 1,485円 | △ 3%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。