企業の一言説明
蔵王産業は業務用清掃・洗浄機器の輸入販売を手掛ける国内大手商社の企業です。ビルメンテナンス業や製造業などを主要顧客として、幅広い製品とサービスを提供しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 圧倒的な財務健全性: 自己資本比率87%超、現金及び現金同等物も潤沢であり、非常に堅固な財務基盤を確立しています。
- 収益性の改善と高水準な配当: 直近の中間決算では大幅な増収増益を達成し、収益性の改善傾向が見られます。会社予想に基づく配当利回りは3.90%と高水準です。
- 業界平均を上回るバリュエーション: PER、PBRともに業界平均を大幅に上回っており、現在の株価に割安感は乏しく、バリュエーション面での慎重な検討が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好な回復 |
| 収益性 | B | 改善傾向 |
| 財務健全性 | S | 非常に優良 |
| バリュエーション | D | 割高感強い |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,567.0円 | – |
| PER | 18.85倍 | 業界平均10.1倍(1.87倍) |
| PBR | 1.08倍 | 業界平均0.7倍(1.54倍) |
| 配当利回り | 3.90% | – |
| ROE | 4.80% | – |
1. 企業概要
蔵王産業(9986)は、1956年に設立された業務用清掃・洗浄機器の輸入販売を主力とする専門商社です。主にビルメンテナンス業や製造業といった事業者向けに、パワー sweeper、真空掃除機、高圧洗浄機、床洗浄機などの環境クリーニング機器を提供しています。自社で製造を行わず、専門性の高い機器の仕入れルート、製品知識、アフターサービス体制が事業の強みであり、これが独自の参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
同社は、業務用清掃・洗浄機器の分野において長年の実績と幅広い製品ラインナップを持つ国内大手の一角を占めていると見られます。競合他社と比較した際の強みは、盤石な財務基盤と豊富なキャッシュ、そして多様なニーズに対応できる製品提供能力にあります。一方、製造業ではないため、為替変動や仕入れ先の動向が直接的に業績に影響を与える点が弱みと言えるでしょう。各種指標では、同社のPER(18.85倍)は業界平均(10.1倍)を大きく上回り、PBR(1.08倍)も業界平均(0.7倍)より高い水準にあり、業界全体と比較して割高感があります。
3. 経営戦略
蔵王産業は、新商品の投入や代理店販売の拡充、展示会への積極的な出展を通じて売上増加を目指しています。直近の中間決算では、売上構成の改善や費用管理の徹底が功を奏し、営業利益率の向上に繋がりました。中期経営計画についての具体的な数値目標や戦略は開示されていませんが、安定した事業運営とキャッシュ創出能力を背景に、堅実な成長を志向していると考えられます。今後のイベントとしては、2026年3月30日の配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が確認されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がプラスでROAもプラスであり、良好な収益性を示しています。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が非常に高く、株式の希薄化が見られない点で健全性が評価されます。 |
| 効率性 | 2/3 | 営業利益率は10%を超えていますが、ROEが10%に達していない点が改善余地を示します。 |
提供されたF-Scoreは総合6/9点と「良好」な水準です。これは、純利益とROAがプラスであり収益性があり、流動比率が高く財務健全性が保たれ、株式希薄化もない点が評価されています。一方で、ROEが10%を下回っていることから、資本効率の改善が今後の課題となる可能性があります。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 12.17%。業界平均と比較しても高い水準であり、本業での稼ぐ力が良好であることを示します。
- ROE(実績): 4.80%。株主資本を使ってどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標で、一般的な目安とされる10%を大きく下回っています。
- ROE(過去12か月): 7.36%。依然として目安を下回るものの、実績値よりは良好な資本効率を示唆します。
- ROA(過去12か月): 5.14%。総資産に対する利益の割合で、投資家向けの目安である5%をクリアしており、資産を効率的に活用できていると評価できます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 87.3%。総資産に占める自己資本の割合で、非常に高く、借入金が少ない安定した財務体質を示しています。目安とされる40%をはるかに上回ります。
- 流動比率(直近四半期): 11.35倍(1,135%)。流動負債に対する流動資産の割合で、短期的な債務返済能力が極めて高く、資金繰りに全く問題がないことを示しています。目安は150-200%以上です。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(中間累計): 707百万円(前年同期45百万円)。本業で現金を稼ぐ力が大幅に増加しており、キャッシュフローが大幅に改善しています。
- FCF(フリーキャッシュフロー、中間累計): 約682百万円(営業CF707百万円 – 投資CF25百万円)。企業が自由に使えるお金であり、プラスであることから、事業活動から十分な資金が生み出されている健全な状態を示しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(中間累計): 約2.65倍(707百万円 / 266百万円)。純利益の2倍以上の営業キャッシュフローを創出しており、会計上の利益と実際の現金の動きに乖離が少なく、利益の質は非常に健全であると評価できます。比率が1.0以上であれば一般的に健全とされます。
【四半期進捗】
2026年3月期の第2四半期(中間期)決算では、通期予想に対する進捗率が以下の通りです。
- 売上高: 3,999百万円(通期予想9,300百万円に対し43.0%)
- 営業利益: 392百万円(通期予想1,106百万円に対し35.5%)
- 当期純利益: 266百万円(通期予想740百万円に対し36.0%)
中間時点での進捗率はいずれも50%を下回っており、特に利益面で遅れが見られます。会社は現時点で通期予想の修正を行っていませんが、下期での売上及び利益の回復が計画達成には不可欠となります。直近の売上高は前年同期比+9.8%、営業利益は同+59.9%と大きく成長しており、中間期だけを見れば好調です。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 18.85倍。企業の利益に対して株価が割安か割高かを示す指標です。業界平均10.1倍と比較して約1.87倍と大幅に高いため、現在の株価は利益面から見ると割高感があります。
- PBR(実績): 1.08倍。企業の純資産に対して株価が割安か割高かを示す指標です。業界平均0.7倍と比較して約1.54倍と高い水準であり、資産面から見ても割高と評価できます。
業種平均PER基準の目標株価は1,357円、業種平均PBR基準の目標株価は1,445円と算出されており、現在の株価2,567.0円と比較して大幅に乖離があることから、バリュエーション的な割安感は乏しいと判断できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | 短期トレンドに明確な方向感は見られません。 |
| RSI | 中立 | – | 買われすぎでも売られすぎでもない、中立的な水準です。 |
| 移動平均乖離率 | 上方乖離 | +0.12% (5日線) | 現在の株価が短期移動平均線をわずかに上回っており、短期的に堅調な動きを示唆しています。 |
【テクニカル】
現在の株価2,567.0円は、52週高値2,575.0円に非常に近く、52週レンジ内位置は97.1%(0%=安値、100%=高値)と年初来高値圏で推移しています。これは過去1年間の最高値水準に近づいていることを示します。
移動平均線との関係では、現在の株価は以下の通り全ての短期・中期・長期移動平均線を上回っています。
- 5日移動平均線: 2,564.00円(上回り 0.12%)
- 25日移動平均線: 2,529.64円(上回り 1.48%)
- 75日移動平均線: 2,490.45円(上回り 3.07%)
- 200日移動平均線: 2,455.77円(上回り 4.53%)
全ての移動平均線を上回って推移していることは、上昇トレンドが継続しているシグナルと解釈できます。
【市場比較】
蔵王産業の株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数を下回るパフォーマンスとなっています。特に6ヶ月、1年といった長期では、市場全体が大きく上昇する中で、同社の株価上昇率は伸び悩んでいます。
- 1ヶ月リターン: +2.68% (日経平均+5.89%に対し3.21%ポイント下回る)
- 3ヶ月リターン: +4.48% (日経平均+8.27%に対し3.79%ポイント下回る)
- 6ヶ月リターン: +6.51% (日経平均+29.64%に対し23.13%ポイント下回る)
- 1年リターン: +6.47% (日経平均+38.81%に対し32.34%ポイント下回る)
これは、市場全体の成長ペースに対して同社の株価が追随できていないことを示しており、相対的な魅力が薄れている可能性があります。
【注意事項】
⚠️ 信用買残が4,900株あり、直近の出来高(2,000株)に対して信用倍率が計算上0.00倍と表示されますが、これは売残が0株のためです。信用買残が直近の出来高の2倍以上あるため、将来的な売り圧力が発生する可能性には注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値: 0.43。市場全体の動き(日経平均やTOPIX)に対して、同社株価がどの程度変動するかを示す指標です。1.0未満であるため、市場全体が上昇・下落する際に、その変動幅は市場よりも小さい傾向にあります。
- 年間ボラティリティ: 9.06%。株価の変動の激しさを示します。比較的穏やかな変動であると言えます。
- 最大ドローダウン: -9.50%。過去のある期間において、株価がピークから最も下落した割合です。仮に100万円投資した場合、過去の経験則から年間で最大9.5万円程度の下落を経験する可能性が想定されます。
- シャープレシオ: -0.06。リスク(ボラティリティ)に見合ったリターンが得られているかを示す指標で、値がマイナスであることは、リスクを取ったにもかかわらずリスクフリーレート(定期預金など)を下回るリターンであったことを意味します。現在の投資対象として魅力度に欠ける可能性があります。
【事業リスク】
- 景気変動リスク: 主要顧客であるビルメンテナンス業や製造業の設備投資は景気動向に左右されやすく、景気後退期には製品販売が伸び悩む可能性があります。
- 為替変動リスク: 輸入販売が主力事業であるため、円安が進行すると仕入れコストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。
- 地政学リスク・サプライチェーンリスク: 原材料価格の高騰や国際情勢の不安定化は、製品供給網に影響を与え、供給遅延やコスト増大を招く可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が4,900株ある一方で信用売残が0株であるため、信用倍率は計算上0.00倍となっています。売残がない状況は、短期的な株価上昇への期待が薄いことを示唆する一方、買残が多い状況は将来的な信用整理による売り圧力が潜在的に存在することを示します。主要株主は、自社(自己株口)が13.21%を保有しており、安定株主となっています。次いで三井住友銀行(3.94%)、千葉銀行(3.67%)といった金融機関が上位株主を占めており、これは安定志向の株主構成と言えます。
8. 株主還元
配当利回り(会社予想)は3.90%と、現在の低金利環境下では魅力的な水準にあります。2026年3月期の年間配当予想は100円であり、予想EPS136.15円に基づくと配当性向は約73.4%(Yahoo Japanのデータでは88.1%)と、利益の大部分を配当に回している高水準です。これは株主への還元意欲が高いことを示しますが、一方で事業への再投資余地が限られる可能性も示唆します。自社株買いについては、中間期において小額の自己株式取得支出が計上されており、機動的な株主還元策として実施していると見られます。
SWOT分析
強み
- 圧倒的な財務健全性:自己資本比率87.3%、充実した現金資産、高い流動性により安定した経営基盤を確立しています。
- 安定した事業基盤と豊富な製品ラインナップ:業務用清掃・洗浄機器の専門商社として長年の実績と幅広い製品提供能力があります。
弱み
- 外部環境への依存度:製品の輸入販売が主であるため、景気変動や為替変動、仕入れ先の動向に業績が左右されやすい側面があります。
- 低い資本効率:ROEが4.80%(実績)と、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が市場の期待水準を下回っています。
機会
- 環境意識の高まり:企業における衛生管理や環境維持の重要性が増す中で、清掃・洗浄機器の需要は今後も安定が期待できます。
- 新技術導入と市場拡大:自動清掃ロボットなどの高機能機器の導入や、新たな産業分野への展開により、市場シェアを拡大する可能性があります。
脅威
- 景気後退と設備投資の抑制:ビルメンテや製造業の設備投資意欲が経済環境によって減退した場合、売上高が伸び悩む可能性があります。
- 為替変動と原材料価格の高騰:円安の進行や国際情勢による原材料価格の上昇は、輸入コスト増大を招き、利益率を圧迫する可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤を重視する投資家: 非常に高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローは、不況期にも強い経営体質を求める投資家にとって魅力的です。
- 高配当・株主還元を重視する投資家: 会社予想配当利回り3.90%と高水準であり、利益の大部分を配当に回す方針は、配当収入を得たい投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- バリュエーションの割高感: PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、現在の株価に割安感は乏しいため、株価の調整リスクを考慮する必要があります。
- 通期予想達成の進捗率: 中間時点での利益進捗率は通期予想に対して遅れており、下期での業績回復が前提となっています。今後の決算発表で進捗状況を注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の推移: 直近中間期で改善が見られましたが、その後の改善が継続するか、通期で目標の10%超を維持できるか注目です。
- 通期業績予想達成度: 中間期での進捗の遅れを鑑み、会社が通期予想を据え置くか、または修正するか、下期の売上・利益の動向を継続して確認する必要があります。
成長性: A (良好な回復)
2025年3月期に売上・利益が落ち込んだ後、2026年3月期は売上高で前年比+10.1%、当期純利益で同+20.0%の回復が見込まれています。予想売上高成長率10.06%は、評価基準A(10-15%)に該当し、業績が回復基調にあることから良好と判断します。
収益性: B (改善傾向)
過去12か月の営業利益率は12.17%と良好な水準であり、中間期でも9.8%に改善しています。しかし、実績ROEは4.80%と市場の一般的な目安10%を大きく下回っており、資本効率には課題が残ります。営業利益率の高さと継続的な改善傾向を考慮し、全体としては「普通」と評価します。
財務健全性: S (非常に優良)
自己資本比率87.3%、流動比率1,135%、F-Score6点と、全ての財務健全性指標において極めて高い水準を維持しています。負債が非常に少なく、潤沢な現金及び現金同等物を保有しており、財務体質は非常に盤石であるため、「優良」と評価します。
バリュエーション: D (割高感強い)
PER18.85倍は業界平均10.1倍の約1.87倍、PBR1.08倍は業界平均0.7倍の約1.54倍と、いずれも業界平均を大幅に上回っています。このことから、現在の株価は利益や資産価値に対して「割高」であり、「懸念」と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 9986 |
| 企業名 | 蔵王産業 |
| URL | http://www.zaohnet.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,567円 |
| EPS(1株利益) | 136.15円 |
| 年間配当 | 3.90円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 20.2倍 | 2,746円 | 1.5% |
| 標準 | 0.0% | 17.5倍 | 2,388円 | -1.3% |
| 悲観 | 1.0% | 14.9倍 | 2,133円 | -3.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,567円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,197円 | △ 114%割高 |
| 10% | 1,495円 | △ 72%割高 |
| 5% | 1,886円 | △ 36%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。