企業の一言説明
東京産業は、電力、環境・化学・機械、生活産業の3つの事業領域を展開する三菱系の機械専門商社であり、再生可能エネルギーやプラント関連に強みを持つ中堅企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 電力事業の安定性と成長性: バイオマス燃料供給や火力発電所向け保守業務が堅調に推移し、大幅な増収増益を達成。安定的な収益基盤として成長ドライバーとなっています。
- 収益構造の改善と配当維持: 前期に計上された特別損失からの回復と、電力事業の利益貢献により営業利益率が改善し、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅増益を達成。年間配当は38円(利回り3.98%)を維持しており、株主還元への意識も高いです。
- 事業リスクと財務健全性への注意点: 大型太陽光案件の動向による売上・利益の変動や、係争中の訴訟リスクが存在します。また、自己資本比率が低い水準にあり、財務健全性には改善余地があります。信用倍率の高さも将来的な売り圧力となる可能性があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | C | やや不安 |
| バリュエーション | A | 良好 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 955.0円 | – |
| PER | 6.73倍 | 業界平均12.1倍 |
| PBR | 1.06倍 | 業界平均1.0倍 |
| 配当利回り | 3.98% | – |
| ROE | 10.60% | – |
1. 企業概要
東京産業は1942年設立の三菱系の機械専門商社です。電力、環境・化学・機械、生活産業の3つの事業で構成されており、特に電力関連の設備の販売・保守、バイオマス燃料供給、化学プラントや再生可能エネルギー関連の設備販売・建設、自動車・IT設備向け工作機械販売などを手掛けています。主力は環境・化学・機械事業が収益の柱ですが、直近では電力事業が大きく寄与しています。独自の技術よりは、三菱重工業製品の受託販売など、幅広い製品・サービスを顧客に提供する事業展開が特徴です。
2. 業界ポジション
東京産業は総合商社というよりは「機械専門商社」として、特に電力、化学プラント、再生可能エネルギー分野に特化したビジネスを展開しています。「中部以東の三菱重工業製品の受託販売が柱」であることから、大手重工メーカーとの強固なリレーションを競争優位としています。しかし、特定の大型案件のタイミングに業績が左右されやすい側面も持ち合わせています。PERは6.73倍と業界平均12.1倍と比較して割安水準にあり、PBRは1.06倍と業界平均1.0倍をやや上回る程度で、バリュエーション面では業界平均と同程度かやや割安と評価できます。
3. 経営戦略
東京産業は、セグメント別情報で示されるように、電力事業と生活産業事業の安定的な収益拡大を目指しつつ、環境・化学・機械事業での大型案件獲得を継続的な成長の機会と捉えています。特に再生可能エネルギー分野への傾斜は中期的な方向性として示唆されており、バイオマス燃料供給拡大などがその具体例です。中期経営計画の具体的な数値目標は開示されていませんが、決算短信からは電力事業を収益ドライバーとして強化し、収益構造の改善を図っていることが伺えます。
今後のイベント:
- March 30, 2026 at 12:00 AM UTC: Ex-Dividend Date(配当権利落ち日)
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、良好な収益力を示しています。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が1.16と目安の1.5を下回りますが、D/Eレシオは1.0を下回り、株式希薄化もないため健全性は維持されています。 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率が目安の10%を下回り、四半期売上成長率もマイナスですが、ROEは13.41%で10%を超えているため一定の効率性が見られます。 |
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 6.60%
- 直近中間期では5.29%に改善。業界平均によって評価は異なりますが、堅調な水準。
- ROE(実績): 10.60%(過去12か月では13.41%)
- ベンチマーク10%を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
- ROA(過去12か月): 2.29%
- ベンチマーク5%を下回っており、総資産に対する利益貢献には改善の余地があります。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 24.8%(直近中間期は28.9%)
- 目安の40%には届いておらず、やや低めであり、財務体質の強化が求められます。
- 流動比率(直近四半期): 1.16倍
- 目安とされる200%(2.0倍)を下回っており、短期的な支払い能力にはやや注意が必要です。しかし、総負債に対する現金同等物も考慮すると、直ちに問題となる水準ではありません。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月): 2,880百万円(28.8億円)
- プラスであり、本業で安定してキャッシュを生み出していることを示します。
- FCF(過去12か月): 1,190百万円(11.9億円)
- プラスであり、事業によるキャッシュ創出力が投資を上回っているため、企業価値向上に寄与しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 0.99
- 目安の1.0に近い値であり、利益の大部分がキャッシュとして裏付けられているため、利益の質は比較的健全と言えます。
【四半期進捗】
- 2026年3月期通期予想に対する第2四半期(中間期)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 48.1%(通期予想65,000百万円に対し31,273百万円)
- 営業利益: 68.9%(通期予想2,400百万円に対し1,654百万円)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 36.7%(通期予想3,700百万円に対し1,357百万円)
- 営業利益は通期目標に対して良好な進捗ですが、売上高と純利益は下期偏重の可能性があります。特に純利益は、電力事業の大幅な利益増加やその他有価証券評価差額金の増加があったものの、通期予想に対する進捗はやや低い水準です。これは、環境・化学・機械事業の大型案件の引渡しタイミングによる下期への収益集中や、訴訟リスクなどの織り込みが影響している可能性もあります。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 6.73倍
- 業界平均12.1倍と比較して大幅に割安な水準にあります。これは、過去の業績不振や特定の事業リスクなどが織り込まれている可能性があります。
- PBR(実績): 1.06倍
- 業界平均1.0倍とほぼ同水準であり、比較的適正な評価を受けていると言えます。目標株価(業種平均PER基準)は1005円、目標株価(業種平均PBR基準)は899円と算出されており、現状株価はPER基準では割安、PBR基準ではやや割高な位置です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -15.24 / シグナル値: -8.19 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 売られすぎ | 29.5% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.08% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -4.44% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -3.49% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +8.64% | 長期トレンドからの乖離 |
RSIが30%を下回っており、短期的には売られすぎの状況を示唆しています。株価は25日移動平均線と75日移動平均線を下回っていますが、5日移動平均線は上回っており、直近のモメンタムに回復の兆しが見られます。長期的なトレンドを示す200日移動平均線は大きく上回っているため、中長期的な上昇トレンドは継続している可能性があります。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 現在株価955.0円は52週高値1,133.0円の約67.4%の位置にあります(安値から高値までのレンジを100%とした場合)。直近ではやや軟調な推移となっています。
- 移動平均線との関係: 現在株価は5日移動平均線(954.20円)をわずかに上回っていますが、25日移動平均線(999.32円)と75日移動平均線(989.57円)を下回っており、短期から中期の下降トレンド入りを示唆しています。ただし、200日移動平均線(877.76円)を上回っていることから、長期的な基調はまだ強い可能性があります。
【市場比較】
- 日経平均比:
- 1ヶ月リターン: 株式-5.91% vs 日経+8.70% → 14.61%ポイント下回る
- 3ヶ月リターン: 株式+2.47% vs 日経+6.65% → 4.18%ポイント下回る
- 6ヶ月リターン: 株式+19.38% vs 日経+33.47% → 14.10%ポイント下回る
- 1年リターン: 株式+32.82% vs 日経+38.02% → 5.20%ポイント下回る
- TOPIX比:
- 1ヶ月リターン: 株式-5.91% vs TOPIX+6.95% → 12.86%ポイント下回る
日経平均株価やTOPIXといった主要市場指数に対して、東京産業の株価は全ての期間でアンダーパフォームしており、市場全体の勢いには乗り切れていない状況です。
【注意事項】
- ⚠️ 信用倍率が12.61倍と高水準です。これは、将来的に信用取引による買いポジションが解消される際に、売り圧力として株価を押し下げる可能性があるため注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.16
- 市場全体の動きに対して株価が変動しにくい傾向を示します。市場全体が大きく変動しても、この銘柄は比較的安定している可能性が高いです。
- 年間ボラティリティ: 27.60%
- 株価の年間変動幅が平均で27.60%と比較的高いことを示します。
- 最大ドローダウン: -45.50%
- 過去に経験した最大の下落率が-45.50%であったことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で約±27.6万円程度の変動が想定され、過去最悪のケースでは45.5万円の損失が発生するリスクがあったことを意味します。
- シャープレシオ: -0.61
- リスク(ボラティリティ)1単位あたりに得られたリターンがマイナスであることを示し、リスクを取った分に見合うリターンが得られていない状況を示唆しています。
【事業リスク】
- 大型案件への依存による業績変動: 環境・化学・機械事業において、大型案件の受注および引渡しタイミングが売上高や利益に大きく影響します。決算短信にも「大型太陽光案件の前期引渡の反動で大幅減収」とあり、特定のプロジェクトに依存する事業構造が、短期的な業績変動につながるリスクがあります。
- 訴訟リスク: 太陽光発電事業に関する原告請求額6,480百万円の訴訟を係争中です。現時点で業績への影響は合理的に見積もりできないとされていますが、敗訴すれば業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格・為替変動リスク: 商社事業の性質上、原材料価格や為替レートの変動は、仕入れコストや輸出入取引の収益性を直接的に左右する主要なリスク要因です。特に海外売上比率が12%(予想)あるため、為替変動の影響は無視できません。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残269,800株に対し、信用売残21,400株。信用倍率は12.61倍と高水準で、将来的な売り圧力となる可能性を秘めています。
- 主要株主構成: 西華産業(11.58%)、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)(10.28%)、三菱重工業(8.59%)が上位を占めています。グループ会社や機関投資家による安定した保有が見られます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 3.98% (株価955.0円、年間配当予想38.00円に基づく)
- 高水準の配当利回りであり、現金配当を重視する投資家にとって魅力的な水準です。
- 配当性向(会社予想): 44.54% (過去12か月では43.3%)
- 約40%台と一般的な水準であり、利益の半分近くを配当に回すことで、株主への還元意識が高いと言えます。今後も持続可能な配当が期待されます。
- 自社株買いの状況: 決算短信には特段の自社株買いの開示はありませんが、自己株口が7.63%存在します。
SWOT分析
強み
- 三菱系の機械専門商社としての強固なネットワークと製品供給能力
- 電力事業における安定的な保守業務と成長するバイオマス燃料供給の拡大
弱み
- 自己資本比率が低く、財務健全性への課題
- 大型案件の受注・引渡しタイミングに左右されやすい業績変動性
機会
- 再生可能エネルギー市場の成長と関連設備・サービスの需要増加
- 各事業分野におけるDX推進やサプライチェーンの最適化による収益性向上余地
脅威
- 係争中の訴訟による潜在的な財務リスク
- 景気変動や設備投資抑制による主要事業の需要減少リスク
この銘柄が向いている投資家
- 安定配当を重視する投資家: 3.98%という高い配当利回りを魅力に感じる投資家。
- 事業内容に理解があり、中長期的な視点を持つ投資家: 電力事業の安定成長や再生可能エネルギー分野への期待を評価し、短期的な業績変動やリスク要因を理解した上で投資できる投資家。
- 割安感を重視するバリュー投資家: 業界平均と比較して割安なPERに魅力を感じる投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 財務健全性の動向: 自己資本比率の改善や流動比率の安定を継続的に監視する必要があります。
- 訴訟リスクの進展: 係争中の太陽光発電事業に関する訴訟の動向は、今後の業績に大きな影響を与える可能性があるため、関連開示には注意を払うべきです。
- 主要事業の受注残高: 大型案件のタイミングによる業績変動を予測するためには、受注残高などの情報開示があれば積極的に確認することが重要です。(本データでは開示なし)
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率: 環境・化学・機械事業の利益率改善と電力事業の貢献度。目標値:通期予想営業利益率3.69%(2400百万円/65000百万円)に対する進捗。
- 自己資本比率: 企業全体の財務体質強化の進捗。目標値:40%以上を目指す動きがあるか。
- 訴訟関連の開示: 係争中の訴訟に新たな動きがないか、常にチェックする必要があります。
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: C
- 過去12か月の売上高は60,750百万円ですが、通期予想売上高は65,000百万円で前期から8.1%の減収予想です。直近四半期売上成長率も-14.80%とマイナス成長であり、業績の変動が大きく安定的な成長は見えにくい状況です。
- 収益性: A
- ROEは10.60%(過去12か月で13.41%)とベンチマーク10%を大きく上回っており、株主資本を効率的に活用しています。営業利益率(過去12か月)も6.60%と堅調で、収益力の改善が見られます。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率が24.8%(直近中間期28.9%)と目安の40%に届かず、F-Scoreの財務健全性スコアも2/3と流動比率の課題が指摘されています。長期的な財務体質の強化が望まれます。
- バリュエーション: A
- PERが6.73倍と業界平均12.1倍を大きく下回り、割安感があります。PBRも1.06倍と業界平均1.0倍に近い水準であり、割安とは言えないものの、企業価値に対して過度に割高ではないと判断できます。
企業情報
| 銘柄コード | 8070 |
| 企業名 | 東京産業 |
| URL | http://www.tscom.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 955円 |
| EPS(1株利益) | 141.89円 |
| 年間配当 | 3.98円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 1.0% | 7.7倍 | 1,156円 | 4.3% |
| 標準 | 0.8% | 6.7倍 | 994円 | 1.2% |
| 悲観 | 1.0% | 5.7倍 | 853円 | -1.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 955円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 504円 | △ 89%割高 |
| 10% | 630円 | △ 52%割高 |
| 5% | 795円 | △ 20%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。