企業の一言説明

住友大阪セメント(証券コード:5232)は、国内建設資材の基盤を支えるセメント製造・販売を主力とし、国内で高いシェアを誇る老舗企業です。近年は、廃棄物再資源化技術を活かした環境事業、高度な技術を要する新材料や光電子部品、特に半導体製造装置向け電子材料といった成長分野への事業多角化と収益構造転換を進めています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • セメント事業の収益改善と新材料事業の成長: 国内セメント需要の減少傾向が続く中、大胆な価格改定が奏功し、セメント事業の営業損益は前年の赤字から黒字へと大幅に回復しました。加えて、半導体関連市場の堅調な需要を背景に、新材料事業は売上・利益ともに高成長を継続しており、今後の企業成長の二本の柱として期待されています。
  • 盤石な財務基盤と積極的な株主還元: 自己資本比率54.1%と非常に高く、Piotroski F-Scoreも「良好」と評価されるなど、安定した財務健全性を誇ります。配当利回り2.77%、配当性向約44%と安定的な配当を継続する方針に加え、自己株式取得も積極的に実施しており、株主還元への経営陣の強い意識が伺えます。
  • 国内需要の構造的課題と一時的利益への依存: 国内セメント市場は、建設需要の低迷や人手不足といった構造的な課題に直面し、今後も厳しい市場環境が予想されます。また、直近の中間純利益は投資有価証券売却益などの一時的な特別利益に大きく依存しており、本業の収益力が持続的に改善し、成長分野への投資が実を結ぶかが今後の最大の焦点となります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 横ばい(課題あり)
収益性 B 普通(改善途上)
財務健全性 A 良好
バリュエーション A 割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4,329.0円
PER 14.03倍 業界平均18.3倍より割安
PBR 0.72倍 業界平均1.4倍より割安
配当利回り 2.77%
ROE 7.21% ベンチマーク10%未満

1. 企業概要

住友大阪セメント株式会社(証券コード:5232)は、1907年創業の歴史ある企業で、東京都港区に本社を置きます。主要事業はセメント製造・販売ですが、鉱産品、建材、光電子部品、そして高成長が期待される半導体製造装置向け電子材料などの新材料事業を展開する総合素材メーカーとしての顔も持ちます。特に、廃棄物の再資源化技術や、多様な産業ニーズに応える先進的な素材開発に強みを持ち、事業の多角化と高付加価値化を推進しています。

2. 業界ポジション

住友大阪セメントは、国内セメント業界において太平洋セメント、UBEの後塵を拝するものの、安定した国内シェア(3位)を確保する大手企業です。国内セメント市場は建設需要の低迷等により縮小傾向にありますが、同社は廃棄物再資源化によるコスト抑制や価格改定、非セメント事業(特に新材料事業)の強化を通じて収益力の維持・向上を図っています。
バリュエーション面では、PERが14.03倍、PBRが0.72倍といずれも業界平均(PER 18.3倍、PBR 1.4倍)を下回っており、純資産価値や収益力と比較して市場からは割安に評価されている状況にあります。これは、国内事業の構造的課題や資本効率の低さが背景にあると考えられます。

3. 経営戦略

住友大阪セメントは、現在の2023–25年度中期経営計画において、「既存事業の収益力強化」と「成長基盤の構築」を二大戦略の柱として掲げています。具体的には、セメント事業においては、国内需要の一段の減少に対応するため、販売価格の適正化と廃棄物・副産物受入れ拡大によるリサイクル事業の強化を通じて、収益構造の安定化を図っています。一方、成長基盤の構築では、半導体産業の発展を捉えた半導体製造装置向け電子材料などの新材料事業の拡大、次世代光通信部品の開発を含む光電子事業の育成、そして脱炭素社会の実現に向けた研究開発投資や新規事業開発に注力しています。直近の決算では、セメント事業における価格戦略の成果と新材料事業の堅調な成長が、これらの戦略が着実に進展していることを示しており、ポートフォリオ変革の途上にあると言えます。

今後のイベント

  • 2026年2月10日: 次回決算発表予定(Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Earnings Date)
  • 2026年3月30日: 配当落ち日(Ex-Dividend Date)

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスであり、本業で着実に収益を創出
財務健全性 2/3 D/Eレシオが1.0未満で負債負担は低いが、流動比率は目標未達で短期支払能力に改善余地あり
効率性 0/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長がいずれも目標値に届かず、資本効率と成長力向上が課題

解説:

住友大阪セメントのPiotroski F-Scoreは5/9点で「良好」と評価されます。このスコアは、企業の財務健全性、収益性、効率性を総合的に評価するものであり、5点という結果は全体として安定した財務状況を示すものです。
収益性カテゴリでは、3/3点と満点を獲得しており、過去12ヶ月間の純利益が13,655百万円、営業キャッシュフローが30,200百万円といずれもプラスであり、ROAも1.96%と0%を上回っています。これは、本業で着実に利益と現金を創出している高い収益力を評価するものです。
財務健全性カテゴリでは2/3点と評価されました。総負債に対する自己資本の比率を示すD/Eレシオが42.79%(0.4279倍)と1.0倍未満であり、過度な借入に依存していない安定した資本構成を保っています。また、株式の希薄化も発生していない点は評価できます。一方で、流動比率が1.17倍と、短期的な支払い能力の目安とされる1.5倍(または200%)に達しておらず、短期流動性の面ではさらなる改善の余地があると言えます。
効率性カテゴリでは0/3点と、改善が最も求められる領域です。過去12ヶ月の営業利益率4.39%は目標とされる10%を下回り、ROE7.21%も一般的に良好とされる10%以上には届いていません。また、直近四半期の売上高成長率が前年同期比で-2.10%とマイナス成長であったことも、成長性に関する課題を示しています。これらの指標の改善が、企業の長期的な価値向上に不可欠となります。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 4.39% (2025年3月期実績 4.26%)。セメント業界特有の装置産業としての特性に加え、原燃料価格高騰の影響もあり、一般的な目安である10%には届いていません。しかし、2026年3月期中間決算では、セメント事業における国内販売価格の引上げが奏功し、中間期の営業利益は前年同期比80.7%増の4,119百万円と大幅に改善しました。通期の連結業績予想では営業利益率6.21%を見込んでおり、収益構造の改善に向けた取り組みが進展していることが伺えます。
  • ROE(過去12か月): 7.21%。株主資本を効率的に活用してどれだけ利益を上げているかを示す指標です。一般的な目安の10%は未達であり、資本効率の向上は引き続き重要な経営課題です。PBRが1倍を下回る主な要因の一つとして、このROEの低さが挙げられます。
  • ROA(過去12か月): 1.96%。総資産に対する利益の割合であり、一般的な目安の5%に達していません。総資産を効率的に活用し、収益を生み出す力に関しては、さらなる努力が求められる段階にあります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 54.1%。総資産に占める自己資本の割合であり、企業の安定性を示す最も重要な指標の一つです。一般的に40%以上が安全圏とされる中で、50%を超える高い水準を維持しており、借り入れに過度に依存しない非常に強固な財務基盤を有していると言えます。
  • 流動比率(直近四半期): 1.17倍。流動資産を流動負債で割ったもので、企業の短期的な支払い能力を示します。一般的に150%(1.5倍)以上が望ましいとされる中で、やや低い水準にあります。現状では短期的な支払能力は確保されていますが、突発的な資金需要への対応力を高めるためには改善が期待されます。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 30,200百万円。本業の事業活動を通じて安定的に現金を創出しており、基盤は堅実です。これは、セメント事業の価格改定効果やコスト管理の成果が反映されたものと考えられます。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 2,480百万円。営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたもので、企業の自由に使える現金の余裕を示します。プラスを維持しており、事業投資(設備投資)や株主還元、借入返済などに充てる余力があることを示唆します。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): 2.21倍。純利益に対する営業キャッシュフローの割合を示します。1.0以上が健全とされ、2.21倍という非常に高い水準は、利益が現金としてしっかりと手元に残っていることを意味し、利益の質は極めて優良です。これは会計上の利益が実質的な現金の裏付けを伴っていることを示しており、粉飾決算などのリスクが低いと評価できます。

【四半期進捗】

2026年3月期第2四半期(中間期)決算では、通期売上高予想225,200百万円に対する進捗率は約47.0%であり、例年通りの上期・下期の売上配分を考慮すると概ね想定内の進捗と言えます。しかし、通期営業利益予想14,000百万円に対する進捗率は約29.4%にとどまっており、通期目標の達成には下期での大幅な利益積上げが求められます。親会社株主に帰属する中間純利益の進捗率は約55.9%と高いですが、これは投資有価証券売却益3,529百万円などの特別利益が一時的に大きく寄与したためであり、本業の収益改善とは別に評価する必要があります。下期の事業環境、特にセメント需要と新材料事業の動向が通期業績達成の鍵を握るでしょう。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 14.03倍。株価が1株当たり予想利益の何倍かを示す指標です。業界平均18.3倍と比較して割安な水準にあります。これは、同社が現時点で持つ潜在的な収益力や新材料事業の成長性に対する市場の期待が、まだ十分に織り込まれていない可能性を示唆しています。
  • PBR(実績): 0.72倍。株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。業界平均1.4倍と比べても大幅に割安であり、企業が持つ純資産価値に対して株価が低く評価されている状態です(1倍割れ)。これはROEの低さや国内セメント事業の構造的課題が一因と考えられますが、目標株価(業種平均PER基準7,594円、業種平均PBR基準8,440円)と比較しても、現在の株価は大幅に乖離しており、理論上は割安と判断できます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 101.88 / シグナル値: 86.69 MACDがシグナルラインを上回っており、短期的な上昇モメンタムは継続しているが、中立圏に位置
RSI 買われすぎ 72.6% 70%以上は過熱感を示す水準であり、短期的には調整局面に入る可能性を示唆
5日線乖離率 +2.64% 直近の株価が急上昇しており、短期移動平均線からの乖離が拡大
25日線乖離率 +7.31% 短期トレンドからの乖離も顕著で、上昇の勢いの強さを示す
75日線乖離率 +11.44% 中期トレンドからの乖離も拡大しており、中期的な上昇トレンドを形成
200日線乖離率 +11.89% 長期移動平均線からも大きく乖離しており、長期的な基調も強い

解説:

RSIが72.6%と「買われすぎ」水準にあり、短期的には株価の過熱感が高まっており、一時的な調整局面に入る可能性を示唆しています。MACDは中立状態ですが、MACD値がシグナル値を上回っていることから、買いの勢いはまだ上方向にあると解釈できます。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回っており、特に200日移動平均線からの乖離率が+11.89%と大きいことから、強い上昇トレンドが継続していることが確認されます。しかし、短期間での急激な上昇ピッチは、RSIの過熱感と合わせて高値警戒感も意識される状況です。

【テクニカル】

現在の株価4,329.0円は、52週高値4,352円に非常に近い位置(52週レンジ内位置で97.9%)にあり、年間での最高値圏で推移しています。これは、直近のモメンタムが非常に強いことを示唆します。株価は全ての移動平均線、すなわち5日線(4,217.60円)、25日線(4,034.16円)、75日線(3,884.49円)、そして200日線(3,867.49円)を明確に上回って推移しており、強い上昇トレンドを形成しています。特に、長期の移動平均線からの乖離率が大きいことは、長期的な視点で見ても株価が強い勢いを帯びていることを物語っています。ただし、この強い上昇はRSIの買われすぎシグナルと合わせ、短期的な調整圧力も内在している可能性に留意が必要です。

【市場比較】

住友大阪セメントの株価は、直近1ヶ月および3ヶ月といった短期では、日経平均およびTOPIXといった主要市場指数を大きく上回るパフォーマンスを見せています。例えば、1ヶ月での日経平均比で+8.13%ポイント、TOPIX比で+7.76%ポイントの上回りです。これは、同社株が足元で強い買いを集め、市場全体の動き以上に上昇していることを示唆しています。しかし、6ヶ月や1年といった中期・長期視点で見ると、日経平均やTOPIXの強い上昇トレンドには乗り切れず、市場平均を下回るパフォーマンスとなっています(6ヶ月で日経平均比-22.08%ポイント、1年で日経平均比-6.38%ポイント)。これは、市場全体の大型成長株や半導体関連株が牽引する上昇相場において、同社のような素材株が相対的に出遅れていた背景があるかもしれません。

【注意事項】

PBRが0.72倍と1倍を大きく下回っており、純資産価値から見て割安ではあるものの、企業の潜在的な価値が市場で十分に評価されていないことを示唆します。これは、実質的な株価の低迷が続いていることの現れであり、ROEの低さや国内セメント需要の構造的な課題と密接に関連している可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.25。市場全体の動きに対する感応度を示し、この値は住友大阪セメントの株価が市場変動の影響を比較的受けにくい、安定的な銘柄であることを意味します。
  • 年間ボラティリティ: 28.90%。年間で株価がどの程度変動するかの目安です。仮に100万円投資した場合、年間で±28.9万円程度の変動が想定されるため、市場全体から見れば比較的変動の大きい銘柄であると言えます。
  • 最大ドローダウン: -26.24%。過去に記録された最悪の下落率であり、今後の市場変動によってもこの程度の下落は起こりうることを示唆します。投資判断の際には、このレベルの下落を許容できるかどうかの検討が必要です。
  • シャープレシオ: -0.15。リスク1単位あたりの超過リターンを示し、マイナス値はリスクに見合うリターンが過去に得られていないことを意味し、投資効率の課題を示唆しています。
  • 年間平均リターン: -3.70%。過去の年間平均リターンはマイナスであり、長期の期間で見るとリターンは安定していない可能性があり、投資の際には慎重なリターンシミュレーションが求められます。

【事業リスク】

  • 国内セメント需要の構造的減少: 日本国内の建設投資は、人口減少、老朽化インフラの更新需要一巡、建設業の人手不足や時間外労働規制強化(いわゆる2024年問題)などにより、今後も中長期的に縮小する傾向にあります。これは、同社の主力であるセメント事業の収益基盤に継続的な影響を及ぼす最大のリスク要因です。
  • 原燃料価格および為替変動リスク: セメント製造には大量の石炭などの原燃料を要し、それらの価格変動は製造コストに直結します。また、海外からの原材料調達や海外事業においては為替レートの変動が収益を直接的に圧迫する可能性があります。地政学リスクやサプライチェーンの混乱による価格変動も影響します。
  • 新材料事業の競争激化と需要変動: 成長ドライバーと位置付ける半導体製造装置向け電子材料などの新材料事業は、技術革新のスピードが極めて速く、国内外の競合も多いため、競争激化による価格下落圧力や、主要顧客である半導体メーカーの設備投資動向による需要変動が業績に影響を与える可能性があります。また、研究開発投資の先行費用も継続的に発生します。

信用取引状況

  • 信用買残: 66,000株
  • 信用売残: 32,400株
  • 信用倍率: 2.04倍

信用倍率が比較的低い水準にあるため、将来的な需給悪化(信用買いの投げ売りなど)による株価下落圧力は現状では限定的と推察されます。これは、投資家がこの銘柄に対して過度に投機的な動きをしていないことを示唆します。

主要株主構成

  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 13.50%
  • ノーザン・トラスト(AVFC)シルチェスターInt`l・VET: 8.01%
  • ノーザン・トラスト・USタックスExペンションファンズ: 4.47%

信託銀行や海外機関投資家、そして自己株口が上位を占めており、これは比較的安定した株主構成であると言えます。機関投資家が一定の割合を保有していることは、企業統治や透明性への意識が高い可能性を示唆し、個人投資家にとっても安心材料となり得ます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 2.77%。現在の株価水準において比較的高水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的なポイントです。同業他社と比較しても競争力のある水準を維持しています。
  • 1株配当(会社予想): 120.00円。過去の配当金履歴を見ても、安定した配当を継続する方針が見て取れます。2023年3月期に一時的に赤字となった際も配当を維持した実績があり、株主への還元意識の高さが伺えます。
  • 配当性向(会社予想): 約44.4%。利益に対する配当金の比率であり、適度な水準で利益還元と内部留保のバランスが取れています。過度な配当性向でないため、今後の事業投資や不測の事態にも対応できる財務余力があります。
  • 自社株買いの状況: 直近中間期に4,965百万円の自己株式取得を実施しており、これはバランスシートの効率化と1株当たり利益の向上を通じて、株主価値を高めようとする積極的な姿勢の表れと言えます。

SWOT分析

強み

  • 国内セメント市場での確固たる地位と、廃棄物再資源化技術による環境対応およびコスト競争力。
  • 半導体製造装置向け電子材料など、高成長市場をターゲットとした新材料事業の高い技術力と事業展開力。

弱み

  • 国内セメント需要の構造的減少による主力事業の成長鈍化と、それによる企業全体としての成長性の課題。
  • 相対的に低いROEとROAが示す、資本効率および総資産活用の不十分さ。

機会

  • 政府主導のインフラ強靭化や国土強靭化計画に伴う、一部建設資材需要の維持。
  • 脱炭素社会の実現に向け、カーボンニュートラルセメントやCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)技術開発による新たな事業機会の創出。

脅威

  • 原燃料価格や為替の変動による継続的なコスト上昇圧力と収益性への影響。
  • 国内建設業における人手不足や時間外労働規制強化(2024年問題)がセメント需要に及ぼすさらなる悪影響。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した配当収入と手堅い財務基盤を重視する中長期投資家: 年間120円の安定配当と、高い自己資本比率に魅力を感じる方。
  • 老舗企業の変革と成長分野への投資を期待する投資家: 伝統的なセメント事業の強みに加え、新材料事業における成長性や脱炭素への取り組みに対する将来性に注目する方。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 純利益の質と持続性: 直近の決算における純利益の大幅な増加が、特別利益(投資有価証券売却益など)という一時的要因に大きく依存している点を十分に理解し、本業の営業利益の継続的な改善に注目する必要があります。
  • 下期の業績回復への依存: 中間期の営業利益進捗率が通期予想に対してやや低調であるため、通期目標達成には下期での事業回復が不可欠です。国内建設需要の動向に加え、競争環境や原燃料価格の変動が下期の業績に与える影響は大きいでしょう。

今後ウォッチすべき指標

  • 新材料事業の売上高・営業利益の成長率と具体的な新規顧客獲得状況: 成長ドライバーとしての新材料事業が、全体の業績を牽引できるかどうかの鍵となります。特に半導体市場の循環的な変動にも耐えうる事業基盤構築が重要です。
  • セメント事業の営業利益率と廃棄物再資源化比率: 価格改定効果の持続性や原燃料価格の安定、そして環境負荷低減とコスト削減を両立させる廃棄物利用率の動向を継続的に確認すべきです。
  • ROEとROAの改善に向けた具体的な経営施策とその効果: 資本効率改善への具体的な取り組み(資産売却、事業選択と集中など)と、それが財務指標にどう反映されるかを注視する必要があります。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: C (横ばい(課題あり))
    • 過去12ヶ月の四半期売上成長率が-2.10%とマイナス成長であり、メインのセメント事業も国内需要の構造的減少に直面しています。新材料事業は成長していますが、企業全体としての売上高の伸びは限定的であり、過去5年間の売上高も概ね横ばいから微増傾向にあるため、「横ばい」と評価します。
  • 収益性: B (普通(改善途上))
    • ROE(過去12ヶ月実績7.21%)及び営業利益率(過去12ヶ月実績4.39%)は、一般的な目安(ROE10%以上かつ営業利益率10%以上)に達しておらず「普通」と判断されます。しかし、直近のセメント事業における価格改定効果や新材料事業の拡大により営業利益は大幅に改善しており、通期予想では営業利益率6.21%を見込むなど、収益性が改善途上にあることから、今後の動向に期待が持てます。
  • 財務健全性: A (良好)
    • 自己資本比率54.1%は60%以上というS判定基準にはわずかに届かないものの、一般的な安定水準を大きく上回ります。F-Score総合スコアが5/9点であり、D/Eレシオ0.4279倍も1.0倍未満であることから、財務基盤は非常に安定していると評価できます。流動比率1.17倍は1.5倍を達成していませんが、全体としての安定性から「良好」と判断します。
  • バリュエーション: A (割安)
    • PER14.03倍は業界平均18.3倍の約76.6%、PBR0.72倍は業界平均1.4倍の約51.4%と、いずれも業界平均と比較して大幅に割安な水準にあります。PER、PBRともに業界平均の80%を下回るため、「良好」と評価します。これは、現在の市場価値が企業の持つ純資産や将来の収益成長ポテンシャルを十分に反映していない可能性を示唆しています。

企業情報

銘柄コード 5232
企業名 住友大阪セメント
URL http://www.soc.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,329円
EPS(1株利益) 308.54円
年間配当 2.77円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.2% 16.1倍 5,028円 3.1%
標準 0.2% 14.0倍 4,362円 0.2%
悲観 1.0% 11.9倍 3,867円 -2.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,329円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,176円 △ 99%割高
10% 2,717円 △ 59%割高
5% 3,429円 △ 26%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。