企業の一言説明
山陽電気鉄道は神戸—姫路間を地盤に、運輸業を中核とし、流通、不動産、レジャーサービスなどを展開する地域密着型の私鉄企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 安定した地域ネットワークと多角化事業: 神戸—姫路間の基盤に加え、阪神電鉄との相互乗り入れによる大阪梅田への直通運行、さらに不動産開発など多角的な事業展開が安定収益の源泉となっています。
- 割安なバリュエーション: PER、PBRともに業界平均を下回る水準にあり、企業価値に対して株価が割安である可能性を示唆しています。
- 収益性改善と株主還元強化: コロナ禍からの回復に加え、費用効率化により営業利益率が向上傾向にあり、配当性向目標30%に基づく増配も発表しており、株主還元への意欲がうかがえます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | S | 優良 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,059.0円 | – |
| PER | 12.41倍 | 業界平均13.9倍 |
| PBR | 0.76倍 | 業界平均1.0倍 |
| 配当利回り | 2.43% | – |
| ROE | 5.41% | – |
1. 企業概要
山陽電気鉄道は、兵庫県神戸市を拠点に神戸—姫路間で鉄道事業を展開する陸運業の中核企業です。阪神電鉄との相互乗り入れにより、大阪梅田への利便性も確保しています。運輸業を主力に、流通業(百貨店など)、不動産業(賃貸・分譲)、レジャー・サービス業などを展開する多角経営が特徴です。地域に根差したインフラ事業に加え、沿線開発にも注力し、安定した収益モデルを確立しています。
2. 業界ポジション
山陽電気鉄道は、神戸—姫路間を主要地盤とする私鉄準大手として、地域公共交通を支える重要な役割を担っています。運輸事業では、長年の運行実績と阪神電鉄との相互乗り入れによる広域ネットワークが強みです。競合としては、JR西日本他が挙げられますが、地域に密着したサービスと沿線開発による固定客の確保で差別化を図っています。財務指標を見ると、PERは12.41倍と業界平均13.9倍を下回り、PBRも0.76倍と業界平均1.0倍を下回っており、業界内では割安な水準にあると言えます。
3. 経営戦略
山陽電気鉄道は、中核である運輸事業の安定成長に加え、流通、不動産、レジャー・サービスといった周辺事業の強化を通じて、企業価値の向上を目指しています。特に、沿線人口減少という長期的な課題に対して、沿線開発を通じた地域活性化と、大阪・関西万博などの大規模イベント需要を取り込むことで、運輸収入の回復・拡大を図る方針です。直近の決算短信では、2026年3月期の通期純利益予想を3,686百万円(前期比+21.6%)とし、年間配当を50円に増配する方針を示しており、株主還元への意欲も高めています。
4. 財務分析
山陽電気鉄道の財務状況を詳細に分析します。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
山陽電気鉄道のPiotroski F-Scoreは、スコアが「7/9」と高く、財務品質が「優良(S)」と評価されます。これは、収益性、財務健全性、効率性の各側面で良好なパフォーマンスを示していることを意味します。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益がゼロを上回る ✅、営業キャッシュフローがゼロを上回る ✅、ROAがプラス ✅ |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率は1.5未満 ❌、D/Eレシオは1.0未満 ✅、株式希薄化なし ✅ |
| 効率性 | 2/3 | 営業利益率は10%超 ✅、ROEは10%未満 ❌、四半期売上成長率はプラス ✅ |
解説:
収益性は3点満点を獲得しており、過去12ヶ月間において純利益、営業キャッシュフロー、ROA(総資産利益率)が全てプラスであり、企業の基本的な稼ぐ力が健全であることを示しています。
財務健全性は2点を獲得。総資産に占める負債の割合(D/Eレシオ)が1.0未満であり、新規株式発行による希薄化もない点は評価できます。しかし、流動比率(短期的な負債返済能力)が1.5倍を下回っており、短期的な資金繰りにはやや注意が必要です。
効率性も2点を獲得。営業利益率が10%を優に超える高い水準にある点は高評価です。四半期売上成長率もプラスですが、ROE(自己資本利益率)が10%を下回っており、株主資本を効率的に活用しきれていない点が課題として挙げられます。
【収益性】
山陽電気鉄道の収益性指標は以下の通りです。
- 営業利益率(過去12か月): 15.27%
- この水準は非常に高く、本業で高い収益力を発揮できていることを示唆します。一般的な目安である10%を大きく上回っており、コスト管理や価格設定が適切に行われていると考えられます。過去5年の推移を見ると、コロナ禍の2021年3月期に1.8%まで落ち込んだものの、順調に回復し、2024年3月期には11.03%、2025年3月期は10.56%と安定的に二桁を維持しています。直近12ヶ月が15.27%に達しているのは、主力の運輸業の回復に加え、費用効率化の成果が表れていると見られます。
- ROE(実績): (連)5.41%(過去12か月: 7.24%)
- ROEは「株主のお金でどれだけ稼いだか」を示す指標で、一般的に10%以上が良好とされます。山陽電気鉄道のROEは5.41%(過去12ヶ月では7.24%)と、この目安を下回っています。これは、高い営業利益率にもかかわらず、利益が純資産に対して十分に効率的に生み出せていない可能性を示唆しています。Piotroski F-Scoreの効率性項目でもROEの低さが減点要因となっています。
- ROA(過去12か月): 2.48%
- ROAは「会社の総資産をどれだけ効率的に利益につなげたか」を示す指標で、一般的な目安は5%以上です。2.48%という水準は、目安を下回っており、資産全体を効率的に活用する余地に課題があることを示しています。これは、鉄道事業という特性上、莫大な固定資産を保有するため、ROAが低くなりがちな傾向にあることも考慮する必要があります。
過去の損益計算書を見ると、2022年3月期の純利益が5,967百万円と突出していますが、これは「Total Unusual Items(その他の異常項目)」が6,714百万円と計上されていることによるものです。この期を除けば、純利益は2,664百万円から4,180百万円で推移しており、本業の収益性は徐々に改善している状況です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): (連)46.9%
- 自己資本比率は「会社の資金のうち、返済不要な自己資本が占める割合」を示し、高いほど財務が健全と言えます。46.9%という水準は、一般的な目安である30%を大きく上回っており、安定した財務基盤を有していると評価できます。これは、多額の固定資産を持つ鉄道会社としては良好な水準です。直近の中間期では49.2%とさらに向上しています。
- 流動比率(直近四半期): 0.91
- 流動比率は「短期的な負債を短期的な資産でどれだけカバーできるか」を示す指標で、150%(1.5倍)以上が安全圏とされます。山陽電気鉄道の流動比率は0.91(91%)と、1.0倍を下回っています。これは、短期の負債に対して流動資産が不足している状況を示しており、短期的な資金繰りには注意が必要な点がF-Scoreの財務健全性項目でも減点要因となっています。ただし、鉄道事業は安定的なキャッシュフローが見込まれる特性があり、必ずしも危機的な状況とは限りませんが、改善が望まれます。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 8,510百万円
- 本業で安定してキャッシュ(現金)を生み出していることを示します。金額も大きく、営業活動が順調であることを裏付けています。
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): -1,270百万円
- フリーキャッシュフロー(FCF)は「企業が自由に使えるお金」で、営業CFから投資CFを差し引いたものです。過去12ヶ月はマイナスとなっています。これは、本業で稼いだキャッシュ以上に、設備投資などの投資活動に資金を投入していることを意味します。鉄道会社はインフラ維持・更新に大規模な投資が必要なため、FCFがマイナスになること自体は珍しくありませんが、資金調達の状況と合わせて注視する必要があります。決算短信からも建設仮勘定の増加が確認されており、今後の成長に向けた投資が進められていることが窺えます。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 2.04
- この比率は「純利益のうち、どれだけが現金として手元に残っているか」を示し、1.0以上であれば利益の質が健全、つまり会計上の利益が実態を伴っていると評価されます。山陽電気鉄道は2.04と非常に高く、S (優良、キャッシュフローが利益を大幅に上回る) と評価できます。これは、会計的な調整による利益水増しのリスクが低い、非常に質の高い利益を上げていることを示しています。
【四半期進捗】
2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信によると、以下の進捗状況です。
- 通期予想に対する中間進捗率(2025年4月1日~9月30日)
- 営業収益進捗率: 47.7% (中間期実績19,117百万円 / 通期予想40,026百万円)
- 営業利益進捗率: 66.8% (中間期実績2,801百万円 / 通期予想4,194百万円)
- 純利益進捗率: 74.4% (中間期実績2,743百万円 / 通期予想3,686百万円)
- 直近3四半期の売上高・営業利益の推移(前年同期比較)
- 中間期営業収益: 19,117百万円 (前年同期比+2.3%)
- 中間期営業利益: 2,801百万円 (前年同期比+27.7%)
- 中間期親会社株主に帰属する当期純利益: 2,743百万円 (前年同期比+72.0%)
特に純利益の進捗率が高いのは、中間期に「退職給付制度改定益1,071百万円」という特別利益が計上されたためです。これを調整しても、営業利益ベースでは通期予想の66.8%と非常に良好な進捗を示しており、本業の収益が堅調に回復していることが伺えます。セグメント別では、運輸業の営業収益が+8.0%、セグメント利益が+81.8%と大幅な増益を達成しており、インバウンド需要回復や国内旅客数の増加が寄与していると考えられます。一方、流通業、不動産業、レジャー・サービス業は、営業収益やセグメント利益で前年同期比減となっている事業もあり、多角化事業における課題も浮き彫りになっています。
5. 株価分析
山陽電気鉄道の株価は、現在の市場においてどのような位置にあるのかを分析します。
【バリュエーション】
山陽電気鉄道のバリュエーション指標は、業界平均と比較して割安な水準にあります。
- PER(会社予想): 12.41倍
- PERは「株価が1株当たり利益の何年分か」を示し、低いほど割安とされます。業界平均BER13.9倍と比較すると、山陽電気鉄道のPERは低く、利益に対して株価が割安である可能性を示唆しています。この水準は適正から割安の範囲と判断できます。
- PBR(実績): 0.76倍
- PBRは「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示し、1倍未満は「解散価値を下回る状態」として割安と見なされることが多いです。業界平均PBR1.0倍と比較しても、山陽電気鉄道のPBRは0.76倍と1倍を大きく下回っており、純資産に対して株価が割安であると評価できます。
- 目標株価: 業種平均PER基準で2,615円、業種平均PBR基準で2,702円
- 現在の株価2,059.0円と比較すると、業界平均基準では約27%~31%の上値余地がある計算となり、割安感は明確です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -5.1 / シグナル値: -7.27 | 短期トレンドに明確な方向性が見られない |
| RSI | 中立 | 48.7% | 買われすぎでも売られすぎでもない中立レンジ |
| 5日線乖離率 | – | +0.70% | 直近のモメンタムはわずかに上向き |
| 25日線乖離率 | – | +0.22% | 短期トレンドからの乖離は小さい |
| 75日線乖離率 | – | +0.72% | 中期トレンドからの乖離は小さい |
| 200日線乖離率 | – | +0.89% | 長期トレンドからの乖離も小さい |
解説:
MACDはマイナス圏で推移しているものの、MACD値がシグナルラインを上回っているため、短期的な下降圧力は弱まりつつあると解釈できますが、明確なゴールデンクロスには至っておらず中立的な状況です。RSIは48.7%と中立圏にあり、過熱感や売られすぎ感はありません。
移動平均線乖離率はすべての期間でわずかにプラスとなっており、株価がそれぞれの移動平均線をわずかに上回って推移していることを示しています。これは、短期、中期、長期のいずれにおいても、現在の株価が平均的な水準をやや上回る位置にあり、緩やかな上昇基調にあることを示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価2,059.0円は、52週高値2,200.00円(本日高値との差 -141円)と52週安値1,819.00円(本日安値との差 +240円)の中間よりやや高値寄り(52週レンジ内位置: 63.0%)に位置しています。
移動平均線との関係では、現在の株価は50日移動平均線(2,054.14円)および200日移動平均線(2,041.45円)をわずかに上回っており、緩やかな上昇トレンドが継続していることを示唆しています。
直近10日間の株価推移を見ると、2,000円台前半から中盤にかけて比較的狭いレンジで推移しており、出来高も2万~5万株程度と多くはありません。これは、方向感に乏しいボックス圏での取引が続いていることを示しており、大きな材料待ちの状況と言えます。
【市場比較】
山陽電気鉄道の株価パフォーマンスは、日本の主要市場指数である日経平均株価およびTOPIXに対して、過去1年間顕著に劣後しています。
- 日経平均比
- 1ヶ月: 株式-0.53% vs 日経+10.26% → 10.80%ポイント下回る
- 3ヶ月: 株式+3.83% vs 日経+12.25% → 8.42%ポイント下回る
- 6ヶ月: 株式+3.26% vs 日経+38.15% → 34.89%ポイント下回る
- 1年: 株式+3.78% vs 日経+44.46% → 40.68%ポイント下回る
- TOPIX比
- 1ヶ月: 株式-0.53% vs TOPIX+5.34% → 5.88%ポイント下回る
日経平均株価やTOPIXが力強い上昇を見せる中で、山陽電気鉄道の株価は低ボラティリティで推移しており、市場全体の勢いに乗り切れていない状況です。これは、同社がディフェンシブ色の強い地域密着型企業であること、また、大型成長株や主力ハイテク株が市場を牽引している現状が背景にあると考えられます。
6. リスク評価
山陽電気鉄道に投資を検討する上で考慮すべきリスク要因を評価します。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.18
- ベータ値は市場全体の動きに対する個別銘柄の感応度を示します。0.18という非常に低いベータ値は、山陽電気鉄道の株価が市場全体(日経平均やTOPIXなど)の変動に対して非常に鈍感であることを意味します。市場が大きく上昇してもその恩恵を受けにくい一方で、市場が大きく下落しても下落幅は相対的に小さい、ディフェンシブな特性を持つ銘柄と言えます。
- 年間ボラティリティ: 14.66%
- 過去1年間の株価の年間変動率が14.66%であることを示します。これは、比較的低い水準であり、株価が安定して推移していることを意味します。
- 最大ドローダウン: -18.05%
- 最大ドローダウンは「過去の一定期間で記録された最大の下落率」を指します。仮に100万円投資した場合、過去の傾向から年間で最大18.05万円程度の損失を経験する可能性があったことを示しています。今後も同程度の変動が想定されるため、このリスクを許容できるかどうかが投資判断のポイントになります。
- シャープレシオ: 0.10
- シャープレシオは「リスクに見合うリターンが得られているか」を示す指標で、1.0以上が良好とされます。0.10という低い水準は、得られたリターンに対してリスクが大きいことを意味し、リスク効率という観点では改善の余地があると言えます。これは、上記の通り株価の変動(ボラティリティ)は低いものの、年間平均リターン(1.95%)も低いことが影響しています。
これらの定量リスク指標からは、山陽電気鉄道が市場変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄であり、株価の変動幅も比較的安定しているものの、リスク対比のリターン効率は現状では低い状況にあることが分かります。
【事業リスク】
- 運輸業における旅客需要変動リスク: 神戸—姫路間の地域を地盤とするため、沿線人口の減少や少子高齢化、他交通機関との競合(特にJR西日本)は長期的な旅客需要に影響を与えます。また、大規模災害やパンデミック発生時には、利用客が大幅に減少するリスクがあります。決算短信にも「旅客需要変動リスク」が明記されています。
- 不動産・流通など多角化事業における市況変動リスク: 運輸業以外の事業(流通、不動産、レジャー・サービス)は、景気変動や市場環境の変化に左右されやすい特性があります。例えば、不動産市況の悪化は分譲マンションや賃貸物件の収益に直接影響し、流通業では消費者の購買意欲減退が売上に響きます。中間決算でも不動産業の営業収益が減少しており、市況リスクが顕在化する可能性も留意が必要です。
- 変動費の高騰リスク: 鉄道事業は、電力料金や燃料費、修繕費などの費用が事業運営に大きく影響します。これらの価格が原油価格や為替レートの変動により高騰した場合、コストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。また、金利上昇は有利子負債の利払い負担を増加させるリスクがあります。決算短信にも「為替・燃料費・金利変動リスク」が挙げられています。
7. 市場センチメント
山陽電気鉄道の市場センチメントは、比較的落ち着いた状況にあります。
信用取引状況を見ると、信用買残が41,700株、信用売残が39,000株であり、信用倍率は1.07倍と拮抗しています。これは、将来的な買い圧力と売り圧力がほぼ均衡しており、需給面で極端な偏りがないことを示唆しています。そのため、直ちに大きな売り圧力や買い圧力が生じるリスクは低いと言えます。
主要株主構成では、阪神電気鉄道が17.38%を保有する筆頭株主であり、日本マスタートラスト信託銀行、関電不動産開発といった大手機関投資家・事業法人が上位に名を連ねています。これは、安定株主の存在を示しており、経営の安定性に寄与しています。
8. 株主還元
山陽電気鉄道は、株主還元に対して積極的な姿勢を示しています。
配当利回りは2.43%(会社予想)であり、日本のプライム市場平均と比較しても競争力のある水準です。
配当性向は23.92%(過去12ヶ月)、会社予想ベースでは約25.7%であり、利益の約4分の1を配当に回している計算です。これは、事業の成長投資に必要な内部留保と、株主への利益還元のバランスが取れた健全な水準と言えます。
また、2026年3月期の年間配当予想を35.00円から50.00円へと大幅に増額しており、株主還元強化への明確な意思がうかがえます。自社株買いに関する直近のデータは確認できませんが、増配を通じて株主への利益還元に注力しています。
SWOT分析
強み
- 安定した地域インフラ事業: 神戸—姫路間という特定の地域で鉄道インフラを保有・運営しており、安定的な収益基盤と地域からの高い信頼性があります。
- 多角化による収益分散: 運輸業を核としながらも、流通、不動産、レジャーサービスなども展開しており、運輸業に依存しすぎない収益構造を持っています。
弱み
- 低いROEとROA: 営業利益率は高いものの、ROE5.41%、ROA2.48%と、資本や資産を効率的に活用しきれていない点が課題です。
- 流動比率の低さ: 流動比率が0.91と1.0を下回っており、短期的な資金繰りには潜在的な注意が必要です。
機会
- 大阪・関西万博による需要増加: 大阪・関西万博などの大規模イベント開催は、阪神電鉄との相互乗り入れを通じて、鉄道利用客の大幅な増加とそれに伴う運輸収入の押し上げ機会となります。
- 沿線開発による事業成長: 沿線エリアでの新たな不動産開発や商業施設の誘致は、賃貸収入や分譲利益の増加、ひいては沿線人口の維持・増加による鉄道利用客の安定化につながります。
脅威
- 人口減少と少子高齢化: 主要地盤である兵庫県南部の人口減少や少子高齢化は、長期的に運輸事業の旅客数減少に直結し、収益を圧迫する可能性があります。
- 燃料費・金利変動リスク: 鉄道事業に必要な電力や燃料費の価格変動、多額の借入金に対する金利上昇は、コスト増加を通じて収益性を悪化させる直接的な要因となります。
この銘柄が向いている投資家
- 安定配当を求める長期投資家: 安定した事業基盤と増配意欲、そして比較的高い配当利回りは、配当収入を重視する長期投資家にとって魅力的な選択肢となり得ます。
- バリュー株投資家: PER、PBRともに業界平均を下回り、目標株価との乖離があるため、企業価値に対して株価が割安だと考えるバリュー志向の投資家に向いています。
- ディフェンシブ銘柄を好む投資家: ベータ値が非常に低く市場全体の下落局面で株価が比較的安定しやすい特性があるため、リスクを抑えたいディフェンシブ投資家にも適しています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 低い流動比率: 短期的な資金繰りには課題が残るため、キャッシュフローの状況を継続的に監視する必要があります。
- マイナスフリーキャッシュフロー: 大規模な設備投資の必要性からFCFがマイナス傾向にあるため、投資による将来的なリターンが期待できるか、資金調達の健全性は保たれているかを評価することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 運輸事業の旅客数・運輸収入: 大阪・関西万博開催などの外部要因や沿線開発の効果が、今後の主力事業の収益にどのように影響するか。目標値:前年比+5%以上の成長。
- 不動産事業の収益性: 沿線開発の進捗と、賃貸・分譲事業の寄与度が全体の収益にどう貢献するか。目標値:不動産セグメント利益の前年比+10%以上の成長。
- ROEの改善動向: 資本効率改善に向けた具体的な取り組みと、それに伴うROEの向上。目標値:ROE8%以上への改善。
成長性: C (やや不安)
- 評価基準: C(0-5%)
- 根拠: 過去12ヶ月の四半期売上成長率は3.20%であり、2026年3月期の通期営業収益予想成長率も+4.0%と、成長率は5%未満にとどまっています。主力である運輸業は回復基調にあるものの、全体の売上高成長は緩やかであり、市場全体の成長と比較するとやや物足りない水準です。
収益性: A (良好)
- 評価基準: A(ROE10-15%または営業利益率10-15%) / S(ROE15%以上かつ営業利益率15%以上)
- 根拠: 営業利益率は過去12ヶ月で15.27%と非常に高く、本業で優れた収益力を有しています。Piotroski F-Scoreの収益性スコアも3/3と満点です。一方でROEは7.24%(過去12ヶ月)と10%を下回っており、資本効率には改善の余地がありますが、高い営業利益率を評価し全体としては良好と判断します。
財務健全性: A (良好)
- 評価基準: A(自己資本比率40-60%・流動比率150%以上・F-Score5-6点) / S(自己資本比率60%以上・流動比率200%以上・F-Score7点以上)
- 根拠: 自己資本比率は46.9%と健全な水準にあり、Piotroski F-Scoreも7/9と優良です。ただし、流動比率が0.91と短期的な支払能力に課題を残すため、完全なS評価には至らず、総合的に見て良好なA評価とします。D/Eレシオは1.0未満で良好です。
バリュエーション: S (優良)
- 評価基準: S(PER/PBR業界平均の70%以下) / A(80-90%)
- 根拠: PER12.41倍は業界平均13.9倍の約89%に、PBR0.76倍は業界平均1.0倍の約76%に位置しており、いずれの指標で見ても業界平均と比較して割安な水準にあります。企業価値に対して株価が過小評価されている可能性が高く、バリュエーションは優良と判断します。
企業情報
| 銘柄コード | 9052 |
| 企業名 | 山陽電気鉄道 |
| URL | http://www.sanyo-railway.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,059円 |
| EPS(1株利益) | 165.89円 |
| 年間配当 | 2.43円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.5% | 14.3倍 | 4,086円 | 14.8% |
| 標準 | 8.9% | 12.4倍 | 3,149円 | 9.0% |
| 悲観 | 5.3% | 10.5倍 | 2,268円 | 2.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,059円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,573円 | △ 31%割高 |
| 10% | 1,965円 | △ 5%割高 |
| 5% | 2,480円 | ○ 17%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。