企業の一言説明

川崎地質は地質調査を主軸に、非破壊診断や環境調査、海洋・治水・地震防災といった多岐にわたるサービスを展開する地質調査業界の大手企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 業界特有の専門技術と安定した需要基盤: 国土強靭化やインフラ老朽化対策、防災・減災など、国内の公共投資に支えられた安定的な事業環境が強み。海洋調査やAIを活用した技術開発にも注力し、競争優位性を確立しています。
  • 実績に裏打ちされた収益性向上と割安なバリュエーション: 2025年11月期は大幅な増収増益を達成し、ROEは12%台と良好な水準。PER・PBR共に業界平均を下回っており、割安感があります。
  • 来期減益予想とキャッシュフローの懸念: 2026年11月期の会社予想は減収減益を見込んでおり、事業の季節性や大型案件の周期性に起因する可能性があります。加えて、営業キャッシュフローの継続的なマイナスと低い利益の質は、資金繰りや成長投資の観点から注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 不確実性あり
収益性 B 改善余地あり
財務健全性 A 一部懸念あり
バリュエーション A 割安感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4,660.0円
PER 11.96倍 業界平均15.0倍より割安
PBR 0.77倍 業界平均1.2倍より割安
配当利回り 1.72%
ROE 12.68%

1. 企業概要

川崎地質(4673)は1943年創業、1951年設立の地質調査大手企業です。地盤分析・評価、地下ガス調査、非破壊診断、環境調査、海洋・資源・エネルギー関連調査、地震防災対策など、多岐にわたる地質調査・計測・解析・設計サービスを提供しています。独自の技術開発力を持ち、災害対応や国土保全といった社会インフラを支える基盤事業を展開しています。収益は主に公共事業や民間工事における調査・コンサルティングフィーによって成り立っています。

2. 業界ポジション

川崎地質は「地質調査大手」として業界内で確固たる地位を築いています。政府の国土強靭化計画やインフラ老朽化対策、環境規制強化などを背景に、地質調査の需要は安定しています。同社は特に非破壊診断や環境調査、海洋調査に強みを持っており、技術的知見と実績で競合他社との差別化を図っています。
財務指標では、PER(株価収益率)11.96倍に対し業界平均が15.0倍、PBR(株価純資産倍率)0.77倍に対し業界平均が1.2倍と、PER、PBRともに業界平均を下回っており、同業他社と比較して割安な水準にあります。PBRが1倍を下回っている点は、株価が企業が持つ純資産価値よりも低く評価されていることを示唆します。

3. 経営戦略

川崎地質は国土強靭化、防災・減災、インフラ老朽化対応といった国内市場の安定した需要を背景に、専門技術を活かした事業展開を進めています。2025年11月期は受注高が前年同期比+11.9%となるなど、順調な事業拡大を遂げました。特に海洋分野や新技術開発への投資を通じて、事業領域の拡大と技術的優位性の確保を目指しています。
直近の重要な適時開示としては、2025年12月3日付で株式会社名桜土質測量設計を300百万円で取得しており、M&Aによる事業基盤強化を図る姿勢が見られます。
一方で、2026年11月期の会社業績予想では、売上高10,500百万円(前年同期比△17.4%)、営業利益450百万円(同△32.4%)、当期純利益340百万円(同△45.2%)と減収減益を見込んでいます。これは、2025年11月期に計上された特別利益(投資有価証券売却益158百万円)や、案件の大型周期性、M&Aに伴う一時的な費用増加などが影響している可能性があります。
今後のイベントとして、2026年5月28日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益とROAは良好ですが、営業キャッシュフローのマイナスが影響しています。
財務健全性 2/3 D/Eレシオと株式希薄化なしは評価される一方、流動比率がベンチマークを下回っています。
効率性 2/3 ROEと四半期売上成長率は良好ですが、営業利益率が依然として10%を下回ります。

Piotroski F-Scoreは、収益性、財務健全性、効率性の3つの観点から企業の財務状況を評価する指標です。川崎地質は総合スコアが6点(Aランク)と良好な水準ですが、細部を見ると改善の余地がある項目が散見されます。特に営業キャッシュフローのマイナスと流動比率の低さは、今後の財務運営において注意深く監視すべき点です。

【収益性】

  • 営業利益率: 2025年11月期は5.23%、過去12か月では1.79%。直近の業績は改善していますが、F-Scoreで用いられた過去12か月の実績値を基準とすると、業界平均や優良企業の目安とされる10%には届いておらず、B評価となります。(F-Scoreの判断基準では10%以上が良好)。
  • ROE(株主資本利益率): 12.68%。株主の資金を使ってどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標で、一般的な目安とされる10%を上回っており、良好な水準です。
  • ROA(総資産利益率): 3.83%。企業の全資産を活用してどれだけ利益を出したかを示す指標で、ベンチマークの5%を下回っており、改善の余地があります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率: 43.9%。企業の総資産に占める自己資本の割合で、負債が少なく経営の安定性を示す指標です。一般的に40%以上が良好とされ、同社は健全なレベルにあります。
  • 流動比率: 1.38倍。流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示します。ベンチマークとされる1.5倍(または2倍)を下回っており、短期的な資金繰りにはやや注意が必要です。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー: 過去12か月で△1,460百万円。2025年11月期も△1,459百万円と大幅なマイナスです。これは本業によって現金を創出できていない状態を示しており、継続的な赤字は事業活動からの資金流入不足を意味するため、大きな懸念材料です。
  • フリーキャッシュフロー: 過去12か月で△1,560百万円。営業キャッシュフローのマイナスに伴い、投資活動に必要な現金を本業で賄えていない状況です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: △2.35倍。営業キャッシュフローが純利益の何倍あるかを示す指標で、1.0倍以上が健全とされます。川崎地質は大幅なマイナスとなっており、「D(要注意)」レベルです。これは、会計上の利益(純利益)と実際に手元に残る現金(営業キャッシュフロー)の間で大きな乖離があることを示しており、利益の質に懸念があります。収益認識のタイミングや運転資本の変動などが影響している可能性があります。

【四半期進捗】

株式会社名桜土質測量設計の取得などの動きはありましたが、提供データに直近四半期ごとの売上高・営業利益の推移の詳細はありません。しかし、2025年11月期の通期実績(売上高12,708百万円、営業利益665百万円、純利益620百万円)は、前年実績を大幅に上回る好調な結果でした。一方で、すでに発表されている2026年11月期の会社計画では、売上高、営業利益、当期純利益のいずれも前年比で大幅な減少を見込んでおり、通期予想に対する今後の進捗に注目が必要です。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率): 11.96倍 (会社予想)。業界平均15.0倍と比較して約80%の水準であり、割安感があります。「株価が利益の何年分か」を示し、業界平均より低いため、収益性に対して株価が低く評価されている可能性があります。
  • PBR(株価純資産倍率): 0.77倍 (実績)。業界平均1.2倍と比較して約64%の水準であり、非常に割安感があります。「株価が純資産の何倍か」を示し、1倍を下回るため、企業の解散価値より株価が低い状態を示唆しています。

目標株価(業種平均PER基準8,031円、業種平均PBR基準7,218円)と比較しても、現在の株価4,660.0円は大幅に下回っており、バリュエーション面では割安と判断できます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 9.7 / シグナル値: 20.46 / ヒストグラム: -10.76 MACDがシグナルラインを下回っており、短期的な下降トレンドが示唆されますが、明確なデッドクロスではありません。
RSI 中立 49.4% 売られすぎでも買われすぎでもなく、中立的な水準です。
5日線乖離率 -0.55% 株価が5日移動平均線をわずかに下回っており、弱含みです。
25日線乖離率 -1.30% 株価が25日移動平均線をわずかに下回っており、短期的な下降傾向を示唆します。
75日線乖離率 -0.39% 株価が75日移動平均線をわずかに下回っており、中期トレンドも弱含みです。
200日線乖離率 +13.52% 株価が200日移動平均線を大きく上回っており、長期トレンドは依然として強い上昇傾向にあります。

【テクニカル】

現在の株価4,660.0円は、52週高値5,640円から約17%下落した水準であり、52週安値2,150円からは大きく上昇しています(レンジ内で71.9%の位置)。短期的には5日、25日、75日移動平均線を下回っており、直近の株価はやや調整局面にある可能性を示唆しています。しかし、200日移動平均線(4,104.95円)を大きく上回っていることから、長期的な上昇トレンドは継続していると見られます。過去1ヶ月のリターンは-3.22%と下落していますが、1年リターンでは+90.20%と大幅な上昇を記録しています。

【市場比較】

川崎地質の株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月では日経平均株価やTOPIXのパフォーマンスを下回っています。これは、市場全体の強い上昇トレンドから、一時的に調整局面に入っていることを示唆します。しかし、過去1年間では日経平均比で+43.94ポイント、TOPIX比でも大きくアウトパフォームしており、長期的な視点では市場平均を上回るパフォーマンスを達成しています。

【注意事項】

⚠️ 高ボラティリティかつ低出来高。売買時に価格変動リスクに注意が必要です。流動性が低いため、一度に大きな売買を行うと株価に大きな影響を与える可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値: 0.33(5年マンスリー)。市場全体の動きに対して株価がどの程度変動するかを示す指標です。1を下回るため、市場全体と比較して株価の変動(ボラティリティ)が低い傾向にあります。
  • 年間ボラティリティ: 51.21%。株価の年間変動率を示します。比較的高い水準であり、株価の変動幅が大きいことを意味します。仮に100万円投資した場合、年間で±51.21万円程度の変動が想定されます。
  • 最大ドローダウン: -62.06%。過去の一定期間で発生した最大の下落率です。この程度の大きな下落が今後も起こりうるリスクがあることを示しています。
  • シャープレシオ: -0.34。リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナスであるため、リスクに対して十分なリターンが得られていない状況を示しています。

【事業リスク】

  • 公共事業への依存度: 地質調査業界は公共事業からの受注に大きく依存する傾向があります。国の財政状況や政策変更は、同社の業績に直接的な影響を与える可能性があります。
  • 自然災害・気象変動リスク: 大規模な自然災害は需要を創出する一方で、同社の事業活動自体を妨げる可能性もあります。また、異常気象による工事の遅延や中断もリスクとなります。
  • 労働力不足と技術伝承: 専門性の高い地質調査エンジニアの確保や育成、技術伝承は業界全体の課題です。熟練技術者の高齢化や若手人材の不足は、事業継続性や競争力に影響を与える可能性があります。
  • キャッシュフローの課題: 営業キャッシュフローが恒常的にマイナスであることは、資金調達コストの増加や、将来の成長投資の制約となる可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が68,500株あるものの、信用売残がないため、信用倍率は0.00倍と表示されています。実質的に信用売残がない状態は、将来的な買い戻しによる買い圧力が不在であることを意味しますが、信用買残分の将来的な売り圧力は存在します。低出来高と相まって、需給バランスには注意が必要です。
  • 主要株主構成: 自社(自己株口)が15.97%と最大の株主であり、経営の安定性に寄与しています。その他、日本カストディ銀行(信託E口)6.52%、三木健嗣氏4.92%、みずほ銀行3.97%、三井住友銀行3.02%、日本生命保険3.02%などが上位株主として名を連ねており、機関投資家や安定株主が多い構造です。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.72%。同業他社と比較して平均的な水準です。
  • 1株配当(会社予想): 80.0円。
  • 配当実績(2025年11月期): 年間145円(中間25円、期末120円)。配当性向は20.4%でした。
  • 配当予想(2026年11月期): 年間80円(中間25円、期末55円)。2025年11月期の好業績を受けて増配しましたが、2026年11月期は減益予想に伴い減配する見込みです。配当性向は20.5%を維持する計画です。
  • 自社株買い: データ上、直近の自社株買いの明確な開示はありませんが、自社(自己株口)が15.97%の株式を保有しており、これは過去の自社株買いによるものと考えられます。

SWOT分析

強み

  • 地質調査業界での確固たる地位と専門技術力(非破壊診断、環境、海洋、防災など)。
  • 国土強靭化やインフラ維持といった公共事業起因の安定した需要基盤。

弱み

  • 営業キャッシュフローの継続的なマイナスと低い利益の質。
  • 短期的な支払い能力を示す流動比率がベンチマークを下回る。

機会

  • 老朽化インフラの診断・補修需要の増加。
  • 気候変動に伴う防災・減災対策の強化、およびレジリエンス(強靭性)向上の動き。

脅威

  • 公共事業予算の変動や国の政策変更による業績への影響。
  • 専門人材の不足と技術伝承の課題、および人件費の高騰。

この銘柄が向いている投資家

  • 割安株投資家: PBR1倍割れ、PERも業界平均を下回るため、割安な水準で事業基盤が安定した企業を探している投資家。
  • 長期的なインフラ関連需要に期待する投資家: 国土強靭化や老朽化インフラ対策など、長期的に安定した需要が見込まれる地質調査業界に魅力を感じる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 来期減益予想の背景と影響: 2026年11月期の減益予想が一時的なものか、あるいは構造的な変化によるものか、その背景を注視する必要があります。
  • キャッシュフローの改善状況: 営業キャッシュフローの恒常的なマイナスは、企業の運転資金や将来の成長投資に影響を及ぼすため、今後の改善動向を継続的に確認することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業キャッシュフロー: プラス転換、特に純利益を上回る規模での回復
  • 受注残高: 安定的な成長と将来の売上高の先行指標として
  • 流動比率: 1.5倍以上への改善

成長性

スコア: B
根拠: 2025年11月期は売上高+32.9%、親会社株主に帰属する当期純利益+75.4%と大幅な成長を達成しましたが、2026年11月期の会社予想では売上高△17.4%、当期純利益△45.2%と大幅な減益を見込んでおり、成長の持続性には不確実性があります。

収益性

スコア: B
根拠: ROEは12.68%と目安である10%を上回る良好な水準ですが、営業利益率(2025年11月期5.23%)は優良企業の目安とされる10%に届いておらず、改善の余地があります。

財務健全性

スコア: A
根拠: 自己資本比率43.9%と健全な水準にあり、Piotroski F-Scoreも6点(A評価)と良好です。しかし、流動比率が1.38倍とベンチマークを下回り、営業キャッシュフローがマイナスである点は懸念材料です。

バリュエーション

スコア: A
根拠: PER11.96倍(業界平均15.0倍)、PBR0.77倍(業界平均1.2倍)といずれも業界平均を下回っており、株価は割安な水準にあると判断できます。PBRが1倍を下回る点も割安感を強めています。


企業情報

銘柄コード 4673
企業名 川崎地質
URL http://www.kge.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,660円
EPS(1株利益) 389.68円
年間配当 1.72円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 3.9% 13.8倍 6,478円 6.8%
標準 3.0% 12.0倍 5,395円 3.0%
悲観 1.8% 10.2倍 4,327円 -1.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,660円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,687円 △ 73%割高
10% 3,356円 △ 39%割高
5% 4,235円 △ 10%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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