企業の一言説明

フェリシモは、衣料品・生活雑貨などをカタログやインターネットを通じて販売する定期購入予約型システムに強みを持つ大手通信販売企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて低いPBRと高い自己資本比率: PBRが0.32倍と解散価値を大きく下回り、自己資本比率も66.7%と非常に高く、財務基盤は盤石。バリュエーション面での大幅な割安感が際立ちます。
  • 収益構造の改善と事業の黒字転換: 直近の四半期決算では、昨年同期の営業損失から黒字に転換し、通期予想を大幅に超過する進捗を見せています。特に、自社企画商品を中心とした定期便事業の拡大が売上回復と利益改善を牽引している点は注目されます。
  • 慢性的な低収益性と成長の鈍化: 長期的に見ると売上高は減少傾向にあり、ROE、ROAも低水準で推移しており、本質的な収益力には課題が残ります。通販市場における競争激化に対応し、持続的な成長モデルを確立できるかが今後の鍵となります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 緩やかな成長
収益性 D 収益性に課題
財務健全性 A 良好な財務
バリュエーション B 割安感と課題

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 868.0円
PER 34.54倍 業界平均21.1倍(1.63倍)
PBR 0.32倍 業界平均1.3倍(0.24倍)
配当利回り 2.30%
ROE 0.71%

1. 企業概要

フェリシモ(3396)は、神戸市に本社を置くカタログ通販大手企業です。衣料品、生活関連品、雑貨、美容・健康製品、食品など多岐にわたる商品を、カタログやインターネットを通じて販売しています。特に、定期購入予約型のシステムに強みを持ち、顧客に継続的に製品を届けることで安定的な収益モデルを構築しています。自社企画商品の開発にも注力し、独自のブランドイメージを確立しており、顧客とのエンゲージメントを深めています。

2. 業界ポジション

フェリシモは、日本の通信販売業界において、特に定期購入モデルを強みとするニッチな市場で存在感を示しています。「カタログ通販大手」としての歴史とブランド力を持つ一方で、近年はeコマース市場の急成長に伴う競争激化に直面しています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、多くの競合がひしめく中で、独自の企画力と顧客コミュニティを基盤として差別化を図っています。財務指標を業界平均と比較すると、PERは34.54倍と業界平均の21.1倍を大きく上回る高水準ですが、これは利益水準が低いためです。一方で、PBRは0.32倍と業界平均の1.3倍を大幅に下回っており、純資産に対して株価が極めて割安に評価されている状況が伺えます。

3. 経営戦略

フェリシモは、直近の決算短信から、事業構造の転換と収益性の改善に注力している様子が伺えます。特に、自社企画商品を中心とした定期便事業の拡大を成長戦略の核と位置付けており、これが直近の売上回復と利益改善に貢献しています。2026年2月期第3四半期決算では、前年同期の営業損失から黒字転換を果たし、通期計画を大幅に超過する進捗を見せました。これは、販売費及び一般管理費の適切な管理も要因と考えられます。今後は、定期便事業のさらなる強化と顧客体験の向上を通じて、安定的な顧客基盤の拡大を目指すものと推測されます。

  • 今後のイベント: 2026年2月26日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益、ROAがプラス。営業キャッシュフローはデータなし。
財務健全性 2/3 流動比率が基準を満たし、株式希薄化なし。負債比率はデータなし。
効率性 1/3 四半期売上成長率はプラスも、営業利益率とROEが低水準。

フェリシモのPiotroski F-Scoreは5/9点であり、「良好」と評価されます。収益性については、純利益とROAがプラスであることから2/3点を得ています。財務健全性では、流動比率が基準を満たし、株式の希薄化もなかったため2/3点です。しかし、営業キャッシュフローとD/Eレシオに関する詳細なデータが提供されていないため、その項目は評価対象外となっています。効率性については、四半期売上成長率がプラスであったものの、営業利益率とROEが基準を下回ったため1/3点に留まっています。全体として、財務基盤の安定性は認められるものの、収益性の改善には依然として課題があることを示唆しています。

【収益性】

フェリシモの収益性は、過去数年間にわたり課題を抱えていました。

  • 営業利益率(過去12か月): -0.07%
  • ROE(実績): 0.71% (ベンチマーク10%に対し「低い」)
  • ROA(過去12か月): 0.90% (ベンチマーク5%に対し「低い」)

直近12か月の営業利益率はわずかにマイナスであり、収益性の低さが明らかです。ROE、ROAともにベンチマークを大きく下回っており、「株主のお金でどれだけ稼いだか」「総資産をどれだけ効率良く使って利益を上げたか」という観点では改善の余地が大きいと言えます。ただし、2026年2月期第3四半期決算では営業利益が黒字転換しており、今後の回復に期待が集まります。

【財務健全性】

フェリシモの財務健全性は非常に高い水準にあります。

  • 自己資本比率(実績): 66.7%
  • 流動比率(直近四半期): 2.67倍 (267%)

自己資本比率66.7%は非常に高く、企業の安定した財務基盤を示しています。負債が少なく、自己資金で経営されている健全な状態です。流動比率も267%と高く、短期的な支払い能力も十分に確保されており、キャッシュポジションも93.8億円と豊富です。これらの指標は、同社が強固な財務体質を有していることを明確に示しています。

【キャッシュフロー】

営業キャッシュフローの具体的な数値は提供されていませんが、損益計算書における営業利益の推移から間接的に評価します。過去の営業利益は変動が大きく、2024年2月期には営業損失を計上しています。しかし、過去12か月で28.9百万円、2025年2月期予想で7.1百万円、2026年2月期予想で13.7百万円と営業利益は回復傾向にあります。これは、本業でのキャッシュ創出力が改善しつつあることを示唆しています。

【利益の質】

営業CF/純利益比率はデータ不足のため算出できませんが、「純利益 > 0」であることから基本的な利益は確保されています。しかし、営業利益率が非常に低い水準であることから、利益の質には改善の余地があると評価できます。一時的な要因に頼らず、本業での安定した収益確保が課題です。

【四半期進捗】

2026年2月期第3四半期決算は、通期予想に対して非常に好調な進捗を見せています。

  • 売上高進捗率: 70.6%(通期予想30,531百万円に対し実績21,551百万円)
  • 営業利益進捗率: 143.8%(通期予想137百万円に対し実績197百万円)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益進捗率: 183.2%(通期予想179百万円に対し実績328百万円)

売上高は順調に推移しており、営業利益および純利益はすでに通期予想を大幅に超過達成しています。これは、コスト管理の徹底や定期便事業の好調が背景にあると考えられ、業績回復の兆しを強く示唆するものです。

【バリュエーション】

フェリシモのバリュエーションは、二つの異なる側面を持っています。

  • PER(会社予想): 34.54倍(業界平均21.1倍)
  • PBR(実績): 0.32倍(業界平均1.3倍)

PERは業界平均と比較して高水準であり、利益水準が低いため割高に見えます。これは、過去の業績低迷によるEPSの低下が大きく影響しています。一方、PBRは0.32倍と業界平均を大幅に下回り、同社の純資産価値と比較して株価が著しく割安であることを示しています。「解散価値を下回る状態」である1倍未満であり、特に0.5倍を下回る水準は極めて珍しいと言えます。これは、市場がフェリシモの将来的な成長性や収益改善能力に対し、悲観的な見方をしているか、あるいは単に注目度が低い「割安放置」の状態にある可能性の両方を示唆します。目標株価は業種平均PER基準で1,117円、業種平均PBR基準で3,557円と、特にPBR基準では大きな乖離が見られます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 1.84 / シグナルライン: 0.84 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 56.9% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.16% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +0.27% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +1.36% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +2.58% 長期トレンドからの乖離

RSIが56.9%と中立圏にあり、売買の過熱感は見られません。MACDは中立を示唆しており、明確なトレンドは確認できません。現在株価は868.0円で、5日移動平均線(869.40円)を下回っていますが、25日、75日、200日移動平均線はすべて上回っており、中長期的な上昇トレンドの中に位置しています。移動平均線からの乖離率も小さく、安定した値動きを示しています。

【テクニカル】

株価868.0円は、52週高値958円と安値695円のレンジ内で、65.8%の位置にあり、やや高値圏にあります。しかし、長期的な移動平均線が上向きであることから、株価は堅調に推移していると言えます。1ヶ月レンジ835円~882円、3ヶ月レンジ823円~900円と比較しても、現在の水準はほぼレンジ中央に近い位置にあります。

【市場比較】

日経平均株価やTOPIXとの相対パフォーマンスでは、フェリシモの株価は全ての期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年)において市場平均を大きく下回っています。これは、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていないことを示しており、投資家の注目度が低い可能性を示唆しています。株価モメンタムは市場全体と比較して弱いと言えます。

【注意事項】

⚠️ バリュエーション面ではPBRが0.32倍と極めて低い水準にありながらも、ROEが0.71%と低く、過去に赤字転落経験もあるため、バリュートラップの可能性も考慮する必要があります。PBRの割安さだけで投資判断をするのは避けるべきです。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.25 (S&P 500連動)
  • 年間ボラティリティ: 15.24%
  • シャープレシオ: 0.23
  • 最大ドローダウン: -24.62%
  • 年間平均リターン: 3.97%

フェリシモはベータ値0.25と非常に低く、市場全体の変動に対する感応度が低い、安定性の高い銘柄と言えます。年間ボラティリティ15.24%は、仮に100万円投資した場合、年間で±15.24万円程度の変動が想定されることを意味します。シャープレシオ0.23は、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない水準です。過去の最大ドローダウン-24.62%は、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。

【事業リスク】

  • 競争激化と市場変化: 通販・eコマース市場は新規参入が多く、価格競争やサービス競争が激化しています。消費者の購買行動の変化や競合他社の戦略が、フェリシモの売上や収益に影響を与える可能性があります。
  • 物流コスト・原材料価格の変動: 主要な事業運営費用である物流コストや、自社企画商品の原材料価格の変動は、特に営業利益率の低い同社にとって収益を圧迫する要因となり得ます。
  • 顧客基盤維持・拡大の課題: 定期便事業は安定収益源ですが、新規顧客の獲得や既存顧客の維持には、常に新しい商品企画やプロモーション活動が求められます。顧客ニーズの多様化に対応できない場合、収益の伸び悩みに繋がる可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残が24,200株に対し、信用売残が0株であり、信用倍率は0.00倍です。これは、短期的な売り圧力がないことを示唆しますが、市場の関心が低い可能性も考えられます。
主要株主構成を見ると、自社(自己株口)が25.37%、目神山事務所が8.41%、一般財団法人フェリシモ財団が6.29%と、安定株主が多く、経営の安定性に寄与していると見られます。機関投資家の保有割合は0.07%と非常に低い水準です。

8. 株主還元

フェリシモは、株主還元にも力を入れています。

  • 配当利回り(会社予想): 2.30%
  • 1株配当(会社予想): 20.00円
  • 配当性向(予想): 約79.3%(配当20.00円 ÷ 通期予想EPS 25.24円)

2026年2月期の配当予想は年間20.00円と、前期実績の15.00円から増配ペースとなっています。配当性向は約79.3%と高水準であり、利益の多くを株主還元に回す方針を示しています。また、直近の決算短信では自己株式500,000株の消却を実施しており、これは1株当たりの価値向上を通じて株主価値を高める取り組みと評価できます。

SWOT分析

強み

  • 定期購入予約型システムによる安定的な顧客基盤と収益モデル。
  • PBR0.32倍、自己資本比率66.7%と極めて高い財務健全性。
  • 自社企画商品開発力とブランドイメージ。

弱み

  • 過去数年間の売上高減少と慢性的な低収益性(低ROE、低ROA)。
  • 市場全体の成長率と比較して劣る株価パフォーマンス。
  • 利益の成長性がPERに反映されていない。

機会

  • Eコマース市場全体の拡大と新しい顧客層へのアプローチ。
  • サステナビリティやエシカル消費への関心の高まり(フェリシモのブランドイメージと合致)。
  • 定期便事業のさらなる拡大と商品ラインナップの多様化。

脅威

  • 通販・Eコマース市場における価格競争と新規参入の激化。
  • 消費者トレンドの急速な変化に対応する必要性。
  • 物流コストや原材料費の高騰による収益性圧迫リスク。

この銘柄が向いている投資家

  • 財務健全性を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と潤沢な手元資金は、企業の安定性を求める投資家にとって魅力です。
  • バリュートラップ理解し、PBRの低さを評価する投資家: 異常な低PBRに魅力を感じ、将来的な企業価値向上による株価是正を期待する投資家。
  • 業績回復による成長期待を持つ投資家: 直近の黒字転換や定期便事業の拡大など、事業構造の改善にポジティブな兆候を見出し、今後の収益性回復を期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • バリュートラップのリスク: PBRの低さは見かけの割安感だけでなく、市場が企業の成長性や収益力に課題があると見ている可能性を含んでいます。持続的な収益性改善が見られなければ、割安放置が続く可能性があります。
  • 明確な成長戦略の進捗: 黒字転換は評価できるものの、これが一時的なものに終わらず、売上高の継続的な成長と収益性の抜本的な改善に繋がるか、その進捗を注意深く見守る必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の改善: 目標はB評価基準の5%以上。収益性の本格的な回復を示す重要な指標です。
  • 新規定期便会員獲得数・継続率: 定期便事業の成長が今後の企業成長の鍵となるため、その進捗を継続的に確認すべきです。
  • 総資産回転率: 資産をどれだけ効率的に売上高に結びつけられているかを示す指標であり、経営効率改善の兆候を確認するために重要です。

成長性:C(緩やかな成長)

過去数年間の売上高は減少傾向にありましたが、2026年2月期の通期予想では前年比増収を見込んでおり、直近の四半期売上高成長率も1.0%と微増を達成しました。しかし、S評価基準の年間15%以上の成長には遠く、本格的な成長軌道に乗ったとは言えないため、「C」評価とします。

収益性:D(収益性に課題)

ROEは0.71%(過去12ヶ月で3.02%)、営業利益率は過去12ヶ月で-0.07%と、ベンチマークのROE10%や営業利益率10%を大きく下回っています。直近四半期で黒字転換したとはいえ、依然として収益性は低水準であり、大幅な改善が求められるため「D」評価とします。

財務健全性:A(良好な財務)

自己資本比率66.7%は60%以上というS評価基準を満たし、流動比率267%も200%以上とS評価基準をクリアしています。Piotroski F-Scoreも5/9点と良好です。S評価基準のF-Score7点以上には及ばないものの、極めて高い自己資本比率と流動比率により、財務基盤は非常に強固であると評価し「A」評価とします。

バリュエーション:B(割安感と課題)

PBRは0.32倍と業界平均を大幅に下回り、S評価(業界平均の70%以下)に該当するほどの割安感があります。しかし、PERは34.54倍と業界平均を大きく上回る水準です。これは利益水準が低いためにPERが押し上げられているためで、見かけ上の割高感があります。PBRの割安感は魅力的である一方、PERの高さは懸念材料であり、現在の収益力を反映した「B」評価とします。


企業情報

銘柄コード 3396
企業名 フェリシモ
URL http://www.felissimo.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 868円
EPS(1株利益) 25.13円
年間配当 2.30円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 35.1倍 882円 0.6%
標準 0.0% 30.5倍 767円 -2.2%
悲観 1.0% 25.9倍 685円 -4.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 868円

目標年率 理論株価 判定
15% 387円 △ 124%割高
10% 483円 △ 80%割高
5% 610円 △ 42%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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