企業の一言説明

パルマはトランクルームの滞納保証を軸に展開し、レンタル施設の開発、運営、仲介まで手掛ける不動産専門事業サービス企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 安定収益を支えるビジネスソリューション(BS)事業: トランクルーム運営受託における滞納保証やBPOサービスが安定的な収益基盤を構築しており、BPO受託残高やクラリス登録室数の継続的な増加は安定成長を期待させます。
  • 成長ドライバーとしてのターンキーソリューション(TKS)事業: 一棟屋内型トランクルーム施設の開発・売却による大型収益機会を創出しており、今後の竣工・売却によって業績の変動要因となるものの、成長の柱となる可能性があります。
  • 収益の季節性・不動産市況変動リスク: TKS事業の売却タイミングが四半期収益に偏りを生じさせる可能性や、不動産市況の変動が業績に直接影響を及ぼすリスクが存在します。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 普通
収益性 A 良好
財務健全性 A 良好
バリュエーション C やや割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 549.0円
PER 17.69倍 業界平均11.30倍
PBR 1.57倍 業界平均0.90倍
配当利回り 2.37%
ROE 5.13%

1. 企業概要

パルマは、自己保管型倉庫(トランクルーム)に特化した専門事業サービスを展開する企業です。滞納保証を基盤とする「ビジネスソリューションサービス(BS)」と、トランクルームの開発・企画・設計・建設から賃貸・売却までを一貫して手掛ける「ターンキーソリューションサービス(TKS)」の二本柱で収益を上げています。トランクルーム運営のノウハウとネットワークは技術的独自性であり、BPOサービスや保証サービスによる継続収入モデルが特徴です。

2. 業界ポジション

パルマは国内のトランクルーム市場において、専門性の高いサービスと開発能力で独自のポジションを築いています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、トランクルームの滞納保証を軸とする事業はニッチかつ専門性が高く、参入障壁の一因となっています。市場全体としては成長が見込まれるものの、同社はディア・ライフ系の企業として、不動産開発におけるグループシナジーも期待されます。
財務指標では、PER 17.69倍は業界平均11.30倍と比較してやや高め、PBR 1.57倍も業界平均0.90倍より高めとなっており、市場は同社の成長性や独自の事業モデルをある程度評価していると考えられますが、割安感は薄い水準です。

3. 経営戦略

パルマの経営戦略は、既存事業の安定強化と新規事業の多角化、そしてDX推進による収益基盤の強化にあります。

中期経営計画と成長戦略の要点:

決算説明資料によると、同社は事業環境が概ね想定通りに推移しているとし、期初計画を据え置いています。成長戦略の核となるのは以下の施策です。

  • ビジネスソリューション(BS)事業の拡販と安定収益強化: BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)受託残高、クラリス(トランクルームポータルサイト)登録室数、コールセンター受託件数の増加を通じて、安定的なストック収益を確保することを目指しています。これは同社の収益基盤を安定させる上で極めて重要です。
  • ターンキーソリューション(TKS)事業の推進: 一棟屋内型トランクルーム施設(東京都大田区池上約200室、横浜反町約140室)の開発を積極的に進め、2026年3月の竣工、2026年9月の売却を予定しています。この事業は、高額な売上を一度に計上する性質があり、同社の成長を牽引する重要なドライバーとなる一方で、不動産市況や売却タイミングによって業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • DX推進と新規事業開発: 業務効率化のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に加え、レンタルオフィス保証など新たな収益源の創出にも注力しています。これは、将来的な収益基盤の多角化とリスク分散に寄与すると考えられます。

最近の重要な適時開示:
2026年9月期第1四半期決算短信では、売上高が前年同期比₊4.0%増、営業利益が同₊56.6%増と好調に推移しました。特にビジネスソリューションサービスは売上高が₊7.1%増、セグメント利益が₊10.1%増と堅調です。一方、ターンキーソリューションサービスは売上高が-3.7%減となり、セグメント損失は引き続き計上していますが、前年同期からは改善傾向にあります。
今後のイベント:
提供データによると、2026年9月期第1四半期決算説明資料で言及されたTKS事業の一棟屋内型施設の竣工(2026年3月)と売却(2026年9月)が今後の重要なイベントです。これらの売却が計画通りに進むかどうかが、通期の業績達成に大きく影響します。また、2026年9月29日に配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 3/3 優良(純利益、営業CF、ROAが全て良好)
財務健全性 2/3 良好(流動比率、株式希薄化に問題なし、D/Eレシオに改善余地)
効率性 1/3 やや懸念(営業利益率、四半期売上成長率に課題)

F-Score 詳細解説:

パルマの総合F-Scoreは6/9点と「良好」な評価です。

  • 収益性スコア (3/3点): 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、企業の基本的な収益創出力は強固です。これは、事業が稼ぐ力を持ち、キャッシュを生み出していることを示しており、非常に肯定的な要素です。
  • 財務健全性スコア (2/3点): 流動比率が3.40と高く、短期的な支払い能力に問題はありません。また、株式の希薄化も見られないため、株主価値が維持されています。しかし、D/Eレシオ(負債資本比率)が1.0269と1.0を超えており、有利子負債が自己資本をわずかに上回っている点は、金融負債の管理に関して改善の余地があることを示唆しています。
  • 効率性スコア (1/3点): ROEは10.63%と良好な水準ですが、営業利益率が4.63%と10%を下回っており、売上高に対する利益創出力には改善の余地があります。また、四半期売上成長率がマイナス17.72%と成長性において一部懸念が見られます。これは、売上高の変動が大きいターンキーソリューション事業の特性に起因する可能性もありますが、安定的な売上成長を高めるための施策が求められます。

【収益性】営業利益率、ROE、ROA

決算期 営業利益率 ROE ROA
2021/9単 3.68% 3.72% データなし
2022/9単 0.25% 1.33% データなし
2023/9単 7.14% 4.96% データなし
2024/9単 4.38% 3.46% データなし
2025/9単 6.36% 5.13% 4.44%(過去12ヶ月)
過去12ヶ月 4.63% 10.63% 4.44%
  • ROE(Return On Equity): 株主資本利益率を示すROEは、過去12か月で10.63%とベンチマークの10%を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していると評価できます。ただし、過去の決算期では5%以下の水準が続いており、直近で改善が見られる点に注目が必要です。これは、利益水準の改善や、自己資本の効率的な活用が進んでいることを示唆します。
  • ROA(Return On Assets): 総資産利益率を示すROAは過去12か月で4.44%と、ベンチマークの5%にはわずかに届きませんが、企業が総資産を活用して利益を生み出す能力は「普通」と言えます。不動産関連企業は資産規模が大きくなる傾向があるため、高水準を維持することは挑戦的です。
  • 営業利益率: 過去12か月の営業利益率は4.63%と、経営全体から見て利益を生み出す効率性は平均的と言えます。2023年9月期には7.14%を記録していますが、不動産事業特性上、売却案件の有無によって変動しやすい傾向があります。第1四半期決算では営業利益が前年同期比+56.6%と大幅増を記録しており、今後の改善が期待されます。

【財務健全性】自己資本比率、流動比率

決算期 自己資本比率 流動比率
2021/9単 50.69% データなし
2022/9単 60.27% データなし
2023/9単 62.86% データなし
2024/9単 65.97% データなし
2025/9単 63.84% 3.40(直近四半期)
  • 自己資本比率: 2025年9月期実績で63.8%と非常に高い水準を維持しており、財務基盤は強固です。これは、企業の資産に対する自己資金の割合が高く、外部負債への依存度が低いことを意味し、金融機関からの評価も高まりやすい健全な財務状態と言えます。
  • 流動比率: 直近四半期で3.40(340%)と非常に高く、短期的な負債に対する支払能力に全く問題がないことを示しています。通常200%以上で良好とされるため、企業の流動性は極めて優れています。これは、運用資金に余裕があり、突発的な資金需要にも対応しやすい体力があることを示唆します。

【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況

  • 営業キャッシュフロー (Operating Cash Flow): 過去12ヶ月で10億7,000万円を記録しており、本業で安定してキャッシュを生み出していることを示します。これは企業の収益性が実際の資金として手元に残ることを意味し、事業活動が順調であることを裏付けています。
  • フリーキャッシュフロー (Free Cash Flow): 過去12ヶ月で10億8,000万円と、営業キャッシュフローをわずかに上回る水準です。これは、本業で稼いだキャッシュから設備投資などの必要な投資を差し引いても、手元に多額の自由な資金が残っていることを示します。この潤沢なフリーキャッシュフローは、将来の成長投資、負債返済、または株主還元などに柔軟に充当できる財務的余裕があることを意味し、企業の投資余力や財務健全性を強く支持するポジティブな要素です。

【利益の質】営業CF/純利益比率

  • 営業CF/純利益比率: 5.02倍
  • 評価: S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))

この比率が1.0以上であれば利益の質が健全とされますが、パルマは5.02倍と非常に高い水準です。これは、計上されている純利益が、会計上の利益操作などではなく、実際の事業活動によって生み出されたキャッシュフローに裏打ちされていることを明確に示しています。高い比率は、企業の財務が透明性が高く、非常に健全な状態にある証拠であり、投資家にとっては安心材料となります。

【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移

2026年9月期 第1四半期(10月~12月)決算進捗:

  • 営業利益:22,799千円(通期予想370,000千円に対し 6.2% 進捗)
  • 経常利益:41,138千円(通期予想350,000千円に対し 11.8% 進捗)
  • 四半期純利益:26,150千円(通期予想210,000千円に対し 12.5% 進捗)

第1四半期の純利益進捗率は12.5%と通期予想に対しては一見低いように見えますが、不動産事業は四半期ごとに収益が大きく変動する特性があります。特にTKS事業における一棟売却が下期に集中する計画であることを考慮すると、この進捗率は計画通りと捉えることもできます。経営陣も期初計画を据え置いているため、現時点では順調と捉えられますが、TKS事業の売却進捗は今後注意深く見守る必要があります。

直近3四半期の売上高・営業利益の推移(データより推測):

損益計算書に最新の四半期データが直接記載されていないため、年度データと過去12ヶ月データから推測すると、売上高は2,312,413千円で変動が見られます。営業利益は過去12ヶ月で147,583千円となっており、2024年9月期の123,693千円からは増加傾向にあります。2026年9月期第1四半期は営業利益が前年同期比56.6%増と大幅な回復を見せており、通期での利益改善が期待されます。

【バリュエーション】PER/PBR(業界平均比較、割安/適正/割高の判定)

  • PER(会社予想): 17.69倍
    • 業界平均PER: 11.30倍
    • パルマのPERは業界平均を約57%上回っており、割高と判断されます。これは、市場が同社の将来の成長性や事業の独自性を評価している一方で、足元の収益に対して株価がやや過熱感を持っている可能性があります。
  • PBR(実績): 1.57倍
    • 業界平均PBR: 0.90倍
    • パルマのPBRは業界平均を約74%上回っており、こちらも割高と判断されます。PBRが1倍を超えていることは、企業の純資産に対する株価の評価が高く、解散価値を上回る事業継続価値を市場が見出していることを示しますが、業界平均との比較ではやや高評価されすぎている可能性があります。
  • バリュエーション総評:
    PER、PBRともに業界平均を大きく上回る水準であり、現在の株価は純粋な収益力や資産価値から見ると割高感があります。ただし、これはパルマが展開するビジネスソリューション事業の安定性や、トランクルーム市場の成長性、ターンキーソリューション事業による今後の高収益案件への期待が株価に織り込まれている可能性も考えられます。個人投資家は、これらの成長期待が現在の株価水準に見合うものであるかを慎重に見極める必要があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 1.51 / シグナル値: 2.38 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 53.2% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.40% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +0.16% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +3.62% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +2.56% 長期トレンドからの乖離

テクニカルシグナルの解説:

  • MACD: MACD値1.51がシグナルライン2.38を下回っており、ヒストグラムがマイナスであることから、短期的な上昇モメンタムは現時点では弱い「中立」状態と解釈されます。明確なゴールデンクロスやデッドクロスは確認されず、トレンドの方向性は現在明確ではありません。
  • RSI: 53.2%は「中立」領域にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状態を示唆しています。株価がレンジ内で推移している可能性や、方向感が定まっていない状況が考えられます。
  • 移動平均線乖離率: いずれの移動平均線(5日、25日、75日、200日)に対してもプラスの乖離率を示しており、現在の株価は短期から長期の移動平均線を上回って推移しています。特に75日線と200日線に対しては3%以上の乖離があり、中期・長期的に見れば株価が緩やかな上昇トレンドにあることを示唆しています。しかし、その乖離幅は非常に小さいため、強い上昇トレンドとは言えず、今後の方向性を見極める必要があります。現在の株価が全ての移動平均線の上に位置していることは、下値の堅さをある程度示していると見ることもできます。

【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係

  • 52週高値・安値との位置: 現在株価549.0円は、年初来高値636円、年初来安値408円に対し、レンジの61.8%の位置にあります。これは、高値圏に近づいているものの、まだ上昇余地がある範囲と見ることができます。市場参加者は高値更新を警戒しつつも、底値からの回復傾向を感じている可能性があります。
  • 移動平均線との関係: 現在株価(549.0円)は、5日移動平均線(546.80円)、25日移動平均線(548.12円)、75日移動平均線(529.83円)、200日移動平均線(534.92円)の全てを上回っています。これは、短期から長期にわたる全ての移動平均線が下値支持線として機能していることを示しており、株価は堅調な推移を見せています。特に、長期的な200日移動平均線も上回っていることは、中長期的な上昇トレンドを示唆するポジティブなシグナルと捉えられます。

【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス

パルマの株価パフォーマンスは、市場全体(日経平均、TOPIX)と比較して、特に中長期で大きく下回っています。

  • 1ヶ月リターン: 株式-0.72% vs 日経+7.68% → 8.40%ポイント下回る
  • 3ヶ月リターン: 株式+7.02% vs 日経+12.92% → 5.90%ポイント下回る
  • 6ヶ月リターン: 株式+2.23% vs 日経+33.24% → 31.00%ポイント下回る
  • 1年リターン: 株式-1.08% vs 日経+46.51% → 47.59%ポイント下回る

解説:
直近1ヶ月から1年までの全ての期間において、パルマの株価は日経平均およびTOPIXといった主要市場指数を大幅に下回るパフォーマンスとなっています。特に6ヶ月、1年といった中長期で顕著な差が出ており、市場全体が強い上昇トレンドにある中で、同社の株価は相対的に低調に推移していることが分かります。
この乖離の背景には、不動産セクター全体での注目度の違いや、パルマの事業規模が比較的小さいこと、および特定の大型案件(TKS事業)の売却タイミングによる業績変動が市場全体の成長トレンドに乗りにくい要因となっている可能性があります。また、好調な決算発表があった場合でも、その反動で調整が入るなど、個別の材料に影響を受けやすい傾向も考えられます。市場全体のトレンドに追随して上昇するのではなく、企業個別の業績動向や成長戦略の進捗が株価に直接反映されやすい銘柄と言えるでしょう。

【注意事項】

  • 信用倍率0.00倍: 信用買残が27,200株に対し信用売残が0株のため、売り圧力は現在全くありません。これは株価上昇時の抵抗が少ない一方で、新規の信用買いが増えすぎると将来的な売り圧力となる可能性もゼロではありませんが、現状では懸念は非常に低い水言です。

【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン

  • ベータ値: 1.64
    • 市場全体の動きに対するパルマの株価の感応度を示すベータ値は1.64です。これは、市場が1%変動した際にパルマの株価が平均して1.64%変動する傾向があることを示しており、市場平均よりも高い変動リスクを持つ銘柄であることを意味します。高ベータの銘柄は、市場が上昇する際にはそれを上回るリターンを期待できる一方で、市場が下落する際にはより大きく下落する可能性も考慮する必要があります。
  • 年間ボラティリティ: 37.12%
    • 年間の株価の変動幅を示すボラティリティは37.12%と、比較的高い水準です。これは株価の変動が大きく、短期的な価格変動リスクが高いことを示しています。高ボラティリティは、短期間で大きな利益を得るチャンスがある反面、大きな損失を被るリスクも大きいことを意味します。
  • 最大ドローダウン: -55.92%
    • 過去のある期間において、最高値から最安値までどれだけ下落したかを示す最大ドローダウンは-55.92%です。これは、過去の投資において最大で約56%の資産価値が一時的に失われる局面があったことを意味します。仮に100万円投資した場合、最悪のシナリオでは約55.9万円程度の損失を経験する可能性があったということです。将来も同程度の下落が起こりうるリスクを認識しておくべきです。
  • 年間平均リターン: -13.55%
    • 過去の年間平均リターンは-13.55%とマイナスです。これは、過去に長期的に保有した場合、平均して資産が減少したことを示しています。この数値は今後の投資リターンを保証するものではありませんが、過去のパフォーマンスからは、安易な長期保有ではなく、成長戦略や業績の進捗を常に確認する必要があることを示唆しています。
  • シャープレシオ: -0.38
    • リスク1単位あたりどれだけのリターンが得られるかを示すシャープレシオは-0.38です。シャープレシオがマイナスの場合、取得したリターンがリスクに見合っていない、またはリスクに見合うリターンが得られていないことを示します。一般的に1.0以上が良好とされるため、パルマのリスク・リターン効率は低いと評価されます。

【事業リスク】

  • 不動産市況および景気動向の影響: パルマのTKS(ターンキーソリューションサービス)事業は、トランクルーム開発・売却が中心であり、オフィスや住宅市場と同様に、不動産市況や景気動向に直接的な影響を受けます。金利変動、建築費の高騰、土地取得価格の上昇などが収益性を圧迫する可能性があります。
  • TKS事業における収益の季節性・偏重リスク: TKS事業は一棟売り等の大型案件が主であり、その売却タイミングによって、四半期ごとの業績が大きく変動するリスクがあります。計画通りに売却が進まない場合や、想定より低い価格での売却となった場合には、通期業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。決算説明資料でも「TKSの売却タイミング・不動産市況により収益が四半期偏在するリスク」が明記されています。
  • 競争環境の激化と新規参入: 国内のトランクルーム市場は成長が見込まれる一方で、新規参入企業や、他業種からの参入が増加する可能性があります。これに伴い競争が激化した場合、賃料の低下や顧客獲得コストの増加などにより、BS事業の収益性が圧迫されるリスクがあります。
  • システム障害および情報セキュリティリスク: BPOサービスやポータルサイト運営においてITシステムは不可欠です。システム障害やサイバー攻撃、情報漏洩が発生した場合、事業継続に支障をきたし、顧客からの信頼失墜や損害賠償請求に繋がる可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が27,200株に対して信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは信用売りの残高が存在しないことを示しており、現時点では株価の上昇を阻害する大きな売り圧力は想定されません。しかし、将来的に信用買いが一段と増加した場合、その解消売りが株価に影響を与える可能性はあります。
  • 主要株主構成: 筆頭株主はディア・ライフ(39.29%)で、第2位に日本郵政キャピタル(18.92%)が続きます。上位は大株主が多くの株式を保有しており、流通株式数(Float)は132万株と発行済株式数の約19.5%にとどまっています。機関投資家の保有割合は0.00%と低く、インサイダー(主要株主)による保有が68.28%と高いことから、一般市場に出回る株式が少なく、株価は比較的小さな売買でも変動しやすい傾向にあります。ディア・ライフが筆頭株主であることから、グループとしての戦略や資本政策の影響を受けやすい企業特性も持ち合わせています。

8. 株主還元

  • 配当利回り: 2.37% (会社予想)
    • 現在の株価549.0円に対し、1株配当13.00円の予想配当利回りは2.37%です。これは市場平均と比較してやや控えめな水準ですが、安定的な配当利回りを提供しています。
  • 配当性向: 38.67% (過去12ヶ月実績), 66.3% (2025年9月期実績)
    • 会社予想に基づく配当性向は提供データから計算すると約41.9% (13円 / 31.04円) となり、過去の実績値66.3%(2025年9月期)や38.67%(過去12ヶ月)と異なります。しかし、決算説明資料では「配当性向40%目安」と記述されており、安定的な配当を目標としていることが伺えます。30-50%が一般的な目安とされる中で、この水準は利益を成長投資と株主還元にバランスよく配分している姿勢を示しています。
  • 自社株買いの状況: 提供データには自社株買いに関する明確な記載はありません。自己株口は300株と極めて少ないため、直近では実施されていないとみられます。

SWOT分析

強み (Strengths)

  • トランクルーム事業の専門性と多様なサービス: 滞納保証含むBPO、開発、運営、仲介まで一貫して提供できる独自のビジネスモデルは、新規参入に対する優位性となります。自社ポータルサイト「クラリス」を通じた集客力も強みです。
  • 強固な財務体質とキャッシュ創出力: 自己資本比率63.8%と高く、流動比率も340%と非常に健全です。また、過去12ヶ月の営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローは10億円を超え、利益の質も非常に高い点が評価されます。

弱み (Weaknesses)

  • TKS事業の収益偏重と不安定性: 一棟売却が主体のターンキーソリューションサービスは、売却時期や不動産市況によって業績が大きく変動するリスクが伴います。この不確実性が、安定的な成長への懸念材料となる可能性があります。
  • 市場との相対パフォーマンスの低さ: 長期的に見て日経平均やTOPIXといった市場全体と比較して株価パフォーマンスが低調であり、市場からの注目度が相対的に低い可能性があります。機関投資家の保有比率が0%である点も、この要因の一つです。

機会 (Opportunities)

  • トランクルーム市場の成長: ミニマリスト志向や都市部での居住スペース不足を背景に、トランクルームの需要は今後も増加が見込まれます。これは、BS及びTKS事業双方にとって成長機会となります。
  • 新規事業・DX推進による収益多様化: レンタルオフィス保証事業などの新規事業やDX推進は、既存事業に続く新たな収益源となり、事業構造の多角化を通じて企業価値向上に繋がる可能性があります。

脅威 (Threats)

  • 不動産市況の変動と金利上昇: 景気後退や金利上昇は、不動産投資意欲の減退、物件価格の下落、開発コストの増加に繋がり、TKS事業の収益性を直接的に圧迫する可能性があります。
  • 競争激化と他社参入: トランクルーム市場の成長に伴い、大手不動産会社や他業種からの新規参入、あるいは既存事業者間の競争激化により、売上減少や利益率低下に直面する可能性があります。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と事業モデルを評価する長期投資家: 高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローを持つ財務健全性を重視し、専門性の高いトランクルーム事業の安定性を評価する投資家。
  • ニッチ市場の成長性と高ベータを許容する投資家: トランクルームというニッチな市場の拡大に期待し、かつ市場変動を上回る株価変動(高いベータ値)のリスクを許容できる投資家。TKS事業の変動性も理解できる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • TKS事業の進捗状況を注視: 通期の業績予想達成には、計画されている一棟屋内型施設の竣工・売却が重要です。今後の動向や不動産市況の変化が業績に与える影響を継続的に確認する必要があります。
  • バリュエーションの割高感: PER、PBRともに業界平均を上回る水準にあり、現在の株価には将来の成長期待が織り込まれている可能性があります。期待通りの成長が実現しない場合、株価が調整するリスクを考慮する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • TKS事業の売却進捗と契約状況: 特に2026年9月期の通期業績におけるTKS事業の貢献度。
  • BPO受託残高およびクラリス登録室数の推移: BS事業の安定成長を示す重要な指標として、継続的な増加を確認。
  • 月次・四半期での営業利益率: 本業の収益性を図る上で、変動要因を除いた安定的な利益率の改善。
  • 不動産市況関連指標: 金利動向、不動産取引価格指数など、同社の事業に影響を与えるマクロ経済指標。

10. 企業スコア

  • 成長性: B (普通)
    • 根拠: データによると、過去の売上高は変動が大きく、直近の四半期売上成長率もマイナス17.72%です。しかし、2026年9月期第1四半期の純利益は前年同期比+25.5%と大きく伸びており、通期EPSも会社予想で31.04円と2025年9月期(18.10円)から大幅に増加する見込みです。TKS事業の大型案件が寄与すれば高成長も期待されますが、安定的な売上成長はまだ不明確なため、「普通」と判断します。
  • 収益性: A (良好)
    • 根拠: 過去12ヶ月のROEは10.63%とベンチマークの10%を超えており、直近の第1四半期営業利益も前年同期比+56.6%と好調です。ただし、営業利益率4.63%は15%超優良には至らず、部門ごとの収益性には差があります。高いROEを維持しつつ、営業利益率の安定的な向上に注力できれば、さらに評価を上げることが可能です。
  • 財務健全性: A (良好)
    • 根拠: 自己資本比率63.8%は非常に高く、流動比率も3.40と短期的な支払い能力に問題はありません。F-Scoreも6/9点と良好な水準です。一方で、負債資本比率(D/Eレシオ)が1.0269とわずかに1.0を超えており、今後の大型開発案件における有利子負債の増加は注視する必要があります。しかし、全体として非常に健全な財務体質を維持しています。
  • バリュエーション: C (やや割高)
    • 根拠: PER17.69倍は業界平均11.30倍を、PBR1.57倍は業界平均0.90倍をそれぞれ大幅に上回っています。これは現在の収益や純資産に対して株価が割高に評価されている状況を示しており、市場が高い成長期待を織り込んでいると解釈できます。しかし、その期待が実現しない場合には調整リスクがあるため、「やや割高」と評価します。

企業情報

銘柄コード 3461
企業名 パルマ
URL http://www.palma.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 不動産 – 不動産業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 549円
EPS(1株利益) 31.04円
年間配当 2.37円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 4.8% 19.2倍 754円 6.9%
標準 3.7% 16.7倍 622円 3.0%
悲観 2.2% 14.2倍 492円 -1.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 549円

目標年率 理論株価 判定
15% 316円 △ 74%割高
10% 394円 △ 39%割高
5% 498円 △ 10%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 前日比(%) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
エリアリン 8914 1,200 0.67 621 16.68 2.08 12.7 2.20
三協フロ 9639 2,235 1.13 522 9.85 0.98 10.8 3.80
ストレジ王 2997 931 -0.22 17 13.28 1.73 11.6 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.23)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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