企業の一言説明
ジーエヌアイグループ(2160)は、画期的な医薬品の開発に特化したバイオ創薬ベンチャーで、特発性肺線維症治療薬「Etuary」や肝線維症治療薬候補「F351」を主力事業として展開する、グローバル戦略を掲げる東京証券取引所グロース市場上場の企業です。特に米国と中国に開発拠点を持ち、国際的な市場での成長を目指しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- F351の上市期待とグローバル市場への挑戦: 主力開発パイプライン「F351」は慢性B型肝炎起因の肝線維症治療薬として中国でのNDA申請を視野に入れ、米国でも開発が進んでおり、世界初の治療薬となる可能性を秘めています。この成功は企業価値を大きく高めるフロンティアとしての大きなポテンシャルを秘めています。
- 不確実性の高い短期業績と情報開示の制約: 直近の2025年12月期決算では営業損失・最終損失に転落し、2026年12月期の業績予想は未開示です。子会社であるGyre Therapeutics(米国上場)の決算・重要発表を待つため、情報開示が延期されており、投資家は不確実性の高い状況に置かれています。
- 高いボラティリティと信用買残: ベータ値1.31、年間ボラティリティ68.47%と株価変動が大きく、信用買残が10.91倍と高水準です。将来的な需給悪化による売り圧力が生じる可能性があり、リスク許容度の低い投資家には注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 高い成長性 |
| 収益性 | D | 収益性懸念 |
| 財務健全性 | A | 良好な水準 |
| バリュエーション | S | 割安感あり |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,861.0円 | – |
| PER | — | 評価不可 |
| PBR | 3.18倍 | 業界平均5.1倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -10.19% | – |
1. 企業概要
ジーエヌアイグループ(GNI Group Ltd.)は、2001年に設立されたバイオ創薬ベンチャーです。医薬品の研究開発、製造、販売を手掛けており、特にアンメット・メディカル・ニーズ(未だ治療法が確立されていない疾患)の高い領域に注力しています。主力製品としては、特発性肺線維症治療薬「Etuary」があり、その他に慢性B型肝炎起因の肝線維症治療薬候補「F351」や急性慢性肝不全治療薬候補「F573」など、複数の画期的なパイプラインを抱えています。収益モデルは研究開発費を先行投資し、新薬の承認・販売によるロイヤリティ収入や製品販売で回収する、典型的かつハイリスク・ハイリターンなバイオ創薬ビジネスです。技術的独自性として、難治性疾患に対する革新的な創薬アプローチと、日米中に拠点を持つグローバルな開発体制が挙げられ、これが参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
ジーエヌアイグループは、東証グロース市場に上場する医薬品セクターのバイオ創薬ベンチャー企業です。医薬品業界は、高齢化社会の進展や新興国の経済成長に伴い、世界的に市場規模が拡大していますが、同時に新薬開発競争は激化しています。その中でも、同社は特に線維症や肝疾患といった特定の領域におけるアンメット・メディカル・ニーズの高い治療薬開発に注力しており、ニッチながらも大きな市場ポテンシャルを追求しています。競合に対する強みは、開発パイプラインの独自性と、中国市場での実績(Etuaryの承認・販売)および米国での開発体制です。一方で、バイオベンチャー特有の多大な研究開発費と承認リスクが弱みとなります。PBR(株価純資産倍率)は3.18倍であり、業界平均の5.1倍と比較すると低い水準にあります。この数値だけを見ると割安感がありますが、後述の収益性の課題や高リスクな事業特性を考慮する必要があります。
3. 経営戦略
ジーエヌアイグループの中期経営戦略の中核は、主力パイプラインである慢性B型肝炎起因の肝線維症治療薬候補「F351」の中国における上市、そしてグローバル展開の加速にあります。特に米国上場子会社であるGyre Therapeuticsを通じて、米国市場におけるF351の開発(現在フェーズII)を推進しており、世界初の肝線維症治療薬としての承認を目指しています。
直近の重要な適時開示として、2026年12月期の通期連結業績予想の開示延期と決算説明会の延期を発表しました。これは、Gyre Therapeuticsの決算および重要発表(3月中旬予定)を待つ必要があるためとされており、米国市場のFair Disclosure(情報公平性)規制への対応が背景にあります。この延期は、投資家にとって短期的な不透明感を増す要因となりますが、経営陣はF351に関する情報管理とガバナンス強化を優先する姿勢を示しています。
今後のイベントとしては、2026年5月14日にGNI Group Ltd.の次の決算発表が予定されており、そのタイミングでGyreの進捗を含めた最新情報が提供される可能性があります。また、もう一つの子会社であるCullgenの研究開発進捗および上場タイミングも、同社の企業価値を左右する重要な注目材料です。経営陣は、F351のNDA申請・承認・上市のタイミングや想定薬価、Cullgenの研究開発進捗が、今後の業績見通しに直結すると繰り返し強調しており、これらのマイルストーン達成が今後の成長を牽引する戦略の要となります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
F-Scoreは、収益性、財務健全性、効率性の9つの項目に基づいて企業の財務を評価する指標です。0-9点で評価され、点数が高いほど財務状況が良好であることを示します。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 4/9 | B: 普通(複数の改善点あり) |
| 収益性 | 0/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAいずれも過去12ヶ月でマイナス |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の点で健全性を維持 |
| 効率性 | 1/3 | 四半期売上成長率がプラスだが、営業利益率とROEはマイナス |
解説:
ジーエヌアイグループのF-Score総合は4/9点で「B: 普通」と評価されます。これは、財務健全性においては満点(3/3点)を達成している一方で(流動比率の高さ、低いD/Eレシオ、株式希薄化なし)、収益性(0/3点)と効率性(1/3点)において大幅な改善が必要であることを示唆しています。特に収益性では、過去12ヶ月の純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもマイナスとなっており、慢性的な収益力不足が浮き彫りになっています。効率性についても、四半期売上成長率はプラスであるものの、営業利益率やROEがマイナスである点が課題です。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
- 営業利益率(過去12か月): -39.93%
- ROE(実績): -10.19%
- ROA(過去12か月): -2.83%
同社の収益性指標は、全体的に厳しい状況にあります。営業利益率は-39.93%と大幅な赤字であり、本業での収益創出に課題を抱えていることを示しています。ROE(株主資本利益率)は-10.19%で、株主が出資した資本を効率的に活用できていないことを意味します。一般的にROEは10%以上が目安とされますが、大きく下回っており、純利益がマイナスであるためにマイナス値となっています。ROA(総資産利益率)も-2.83%であり、総資産に対する利益貢献も低い水準です。これは、バイオ創薬ベンチャーが多額の研究開発投資を先行させるビジネスモデルであるため、製品が上市・収益化されるまでは赤字が続く傾向にあることを示していますが、直近の数値は市場の期待を下回る結果と言えるでしょう。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
- 自己資本比率(実績): (連)59.9%
- 流動比率(直近四半期): 4.17倍 (417%)
財務健全性に関しては、比較的良好な状態を保っています。自己資本比率は59.9%と高い水準を維持しており、会社の財政が自己資金でどれだけ賄われているか(返済不要な資金の比率)を示します。この数値は、外部からの借入に依存せず、安定した経営基盤があることを示唆しています。流動比率は4.17倍(417%)と非常に高く、短期的な支払い能力に優れていることを示します。流動比率は150%以上が望ましいとされているため、同社の流動性は非常に高いと評価できます。これは、多額の研究開発投資を続ける中で、手元資金を厚く持ち、財務的な安定性を確保しているものと推察されます。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): -24億1,000万円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): -2億2,040万円
キャッシュフローの状況は懸念材料です。営業キャッシュフローは-24億1,000万円とマイナスであり、本業の事業活動によって現金が流出していることを示します。バイオ創薬企業は、開発段階では研究開発費が先行するため営業CFがマイナスになることは珍しくありませんが、継続的なマイナスは資金繰りへの影響も考慮する必要があります。フリーキャッシュフローも-2億2,040万円とマイナスで、本業で稼いだお金と投資に回したお金を合わせた現金が流出している状態です。これは新規投資や債務返済に充てる資金を生み出せていない状況であり、現預金残高は211億円ありますが、今後の開発投資を考えると、資金確保が重要な課題となります。
【利益の質】営業CF/純利益比率
- 営業CF/純利益比率: 約0.54未満(-24.1億円 / -44.1億円)
営業CF/純利益比率は、企業の利益(純利益)が実際の現金の流れ(営業キャッシュフロー)を伴っているかで、利益の質を評価する指標です。一般的に1.0以上が健全とされます。ジーエヌアイグループの場合、純利益と営業キャッシュフローがいずれもマイナスであるため、比率の解釈は通常のケースとは異なります。しかし、営業キャッシュフローの赤字幅が純損失の赤字幅よりも小さいものの、純損失を営業活動による現金でカバーしきれていない状況を示しており、利益の質は健全とは言えません。これは、当期損失の内訳に現金支出を伴わない費用(減価償却費等)が多く含まれている可能性を示しますが、根本的な収益力改善が求められます。
【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移
2026年12月期の通期連結業績予想が未開示であるため、通期予想に対する進捗率を評価することはできません。直近3四半期の売上高・営業利益の推移に関する詳細データも提供されていないため、四半期ごとの詳細な動向は不明ですが、2025年12月期決算が営業損失・最終損失に転落したことから、収益環境は厳しい状況であったと推測されます。
【バリュエーション】PER/PBR
- PER(株価収益率): —倍(会社予想EPSがマイナスのため算出不可)
- PBR(株価純資産倍率): (連)3.18倍
- PBR業界平均: 5.1倍
PERは「株価が1株当たり利益の何年分か」を示す指標で、業界平均より低いほど割安とされます。ジーエヌアイグループの場合、現在赤字であるため会社予想EPSがマイナスとなり、PERは算出できません。赤字企業ではPERによるバリュエーション評価は困難です。
PBRは「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示し、1倍未満は解散価値を下回るとされます。同社のPBRは3.18倍であり、業界平均の5.1倍と比較すると約62%の水準にあります。この数値だけを見ると、業界平均よりも割安に見えるかもしれません。しかし、赤字企業であることや、開発パイプラインの成功に大きく依存する事業特性(将来の不確実性)を考慮すると、一概に「割安」とは断定しにくい状況です。投資家は、将来の成長性を期待して純資産価値以上の株価を許容していることが多いですが、この点については注意深く見極める必要があります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 67.11 / シグナル値: 32.77 | MACDラインがシグナルラインを上回っているが、ゴールデンクロスとは断定できない |
| RSI | 中立 | 65.1% | 70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎと判断されるため、中立だがやや高値圏 |
| 5日線乖離率 | – | +4.17% | 直近のモメンタムは上昇傾向 |
| 25日線乖離率 | – | +9.96% | 短期トレンドからの乖離は上昇方向 |
| 75日線乖離率 | – | +14.51% | 中期トレンドからの乖離は上昇方向 |
| 200日線乖離率 | – | +3.88% | 長期トレンドからの乖離は上昇方向 |
解説:
MACDはMACDラインがシグナルラインを上回っていますが、具体的な「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」の直接的なシグナルとして明示されていないため、「中立」と判断されます。しかし、MACD値がシグナル値を上回っている状況は、短期的な株価の勢いが良好であることを示唆しています。RSIは65.1%で、買われすぎ(70%以上)でも売られすぎ(30%以下)でもない「中立」の範囲ですが、やや70%に近づいており、株価が短期的に上昇してきたことを反映しています。
全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)からプラスに乖離しており、現在の株価がこれらの移動平均線を上回って推移していることを示しています。これは、短期、中期、長期のあらゆる期間において上昇トレンドが継続しているシグナルと解釈できます。
【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係
ジーエヌアイグループの現在の株価2,861円は、52週高値4,410円と52週安値1,469円のレンジ内で、約47.3%の位置にあります。これは、高値圏と安値圏のちょうど中間付近に位置していることを示しており、極端な過熱感や割安感は認められません。
移動平均線との関係では、現在の株価が全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回っています。これは、短期から長期のトレンドが上向きに転換している、あるいは継続していることを強く示唆しており、テクニカル的にはポジティブなサインと捉えられます。特に、75日移動平均線や200日移動平均線を上回っていることは、中期・長期的な視点での株価の回復基調を示している可能性があります。過去10日間の株価履歴を見ても、直近で株価が上昇傾向にあることが分かります。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
ジーエヌアイグループの株価パフォーマンスを市場全体と比較すると、直近1ヶ月では日経平均(+7.68%)およびTOPIX(+6.09%)をそれぞれ2.62%ポイント、4.20%ポイント上回るパフォーマンスを見せています。これは、短期的には市場をアウトパフォームしていることを示唆しています。
しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間で見ると、日経平均に対してはそれぞれ-5.08%ポイント、-34.07%ポイント、-62.48%ポイントと大きく下回っています。特に、日経平均がこの1年間で+46.51%と大幅に上昇しているのに対し、同社株価は-15.98%と下落しており、中長期的な市場全体の恩恵を享受できていない状況です。これは、バイオ創薬ベンチャー特有の事業リスクや、主力パイプラインの進捗に関する不確実性が、市場全体の成長とは別のベクトルで株価に影響を与えている可能性を示唆しています。投資家は、短期的なモメンタムだけでなく、中長期的な相対パフォーマンスの動向にも注意を払う必要があります。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が10.91倍と高水準です。これは将来的な売り圧力につながる可能性があるため、注意が必要です。
【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン
- ベータ値 (5Y Monthly): 1.31
- 年間ボラティリティ: 68.47%
- 最大ドローダウン: -65.79%
- 年間平均リターン: 16.98%
ジーエヌアイグループのベータ値は1.31であり、これは市場全体の動きと比較して株価が約1.3倍変動しやすい(市場が10%動くと、この銘柄は13%動く傾向がある)ことを示します。特にグロース市場上場のバイオ創薬ベンチャーであるため、高ベータ値は高い成長期待と同時に高いリスクを伴うことを意味します。
年間ボラティリティは68.47%と非常に高く、株価の変動が大きいことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±68万円程度の変動が想定される可能性があるほど、短期間で株価が大きく上下する可能性があります。
最大ドローダウンは-65.79%であり、これは過去のある期間において、株価が最大で約66%下落した経験があることを意味します。この程度の大きな下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。シャープレシオが0.24と低いことから、リスクに見合った高いリターンを安定的に得られているとは言えません。
これらの定量リスク指標は、同社株がハイリスク・ハイリターンな投資対象であることを明確に示しており、投資を検討する際には自身の資金目標やリスク許容度を慎重に評価する必要があります。
【事業リスク】
- 開発パイプラインの成功への高い依存度: 同社の将来の成長と収益性は、主力パイプラインであるF351やその他の開発後期にある医薬品候補の臨床試験成功、承認取得、上市、そして市場での販売成功に大きく依存しています。研究開発は莫大な費用と時間を要し、成功確率は低いことが一般的です。開発の遅延や失敗は、事業計画に深刻な影響を及ぼし、株価に大きな下落圧力を与える可能性があります。
- 規制・承認プロセスの不確実性: 各国(特に中国、米国)の医薬品承認審査は非常に厳格かつ複雑であり、長期化することも少なくありません。臨床データの評価、安全性、有効性の基準を満たすことができなければ、承認が得られないリスクがあります。また、承認後も薬価設定や保険償還に関する不確実性が存在し、想定通りの収益を確保できない可能性も事業リスクとして認識すべきです。
- 情報開示の制約と市場の不透明感: 米国上場子会社Gyre Therapeuticsの進捗が業績見通しに直結する一方で、米国情報開示規制(Fair Disclosure)のために、親会社であるジーエヌアイグループとしての業績予想開示が延期されるなど、情報開示タイミングに制約が生じています。これにより、投資家は同社の事業進捗や将来予測について十分な情報が得られにくい状況に置かれることがあり、市場の不安や憶測を招き、株価の不安定要因となるリスクがあります。
7. 市場センチメント
ジーエヌアイグループの市場センチメントは、不確実性の高まりと期待感が交錯する中立的な状況と言えます。信用取引状況を見ると、信用買い残が6,410,100株と高水準にあり、信用倍率は10.91倍です。これは、将来の株価上昇を期待して買いを入れている投資家が多いことを示唆していますが、同時に、将来的にこれらの買い残が解消される際に売り圧力となる可能性を内包しています。信用買い残は前週比で減少していますが、依然として高い水準です。
主要株主構成を見ると、楽天証券、CEPLUXインディペンデントUCITS・PF2、ナショナル・フィナンシャル・サービシィズ、パーシングDivドナルドソンラフキン&ジェンレットといった国内外の証券会社やファンドが上位に名を連ねています。機関投資家が一定程度保有しているものの、分散されており、特定の株主が経営に強い影響力を持つ状況ではありません。代表取締役のYing Luo氏も株式を保有しており、経営陣と株主の利害はある程度一致していると考えられます。大口の機関投資家が上位に名を連ねることは、一定の信頼性を示す一方で、事業の不確実性が露呈した際には一斉に売却に走るリスクも伴います。
8. 株主還元
ジーエヌアイグループは、現在のところ株主還元については配当を実施していません。配当利回りは0.00%、1株配当も0.00円、配当性向も0.00%です。これは、同社が成長ステージにあるバイオ創薬ベンチャーであり、新薬の研究開発に多額の資金を投じる必要があるためと考えられます。得られた利益は、さらなるパイプライン開発や事業拡大のための再投資に優先的に回されており、これが現時点での株主にとって最大の価値創造であるという経営判断が背景にあると推察されます。
自社株買いの状況についても、過去のデータや直近の決算短信からは明確な記載はありません。成長段階の企業にとっては、配当や自社株買いよりも事業投資を通じた企業価値向上を目指すことが一般的ですが、長期的に安定した収益基盤を確立した際には、株主還元策の検討も期待されるでしょう。
SWOT分析
強み
- 画期的なパイプラインとグローバル開発体制: 慢性B型肝炎起因の肝線維症治療薬候補「F351」など、アンメット・メディカル・ニーズの高い領域での独自の開発パイプラインを持ち、米国・中国に拠点を置くグローバル開発体制で市場拡大を目指しています。
- 高い財務健全性: 自己資本比率59.9%、流動比率417%と高い水準を維持しており、多額の研究開発投資を支える財務基盤があります。
弱み
- 短期的な収益性の不安定さ: 直近の決算では営業損失・最終損失に転落し、ROE、ROA、営業利益率がいずれもマイナスと、本業での収益創出力に課題があります。営業キャッシュフローもマイナスであり、収益化までの道のりが不透明です。
- 特定のプロジェクトへの高い依存度と情報開示の制約: 業績がF351や子会社Gyre Therapeutics・Cullgenの進捗に大きく依存しており、米国上場子会社との兼ね合いで情報開示に制約が生じ、市場の不透明感を増しています。
機会
- F351の上市による市場独占: F351が世界初の肝線維症治療薬として承認・上市されれば、未開拓の巨大市場を獲得し、先行者利益を享受できる可能性があります。
- 医療機器事業の成長とCullgenの進展: 医療機器事業は売上高が前期比44.7%増と好調であり、今後の収益の柱となる可能性があります。また、子会社Cullgenの研究開発進展や上場も、新たな価値創造の機会となるでしょう。
脅威
- 開発および規制承認リスク: 医薬品開発の難易度は高く、臨床試験の失敗や各国規制当局による承認遅延・不承認は、多大な損失と事業計画の見直しを迫る深刻な脅威となります。
- 高い株価ボラティリティと信用買残: ベータ値1.31、年間ボラティリティ68.47%と株価変動が非常に大きく、10.91倍の高水準な信用買残は、将来的に需給悪化による売り圧力を生み出す可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 高いリスク許容度を持つ成長投資家: バイオ創薬ベンチャー特有のハイリスク・ハイリターンな特性を理解し、革新的な新薬開発の成功による飛躍的な成長を長期的な視点で追求できる投資家に向いています。
- 専門知識を持ち、情報分析に長けた投資家: 医薬品開発の専門知識を持ち、主力パイプラインの臨床試験段階、承認プロセスの進捗、競争環境、子会社の動向など、詳細な情報を深く分析できる投資家は、より適切な投資判断を下せるでしょう。
この銘柄を検討する際の注意点
- F351プロジェクトの動向を最優先でウォッチ: ジーエヌアイグループの将来性を測る上で、F351の中国での上市動向、米国での臨床試験結果、そして子会社Gyre Therapeuticsからの公式発表を常に注視することが極めて重要です。これらの情報が株価に与える影響は非常に大きいため、常に最新情報を確認し、冷静に評価する必要があります。
- 資金管理とリスク分散の徹底: 株価のボラティリティが非常に高く、急激な価格変動リスク常に伴います。信用倍率の高さも鑑み、全財産を投資するなどの集中投資は避け、ポートフォリオ全体のリスク分散を徹底し、損失許容額を事前に明確にしておくことが賢明です。
今後ウォッチすべき指標
- Gyre Therapeuticsの決算発表とF351の進捗: 3月中旬に予定されるGyre Therapeuticsの決算および重要発表、F351の中国NDA申請・承認、米国IND(治験薬申請)および臨床試験(特にフェーズIII)の具体的な進捗状況と結果。
- Cullgenの研究開発マイルストーンおよび上場関連発表: もう一つの重要な子会社Cullgenにおける新規プロジェクトの開発状況や、上場計画の具体的な動向。
- 会社の通期業績予想の開示: 延期されている2026年12月期の連結業績予想がいつ開示されるか、またその内容。特に、現時点での赤字からどのように収益構造が変化するかの見通し。
成長性: S (高い成長性)
根拠: 과거12ヶ月のQuarterly Revenue Growth(前年比)が16.60%と、評価基準の15%以上を大きく上回っています。これは、短期的には売上高の成長が堅調であることを示しており、医薬品・医療機器事業がともに拡大している基調にあります。特に医療機器事業の売上は前期比+44.7%と高成長を牽引しています。
収益性: D (収益性懸念)
根拠: ROEは-10.19%、営業利益率は-39.93%といずれもマイナスであり、評価基準のROE5%未満かつ営業利益率3%未満に該当するためD評価となります。直近の2025年12月期決算で営業損失および最終損失に転落しており、本業での収益創出に課題を抱えている状況が顕著に表れています。バイオ創薬ベンチャーは研究開発費が先行するため赤字となる時期がありますが、この水準は極めて厳しいと言えます。
財務健全性: A (良好な水準)
根拠: 自己資本比率は59.9%で評価基準の40-60%に該当するためA評価、流動比率は417%で評価基準の200%以上を大きく上回るためS評価に相当します。Piotroski F-Scoreは4/9点でB評価ですが、全体的に見ると、高い自己資本比率と非常に高い流動比率により、財務基盤は比較的安定していると評価できます。流動性の高さは、多額の研究開発投資を続ける上での資金繰りの安定性を示しています。
バリュエーション: S (割安感あり)
根拠: PBRは3.18倍で、業界平均の5.1倍に対して約62%という水準にあります。評価基準の業界平均の70%以下に該当するためS評価となります。ただし、PERは赤字のため算出不可であり、PBRだけでの割安判断は限定的です。現在の株価が純資産価値に対して業界平均よりも低い水準にあることは、収益性の課題や事業の不確実性が株価に反映されている可能性も考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2160 |
| 企業名 | ジーエヌアイグループ |
| URL | http://www.gnipharma.com |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ペプチドリーム | 4587 | 1,358 | 1,766 | 58.80 | 3.40 | 5.8 | 0.00 |
| タカラバイオ | 4974 | 1,148 | 1,382 | – | 1.36 | -7.8 | 0.00 |
| ネクセラファーマ | 4565 | 897 | 811 | 166.11 | 1.33 | -4.0 | 0.00 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.24)」によって自動生成されました。
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