企業の一言説明
荏原製作所はポンプ、圧縮機、タービンといった流体機械を基盤に、水処理、環境プラント、半導体製造装置(精密・電子)など多岐にわたる事業を展開するグローバルな産業機械メーカーです。特に半導体研磨装置(CMP)や真空ポンプにおいて高い技術的独自性を持ち、世界市場で存在感を示しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高成長を牽引する精密・電子事業と全事業の最高益更新: 半導体製造装置の一角を占める精密・電子事業が好調に推移し、全体の業績を牽引。2025年12月期は売上収益・営業利益・親会社帰属当期利益全てで過去最高を更新し、2026年12月期も初の売上収益1兆円超えと6期連続最高益更新を目指すなど、安定した成長サイクルに入っている点。
- 圧倒的な財務品質と効率性: Piotroski F-Scoreが満点の9/9 (S:優良) を獲得しており、収益性、財務健全性、効率性全てにおいて極めて高い評価を得ています。これは、安定した利益創出力と効率的な資産活用、健全な財務体質を示唆しており、長期的な企業価値向上への期待を高めます。
- 高いバリュエーションとフリーキャッシュフローの動向: 業界平均と比較してPER、PBRともに高水準にあり、現在の株価は今後の成長期待が相当程度織り込まれている可能性があります。また、好業績にもかかわらず、積極的な投資活動によりフリーキャッシュフローがマイナスとなっている点は、今後の投資効率とキャッシュフロー改善を注視する必要があるリスク要因です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好な成長 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | D | 割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 5542.0円 | – |
| PER | 29.22倍 | 業界平均16.6倍 |
| PBR | 4.97倍 | 業界平均1.4倍 |
| 配当利回り | 1.19% | – |
| ROE | 15.61% | – |
1. 企業概要
荏原製作所(Ebara Corporation)は1912年に創業し、1920年に設立された日本の大手産業機械メーカーです。主力事業は、ポンプ、圧縮機、タービン、チラーなどの流体機械の製造・販売です。これらの製品は、建築設備、工場設備、エネルギー、水処理、インフラ整備など、幅広い産業分野で活用されています。特に、環境ソリューション事業では廃棄物処理プラント、水処理施設を手掛け、精密・電子事業では半導体CMP装置やドライ真空ポンプ、排ガス処理装置など、エレクトロニクス産業向けに不可欠な精密機械を提供しており、高い技術力とグローバルな事業展開を特徴としています。
2. 業界ポジション
荏原製作所は、「機械」セクターに属するポンプ総合メーカーとして、特に精密・電子事業において独自の技術と高い市場シェアを確立しています。その中でも半導体製造装置分野では、CMP装置などで世界トップクラスの技術と実績を有しており、グローバルな競争優位性を持っています。競合他社には、総合重機メーカーやポンプ専業メーカー、また半導体製造装置分野の専門メーカーなどが挙げられます。
財務指標を見ると、荏原製作所のPER(株価収益率)は29.22倍、PBR(株価純資産倍率)は4.97倍であり、それぞれ業界平均のPER 16.6倍、PBR 1.4倍と比べて著しく高い水準にあります。これは、同社の安定した収益力、高い成長性、そして技術的な優位性への市場からの強い期待を反映していると考えられますが、同時に、株価にはすでに高いプレミアムが織り込まれている可能性も示唆しています。
3. 経営戦略
荏原製作所は、持続的な成長と企業価値向上を目指し、積極的な経営戦略を推進しています。2025年12月期の実績では、受注高、売上収益、営業利益、親会社帰属当期利益の全てで過去最高を更新しました。特に、半導体市場の活況を背景とした精密・電子事業の伸長が全体を牽引しています。
2026年12月期の通期予想では、売上収益が初の1兆円超えを計画しており、6期連続での過去最高更新という意欲的な目標を掲げています。これは、各セグメントでの事業拡大と収益性改善への自信の表れと言えるでしょう。
具体的な事業戦略としては、精密・電子事業における技術革新と市場投入の加速、環境ソリューション事業での国内外での需要捕捉、そして基幹である流体機械事業での高付加価値製品・サービスの提供が柱となっています。株主還元においても、配当の継続的な引き上げ(2026年12月期予想66円)と自己株取得枠の設定を通じて、積極的に株主への利益還元を行う方針を表明しており、資本効率の改善にも力を入れています。
今後の主要なイベントとしては、2026年5月14日に次の決算発表、および2026年6月29日に配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されており、これらのタイミングでの更なる情報開示や株価の動きが注目されます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務状況を9つの指標で評価し、0点から9点までの総合点で財務品質の健全性を示す指標です。7-9点は財務優良とみなされます。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 9/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 良好(純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てプラス) |
| 財務健全性 | 3/3 | 良好(流動比率の維持、有利子負債の抑制、株式の希薄化なし) |
| 効率性 | 3/3 | 良好(営業利益率、ROE、売上高成長率の改善/維持) |
荏原製作所のPiotroski F-Scoreは9点満点を獲得しており、財務品質は極めて優良と評価できます。これは、収益性、財務健全性、効率性のいずれの観点でも高い水準を維持していることを示しています。
収益性(3/3):直近12ヶ月の純利益は76,633百万円と黒字を維持しており、営業キャッシュフローも40,755百万円とプラスを確保しています。さらに、Return on Assets (ROA) は6.81%と堅調で、これら3つの指標全てがプラス評価であり、本業での安定的な利益創出能力が極めて高いことを示しています。
財務健全性(3/3):直近四半期の流動比率は1.60(160%)と1.50(150%)を上回っており、短期的な支払い能力に問題はありません。また、総負債対自己資本比率(Total Debt/Equity)は43.08%(0.43)と1.00(100%)を下回っており、有利子負債への依存度が低い健全な財務体質を示しています。さらに、株式の希薄化が見られない点もプラス要因です。
効率性(3/3):過去12ヶ月の営業利益率は15.02%、Return on Equity (ROE) は15.81%と、それぞれ10%を大きく上回る高い水準で推移しており、効率的な経営ができていることを示しています。また、前期と比較して、最近の売上高成長率は10.57%と堅調な伸びを見せており、事業の拡大に伴う収益性も向上していることがわかります。
【収益性】
荏原製作所の直近12ヶ月の収益性は非常に良好です。
- 営業利益率(Operating Margin): 過去12ヶ月で15.02%を記録しています。これは製造業としては非常に高い水準であり、製品やサービスの競争力、コスト管理能力が高いことを示唆しています。
- ROE(Return on Equity): 過去12ヶ月で15.81% (実績値15.61%) と、一般的な目安とされる10%を大きく上回っています。これは、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力が極めて高いことを意味します。
- ROA(Return on Assets): 過去12ヶ月で6.81%と、一般的な目安とされる5%を上回っています。これは、企業が総資産を効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、経営効率の高さを示しています。
これらの収益性指標は、総合的に見て非常に優良であり、企業が本業で高い利益を継続的に創出している状況を反映しています。
【財務健全性】
財務健全性も良好な水準にあります。
- 自己資本比率: 2025年12月期時点で連結47.0%です。製造業としては標準的な水準であり、財務基盤の安定性を示しています。急激な負債増加への耐性も一定程度あると見られます。
- 流動比率(Current Ratio): 直近四半期で1.60(160%)です。これは、短期的な支払能力を示す指標であり、120%以上が健全とされる中で、160%という水準は短期債務に対する十分な流動資産を保有していることを示しており、極めて健全です。
これらの指標は、同社が安定した財務基盤を持ち、短期・長期ともに財務的なリスクが低いことを示しています。
【キャッシュフロー】
荏原製作所のキャッシュフローは以下の通りです。
- 営業キャッシュフロー(Operating Cash Flow): 過去12ヶ月で407億5,000万円を記録しています。本業で継続的にキャッシュを生み出している点は非常に重要です。ただし、前年(1009億40百万円)から大幅に減少しており、その要因を詳細に分析する必要があります。
- フリーキャッシュフロー(Free Cash Flow, FCF): 過去12ヶ月で-632億8,000万円と、大幅なマイナスとなっています。これは、営業活動で稼いだキャッシュを上回る投資活動による支出(設備投資など)があったことを示しています。成長戦略の一環としての積極的な設備投資と解釈できるものの、F-Score の高い評価とは異なる点で、注意して見ていく必要があります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率:0.53倍
この比率は、企業の純利益のうち、どれだけが実際のキャッシュフローとして手元に残っているかを示す指標です。1.0倍以上が健全とされますが、荏原製作所では0.53倍となっています。これは、純利益に対して営業活動によるキャッシュフローが少ないことを意味し、利益の質としては「やや懸念(キャッシュフロー不足)」と評価されます。この背景には、フリーキャッシュフローがマイナスであることと同様に、大規模な成長投資や運転資金の増加などが考えられます。会計上の利益と実際の資金との間で乖離があるため、今後のキャッシュフローの推移を注視する必要があります。
【四半期進捗】
2025年12月期の連結決算は、売上収益が9,582億8,500万円(前年同期比+10.6%)、営業利益が1,138億200万円(同+16.2%)、親会社帰属当期利益が766億3,300万円(同+7.3%)と、全てにおいて過去最高を更新しました。
2026年12月期の通期連結業績予想は、売上収益1兆200億円(前年同期比+6.4%)、営業利益1,250億円(同+9.8%)、親会社帰属当期利益866億円(同+13.0%)と、引き続き増収増益を見込んでいます。特に、初の売上収益1兆円突破という目標は、同社の成長へのコミットメントを示しています。
セグメント別では、精密・電子事業が売上3,422億6,700万円(+23.0%)、利益577億7,300万円(+15.2%)と突出した成長を見せ、全体の業績を力強く牽引しています。環境事業やインフラ事業も二桁成長を達成しており、多角的な事業ポートフォリオがバランスの取れた成長に寄与していることが伺えます。
【バリュエーション】
荏原製作所の現在の株価5,542.0円に対し、PER(会社予想)は29.22倍、PBR(実績)は4.97倍です。
これらは業界平均のPER 16.6倍、PBR 1.4倍と比較して大幅に高い水準にあります。具体的には、PERは業界平均の約1.76倍、PBRは約3.55倍に達しています。このことから、現在の株価は純粋な利益面や資産価値から見ると、割高であると判断できます。市場は、同社の持つ高い技術力、精密・電子事業を中心とした高成長性、グローバルな事業展開を高く評価し、将来の成長への期待をプレミアムとして株価に織り込んでいると考えられます。このような状況では、今後の業績が市場の期待を下回る場合、株価調整のリスクがあることに留意が必要です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | デッドクロス | MACD値: 270.07 / シグナル値: 282.7 | 短期下落トレンド転換の可能性を示唆 |
| RSI | 中立 | 61.7% | 買われすぎでも売られすぎでもない中立圏 |
| 5日線乖離率 | – | -1.35% | 短期的には移動平均線を下回る |
| 25日線乖離率 | – | +6.17% | 短期トレンドから上方に乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +24.47% | 中期トレンドから上方に大きく乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +57.58% | 長期トレンドから上方に著しく乖離 |
MACDデッドクロスは、短期的な上昇トレンドから下降トレンドへの転換の可能性を示唆する一方で、RSIは61.7%と買われすぎでも売られすぎでもない中立域に位置しています。株価は5日移動平均線を下回っていますが、25日、75日、200日といった中長期の移動平均線を大きく上回っており、特に長期の上昇トレンドは継続していると解釈できます。
【テクニカル】
荏原製作所の株価は現在5,542.0円であり、52週高値5,919円に対して90.9%の位置にあり、高値圏で推移しています。これは、過去1年間で株価が大きく上昇してきたことを示しています。年初来安値1,770円と比較すると、大幅な上昇を遂げており、非常に力強い上昇トレンドが継続しています。
移動平均線との関係を見ると、現在株価は5日移動平均線(5,617.80円)を下回っていますが、25日移動平均線(5,219.92円)、75日移動平均線(4,457.39円)、200日移動平均線(3,537.86円)を大きく上回っています。これは、短期的な調整局面にあるものの、中長期的な上昇トレンドは依然として強固であることを示唆しています。特に、200日移動平均線からの乖離率が58.02%と非常に大きいことは、長期的な視点で見ても株価が急騰している状態であり、過去の平均値から大きく上に離れていることを意味します。直近1ヶ月のリターンは+12.39%、1年リターンは+114.39%と、優れたパフォーマンスを発揮しています。
【市場比較】
荏原製作所の株価は、市場全体と比べても非常に優れたパフォーマンスを示しています。
日経平均株価との比較:
- 1ヶ月リターン: 荏原製作所 +12.39% vs 日経平均 +10.34%(2.05%ポイント上回る)
- 3ヶ月リターン: 荏原製作所 +43.50% vs 日経平均 +21.03%(22.47%ポイント上回る)
- 6ヶ月リターン: 荏原製作所 +71.58% vs 日経平均 +37.22%(34.36%ポイント上回る)
- 1年リターン: 荏原製作所 +114.39% vs 日経平均 +50.32%(64.07%ポイント上回る)
TOPIXとの比較:
- 1ヶ月リターン: 荏原製作所 +12.39% vs TOPIX +10.53%(1.87%ポイント上回る)
このデータから、荏原製作所の株価が過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間において、日経平均株価とTOPIXを大幅にアウトパフォームしていることが明確にわかります。これは、同社の業績好調や成長期待が市場全体の上昇トレンドを凌駕する形で評価されていることを示しています。
【注意事項】
データからは信用倍率が2.73倍と、極端に高い水準ではないため、直ちに将来の売り圧力の懸念があるとは言えません。しかし、PBRが業界平均を大きく上回っており、この高いバリュエーションが維持されるには、今後の高成長の継続が不可欠です。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 51.98%
これは、株価が年間で約52%変動する可能性があることを示します。仮に100万円投資した場合、年間で約±52万円程度の変動が想定され、非常に変動性の高い銘柄(ハイボラティリティな銘柄)です。 - シャープレシオ: -0.55
シャープレシオは、リスク1単位あたりどれだけのリターンが得られたかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナスであることは、取ったリスクに対して適切なリターンが得られていないことを意味し、過去の実績値からは効率的な投資対象ではなかったことを示唆しますが、これは長期的な株価上昇の前の底値圏のデータが含まれることによる影響の可能性もあります。しかし、非常に低い数値であることから、投資効率の観点からは慎重な検討が必要です。 - 最大ドローダウン: -73.35%
これは、過去のある期間に観測された最大の下落率です。仮に100万円投資した場合、一時的に73.35万円まで資産が減少する可能性があったことを示し、同程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。 - 年間平均リターン: -27.86%
過去のデータに基づく年間平均リターンがマイナスであることも、シャープレシオと同様に過去の特定の期間でのパフォーマンスが低かったことを示しています。しかし、直近1年間のリターンが+114.39%であることから、この年間平均リターンは古いデータや特定の期間が強く影響している可能性があり、最新のモメンタムとは乖離があることに注意が必要です。
【事業リスク】
- 半導体市況の変動リスク: 精密・電子事業が業績を牽引しているため、世界の半導体需要や設備投資サイクルの変動は、同社の業績に直接的な影響を及ぼします。半導体市場の調整局面入りや、主要顧客の設備投資抑制があった場合、収益が鈍化する可能性があります。
- 為替変動リスク: 荏原製作所はグローバルに事業を展開しており、海外での売上高や仕入れが多くを占めます。そのため、為替レートの変動は、売上収益や利益に影響を及ぼす可能性があります。特に円高に振れた場合、輸出採算の悪化や海外子会社の業績換算における減益要因となり得ます。
- 原材料価格の高騰およびサプライチェーンリスク: 機械製品の製造には、多様な原材料や部品を必要とします。原材料価格の高騰や部品調達の遅延といったサプライチェーンの混乱は、製造コストの増加や生産計画への影響を通じ、収益性を圧迫する可能性があります。
- 国際情勢・地政学的リスク: グローバル企業であるため、特定地域の紛争、貿易摩擦、経済制裁などの地政学的リスクは、事業展開を困難にし、業績に予期せぬ悪影響を与える可能性があります。
- 係争問題: 決算短信の「特記事項」に記載されているように、岐阜市粗大ごみ処理施設火災、Naphtachimie(フランス)火災、インド競業避止義務違反仲裁申立てといった主要な係争を抱えている点もリスクです。これらの係争の進展によっては、追加の引当金計上や多額の損害賠償が発生する可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残は436,600株、信用売残は160,000株で、信用倍率は2.73倍です。これは、買い残が売り残の2.73倍あることを意味しますが、極端に高い水準ではなく、直近1週間の信用買残の減少(-62,900株)と信用売残の減少(-1,300株)から、信用取引の過熱感は限定的です。主要株主は日本マスタートラスト信託銀行やいちごトラストPTE.などの機関投資家が上位を占めており、これは株主構成の安定性を示唆しています。ニュース動向は「総合センチメント: ポジティブ」と評価されており、レーティング引き上げや新高値更新のニュースが好感されています。
8. 株主還元
荏原製作所の配当利回り(会社予想)は1.19%(1株配当66.00円)です。これは一般的な高配当とは言えない水準ですが、配当性向は33.70%と、利益の約3割を安定的に株主還元に充てる方針を示しています。過去の配当性向を見ても35%前後で推移しており、安定性が見られます。2025年12月期実績の年間配当59円から、2026年12月期予想では66円への増配を計画しており、今後も安定的な増配が期待されます。また、決算説明資料では自己株取得枠の設定を継続する方針も示されており、機動的な株主還元の姿勢も評価できます。
SWOT分析
強み
- グローバルで競争力を有するポンプ・精密機械(半導体製造装置)における技術的独自性と高い市場シェア。
- 多岐にわたる事業ポートフォリオ(流体機械、環境、精密・電子)による事業安定性と、精密・電子事業が牽引する継続的な最高益更新。
弱み
- 業界平均を大きく上回るPER/PBRによる高いバリュエーション(割高感)。
- 積極的な設備投資による、営業キャッシュフローに対するフリーキャッシュフローの継続的なマイナス(投資負担)。
機会
- 半導体需要の継続的な拡大と、これに伴う精密・電子事業のさらなる成長機会。
- 世界的規模でのインフラ老朽化対策需要や環境意識の高まりによる、水処理・環境プラント事業の拡大。
脅威
- 半導体市況の変動や、為替レートの急激な変動による業績への影響。
- 原材料価格の高騰や地政学的リスク、サプライチェーンの混乱によるコスト増加および事業計画への影響。
この銘柄が向いている投資家
- 成長性を重視する投資家: 半導体関連事業の成長ドライバーが明確であり、今後も高成長が期待できるため。
- 高い技術力とグローバル展開を評価する投資家: 独自の技術と世界規模での事業展開に魅力を感じる投資家。
- 安定した株主還元を期待する投資家: 安定した配当性向と増配傾向、加えて自己株買いも継続的に実施する方針のため。
この銘柄を検討する際の注意点
- バリュエーションの水準: 現在のPERおよびPBRが業界平均と比較して著しく高いため、将来の成長期待が株価に相当程度織り込まれていることを理解し、今後の業績変動によっては下落リスクがある点。
- フリーキャッシュフローの動向: 好業績にもかかわらずフリーキャッシュフローがマイナスとなっているため、積極的な設備投資が将来の収益成長に繋がるのか、その投資効率を継続的に評価する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 精密・電子事業の受注残高と市場動向: 同事業の動向が全体の業績を大きく左右するため、受注状況や今後の半導体市場のトレンドは最重要指標です。
- 営業利益率の推移: 高い営業利益率を維持できているか、またコスト管理能力が維持されているかを監視し、利益率が低下する兆候がないかを確認します。
- フリーキャッシュフローの改善: 現在マイナスであるフリーキャッシュフローが、投資活動の成果として将来的にプラスに転換するかどうかを注視します。特に投資の効果が具体的に現れ始める時期は注目されます。
成長性:A (良好な成長)
荏原製作所の成長性は「A」と評価します。2025年12月期は売上収益9,582億8,500万円(前年比+10.6%)、営業利益1,138億200万円(同+16.2%)、親会社帰属当期利益766億3,300万円(同+7.3%)と、売上高は二桁成長を達成しています。さらに、2026年12月期には売上収益1兆200億円(前年比+6.4%)、営業利益1,250億円(同+9.8%)と、連続して過去最高更新を目指す強い成長モメンタムを有しています。特に、営業利益の成長率が二桁に迫る勢いである点は高く評価できます。
収益性:A (良好)
収益性は「A」と評価します。実績ROE(Return on Equity)は15.61%(過去12ヶ月では15.81%)と、評価基準の15%に迫る水準であり、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力は非常に高いです。また、営業利益率も11.88%(過去12ヶ月では15.02%)と、基準の10%を大きく超えています。これは、本業での収益力の高さと、適切なコスト管理ができていることを示しており、優良な収益体質を確立していると言えます。
財務健全性:A (良好)
財務健全性は「A」と評価します。Piotroski F-Scoreが9点満点中9点(S評価)と極めて高いことからわかるように、収益性、財務健全性、効率性の各側面で優良な状態です。具体的な指標では、自己資本比率が47.0%と基準値の40%をクリアしており、流動比率も1.60(160%)と十分な短期支払い能力を保持しています。F-Scoreが満点であることは非常に強い根拠ですが、自己資本比率がS評価基準の60%には達していないため、総合的に「A」と判断します。
バリュエーション:D (割高)
バリュエーションは「D」と評価します。荏原製作所のPER(会社予想)は29.22倍、PBR(実績)は4.97倍であり、それぞれ業界平均のPER 16.6倍、PBR 1.4倍と比較して大幅に高くなっています。PERは業界平均の約176%、PBRは約355%に達しており、評価基準の130%を大きく上回っています。これは、現在の株価が業績や資産価値に対して高いプレミアムで取引されており、割高感があることを示しています。将来の高い成長期待がすでに織り込まれており、投資家は慎重な判断が求められます。
企業情報
| 銘柄コード | 6361 |
| 企業名 | 荏原製作所 |
| URL | http://www.ebara.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 5,542円 |
| EPS(1株利益) | 189.67円 |
| 年間配当 | 1.19円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 13.7% | 31.4倍 | 11,345円 | 15.4% |
| 標準 | 10.6% | 27.3倍 | 8,565円 | 9.1% |
| 悲観 | 6.3% | 23.2倍 | 5,991円 | 1.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 5,542円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 4,262円 | △ 30%割高 |
| 10% | 5,323円 | △ 4%割高 |
| 5% | 6,717円 | ○ 17%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 三菱重工業 | 7011 | 5,014 | 169,154 | 65.03 | 6.35 | 11.0 | 0.47 |
| 栗田工業 | 6370 | 8,713 | 10,124 | 27.89 | 2.72 | 10.8 | 1.28 |
| 酉島製作所 | 6363 | 2,660 | 772 | 13.79 | 1.24 | 10.0 | 2.33 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。