企業の一言説明

タカチホは、長野県を拠点に全国展開する土産物卸で首位級の企業です。土産物の卸売・製造を軸に、小売、温浴施設、不動産賃貸、アウトドア用品販売など多岐にわたる事業を展開しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • インバウンド需要回復と安定した事業基盤: 観光需要の回復基調に乗って、土産物卸・製造事業が好調に推移しており、業績の上方修正と配当増額につながっています。全国のホテル、駅、サービスエリアなど幅広い販路と地域特産品の企画・開発力が強みです。
  • 高い財務健全性・収益性: Piotroski F-Scoreが7/9点(S評価)と財務品質が堅固であり、ROEも15%を超える高水準を維持しています。自己資本比率や流動比率も健全な水準です。
  • 市場流動性とバリュエーションバランス: 出来高が少なく、市場での流動性が低い点は注意が必要です。PERは業界平均を下回るものの、PBRは業界平均を上回っており、バリュエーションに若干のバランスの偏りが見られます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 良好な回復
収益性 A 利益率改善
財務健全性 S 優良
バリュエーション B 適正水準

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,865.0円
PER 7.93倍 業界平均10.1倍より割安
PBR 1.01倍 業界平均0.7倍より割高
配当利回り 2.59%
ROE 15.12%

1. 企業概要

タカチホは1949年設立、長野県に本社を置く企業で、主力の土産物卸売事業を中心に、土産物の製造、小売(syunsuiブランド)、温浴施設、不動産賃貸、アウトドア用品販売(Outdoor Station Van Van)など多様な事業を手掛けています。主要な収益源は、観光客向け土産品をホテル、宿泊施設、駅、高速道路サービスエリアなどに卸す事業と、菓子の製造販売です。多角的な事業展開により、特定の市場に依存しない安定した収益モデルを構築しています。

2. 業界ポジション

タカチホは日本の土産物卸売業界において首位級のポジションを確立しており、特に地域特産品の企画・開発・販売に強みを持っています。競合に対しては、長い歴史で培った全国規模の供給ネットワークと、多岐にわたる事業展開によるリスク分散能力が優位点です。卸売業に分類され、現在のPER(7.93倍)は業界平均(10.1倍)よりも割安感がありますが、PBR(1.01倍)は業界平均(0.7倍)よりも割高な水準にあります。これは、同社が持つ資産価値に対して市場が高い評価を与えている可能性と、業界平均のPBRが低いことを踏まえると、必ずしも割高と断定できない側面もあります。

3. 経営戦略

タカチホは、主力の土産物卸売事業において、日本の観光需要回復を追い風に業績を拡大しています。2026年3月期第3四半期決算では、売上高、営業利益、純利益がいずれも前年同期比で大幅な増益を達成し、通期予想に対する営業利益と純利益の進捗率は100%を超過しています。これを受けて、今期の経常利益を7%上方修正し、配当も20円増額して年間100円とすることを発表しました。みやげ卸売事業とみやげ製造事業が特に好調で、効率的な販売戦略と製品開発が奏功していると見られます。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当権利落ち日を控えています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 2/3 純利益とROAの水準は良好だが、営業キャッシュフローのデータが不明
財務健全性 3/3 流動比率、負債比率、株式希薄化の全てで健全性が確保されている
効率性 2/3 ROEと売上成長率は良好だが、営業利益率は改善の余地がある

Piotroski F-Scoreの総合スコアは7/9と優良な「S」判定であり、同社の財務が非常に健全であることを示しています。
収益性では、安定した純利益と高いROAを達成していますが、提供データからは営業キャッシュフローの継続的な発生状況を詳細に確認できませんでした。
財務健全性では、流動比率、D/Eレシオ(負債比率)、株式希薄化のいずれも良好な状態を維持しており、短期・長期ともに安定した資金繰りが期待できます。
効率性では、ROEが10%を大きく上回り、四半期売上成長率もプラスですが、営業利益率はまだ改善の余地があることを示唆しています。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 3.23%
    • 一般的な目安とされる5-10%と比較するとやや低い水準です。これは卸売業という業態の特性上、利益率が圧迫されやすい傾向にあることを示唆している可能性があります。しかし、直近の決算では営業利益が大きく伸びており、改善傾向にあります。
  • ROE(Return on Equity、株主資本利益率)実績: 15.12%(ベンチマーク10%)
    • 株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力を示す指標であり、15%を超える高い水準は非常に良好です。
  • ROA(Return on Assets、総資産利益率)実績: 6.99%(ベンチマーク5%)
    • 総資産に対する利益の割合もベンチマークを上回っており、資産を効率的に活用できていると評価できます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 52.5%
    • 企業の安定性を示す指標であり、一般的に40%以上が良好とされます。50%を超える水準は非常に高く、財務基盤が強固であることを示しています。
  • 流動比率(直近四半期): 2.06
    • 短期的な支払い能力を示す指標で、200%(2.0倍)以上が安全圏とされています。2.06倍は非常に良好であり、短期的な債務返済能力が高いことを裏付けています。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(2025年3月期): 376百万円
    • 本業で稼ぐ力を示すキャッシュフローがしっかりとプラスを維持しており、ビジネスが順調であることを示しています。
  • フリーキャッシュフロー(2025年3月期): 314百万円
    • 営業キャッシュフローから投資キャッシュフロー(-62百万円)を差し引いた、企業が自由に使えるお金です。プラスを維持しており、事業投資や株主還元に充てる余力があることを示します。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 1.22倍(営業CF 376百万円 ÷ 純利益 308百万円)
    • この比率が1.0倍以上であることは、決算上の純利益が実態を伴うキャッシュフローで裏付けられていることを示しており、利益の質は健全と評価できます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計(2025年4月~12月)の売上高は7,998百万円で通期予想(9,600百万円)に対し83.3%の進捗、営業利益は558百万円で通期予想(485百万円)に対し115.3%の進捗、親会社株主帰属四半期純利益は424百万円で通期予想(340百万円)に対し124.7%の進捗となっています。営業利益と純利益は既に通期予想を上回っており、上方修正の発表もこれに頷ける結果です。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率)会社予想: 7.93倍
    • 株価が利益の何年分かを示す指標です。業界平均が10.1倍であることを考慮すると、タカチホのPERは業界水準に対して割安感があります。
  • PBR(株価純資産倍率)実績: 1.01倍
    • 株価が純資産の何倍かを示す指標です。業界平均が0.7倍であることと比較すると、タカチホのPBRは業界平均よりも高い水準にあり、現時点では純資産価値と比較してやや割高と見ることもできます。PBRが1倍を超えているため、一般的に解散価値以上の評価を受けていると言えます。目標株価(業種平均PER基準)は5,848円、目標株価(業種平均PBR基準)は2,670円となっており、PER基準では割安、PBR基準では割高という見方ができます。両基準を考慮すると、現在の株価は適正水準に近いと言えるでしょう。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 43.26 / シグナル値: 43.1 短期的な売買シグナルは発生していません
RSI 中立 52.2% 売られすぎでも買われすぎでもない状態です
5日線乖離率 -0.31% 直近のモメンタムはやや下向きを示唆
25日線乖離率 +1.83% 短期トレンドからのわずかな上放れ
75日線乖離率 +2.55% 中期トレンドからのわずかな上放れ
200日線乖離率 +1.96% 長期トレンドからのわずかな上放れ

MACDとRSIは中立的な状態を示しており、明確な買われすぎや売られすぎ、トレンド転換のシグナルは出ていません。株価は5日移動平均線をわずかに下回っていますが、25日、75日、200日移動平均線は上回っており、中期から長期のトレンドは上向きを維持していると考えられます。

【テクニカル】

現在の株価(3,865.00円)は52週高値(4,510円)から約14%、52週安値(2,520円)から約53%上昇した位置(52週レンジ内位置67.6%)にあります。これは、ここ1年で株価が大きく上昇したものの、高値からやや調整している状況を示唆しています。株価は5日移動平均線(3,877.00円)を下回っていますが、25日移動平均線(3,795.60円)、75日移動平均線(3,769.07円)、200日移動平均線(3,790.62円)の全てを上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されていると見られます。

【市場比較】

タカチホの株価パフォーマンスは、過去1ヶ月で日経平均株価を4.60%ポイント、TOPIXを4.78%ポイント下回っています。3ヶ月、6ヶ月、1年で見ても、日経平均およびTOPIXに比べてリターンが劣後しています。特に市場全体の指数が大きく上昇した局面で、相対的にパフォーマンスが低い傾向が見られます。これは、同社が中小企業であり、大型株が牽引する全体相場の上昇の恩恵を十分に受けられていないか、あるいは市場の関心が他に向いている可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5年月次): 0.18
    • 市場全体の動きに対する感応度を示します。0.18という低いベータ値は、市場全体の変動に株価が比較的影響を受けにくい特性を持つことを示唆しています。
  • 年間ボラティリティ: 43.50%
    • 株価の年間変動幅が平均で43.50%となることを示します。これは、株価が大きく変動する可能性があることを意味しており、投資にあたっては留意が必要です。
  • 最大ドローダウン: -46.14%
    • 過去における最も大きな下落率です。仮に100万円投資した場合、過去には最大で約46.14万円の損失が発生する可能性があったことを示しており、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • 年間平均リターン: -13.27%
    • 過去の年間平均リターンはマイナスとなっており、リスクに対してリターンが見合っていない状況を示唆しています。
  • シャープレシオ: -0.32
    • リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、一般的に1.0以上が良好とされます。マイナスであることは現状リスクに見合うリターンが得られていないことを示唆しており、単独での投資効率は低いと評価されます。

【事業リスク】

  • 観光需要の変動リスク: タカチホの主力である土産物卸売事業は、観光客数や消費動向に大きく左右されます。自然災害、感染症パンデミック、経済状況の悪化、国際情勢の緊張などが観光需要を冷え込ませた場合、業績に直接的な影響を与える可能性があります。
  • 競争激化と消費者の嗜好変化: 土産物市場は競合が多く、消費者の嗜好やトレンドが変化しやすい特性があります。競合他社の台頭や、差別化された製品・サービスの提供が遅れた場合、市場シェアや収益性を損なうリスクがあります。
  • 原材料価格の高騰: みやげ製造事業では菓子などを製造しており、原材料価格の変動は原価に影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。

信用取引状況

信用買残は6,700株、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍と表示されています。信用売残がゼロであるため、将来の買い戻しによる株価の押し上げ圧力は期待できません。一方で、信用買残も発行済み株式総数(727,500株)に対しては低い水準であり、市場での極端な需給の偏りは見られません。出来高が少ないことも含め、限られた投資家層での取引が多いことを示唆しています。

主要株主構成

上位株主には、投資事業有限責任組合JAICスペシャルティファンド(8.25%)、代表者である久保田一臣氏(6.46%)、ガバナンス・パートナーズ投資事業有限責任組合(5.65%)などが名を連ねています。投資ファンドや創業家が上位を占める一方で、金融機関(八十二銀行、長野信用金庫)も安定株主として名を連ねており、比較的安定した株主構成であると言えます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 2.59%
    • 現在の株価(3,865.0円)と会社予想の年間配当(100.00円)から算出される配当利回りは2.59%です。安定したインカムゲインを期待できる水準と言えます。
  • 配当性向:
    • 提供データにより「Payout Ratio 4: 8.64%」の記載がありますが、会社予想EPS(487.13円)に対する会社予想配当(100円)で計算すると、約20.5%となります。Yahoo Japanの配当性向の記載では10.5%となっており、算出基準が異なる可能性があります。いずれにせよ、利益に対して配当に回す割合は比較的低く、企業内に再投資する余力があることを示唆しています。
  • 自社株買いの状況: データなし。

SWOT分析

強み

  • 日本における土産物卸売の首位級ポジションと地域特産品に特化した強固なサプライチェーン。
  • 堅実な財務体質(高い自己資本比率、流動比率、F-Score優良評価)と高いROE。

弱み

  • 営業利益率が業界平均と比較してやや低い水準にあり、収益性向上の余地がある。
  • 株式市場での出来高が少なく、市場流動性が低い点。

機会

  • インバウンド需要や国内観光の回復・拡大による土産物市場のさらなる成長。
  • Eコマースの強化や新たな販路開拓による事業領域の拡大。

脅威

  • 自然災害、感染症、経済変動など、観光産業全体に影響を及ぼす外部環境リスク。
  • 原材料費の高騰や競合との価格競争による利益率圧迫。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した事業基盤と財務健全性を重視する長期投資家: 土産物卸という安定したニッチ市場での強固な地位と、非常に健全な財務状況は長期保有に適しています。
  • インバウンド需要回復の恩恵を受ける銘柄を探している投資家: 観光需要の回復が業績に直結しており、今後の成長性に関心を持つ投資家にとって魅力的な可能性があります。
  • 配当性向の低さから将来の増配余力を見込む投資家: 現状の利益水準に対して配当性向が低いため、将来的な株主還元強化に期待する投資家にも向いているかもしれません。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 市場流動性の低さ: 出来高が少ないため、取引を成立させるまでに時間がかかったり、希望価格での売買が難しい場合があります。特にまとまった資金での取引には注意が必要です。
  • バリュエーションのバランス: PERは割安感がある一方でPBRは業界平均より高く、市場が純資産価値以上に評価している可能性もあります。事業成長性がPBR水準に見合うかを慎重に見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 土産物卸売事業の売上高・利益率: インバウンド需要回復の影響が最も大きく現れる事業のため、四半期ごとの推移を注視し、成長が持続しているか確認する。
  • 営業利益率の改善: 会社の予想する通期利益達成、またはさらなる上方修正に向け、営業利益率がどの程度改善していくかを注目する。

10. 企業スコア

  • 成長性: A
    • 過去12か月の連結売上高が前年度比で約11.6%増加しており、直近四半期売上成長率も6.0%を記録しています。2026年3月期の通期予想売上高も約12.5%増を見込んでおり、観光需要回復を背景に良好な成長を示しているため、Aと評価します。
  • 収益性: A
    • ROEが15.12%と非常に高い水準(S評価基準)である一方で、営業利益率は3.23%とC評価基準にとどまります。ROAも6.99%と良好ですが、営業利益率の改善が課題であるものの、全体としては株主資本を効率的に活用できているため、A評価とします。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率は52.5%(A評価基準より上)、流動比率は2.06倍(S評価基準より上)、Piotroski F-Scoreも7/9点(S評価)と、全ての指標で極めて優良な水準を達成しており、非常に強固な財務基盤を有しています。
  • バリュエーション: B
    • PERが7.93倍と業界平均10.1倍と比較して約78.5%の水準であり、PER基準では割安感があります。しかし、PBRは1.01倍と業界平均0.7倍の約144%で、PBR基準ではやや割高に評価されているため、両面を考慮し適正水準に近いB評価とします。

企業情報

銘柄コード 8225
企業名 タカチホ
URL http://www.kk-takachiho.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,865円
EPS(1株利益) 487.13円
年間配当 2.59円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 9.1倍 4,442円 2.9%
標準 0.0% 7.9倍 3,863円 0.1%
悲観 1.0% 6.7倍 3,451円 -2.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,865円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,927円 △ 101%割高
10% 2,407円 △ 61%割高
5% 3,037円 △ 27%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
寿スピリッツ 2222 1,987 3,093 23.43 6.87 32.9 1.76
オーウイル 3143 765 72 8.71 1.16 16.2 2.87
ホーブ 1382 1,862 14 71.06 2.00 2.6 2.68

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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