1. 企業情報
清水建設株式会社は、建設業を中心に、開発、エンジニアリング、ライフサイクル評価事業を展開する企業です。主にオフィス、工場、学校、病院などの建物の設計・施工・管理を行い、トンネルや橋、ダム、都市インフラ、エネルギー施設の建設も手掛けています。また、太陽光や風力発電プロジェクトにおけるエンジニアリング・調達・建設サービスや、環境クリーンアップ工事、ICTシステムのエンジニアリングなども提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
清水建設は、日本国内の総合建設業界において最大手ゼネコンの一角を占めており、特に民間建築に強みを持っています。社寺や伝統建築においても高い評価を得ており、PFI事業にも注力しています。市場シェアは堅調ですが、建設コストの上昇や競争の激化が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な社会の実現に向けた環境エネルギー事業の強化を掲げています。中期経営計画では、デジタル化や建設業の効率化を推進し、収益性の向上を目指しています。また、公共事業の受注拡大や民間設備投資の増加を見込んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
清水建設の収益モデルは、公共事業と民間事業のバランスが取れており、安定した収益基盤を持っています。しかし、建設業界全体の市場ニーズの変化に対する適応力が求められています。特に、環境への配慮やデジタル技術の導入が重要な要素となります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発においては、ICTを活用した建設プロセスの効率化や、環境に配慮した建材の開発が進められています。主力製品としては、エネルギー関連施設や高層ビルの建設が挙げられ、これらが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価は1,265円で、PERは14.81倍、PBRは1.03倍です。業界平均PER（14.0倍）やPBR（1.1倍）と比較しても、適正な評価範囲にあると考えられます。
7. テクニカル分析
直近の株価推移では、年初来高値1,268円を記録しており、現在の株価は高値圏に位置しています。過去10日間の株価は上昇傾向にあり、投資家の関心が高まっていることが伺えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2兆5,518億円（前年同期比増加）
- 営業利益: -246億円（前年同期比減少）
- 純利益: 171億円（前年同期比減少）
- ROE: 1.97%
- 自己資本比率: 35.0%
過去数年の傾向として、売上は増加しているものの、営業利益が減少している点が懸念材料です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは2.77%で、配当性向は40%を目指しています。年間配当は35円を予定しており、安定した株主還元策を維持しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、出来高も増加しています。特に、公共投資の安定性や民間設備投資の回復が株価に好影響を与えています。
11. 総評
清水建設は、総合建設業界において強固な地位を持ち、環境エネルギー事業やデジタル化に注力する戦略を展開しています。財務指標には改善の余地があるものの、安定した配当政策と市場での競争力を考慮すると、今後の成長が期待される企業です。
企業情報
| 銘柄コード | 1803 |
| 企業名 | 清水建設 |
| URL | http://www.shimz.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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