企業の一言説明

木曽路は、しゃぶしゃぶ「木曽路」を主力に、焼肉・居酒屋などを展開する外食業界中堅であり、しゃぶしゃぶ部門では業界最大手の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • ブランド力と安定した財務基盤: しゃぶしゃぶ業界での圧倒的なブランド力と、自己資本比率64.9%、Piotroski F-Score6/9点(A: 良好)という強固な財務体制が安定性の根幹をなしています。
  • コロナ禍からの回復と収益性の改善: 過去の業績は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、足元では売上高・利益ともに力強い回復基調にあり、ROEは12.27%と良好な水準を維持しています。
  • 割高なバリュエーションと短期的な利益進捗の鈍化: 業界平均と比較してPER34.18倍、PBR2.30倍と割高感があり、直近の第3四半期純利益進捗率は43.9%と、通期予想達成にはさらなる加速が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 回復基調も鈍化懸念
収益性 A 良好な水準
財務健全性 S 非常に優良
バリュエーション D 割高感強い

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,476.0円
PER 34.18倍 業界平均21.3倍
PBR 2.30倍 業界平均1.8倍
配当利回り 1.21%
ROE 12.27%

1. 企業概要

木曽路(8160)は、1950年に設立された愛知県名古屋市に本社を置く外食中堅企業です。主力事業は、高品質なしゃぶしゃぶ・日本料理を提供する「木曽路」ブランドの展開であり、この分野では業界最大手の地位を確立しています。その他にも、焼肉専門店の「焼肉じゃんじゃん亭」や居酒屋業態、和食レストラン「素材屋」などを運営し、幅広い顧客層を獲得しています。収益モデルは主に店舗での飲食サービスの提供であり、長年の経験で培った食材調達力、調理技術、接客サービスが高品質な体験を提供し、顧客満足度を高めています。特にしゃぶしゃぶは、その調理法や食材へのこだわりから、外食産業の中でも高い参入障壁を形成していると言えるでしょう。

2. 業界ポジション

木曽路は、外食産業の中でも特に「しゃぶしゃぶ・日本料理」の分野において業界最大手の地位を確立しており、全国に192店舗(2026年3月期第3四半期時点)を展開しています。そのブランド力と高品質なサービスは、他の競合チェーンとの差別化要因となっています。強みとしては、長年の歴史に裏打ちされた顧客からの信頼、安定した食材調達ネットワーク、そして客単価の高い業態による収益性の確保が挙げられます。一方、弱みとしては、比較的高価な料理体系のため、景気変動や消費者の節約志向の影響を受けやすい点が挙げられます。価格競争が激しい外食市場において、ブランド維持とコスト管理のバランスが重要となります。
業界平均と比較すると、現在の株価バリュエーションはPERが34.18倍(業界平均21.3倍)と約1.6倍、PBRが2.30倍(業界平均1.8倍)と約1.3倍高く、市場からは業界平均を上回る成長性やブランド価値を評価されていると見受けられますが、割高感も指摘できます。

3. 経営戦略

木曽路は、新型コロナウイルス感染症による影響からの回復を最優先課題として取り組んできました。具体的な中期経営計画に関する詳細な記述は提供されていませんが、最新の決算短信からは以下の戦略的取り組みが推察されます。
まず、主力である「木曽路部門」の売上高が316億6百万円(前年同期比+3.8%)と堅調に推移しており、全体売上高の約79%を占めるこの部門の強化が引き続き重要戦略と考えられます。また、焼肉部門も59億25百万円と前年同期を維持しており、多様な顧客ニーズに対応するポートフォリオ戦略も継続していると見られます。
足元の業績は、行動制限の緩和や人流回復を背景にV字回復を見せており、特に2026年3月期第3四半期累計では、売上高が前年同期比+3.2%、営業利益が+55.1%、純利益が+77.4%と大幅な増益を達成しました。これは、来店客数の増加に加え、効率的な店舗運営やコスト管理が奏功した結果と考えられます。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に次期の配当落ち日が設定されており、株主還元への意識も高いことが示唆されます。しかし、通期予想に対する純利益の進捗率が43.9%と、売上高(73.99%)や営業利益(47.1%)と比較して若干遅れが見られるため、期末にかけての利益確保に向けた戦略が注目されます。これは、10-12月期に経常利益が減益となった報道とも関連しており、今後の収益改善施策が重要となるでしょう。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、および経営効率を9つの項目で評価する指標です。木曽路のスコアは以下の通りです。

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益がプラスかつROAがプラスで良好だが、営業キャッシュフローの項目はデータ不足
財務健全性 2/3 債務比率の低さと株式希薄化がない点は評価できるが、流動比率は要改善
効率性 2/3 ROEは良好な水準にあるが、営業利益率は改善の余地がある

解説:

木曽路のPiotroski F-Scoreは6点で「A: 良好」と判定されました。これは、全体的な財務状況が健全であることを示しています。

  • 収益性では、過去12か月間の純利益が39億9,100万円と黒字であり、Return on Assets(ROA)も4.33%とプラスを維持しており、事業が収益を生み出していることが評価されています。ただし、営業キャッシュフローが純利益を上回るか否かのチェックデータが提供されていないため、この項目での評価はできませんでした。
  • 財務健全性では、Total Debt/Equity(D/Eレシオ)が0.239倍と非常に低く、自己資本比率の高さを示しています。また、株式の希薄化が見られない点も評価できます。一方で、Current Ratio(流動比率)が1.42倍と、短期的な支払い能力の目安とされる1.5倍をわずかに下回っている点は改善の余地があるとされます。
  • 効率性では、Return on Equity(ROE)が12.27%と株主資本の利用効率が良好であることが評価されます。また、Quarterly Revenue Growth(四半期売上成長率)も4.90%とプラス成長を維持しています。しかし、Operating Margin(営業利益率)が9.70%と、効率性向上の基準とされる10%をわずかに下回っている点が課題として挙げられます。

【収益性】

木曽路の収益性は、コロナ禍からの回復により大きく改善しています。

  • 営業利益率: 過去12か月間で9.70%です。外食産業の平均と比較すると比較的良好な水準ですが、さらなるコスト効率化や価格戦略により10%を超えることが期待されます。
  • ROE (Return on Equity): 株主資本利益率は過去12か月で12.27%と、一般的な目安とされる10%を上回っており、株主から預かった資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示しています。これは良好な評価と言えます。
  • ROA (Return on Assets): 総資産利益率は過去12か月で4.33%です。これはベンチマークの5%には届かないものの、低水準ではありません。効率的な資産運用によって、さらに改善する余地があります。

【財務健全性】

財務健全性は非常に強固です。

  • 自己資本比率: 実績で64.9%と、非常に高い水準を維持しています。これは、企業の資産の多くを借入金ではなく自己資金で賄っていることを意味し、財務基盤が極めて安定しており、外部環境の変化や不測の事態にも耐えうる体力があることを示しています。
  • 流動比率: 直近四半期で1.42倍です。流動負債に対する流動資産の比率を示す指標で、短期的な支払い能力を示します。一般的に200%(2.0倍)以上が望ましいとされますが、142%でも直ちに問題がある水準ではありません。高い自己資本比率が一定のリスクをカバーしています。

【キャッシュフロー】

キャッシュフローは、以下のように推移しています。(単位: 百万円)

決算期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF
2023.03連 2,037 -3,322 887 -1,285
2024.03連 4,243 -2,462 -4,408 1,781
2025.03連 1,434 -1,558 -1,078 -124
  • 営業キャッシュフロー (営業CF): 2024年3月期には42億4,300万円と大きく増加しましたが、2025年3月期には14億3,400万円と減少しました。これは、主に売上回復に伴う運転資金の変動や、一時的な要因が影響している可能性があります。
  • フリーキャッシュフロー (FCF): 2023年3月期はマイナス12億8,500万円、2025年3月期もマイナス1億2,400万円と、設備投資などが営業キャッシュフローを上回る結果となりました。FCFがマイナスであることは、企業の成長投資が活発であるか、あるいは収益力を超える資金流出が発生している可能性を示唆します。2024年3月期には17億8,100万円とプラス転換しており、今後の動向を注視する必要があります。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は、2025年3月期実績で営業CF14億3,400万円に対し、純利益31億6,600万円であり、その比率は0.45倍となります。この比率は一般的に1.0倍以上が健全とされており、1.0倍未満の場合は、利益が必ずしも現金流入を伴っていない、すなわちキャッシュ以外の要因(固定資産売却益など特別利益や評価益、引当金の計上時期のずれなど)で純利益が計上されている可能性があるため、利益の質には注意が必要です。特に、決算短信で「特別利益 固定資産売却益 176百万円」が計上されていることが判明しており、これが純利益を下支えしている一因である可能性があります。

【四半期進捗】

2026年3月期 第3四半期までの連結決算進捗は以下の通りです。

項目 3Q累計実績(百万円) 通期予想(百万円) 進捗率 前年同期比
売上高 39,954 54,000 73.99% +3.2%
営業利益 1,414 3,000 47.1% +55.1%
経常利益 1,452 3,030 47.9% +52.4%
親会社株主に帰属する四半期純利益 895 2,040 43.9% +77.4%

通期売上高予想に対する進捗率は約74%と順調ですが、営業利益、経常利益、純利益の進捗率は約44%〜48%と若干低めに推移しています。これは特に純利益において顕著で、通期予想の達成には第4四半期での大幅な利益積み増しが求められます。前年同期比では全ての利益項目で大幅な改善が見られ、特に純利益は+77.4%と大きく伸長しています。しかし、直近のニュースでは10-12月期(第3四半期単体)の経常利益が6%減益と報じられており、回復ペースが一時的に鈍化している可能性も示唆しています。

【バリュエーション】

木曽路の現在の株価は2,476.0円です。

  • PER (Price Earnings Ratio): 会社予想ベースで34.18倍です。これは「株価が1株当たり利益の何年分か」を示す指標で、業界平均の21.3倍と比較すると、約1.6倍の割高感があります。市場は外食最大手としてのブランド力や将来の成長期待を織り込んでいると解釈できます。
  • PBR (Price Book-value Ratio): 実績ベースで2.30倍です。これは「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示す指標で、業界平均の1.8倍と比較すると、こちらも約1.3倍の割高感があります。PBRが1倍未満であれば解散価値を下回るという見方もできますが、木曽路は企業のブランド価値や収益力が純資産以上に評価されていると考えられます。

バリュエーション分析に基づく目標株価は、業種平均PER基準で3,017円、業種平均PBR基準で1,942円と、両者の間で乖離が見られます。これは、PERが将来の利益成長期待を、PBRが企業の持つ資産価値をより強く反映する傾向があるためです。現在の株価はPER基準では割安ですが、PBR基準では割高となり、全体として現在の株価が利益成長期待に対してやや先行している印象を与えます。

【テクニカルシグナル】

直近10日間の株価推移を見ると、高値圏から下落傾向にあります。
2026年3月13日時点のテクニカルシグナルは以下の通りです。

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -15.18 / シグナルライン: -4.17 短期的なトレンドに明確な方向性は示されていませんが、MACD値がシグナルラインを下回っている点は弱気を示唆
RSI 中立 35.9% 70%以上で買われすぎ、30%以下で売られすぎと判断されます。現在は売られすぎの水準には達していませんが、やや弱気なモメンタムにあることを示唆します
5日線乖離率 -1.40% 直近のモメンタムが短期移動平均線を下回っていることを示します
25日線乖離率 -3.50% 短期トレンドから下方向に乖離していることを示唆します
75日線乖離率 -2.40% 中期トレンドから下方向に乖離していることを示唆します
200日線乖離率 +0.44% 長期トレンドの上に位置しているものの、乖離はわずかであり、トレンド転換の可能性もあります

RSIが35.9%と売られすぎ水準に接近しており、株価は短・中期移動平均線を下回っています。一方で、200日移動平均線はわずかに上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されている可能性がありますが、現在の株価は短期的な下落トレンドの中にあり、サポートラインである200日移動平均線に接近しています。

【テクニカル】

現在の株価2,476.0円は、52週高値2,669円と52週安値1,957円のレンジ内で、72.9%(0%=安値、100%=高値)の位置にあります。これは、年初来高値からやや調整しているものの、依然として高値圏にあることを示しています。
移動平均線との関係を見ると、現在株価は5日移動平均線(2,511.20円)、25日移動平均線(2,565.84円)、75日移動平均線(2,536.84円)を全て下回っており、短期から中期の下降モメンタムを示しています。ただし、200日移動平均線(2,468.58円)はかろうじて上回っており、長期的なトレンドはまだ維持されている可能性があります。200日移動平均線が重要なサポートラインとなるか、あるいはさらに下落するか注目されます。1ヶ月レンジが2,476.00円 – 2,626.00円、3ヶ月レンジが2,471.00円 – 2,626.00円であることから、直近の安値圏に位置しており、下値での買い支えがあるかどうかが焦点です。

【市場比較】

日経平均株価およびTOPIXとの相対パフォーマンスは以下の通りです。

日経平均比

  • 1ヶ月: 株式-4.07% vs 日経-6.65% → 株式が2.58%ポイント上回る
  • 3ヶ月: 株式-1.24% vs 日経+6.40% → 株式が7.64%ポイント下回る
  • 6ヶ月: 株式-0.40% vs 日経+28.33% → 株式が28.73%ポイント下回る
  • 1年: 株式+12.55% vs 日経+42.43% → 株式が29.89%ポイント下回る

TOPIX比

  • 1ヶ月: 株式-4.07% vs TOPIX-5.87% → 株式が1.80%ポイント上回る
  • 3ヶ月: 株式-1.24% vs TOPIX+7.23% → 株式が8.47%ポイント下回る

短期(1ヶ月)では市場平均を若干上回るパフォーマンスを見せていますが、中長期(3ヶ月、6ヶ月、1年)では日経平均およびTOPIXと比較して大幅にアンダーパフォームしています。これは、市場全体が堅調に推移する中で、木曽路の株価がその恩恵を十分に受けられていないことを示唆しています。特に、コロナ禍からの回復期待は織り込まれても、それ以上の成長ドライバーが市場に明確に伝わっていない可能性があります。

【定量リスク】

木曽路の定量的なリスク指標は以下の通りです。

  • ベータ値: 0.11 (5年月次)。ベータ値は市場全体の動きに対する個別銘柄の感応度を示します。0.11という非常に低い数値は、日経平均やTOPIXといった市場全体の変動に対して、木曽路の株価がほとんど連動せず、非常に安定していることを意味します。市場全体が大きく変動する場面でも、木曽路の株価は比較的穏やかな動きをする傾向があります。
  • 年間ボラティリティ: 17.51%。株価の騰落の変動幅を示します。この数値は、過去1年間で株価が平均的に17.51%変動する可能性があることを示唆します。
  • 最大ドローダウン: -24.02%。過去の期間で、株価がピークから最も大きく下落した割合を示します。「仮に100万円投資した場合、年間で±17.51%、すなわち±17万5,100円程度の変動が想定され、過去最悪のケースでは投資金額が24万200円減少するリスクがあった」と解釈できます。
  • シャープレシオ: 0.12。リスク1単位あたりの超過リターンを示します。一般的に1.0以上が良好とされますが、0.12という値は、リスクを取った割にはリターンが低いことを示唆しており、効率的な投資リターンが得られているとは言い難い状況です。

【事業リスク】

  • 原材料・人件費の高騰: 外食産業全体に共通するリスクであり、食材の仕入価格やアルバイト・正社員の人件費の上昇は、コスト構造を圧迫し、収益性を低下させる可能性があります。特に木曽路のような高品質を追求する業態では、原材料費の比率が高くなる傾向があり、コスト増を価格転嫁できない場合、利益率が悪化する直接的な要因となります。
  • 競争激化と消費マインドの変化: 外食産業は新規参入が多く、競争が激しい業界です。消費者の嗜好の変化や節約志向の高まりは、来店客数や客単価に直接影響を与えます。特に景気低迷期には、比較的高級な位置づけである「木曽路」ブランドの需要が落ち込む可能性があります。また、デリバリーやテイクアウトなど多様化する食のスタイルへの対応も求められます。
  • 感染症リスクによる顧客行動の変化: 新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、外食産業に甚大な被害をもたらしました。今後も新たな感染症の発生や再流行が発生した場合、顧客の外食行動が制限され、店舗運営に大きな打撃を与える可能性があります。過去の経験から、このようなリスクへの対応策(衛生管理、テイクアウト・デリバリーの強化など)は講じられているものの、予見不可能なリスクは依然として存在します。

7. 市場センチメント

木曽路の市場センチメントは、信用取引状況を見るとやや複雑な様相を呈しています。

  • 信用取引状況: 信用買残が37,200株に対し、信用売残が961,400株と、信用倍率が0.04倍と極めて低い「売り長」の状態です。これは、将来の株価下落を見越した空売りが多いことを示しており、市場には一定の弱気な見方が存在すると考えられます。しかし、売り長の状態は、買い戻し(ショートカバー)の圧力が潜在的に高く、何らかの好材料が出現した場合には株価を急騰させる要因となり得ます。信用売残が前週比で+135,700株と大幅に増加していることも、短期的な下落トレンドを警戒する投資家が多いことを示唆しています。
  • 主要株主構成: 上位株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が9.47%、日本カストディ銀行(信託口)が2.05%と、機関投資家や信託銀行が安定株主として名を連ねています。自社共栄会も3.49%を保有しており、安定した株主構成と言えます。また、アサヒビール、三菱UFJ銀行、麒麟麦酒、サントリーといった事業会社や金融機関も上位株主に含まれており、企業との関係性や事業提携の可能性を示唆しています。インサイダー保有率は8.97%、機関投資家保有率は18.97%です。

8. 株主還元

木曽路は積極的な株主還元を目指す姿勢が見られます。

  • 配当利回り: 会社予想の1株配当30.00円に基づくと、現在の株価2,476.0円に対する配当利回りは1.21%です。これは5年平均配当利回り0.90%を上回っていますが、市場全体の平均と比較すると高水準とは言えません。
  • 配当性向: 会社予想の純利益に対して、配当性向は40.0%(Yahoo Japanデータ)と算出されており、これは利益の約4割を株主還元に回すという方針を示しています。2025年3月期の配当性向23.28%と比較しても、より積極的な還元姿勢が見えますが、2025年3月期の年間配当45円から2026年3月期の予想年間配当30円への減配予想であり、配当性向の上昇は利益水準の低下を背景としている点に留意が必要です。
  • 自社株買い: 提供データからは、具体的な自社株買いの実施状況や計画は確認できませんでした。

SWOT分析

強み (Strengths)

  • しゃぶしゃぶ業界最大手としてのブランド力と顧客基盤: 長年の歴史と高い品質が、顧客からの信頼と安定した収益源を形成。
  • 強固な財務健全性: 自己資本比率64.9%、低D/Eレシオ、F-Score6/9点が示すように、安定した財務基盤を持つ。

弱み (Weaknesses)

  • 割高なバリュエーション: PER34.18倍、PBR2.30倍と業界平均と比較して割高感があり、株価上昇余地が限定的となる可能性。
  • 利益の質とフリーキャッシュフローの課題: 営業CF/純利益比率が0.45倍と低く、2025年3月期のフリーキャッシュフローもマイナス1億2,400万円と、キャッシュ創出力に改善の余地がある。

機会 (Opportunities)

  • ポストコロナ需要の継続とインバウンド需要の回復: 外食産業全体の回復基調が続き、特に和食文化への関心が高いインバウンド(訪日外国人観光客)の需要取り込みが期待できる。
  • 飲食業界の再編とシェア拡大の可能性: 競合他社の業績不振や撤退などにより、市場シェアをさらに拡大する機会が生まれる可能性。

脅威 (Threats)

  • 原材料価格・人件費の高騰: 食材やエネルギーコスト、最低賃金の上昇は、収益性を圧迫する主要因となり、価格転嫁が難しい場合は利益率低下に直結。
  • 消費マインドの冷え込みと競争激化: 景気悪化や消費者の節約志向の高まりは客足に影響し、差別化の難しい外食市場での競争激化は収益圧迫につながる。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と低ベータ値が示す通り、極めて安定した財務基盤を持つ企業を好む投資家。
  • 外食産業の回復とブランド力を評価する投資家: コロナ禍からの回復基調を評価し、しゃぶしゃぶ業界最大手としてのブランド価値が今後も維持・向上すると考える投資家。
  • インバウンド需要の恩恵を受ける銘柄を探す投資家: 日本料理の代表格であるしゃぶしゃぶを提供しており、訪日外国人観光客の増加が業績に貢献すると期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • バリュエーションの妥当性: 現在の株価が業界平均と比較して割高であるため、さらなる成長性や収益性改善がバリュエーションに見合うか慎重に評価する必要があります。市場期待と実態を比較検討することが重要です。
  • キャッシュフローと利益の質の動向: フリーキャッシュフローがマイナスである点や、営業CF/純利益比率が1.0未満である点に注意し、今後の改善がなされるか、あるいは一時的な要因によるものかを深く分析する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: 現在9.70%であり、10%超えを継続できるか。コスト管理と価格戦略の巧拙を示す重要な指標。
  • フリーキャッシュフローの安定的なプラス転換: 投資活動を賄い、残った現金をどれだけ生み出せるかは企業の持続的な成長力を測る上で不可欠。
  • 店舗数の純増数と既存店売上高: 新規出店や既存店の活性化が企業の成長ドライバーとなるため、これらの動向を定期的に確認。
  • インバウンド顧客の取り込み状況: 観光客向けメニューの開発や多言語対応など、具体的な戦略の進捗とそれが売上に与える影響。

成長性: B (回復基調も鈍化懸念)

過去の売上高はコロナ禍から回復し、過去12ヶ月の売上高は537億6,500万円、前年同期比の四半期売上成長率は+4.90%とプラス成長を維持しています。しかし、2026年3月期の通期純利益予想が前年予想(31億6,600万円)から20億4,000万円へと減益が見込まれていることや、第3四半期単体では経常利益が減益に転じた報道があることから、成長のペースに鈍化の懸念が見られます。持続的な高成長を期待するには、さらなる事業拡大や新規事業の創出が必要です。

収益性: A (良好な水準)

ROEは過去12ヶ月で12.27%と、一般的な目安である10%を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出している点は非常に良好です。営業利益率も過去12ヶ月で9.70%と、ベンチマークの10%にはわずかに届かないものの、外食産業としては健全な水準を維持しており、全体的な収益性は良好と評価できます。

財務健全性: S (非常に優良)

自己資本比率は64.9%と極めて高く、企業の財務基盤が非常に安定していることを示しています。Total Debt/Equityも0.239倍と低く、借入依存度が低い優良な財務状態です。Piotroski F-Scoreも6/9点(A: 良好)と高く、流動比率(1.42倍)がベンチマークにわずかに届かない点を除けば、全体として非常に健全性が優れていると評価できます。

バリュエーション: D (割高感強い)

PERが会社予想で34.18倍、PBRが実績で2.30倍であり、それぞれ業界平均のPER21.3倍、PBR1.8倍を大幅に上回っています。これは、市場が木曽路に対して業界平均を上回る強い成長期待やブランド価値を織り込んでいることを示唆していますが、現在の利益水準や成長率から見ると、割高感は強いと判断されます。特にPBR基準での目標株価が現在の株価を下回ることから、株価の調整リスクも考慮する必要があります。


企業情報

銘柄コード 8160
企業名 木曽路
URL http://www.kisoji.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,476円
EPS(1株利益) 72.44円
年間配当 1.21円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 23.6% 34.9倍 7,291円 24.2%
標準 18.2% 30.3倍 5,060円 15.4%
悲観 10.9% 25.8倍 3,131円 4.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,476円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,521円 ○ 2%割安
10% 3,148円 ○ 21%割安
5% 3,973円 ○ 38%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
柿安本店 2294 2,837 353 41.53 1.79 5.6 2.99
うかい 7621 3,355 188 633.01 3.93 0.6 0.44
ひらまつ 2764 156 116 50.32 1.74 3.9 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.31)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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