企業の一言説明

ブロードリーフ(3673)は、モビリティ産業向けにSaaS型クラウドサービスとパッケージシステムを提供する、自動車部品データベースを特長とする企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • クラウドシフトと成長戦略の加速: クラウドサービスへの移行を加速し、2028年には営業利益130億円を目指す中期経営計画を推進しており、高い将来性が期待されます。
  • 業績のV字回復と高成長見込み: 2025年12月期は大幅な増収増益を達成し、2026年12月期も売上収益12.9%増、営業利益132.7%増の大幅な成長を見込んでいる点が注目されます。
  • 高いバリュエーションと財務健全性のバランス: 現在の株価はPER、PBRともに業界平均と比較して割高感があり、流動比率にも課題があるものの、Piotroski F-Scoreは7/9点(S評価)と財務品質は優良と評価されています。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 良好(高成長期待)
収益性 B 普通(改善途上)
財務健全性 A 良好(一部改善点あり)
バリュエーション D 懸念(割高感あり)

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 993.0円
PER 27.96倍 業界平均23.2倍
PBR 3.69倍 業界平均2.3倍
配当利回り 1.51%
ROE 5.23%

1. 企業概要

ブロードリーフは、日本のモビリティ産業、特に自動車アフターマーケット向けに、クラウドサービスとパッケージシステムを開発・提供しています。主力製品はクラウドベースの「broadleaf cloud platform」や販売管理システム「SALES GO ISM」、タブレット型業務端末「CarpodTab」などで、SaaS(Software as a Service)モデルの推進に注力しています。同社の特長は、独自の自動車部品データベースに裏打ちされた技術力と、業界特化型の深い知見による参入障壁の高さにあります。これにより、自動車整備工場や部品商などの顧客の業務効率化とDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し、安定的なストック収益モデルを構築しています。

2. 業界ポジション

ブロードリーフは、日本のモビリティ産業向けソフトウェア市場における主要プレイヤーの一つです。自動車部品データベースという独自の強みを持ち、業界特化型のSaaS提供を通じて、競合他社との差別化を図っています。ITソリューション全般を提供する大手企業とは異なり、特定 отраслиに深く根差したソリューションで確固たる地位を築いています。
業界平均(情報・通信業)と比較すると、PER(株価収益率)はブロードリーフが27.96倍であるのに対し、業界平均は23.2倍と、ブロードリーフの方が高水準にあります。PBR(株価純資産倍率)もブロードリーフが3.69倍、業界平均が2.3倍となっており、市場からの成長期待が高い一方で、バリュエーション面では割高感を示しています。

3. 経営戦略

ブロードリーフは「Physical AI時代のインフラ企業」となることをビジョンに掲げ、主力事業であるクラウド(サブスクリプション)への移行を加速する中期経営計画を推進しています。具体的には、2028年12月期に売上収益320億円、営業利益130億円、親会社帰属当期利益85億円達成を目指しており、過去最高の業績更新を継続するフェーズへと移行する方針です。
主な成長戦略としては、主力クラウドソフト(業種特化型SaaS)の顧客層拡大、営業組織の抜本的再編(7支店から3ブロックへの集約)による機動的な導入推進が挙げられます。また、AI活用と高度人材への投資を通じて「SaaSからSaS(Service as Software)への進化」を目指し、顧客への提供価値向上を図っています。年間経常収益(ARR)目標はFY2028で約200億円と高い水準を設定しています。
株主還元については、連結配当性向40%以上を目安とする方針を明示しており、成長投資と株主還元の両立を目指しています。
直近の重要なイベントとしては、2026年6月29日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、およびROAがいずれもプラスであり、収益基盤は健全です。
財務健全性 2/3 D/Eレシオが低く、株式の希薄化もないものの、流動比率がベンチマークを下回るため、一部に改善余地があります。
効率性 2/3 営業利益率はベンチマークを上回る一方、ROEがベンチマークに達しておらず、資本効率の改善が期待されます。

【収益性】

ブロードリーフの過去12か月の営業利益率は10.23%と、二桁台を維持しており、収益基盤は着実に改善しています。ROE(株主資本利益率)は5.23%、ROA(総資産利益率)は3.17%となっており、一般的なベンチマークであるROE10%、ROA5%には現時点では届いていませんが、2026年12月期には大幅な利益成長が予想されており、今後の改善が期待されます。

【財務健全性】

自己資本比率は58.6%と、50%を大きく超える高い水準を維持しており、財務基盤は非常に安定していると言えます。一方で、流動比率は0.55と、短期的な支払い能力の目安とされる1.5から2.0を大幅に下回っています。これは、短期の借入金や未払金に対して、現金や売掛金などの流動資産が不足している状況を示しており、資金繰りには注意が必要です。ただし、SaaSビジネスモデル特有の契約負債の増加などの要因も考えられます。総有利子負債は44億60百万円、有利子負債比率は18.35%と低く、D/Eレシオも0.18と健全な水準です。

【キャッシュフロー】

過去12か月の営業キャッシュフローは69億円と堅調に推移しており、本業で安定してキャッシュを生み出す力があることを示しています。フリーキャッシュフローも19億2,000万円のプラスを維持しており、事業活動で得たキャッシュで投資を行い、余剰資金を確保できている優良な状況です。

【利益の質】

営業キャッシュフローを純利益で割った比率は5.56となっており、1.0を大きく上回っています。これは、会計上の利益がキャッシュフローを伴わない可能性が低いことを示唆しており、利益の質は非常に優良であると評価できます。

【四半期進捗】

2025年12月期の通期実績は、売上収益が208億1,500万円、営業利益が20億6,300万円でした。これに対し、2026年12月期の通期予想は、売上収益235億円(前期比+12.9%)、営業利益48億円(前期比+132.7%)と、売上・利益ともに大幅な成長を見込んでいます。特に営業利益の大幅な伸びは、SaaS化の進展による収益モデルの変革が奏功していることを示唆しています。
直近の四半期データは提供されていませんが、年度ごとの推移を見ると、2022年、2023年に営業損失を計上していましたが、2024年に黒字転換、2025年には売上高208億1,500万円、営業利益20億6,300万円とV字回復を達成しており、成長基調への転換期にあると言えます。

【バリュエーション】

ブロードリーフの現在のPER(会社予想)は27.96倍、PBR(実績)は3.69倍です。これに対し、情報・通信業の業界平均PERは23.2倍、PBRは2.3倍であり、ブロードリーフのバリュエーションは業界平均と比較して割高な水準にあります。PERは業界平均の約1.2倍、PBRは業界平均の約1.6倍となっており、現在の株価には将来の成長期待が相当織り込まれていると判断できます。業績がV字回復し、今後高い成長率を維持する計画ではありますが、市場の期待に応え続けることが株価維持の鍵となるでしょう。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 76.08 / シグナル値: 55.71 短期トレンド方向を示す
RSI 買われすぎ 82.3% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +4.86% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +28.73% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +35.88% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +35.73% 長期トレンドからの乖離

RSIが82.3%と「買われすぎ」水準にあり、短期的な過熱感があります。移動平均線乖離率も全ての期間で大きくプラスとなっており、株価が短期・中期・長期の移動平均線を大幅に上回って推移していることから、強い上昇トレンドにある一方で、調整局面に入る可能性も考慮される状況です。

【テクニカル】

現在の株価993.0円は、52週高値1,000円に迫る水準にあり、年初来高値も更新する勢いです。一方、52週安値は521円であり、現在の株価は52週レンジの98.5%地点に位置しています。株価は5日移動平均線(947.00円)、25日移動平均線(771.36円)、75日移動平均線(730.79円)、200日移動平均線(732.33円)を全て大きく上回っており、強い上昇トレンドが継続していることを示しています。特に25日線、75日線、200日線からの乖離率が大きい点は、短期的なリバウンドや調整のリスクも示唆しています。

【市場比較】

ブロードリーフの株価は、日経平均株価およびTOPIXといった市場主要指数と比較して、大幅にアウトパフォームしています。

  • 1ヶ月リターン: 株式+63.05% vs 日経-5.65%68.70%ポイント上回る
  • 3ヶ月リターン: 株式+38.49% vs 日経+4.99%33.51%ポイント上回る
  • 6ヶ月リターン: 株式+37.92% vs 日経+22.81%15.11%ポイント上回る
  • 1年リターン: 株式+57.37% vs 日経+44.69%12.68%ポイント上回る

これらのデータは、ブロードリーフが市場全体の動向に対して強い独立した上昇モメンタムを持っていることを裏付けています。

【定量リスク】

ブロードリーフのベータ値は-0.02であり、市場全体の動きに対してほとんど影響を受けない、または逆相関の動きを示す傾向があることを示唆しています(ただし、通常ベータ値は正の値であり、この値は特異な環境下での計測結果である可能性があります)。
年間ボラティリティは39.74%と高く、株価が大きく変動しやすい特性を持っています。過去の最大ドローダウンは-53.32%であり、仮に100万円を投資した場合、年間で±39.74万円程度の変動、または一時的に53.32万円程度の損失が発生する可能性が過去には存在したことを意味します。シャープレシオは-0.44であり、リスクに見合うリターンが得られていないことを示唆していますが、これは過去の年間平均リターンが-17.09%というデータに基づくものであり、近年の業績回復や株価上昇とは乖離があることに留意が必要です。

【事業リスク】

  • クラウド移行の遅延: 大口顧客がパッケージシステムからクラウドサービスへの移行を遅らせる場合、収益モデル転換のペースが鈍化し、収益性改善に影響を及ぼす可能性があります。
  • IT投資環境の変化: IT導入補助金などの政府政策変更や、クラウド・ITインフラ費用、高度人材採用費の増加は、経営計画に影響を与える可能性があります。
  • 競合の激化: 自動車アフターマーケットのDX加速に伴い、新規参入や既存競合によるサービス強化が進むことで、市場競争が激化し、市場シェア維持や価格競争力に課題が生じる可能性があります。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が504,500株、信用売残が386,400株で、信用倍率は1.31倍と比較的低い水準にあります。前週比では信用買残が-140,000株と減少、信用売残が+88,300株と増加しており、短期的な売り圧力が増しているものの、全体としては需給が大きく偏っている状況ではありません。
主要株主は、日本カストディ銀行(信託口)16.75%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)10.61%、(株)UHパートナーズ37.1%など機関投資家が上位を占めており、安定株主の存在がうかがえます。

8. 株主還元

ブロードリーフは、2026年12月期に中間配当7.5円、期末配当7.5円の年間合計15.0円の配当を予想しており、これにより配当利回りは1.51%となる見込みです。連結配当性向は44.44%(会社予想)と、中期経営計画で掲げた目安である「40%以上」をクリアする水準であり、成長投資と株主還元のバランスを重視する姿勢が評価できます。

SWOT分析

強み

  • 独自の自動車部品データベースとモビリティ産業特化型SaaSによる高い参入障壁と競争優位性。
  • クラウドサービスへの事業転換加速と、SaaSモデルによる安定的なストック収益の拡大。

弱み

  • 業界平均と比較して割高なバリュエーション水準。
  • 流動比率が低い水準にあり、短期的な資金繰りに潜在的な懸念。

機会

  • モビリティ産業におけるDX推進、MaaS(Mobility as a Service)市場の拡大によるSaaS需要の増加。
  • AI活用や高度人材投資による「SaS」へのサービス進化と、新たな付加価値創出。

脅威

  • 大口顧客のクラウド移行遅延や、IT導入補助金など政策変更による経営計画への影響。
  • 競合他社の新規参入やサービス強化による市場競争の激化。

この銘柄が向いている投資家

  • 成長性重視の投資家: クラウド・SaaSビジネスモデルへの転換と、中期経営計画に裏打ちされた高い将来の成長性に着目する投資家。
  • デジタルトランスフォーメーション関連銘柄に関心のある投資家: モビリティ産業のDXを支援する企業であり、テーマ性に関心のある投資家。
  • 中長期的な業績回復と株主還元改善に期待する投資家: 業績のV字回復から成長軌道に入り、配当性向の明示により株主還元意欲が高い点を評価する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 業績予想の達成度: 現在の株価には高い成長期待が織り込まれているため、中期経営計画で掲げた業績目標を達成できるかどうかを注視する必要があります。
  • バリュエーションの正当性: 業界平均と比較して割高なPERやPBRが、今後の成長によって正当化されるか、市場の評価がどう変化するかを継続的に分析することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • ARR(年間経常収益)成長率: クラウドビジネスの進捗を示す最重要指標として、目標達成に向けた推移をウォッチ。
  • クラウドサービス売上高比率と営業利益率の推移: SaaSモデルへの転換が収益性にどう貢献しているか、具体的な数値を追いかける。
  • ROEおよびROAの改善: 資本効率の改善が持続的な企業価値向上につながるため、目標達成に向けた推移を注視。

10. 企業スコア

  • 成長性: A (良好)
    2026年12月期の売上収益成長率予想が+12.9%と、明確に二桁成長を見込んでおり、中期経営計画においても高い成長目標を掲げているため、成長性は良好と評価します。
  • 収益性: B (普通)
    過去12か月の営業利益率は10.23%と安定していますが、ROEが5.23%と一般的なベンチマークである10%には届いていません。ただし、2026年12月期には営業利益率20.4%の高水準を予想しており、今後の大幅な収益性改善が期待されます。
  • 財務健全性: A (良好)
    自己資本比率が58.6%と高く、Piotroski F-Scoreも7/9点(S評価)と財務品質は優良です。しかし、流動比率が0.55と低い点は短期的な資金繰り面での改善余地があるため、A評価としました。
  • バリュエーション: D (懸念)
    PER27.96倍、PBR3.69倍は、それぞれ業界平均の23.2倍2.3倍と比較して大幅に高い水準にあり、現在の株価には高い成長期待が織り込まれているため、割高感は懸念材料であると評価します。

企業情報

銘柄コード 3673
企業名 ブロードリーフ
URL http://www.broadleaf.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 993円
EPS(1株利益) 35.52円
年間配当 1.51円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 22.3% 31.3倍 3,048円 25.3%
標準 17.2% 27.2倍 2,138円 16.7%
悲観 10.3% 23.2倍 1,343円 6.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 993円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,069円 ○ 7%割安
10% 1,335円 ○ 26%割安
5% 1,685円 ○ 41%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ラクス 3923 736 2,654 21.58 9.54 55.0 0.46
マネーフォワード 3994 3,091 1,716 4.18 -5.4 0.00
Sansan 4443 1,112 1,408 28.15 8.93 33.4 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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