三菱鉛筆(7976)企業分析レポート
本資料は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や投資助言ではありません。数値は提供データに基づきます。
1. 企業情報
- 概要: 1887年創業の筆記具大手。「uni」「JETSTREAM」「uniball」「KURUTOGA」などのブランドを展開。独Lamy(ラミー)をグループに持ち、国内外で販売。ペン型化粧品、粘着テープ、手工芸品なども手がける。
- 事業構成(連結/2024期ベース): 筆記具・周辺商品 約97%、その他 約3%。海外売上比率 約60%。
- 上場: 東証プライム(33業種: その他製品)
- 住所/代表: 東京都品川区、代表取締役社長 数原 滋彦
- 従業員: 2,800人、平均年齢 41.9歳、平均年収 824万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内筆記具の主要プレイヤー(競合例: パイロット、ゼブラ、コクヨ等)。uniブランドと主力の油性ボールペン「JETSTREAM」、水性「uniball」などで高い認知。プレミアム領域ではLamyとの補完関係を活用。
- 競争優位性:
- 強固なブランド資産と広い価格帯(量販〜プレミアム)。
- グローバル展開(海外売上比率約60%)と商品開発力。
- 課題:
- デジタル化による事務用品需要の構造的縮小。
- 欧米での在庫/出荷調整の影響、為替や原材料価格の変動。
- 低価格品や新興ブランドとの競争。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性: 「書く、描く」を通じた“表現体験”の創造と提供価値の強化。
- 重点施策(足元の取組み・製品例):
- 新製品の継続投入とブランド拡張:「uniball ZENTO」「KURUTOGA Wood」「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」など。
- Lamyブランドの拡販とシナジー創出(デザイン/プレミアム領域)。
- 新分野の育成: ペン型化粧品(CITE JAPAN 2025出展)、粘着テープ・手工芸品の強化。
- 地域戦略: 欧州・米州・アジアの需要動向に合わせた商品投入と在庫運営。インド子会社(UNI LINC INDIA)設立による基盤づくり。
- 通期見通し(会社予想/2025.7.31公表):
- 売上高 910億円、営業利益 105億円、経常利益 108億円、純利益 70億円、EPS 128.20円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 消耗品(替芯・リフィル含む)と新製品サイクルによる継続需要。教育・オフィス・趣味/プレミアム(ギフト)まで幅広い需要に対応。
- 変化への適応:
- 高付加価値化(書き味、デザイン、サステナブル素材)とリフィル対応で単価・継続購入を確保。
- プレミアム領域(Lamy)や新用途(化粧品、手工芸、粘着材)への展開でポートフォリオ分散。
- デジタル化の影響は構造的課題だが、表現体験や教育・趣味用途が下支え。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 低粘度油性インク(JETSTREAM)、水性ローラーボール(uniball)、芯先機構(KURUTOGA)など筆記感・機構面の技術蓄積。デザイン性の高いLamyとの協業。
- 収益の牽引: JETSTREAMシリーズ、uniball、水性/油性ボールペン、シャープペンと替芯。プレミアムのLamy、粘着テープ・手工芸品も拡大寄与。
6. 株価の評価(2025-08-08終値 2,054円)
- 会社予想EPS: 127.54円(参考: 会社見通しEPS 128.20円)
- PER(フォワード): 約16.1倍(2,054円 ÷ 127.54円)。業界平均PER 14.5倍比で約+11%。
- BPS(実績・連結): 2,368.12円 → PBR 約0.87倍(業界平均PBR 1.3倍比で約-33%)。
- EV/EBITDA(概算・TTM):
- 時価総額 約1,253億円、現金約341億円、借入約108億円 → EV 約1,021億円
- EBITDA 約170億円 → EV/EBITDA 約6.0倍
- 配当利回り(会社予想): 2.53%(年52円。特別配含む)
- 予想配当性向(概算): 約41%(52円 ÷ EPS 127.54円)
- 5年平均利回り 2.09%を上回る水準
- 参考: TTM EPS(提供データ)約204.8円と期初予想EPSにギャップがあり、足元の利益水準は中間期で減速(後述)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 終値2,054円は50日移動平均2,050円近辺、200日移動平均2,309円を下回る。中長期では下方乖離、短期は横ばい圏。
- 価格レンジ: 年初来高値2,715円、安値1,993円。現状はレンジ下限寄りの水準。
- モメンタム/出来高: 直近10日で2,010〜2,105円中心の狭いレンジ推移、出来高は3カ月平均(約12.2万株)をやや下回る日が多い。
- 信用動向: 信用倍率11.81倍。買残・売残ともに前週比減少。
8. 財務諸表分析
- 成長(通期/TTMベース):
- 売上高: 618億円(2021)→ 889億円(TTM)と増加。
- 営業利益: 75億円(2021)→ 122億円(TTM)。
- 粗利率: 約52.7%(TTM)。営業利益率: 約13.7%(TTM、12,190/88,820)。
- 直近期(2025年12月期 上期/中間):
- 売上 432億円(+1.9%)、営業益 48億円(-7.1%)、経常益 49.6億円(-21.7%)、純利益 31.4億円(-52.7%)。
- 欧州の在庫調整長期化、米国の出荷調整、一部会計処理確定の影響等で利益が圧縮。
- 収益性・効率:
- ROE(実績・連結)9.28%、ROA(TTM)約4.17%。
- キャッシュフロー/投資:
- 営業CF(TTM)約23億円、フリーCF(TTM)約8億円。上期の営業CFは5.7億円と前年から減少(運転資本の影響が示唆)。
- 減価償却費 約44億円(TTM)。固定資産・投資有価証券取得や自己株式取得、配当支払いで現金残高は期首比減少。
- 財務安全性:
- 自己資本比率 75.5%(上期末)。現金約341億円、借入約108億円でネットキャッシュ(約233億円)。流動比率 4.84、負債水準は抑制的。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:
- 2024年: 年間46円(各12月末・期末に各+1円の特別配を含む)
- 2025年予想: 年間52円(各期末+1円の特別配を含む)
- 予想配当性向(概算): 約41%(52円 ÷ 予想EPS 127.54〜128.20円)
- 自己株式: 自己株保有比率 7.13%。上期の財務CFには自己株式取得・配当支払いの記載あり。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス: 過去52週で約-0.6%(ベンチマークS&P500 +19.6%比で相対的に劣後)。
- 直近の変動: 2,000円台前半での保ち合い。イベントドリブン要因として決算や為替、原材料市況、欧米の在庫/出荷調整の進捗、新製品の販売動向が影響しやすい。
- 予定イベント:
- 決算発表予定: 2025年10月30日
- 権利落ち予定: 2025年12月29日
11. 総評
- 事業面: 強いブランドと広い価格帯、海外比率の高さ、Lamyとの補完で商品力は厚い。一方、デジタル化や欧米の在庫/出荷調整、原材料・為替の変動が利益変動要因。
- 業績: 2021→2024で増収増益基調だったが、2025年上期は増収ながら減益。通期は利益回復見通し(会社予想)を示すが、在庫調整や会計影響の解消度合いが焦点。
- 財務: ネットキャッシュ、自己資本比率75%超、流動性にゆとり。営業CFは運転資本の影響で変動しやすい点に留意。
- バリュエーション/株価: フォワードPERは業界平均比でやや上、PBRは1倍を下回る水準。EV/EBITDAは約6倍。株価は200日線下でレンジ下限寄り。新製品の販売トレンド、海外需要・在庫調整の進捗、為替の動向、キャッシュフローの回復度合いが注目ポイント。
以上。
企業情報
銘柄コード | 7976 |
企業名 | 三菱鉛筆 |
URL | http://www.mpuni.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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