鈴茂器工(6405) 企業分析レポート
企業の一言説明
鈴茂器工は米飯加工機械、特に寿司ロボットで高シェアを誇り、和食人気の高まりを背景に海外展開も積極的に行う中堅企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 寿司ロボットにおける確固たる市場地位と海外展開の可能性: 和食の世界的な人気と人手不足を解決する省人化ニーズを背景に、寿司ロボット分野で優位なポジションを確立しています。
- 盤石な財務基盤と株主還元意欲: 自己資本比率や流動比率は非常に高く、強固な財務体質を維持。連続増配予想や自己株式取得など株主還元にも積極的です。
- 直近業績の低迷と割高なバリュエーション: 2026年3月期の中間決算は大幅な減収減益となり、通期業績予想達成には下期の急回復が不可欠です。現在の株価は業界平均と比較して割高感が強い水準にあります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 懸念有 |
| 収益性 | D | 低水準 |
| 財務健全性 | C | 要注意 |
| バリュエーション | D | 割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1365.0円 | – |
| PER | 41.30倍 | 業界平均10.7倍 (3.86倍) |
| PBR | 1.23倍 | 業界平均0.7倍 (1.76倍) |
| 配当利回り | 2.57% | – |
| ROE | 5.16% | – |
1. 企業概要
鈴茂器工は1961年設立の米飯加工機械メーカーです。寿司ロボット、おにぎり成型機、ご飯盛り付けロボットなどを開発、製造、販売しており、特に寿司ロボットにおいては高い市場シェアを有しています。国内市場に加え、和食の世界的な人気を背景に海外市場(2025年3月期で売上構成比32%)でも事業を展開。省人化・効率化ニーズに応える技術力とノウハウが事業の根幹となっています。
2. 業界ポジション
米飯加工機械市場において、鈴茂器工は寿司ロボットで高シェアを誇るリーディングカンパニーの一つです。和食の世界的な普及を追い風に、特に海外市場での成長機会を追求しています。競合他社に対する強みは、長年培った技術力とブランド力にあり、幅広い製品ラインナップで多様なニーズに対応。一方、国内市場は成熟しつつあり、海外市場の変動が業績に与える影響は大きくなっています。現在のPER 41.30倍、PBR 1.23倍は、業界平均PER 10.7倍、PBR 0.7倍と比較して大幅に割高な水準にあります。
3. 経営戦略
鈴茂器工は、2026年3月期を初年度とする中期経営計画「Next 2028」を策定し、事業基盤の強化、新たな成長領域の開拓、組織改革を通じた持続的成長を目指しています。特に、海外市場での展開強化や、省人化・自動化ニーズに応える製品開発に注力。
最近の重要な出来事として、資本業務提携の解消に伴う弁護士費用や自己株式取得手数料等の発生がありました。また、2025年9月1日付で株式会社日本システムプロジェクトを合併し、連結の範囲から除外しています。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当権利落ち日を迎える予定です。
4. 財務分析
| 項目 | 値 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|
| Piotroski F-Score | 2/9 (C) | やや懸念(7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意) |
| 営業利益率 (過去12ヶ月) | 1.52% | 低水準(2026年3月期中間期は1.14%) |
| ROE (過去12ヶ月) | 5.16% | やや低め(ベンチマーク10%に対し) |
| ROA (過去12ヶ月) | 2.99% | 低水準(ベンチマーク5%に対し) |
| 自己資本比率 (直近中間期) | 64.4% | 高水準(安定性が高い) |
| 流動比率 (直近中間期) | 314% | 非常に良好(短期的な債務返済能力が高い) |
| 営業CF (過去12ヶ月) | 506百万円 | プラスだが低水準 |
| FCF (過去12ヶ月) | -1,650百万円 | マイナス(本業のキャッシュ創出力に課題) |
| 営業CF/純利益比率 | 0.70 | 普通(利益の一部がキャッシュとして伴っていないことを要確認) |
| 通期予想進捗率 (売上高) | 45.4% | やや遅延(中間期として通常の50%に満たない) |
| 通期予想進捗率 (営業利益) | 13.1% | 大幅に遅延(通期達成に大きな下期回復が必要) |
| 通期予想進捗率 (純利益) | 12.3% | 大幅に遅延(通期達成に大きな下期回復が必要) |
【財務品質スコア】
Piotroski F-Scoreは2点/9点と「C: やや懸念」の評価です。このスコアは、収益性、財務健全性、効率性のいずれの観点でも改善の余地が大きいことを示唆しており、特に収益面と効率性における課題が浮き彫りになっています。
【収益性】
過去12ヶ月の営業利益率は1.52%と低水準であり、直近の中間期ではさらに1.14%に低下しています。ROEも5.16%、ROAも2.99%と、いずれも一般的な良好な目安とされる水準(ROE 10%、ROA 5%)を下回っており、収益性には課題が見られます。
【財務健全性】
直近中間期の自己資本比率は64.4%、流動比率は314%と非常に高く、財務の安定性は依然として強固です。ただし、前期末の自己資本比率81.8%からは低下しており、自己株式取得や有利子負債の増加がその一因となっています。
【キャッシュフロー】
過去12ヶ月の営業キャッシュフローは506百万円とプラスですが、フリーキャッシュフローは-1,650百万円と大幅なマイナスです。これは、事業活動で生み出されるキャッシュが投資活動を賄いきれていない状況を示しており、資金繰りへの注意が必要です。
【利益の質】
営業キャッシュフローを純利益で割った比率は0.70であり、「1.0未満は要確認」とされていますが、「普通(利益の大部分がキャッシュ裏付け)」という評価も出ています。これは、計上された利益の一部がまだ現金化されていないことを示唆しています。
【四半期進捗】
2026年3月期の中間決算における通期業績予想に対する進捗率は、売上高45.4%、営業利益13.1%、純利益12.3%と、通常の進捗に比べて大幅に遅れています。通期予想を達成するには、下期での大幅な売上回復と費用抑制が不可欠となります。
5. 株価分析
【バリュエーション】
現在の株価1,365.0円に対し、PER(会社予想)は41.30倍、PBR(実績)は1.23倍です。業界平均PERが10.7倍、PBRが0.7倍であることと比較すると、PERは約3.86倍、PBRは約1.76倍と、いずれの指標から見ても大幅に割高な水準にあります。直近の業績低迷と将来の不確実性を考慮すると、割安感は乏しいと言えます。
【テクニカル】
現在の株価1,365.0円は、52週高値2,605円、安値1,203円のレンジで見ると、安値に近い11.6%の位置にあります。直近10日間の株価推移では上昇傾向にあり、5日移動平均線(1,295.00円)、25日移動平均線(1,263.40円)、75日移動平均線(1,337.88円)を上回っています。しかし、200日移動平均線(1,646.64円)は大幅に下回っており、長期的な下降トレンドの中での一時的な反発と見ることもできます。
【市場比較】
過去1ヶ月のリターンは日経平均やTOPIXをわずかに上回っていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間では、日経平均やTOPIXを大幅に下回るパフォーマンスとなっています。これは、同社株が市場全体に比べて魅力に欠けていた期間があったことを示唆しています。
6. リスク評価
【定量リスク】
鈴茂器工の年間ボラティリティは43.07%です。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±43.07万円程度の株価変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウンは-59.41%であり、将来もこれ程度の大きな下落が起こる可能性はあります。シャープレシオは-0.11とマイナスであり、リスクに見合ったリターンが得られていない状況を示しています。ベータ値は0.38と低く、市場全体の変動と比較して株価の変動幅は小さい傾向にあります。
【事業リスク】
- 業績予想未達のリスク: 2026年3月期通期業績予想に対する中間期の進捗が大幅に遅れており、下期での受注回復と費用削減が計画通りに進まない場合、業績予想の下方修正や未達のリスクがあります。
- 海外事業の不安定性: 海外売上高の比率が高い一方で、北米での導入遅延など海外市場の動向が業績に与える影響が大きく、為替変動や国際情勢の変化もリスク要因となります。
- 費用増加の継続性: 人件費の増加、展示会費、顧問弁護士費用など、収益を圧迫する要因が多発しており、これらの費用が継続的に収益性を低下させる可能性があります。
7. 市場センチメント
【信用取引状況】
信用買残は441,600株に対して信用売残が0株となっており、信用倍率は0.00倍(実質的に無限大に近い)です。この状況は、信用売りがほとんど入っていないため、株価下落局面での踏み上げが起こりにくい一方で、買い主導の需給となりやすいことを示します。
【主要株主構成】
主要株主構成を見ると、鈴木美奈子氏(12.55%)、鈴木映子氏(12.55%)など創業家と見られる個人が大株主であり、自社(自己株口)も12.12%を保有しています。これらは安定株主が多く、短期的な受給による株価変動リスクは比較的低いと考えられます。
8. 株主還元
鈴茂器工は、2026年3月期の配当金を年間35円(中間15円、期末20円の予想)と発表しており、配当利回りは2.57%です。これは前期の年間34円から増配予想となっています。
ただし、会社予想EPS 34.62円に対する配当性向は、一時的に101.1%と100%を超過する見込みであり、純利益を上回る配当は持続性に課題を抱える可能性があります。
同社は株主還元の積極的な姿勢として自己株式の取得も実施しており、直近の中間期においても自己株式1,797,500株を取得しました。これが純資産の減少にも影響を与えています。
SWOT分析
| 強み | 弱み |
|---|---|
| – 寿司ロボット市場での高いシェアとブランド力 | – 低水準な収益性とフリーキャッシュフローのマイナス |
| – 高い自己資本比率と流動比率による盤石な財務基盤 | – 直近の中間期業績が通期予想に対して大幅に未達 |
| 機会 | 脅威 |
| —— | —— |
| – 世界的な和食人気と省人化ニーズの拡大による市場成長性 | – 原材料価格の高騰や為替変動リスクによるコスト増加 |
| – 新興国市場での開拓余地と需要の高まり | – 海外市場における導入遅延や競争激化 |
この銘柄が向いている投資家
- 長期的な成長を期待する投資家: 和食人気の継続や省人化ニーズの高まりといった中長期的なトレンドに乗り、海外展開の成功を期待できる場合。
- 安定配当を重視しつつ、事業の回復を見守る投資家: 財務健全性が高く、増配傾向にあることから、株主還元への姿勢を評価し、現在の業績低迷からの回復を待てる投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 通期業績予想達成の確実性: 中間期の進捗率が低いため、下期での大幅な業績回復が実現するかに注目が必要です。
- 割高なバリュエーション: 業界平均と比較してPER、PBRともに割高な水準であり、業績のV字回復がなければ投資魅力が低下する可能性があります。
- フリーキャッシュフローの改善: マイナスになっているフリーキャッシュフローが改善し、投資を自社資金で賄えるようになるかが重要なポイントです。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益および純利益の四半期ごとの推移: 特に下期における業績の具体的な回復状況。
- 海外売上高成長率: 特に北米市場の回復含む海外事業の進捗。
- フリーキャッシュフロー: プラス転換し、安定的にキャッシュを生み出せるか。
- PER/PBR: 業績回復に伴い、バリュエーションが適正水準に是正されるか。
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: D
- 根拠: 2026年3月期の営業利益は前年比で△67.7%の大幅減益、純利益も△72.0%の減益が予想されており、直近の中間期も大きく落ち込んでいるため、マイナス成長と評価します。
- 収益性: D
- 根拠: 過去12ヶ月のROEは5.16%、営業利益率は1.52%と、いずれも「ROE5%未満かつ営業利益率3%未満」というDの基準に該当するか、非常に近い水準にあるため、収益性は低水準と評価します。
- 財務健全性: C
- 根拠: 自己資本比率64.4%および流動比率314%と比率自体は非常に高い水準で、安定性は確保されていますが、財務の質を評価するPiotroski F-Scoreが2点と低水準(C/D相当)であるため、総合的に「C: 要注意」と評価します。
- バリュエーション: D
- 根拠: PER 41.30倍、PBR 1.23倍は、業界平均PER 10.7倍、PBR 0.7倍と比較して大幅に割高な水準(PER約386%、PBR約176%)にあり、Dと評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 6405 |
| 企業名 | 鈴茂器工 |
| URL | http://www.suzumo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,365円 |
| EPS(1株利益) | 32.98円 |
| 年間配当 | 2.57円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 3.6% | 36.9倍 | 1,455円 | 1.5% |
| 標準 | 2.8% | 32.1倍 | 1,215円 | -2.1% |
| 悲観 | 1.7% | 27.3倍 | 978円 | -6.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,365円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 611円 | △ 123%割高 |
| 10% | 763円 | △ 79%割高 |
| 5% | 963円 | △ 42%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.13)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。