企業の一言説明
熊谷組は土木・建築を中心とした総合建設業を展開する準大手ゼネコンです。
投資判断のための3つのキーポイント
- 利益の大幅回復と成長期待: 直近の中間期および2026年3月期の通期予想では、完成工事総利益率の改善により営業利益・純利益ともに大幅な回復と成長が見込まれています。
- 確かな技術力と実績: 大型土木工事(トンネル、橋梁、ダムなど)や超高層ビル建築において長年の実績と高い技術力を持ち、業界内でのブランドを確立しています。
- 受注高の減少と財務健全性への留意: 直近中間期で受注高および次期繰越高が大きく減少しており、将来の売上高確保に懸念があります。また、営業キャッシュフローの悪化や比較的低い財務品質スコア(Piotroski F-Score)は継続的な監視が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 大幅な利益成長 |
| 収益性 | C | やや低い |
| 財務健全性 | B | 概ね健全だが懸念点あり |
| バリュエーション | D | 割高感あり |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,727.0円 | – |
| PER | 16.03倍 | 業界平均14.0倍より高い |
| PBR | 1.61倍 | 業界平均1.1倍より高い |
| 配当利回り | 2.61% | – |
| ROE | 7.50% | – |
1. 企業概要
熊谷組は1898年創業の歴史ある総合建設会社です。土木事業(道路、橋梁、トンネル、ダムなど)と建築事業(オフィス、マンション、商業施設など)を主軸に、アスファルト生産・舗装、構造物診断・補強、不動産開発、CAD設計サービスなど多角的な事業を展開しています。主力は建築事業で、全体の約54%の売上構成比を占めます。大型土木や超高層建築における高い技術力と長年の実績が同社の参入障壁となり、安定した収益モデルを構築しています。
2. 業界ポジション
熊谷組は日本国内の建設業界において準大手ゼネコンの一角を占めています。特に大型土木や超高層建築では高い技術力と実績を持ち、競合他社に対する強みとなっています。しかし、直近では受注高の減少が見られ、今後の競争環境の激化や資材・労務コストの高騰は懸念材料です。業種平均との比較では、PER16.03倍は業界平均14.0倍より高く、PBR1.61倍も業界平均1.1倍より高い水準にあり、バリュエーション面ではやや割高感があります。
3. 経営戦略
同社は2024~2026年度を対象とした中期経営計画を策定しており、連結売上高5,000億円、連結経常利益300億円、ROE10%以上を財務目標として掲げ、利益率の改善に注力しています。
直近の重要な動きとして、2025年10月1日付で1株を4株に株式分割を実施し、投資単位を調整しました。また、子会社2社(ローカルエナジーシステム株式会社、株式会社KGディノ・リゾート)を連結範囲に追加し、事業領域の拡大を図っています。
今後のイベント:
- 2026年2月13日: 決算発表予定日
- 2026年3月30日: 配当落ち日
4. 財務分析
| 項目 | 値 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|
| 【財務品質スコア】Piotroski F-Score | 2/9 (C) | 7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意。2点という結果は、いくつかの財務指標に改善の余地があることを示唆します。 |
| 【収益性】営業利益率 | 4.58% (過去12か月) | 一般的な建設業の水準。 |
| 【収益性】ROE | 7.50% (過去12か月) | 株主資本利益率。10%以上が目安とされる中で、やや低い水準です。 |
| 【収益性】ROA | 2.92% (過去12か月) | 総資産利益率。5%以上が目安とされる中で、低い水準です。 |
| 【財務健全性】自己資本比率 | 39.3% (実績) | 負債に対する自己資本の比率。安定性の目安として30%以上が望ましいとされます。 |
| 【財務健全性】流動比率 | 152.5% (直近四半期) | 短期的な支払い能力。150%以上が健全とされます。 |
| 【キャッシュフロー】営業CF | 1,910百万円 (過去12か月) / △5,415百万円 (中間期) | 企業の本業による現金の増減。中間期でマイナスに転じている点は注意が必要です。 |
| 【キャッシュフロー】FCF | △4,580百万円 (過去12か月) | 企業が自由に使える現金。マイナスであるため、事業活動で資金を創出できていない状況です。 |
| 【利益の質】営業CF/純利益比率 | 0.14 | 1.0以上が健全とされます。1.0未満は会計上の利益が現金として十分生み出されていない可能性を示唆し、利益の質は低いと評価できます。 |
| 【四半期進捗】売上高進捗率(通期予想比) | 約45.1% (中間期) | 通期予想の売上高に対して、中間期で約半分弱の進捗です。 |
| 【四半期進捗】営業利益進捗率(通期予想比) | 約32.3% (中間期) | 利益は下期に挽回が必要ですが、粗利率の改善で回復傾向が見られます。 |
5. 株価分析
- 【バリュエーション】
- PER(株価収益率)は16.03倍であり、業界平均14.0倍と比較してやや割高な水準です。「株価が利益の何年分か」を示す指標で、業界平均より低ければ割安の可能性が高まります。
- PBR(株価純資産倍率)は1.61倍であり、業界平均1.1倍と比較して割高感があります。「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、1倍未満は解散価値を下回る状態とされます。
- 現在の株価水準は業界平均と比較して割高と判定できます。
- 【テクニカル】
- 現在の株価1,727.0円は、52週高値1,730円に極めて近い水準にあります。
- 5日、25日、75日、200日移動平均線を全て上回っており、短期から長期に至るまで明確な上昇トレンドが確認できます。これは、市場からの強い買いが続いていることを示唆します。
- 【市場比較】
- 直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月のリターンでは、日経平均株価およびTOPIXを上回る相対的に良好なパフォーマンスを示しています。
- しかし、過去1年間のリターンでは-55.94%と大幅なマイナスであり、日経平均(+35.20%)およびTOPIX(+36.31%)を大きく下回っています。これは、過去のある時期に大幅な株価下落があったことを示唆しています。
6. リスク評価
- 【定量リスク】
- ベータ値(5年月次): -0.05。市場全体の変動に対する株価の感応度を示す指標で、負の値は市場と逆の動きをする傾向があることを示唆します。
- 年間ボラティリティ: 228.68%。株価の年間変動率の目安。仮に100万円投資した場合、年間で±228万円程度の価格変動が想定されます。
- 最大ドローダウン: -45.88%。過去の株価が最も大きく下落した幅。過去最悪の下落率を示し、将来も同様の下落が起こりうることを示唆します。仮に100万円投資した場合、過去には最大で45万8千円程度の元本下落を経験する可能性があったことを意味します。シャープレシオは0.62で、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えません。
- 【事業リスク】
- 受注環境の悪化: 直近の中間期で受注高が前年同期比36.5%減と大幅に減少しており、次期繰越高も減少傾向にあります。これは将来の売上高に直接影響を及ぼす可能性があり、今後の受注動向を注視する必要があります。
- 建設資材価格・労務コストの上昇: 建設業界全体が直面する課題であり、資材価格や人件費の高騰は完成工事総利益率を圧迫し、収益性に悪影響を与える可能性があります。
- 営業キャッシュフローの悪化: 中間期において営業キャッシュフローがマイナスに転じており、事業活動による資金創出能力に課題が見られます。これにより、設備投資や成長戦略に充てる資金が制限される可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残が596,100株に対し、信用売残が618,300株と、売り残が買い残を上回る状況です。信用倍率は0.96倍と1倍を下回っており、売り方が優勢であることを示します。これは将来的な買い戻し需要につながる可能性も秘めています。
- 主要株主構成: 住友林業が21.63%を保有する筆頭株主です。その他、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった機関投資家が上位株主として名を連ねており、安定株主の存在は一定の安心材料となり得ます。
8. 株主還元
- 配当利回り: 2.61%。
- 配当性向: 2025年3月期実績で59.7%ですが、2026年3月期の会社予想である年間配当45円とEPS107.72円で計算すると、配当性向は約41.8%となり、安定性の高い水準と言えます。同社は2026年3月期に年間配当45円を計画しており、増配傾向にあります。
- 自社株買いの状況: 直近中間期において、自己株式取得支出が9百万円と小規模に実施されていますが、大規模な株主還元策としての自社株買いは現状では積極的に行われていないようです。
SWOT分析
強み
- 大型土木・超高層建築など、高度な技術と実績を要する分野での競争力とブランド力。
- 筆頭株主である住友林業との連携による、事業展開やシナジー創出の可能性。
弱み
- 直近の受注高および次期繰越高の大幅減少が、将来の売上成長に与える不確実性。
- 営業キャッシュフローのマイナス転換と低水準の利益の質が示す、資金創出力の課題。
機会
- 国内の多様な建設需要(都市再開発、インフラ老朽化対策、環境・エネルギー関連など)の継続。
- 技術開発やDX推進による生産性向上、新たな事業領域への展開(例: 子会社連結化)。
脅威
- 建設資材価格の高騰や深刻化する人手不足による労務コストの上昇。
- 金融市場の変動、景気後退、地政学リスクなど、予測困難な外部環境の変化が業績に与える影響。
この銘柄が向いている投資家
- 成長株を狙う投資家: 足元で利益率が改善し、2026年3月期に大幅な増益予想が出ているため、業績回復と将来の成長性を重視する投資家。
- 中長期的な視点を持つ投資家: 受注高の変動やキャッシュフローの課題を理解し、企業の体質改善や安定成長に時間をかけて投資できる投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 受注高の動向: 今後の四半期決算で受注高の回復が見られるか、継続的に監視する必要があります。受注高の低迷が続けば、将来の業績に悪影響を与える可能性があります。
- キャッシュフローの改善: 中間期でマイナスに転じた営業キャッシュフローが通期、そして今後においてプラスに転じ、フリーキャッシュフローも黒字化できるかどうかが重要なポイントとなります。
今後ウォッチすべき指標
- 受注高の回復状況: 前年同期比でのプラス成長、年間を通じての目標達成度合い。
- 営業キャッシュフロー(FCF)の動向: 継続的なプラス転換、純利益に対する営業CFの比率の改善。
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: S / 大幅な利益成長
- 2026年3月期の通期純利益は185億円(前期比約97%増)、EPSは107.72円(前期比約98%増)と大幅な利益成長を見込んでおり、特に利益面での高い成長期待が評価されます。
- 収益性: C / やや低い
- 過去12ヶ月のROEは7.50%、営業利益率は4.58%であり、ROE10%や営業利益率5%以上のベンチマークを下回ります。利益の質においても課題が見られ、収益性はまだ改善の余地が大きいと評価されます。
- 財務健全性: B / 概ね健全だが懸念点あり
- 自己資本比率39.3%と流動比率152.5%は比較的健全な水準ですが、Piotroski F-Scoreが2点と低く、特に営業キャッシュフローの悪化が財務健全性の評価を下げる要因となっています。
- 株価バリュエーション: D / 割高感あり
- PER16.03倍は業界平均14.0倍を約14%上回り、PBR1.61倍は業界平均1.1倍を約46%上回る水準にあります。収益性や財務健全性の現状を考慮すると、業界平均と比較して割高と判断されます。
企業情報
| 銘柄コード | 1861 |
| 企業名 | 熊谷組 |
| URL | http://www.kumagaigumi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,727円 |
| EPS(1株利益) | 107.72円 |
| 年間配当 | 2.61円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 15.2% | 18.1倍 | 3,959円 | 18.2% |
| 標準 | 11.7% | 15.7倍 | 2,949円 | 11.4% |
| 悲観 | 7.0% | 13.4倍 | 2,023円 | 3.4% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,727円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,475円 | △ 17%割高 |
| 10% | 1,842円 | ○ 6%割安 |
| 5% | 2,325円 | ○ 26%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.15)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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