企業の一言説明

コーエーテクモホールディングスは、「信長の野望」「三國志」「無双」シリーズなどの歴史シミュレーションゲームや、アクションゲーム「NINJA GAIDEN」、RPG「アトリエ」シリーズなどを得意とするゲームソフト開発中堅企業です。家庭用ゲーム、オンラインゲーム、スマホゲームなどを多角的に展開し、ライセンスビジネスも手掛ける他、アミューズメント施設運営や不動産、証券投資も行う複合的なエンターテイメント企業グループとして、日本、北米、欧州、アジアを含む国際市場で事業を展開しています。

総合判定

安定収益と強固な財務体質、高配当が魅力も、足元の成長性鈍化と需給面に注意が必要な老舗ゲーム企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて強固な財務体質と高い収益性: 自己資本比率は約90%に迫る水準、流動比率も約300%で実質無借金経営を継続しています。Piotroski F-Scoreは8/9のS判定と財務健全性は申し分なく、ROEは15.95%(過去12ヶ月)、営業利益率も32.29%と高い収益性を誇ります。
  • 安定した株主還元と魅力的な配当: 長年にわたり安定した配当方針を継続しており、会社予想配当利回りは2.53%と安定配当を重視する投資家にとって魅力的です。配当性向も約50%で、利益成長に応じた増配余地も期待できます。
  • エンタテインメント事業の成長性鈍化と高い信用倍率: 直近の第3四半期決算では主力のエンタテインメント事業が減収減益となり、通期業績予想も減益を見込んでおり、足元の成長性には懸念があります。また、信用倍率が48.01倍と極めて高水準であり、将来的な需給悪化による株価下落リスクに注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 成長性鈍化
収益性 S 極めて優良
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション B 適正水準

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,704.5円
PER 20.31倍 業界平均23.2倍
PBR 2.20倍 業界平均2.3倍
配当利回り 2.53%
ROE 20.71%

1. 企業概要

コーエーテクモホールディングスは、ゲームソフトの開発・販売を主軸に、アミューズメント、不動産、投資事業を展開する複合エンターテイメント企業です。主力は「信長の野望」「三國志」「無双」などのIP(知的財産)を用いた家庭用・オンライン・スマホゲームで、技術的独自性と強力なIPによる参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

同社は、多様なゲームジャンルと強力なIP群を保有するゲーム開発中堅企業です。特に歴史シミュレーションゲームにおいては独自の地位を確立しており、長年のファンベースを持つことが強みです。他社に比べて、ゲーム以外の不動産や投資といった多角化による収益源も特徴です。

3. 経営戦略

中期経営計画では、強力なIPを軸としたグローバル展開と新たなIP創出、技術革新への投資を重視しています。また、安定した財務基盤を活かし、他社への投資やM&Aも視野に入れていると推測されます。直近では、2026年4月27日に四半期決算発表が予定されており、今後の戦略と業績動向に注目が集まります。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を評価する指標で、0点から9点で財務品質を評価します。点数が高いほど財務状況が良好とされます。

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 2/3 純利益、ROAがプラス。営業CFはデータなし。
財務健全性 3/3 流動性、負債比率、株式希薄化なしで満点。
効率性 3/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率が全て良好。

収益性:純利益とROA(総資産利益率)がプラスであることから、企業として利益を生み出す基本的な能力があり、資産を効率的に活用できていることが示されています。システムの性質上、営業キャッシュフローのデータは提供されていませんが、これら2つの指標から健全な収益構造が伺えます。
財務健全性:流動比率(短期支払能力)、D/Eレシオ(負債比率)ともに健全な基準を満たし、株式の希薄化も発生していないため、財務基盤は極めて強固です。
効率性:営業利益率、ROE(自己資本利益率)、四半期売上成長率がいずれも良好な数値を示しており、本業での収益性、株主資本の効率的な活用度、および事業の成長性において高い水準を維持しています。

【収益性】

過去12ヶ月の営業利益率は32.29%と非常に高く、本業で高い収益力を発揮しています。ROEは15.95%(過去12ヶ月実績)と、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力がベンチマークの10%を大きく上回っています。ROAも7.19%とベンチマークの5%を超えており、総資産に対する収益性も良好です。

【財務健全性】

直近四半期の自己資本比率は82.8%(前年末は89.9%)と極めて高く、財務基盤は非常に強固です。流動比率は298%を維持しており、短期的な支払い能力も盤石であると言えます。実質的に無借金経営に近い状態であり、安定性は抜群です。

【キャッシュフロー】

コーエーテクモホールディングスのキャッシュフローは、以下の通りです。

決算期 フリーCF (百万円) 営業CF (百万円) 投資CF (百万円) 財務CF (百万円) 現金等残高 (百万円)
2023.03 8,298 29,692 -21,394 -16,588 11,733
2024.03 11,744 36,603 -24,859 -15,475 10,452
2025.03 75,342 34,369 40,973 -63,175 22,552

営業キャッシュフローは堅調に推移しており、本業で安定して現金を稼ぎ出しています。2025年3月期は投資キャッシュフローがプラスに転じ、有価証券の売却益や売却損が大きく影響した結果、フリーキャッシュフローも大幅に増加しました。財務キャッシュフローは主に配当金の支払いや自己株式に関する支出によりマイナスとなっていますが、これも健全な株主還元の一環と考えられます。

【利益の質】

営業CF/純利益比率はデータ不足により算出できませんが、営業利益と純利益が安定してプラスであり、営業キャッシュフローも堅調であることから、計上される利益の質は健全であると推測されます。

【四半期進捗】

令和8年3月期第3四半期(累計)の通期予想に対する進捗率は、売上高56.2%、営業利益47.0%、純利益88.1%となっています。特に純利益の進捗率が高いのは、特別損益として計上された投資有価証券売却益の影響が大きいと考えられます。一方で、直近第3四半期単体では売上高が前年同期比△1.6%、営業利益は△3.3%と減少しており、主力のエンタテインメント事業も減収減益で推移している点は懸念材料です。

【バリュエーション】

同社の予想PERは20.31倍に対し業界平均は23.2倍、PBRは2.20倍に対し業界平均は2.3倍です。業界平均と比較して若干割安な水準にあり、特にPERはA評価の範囲内、PBRはB評価の範囲内であることから、バリュエーションは比較的に適正水準にあると判断できます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -41.16 / シグナルライン: -38.71 短期トレンド方向を示すMACDは、明確な上昇・下降トレンドを示していません。
RSI 中立 46.5% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ。現在の水準は中立域にあります。
5日線乖離率 +4.86% 直近のモメンタム。短期的に株価が5日移動平均線を上回っています。
25日線乖離率 +0.01% 短期トレンドからの乖離。ほぼ25日移動平均線と同水準です。
75日線乖離率 -2.37% 中期トレンドからの乖離。株価は75日移動平均線をやや下回っています。
200日線乖離率 -12.12% 長期トレンドからの乖離。株価は長期トレンドを示す200日移動平均線を大きく下回っています。

MACDが「中立」であることから、短期的には明確なトレンドは形成されていません。RSIも中立域にあり、買われすぎや売られすぎといった過熱感は現状では見られません。

【テクニカル】

現在の株価1,704.5円は、52週高値2,544.5円に対して約33%低い水準に位置し、52週安値1,538.0円からは約11%高い水準です。足元の株価は5日移動平均線を上回っていますが、25日、75日、200日移動平均線を下回っている状況は、中長期的な下降トレンドが継続していることを示唆しています。特に200日移動平均線からの乖離率が大きいことから、長期的な弱気トレンドが顕著です。

【市場比較】

コーエーテクモホールディングスの株式は、日経平均株価との比較で、過去1年間において大幅にパフォーマンスを下回っています。

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -9.60% +7.54% -17.14%pt
3ヶ月 -10.95% +11.43% -22.38%pt
6ヶ月 -15.66% +20.72% -36.38%pt
1年 -15.20% +62.00% -77.20%pt

過去1年間において、日経平均が+62.00%と大きく上昇する中で、同社株は-15.20%と低迷しており、市場全体の強い上昇トレンドから大きく取り残されている状況です。これは、同社の足元の成長性鈍化や、投資家からの評価が低位にとどまっていることを示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が48.01倍と高水準です。これは将来の売り圧力に繋がる可能性があり、株価の需給バランスに注意が必要です。

【定量リスク】

年間のボラティリティは32.64%と比較的高い水準です。これは、仮に100万円を投資した場合、年間で±32.64万円程度の変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウンは-50.44%であり、株価が一時的に大幅に下落するリスクも潜在しています。シャープレシオが0.07と低いことから、リスクに見合ったリターンが十分に得られていない状況です。

【事業リスク】

  • ゲーム市場の競争激化とヒット作不在リスク: 最新のゲームは開発費用が高騰する一方で、ヒットが出なければ大きな損失に繋がります。競争が激しいゲーム市場で新規IPの創出や既存IPの継続的な魅力を維持できない場合、中長期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外売上高比率が高いため、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。円安は収益増加に寄与する一方で、急激な円高は収益を圧迫する要因となります。
  • エンターテイメント事業の成長鈍化: 直近の四半期決算で主力のエンタテインメント事業が減収減益となっており、収益の柱であるこのセグメントの成長が鈍化することで、企業全体の成長戦略に影響を及ぼすリスクがあります。

信用取引状況

信用買残が1,973,300株、信用売残が41,100株であり、信用倍率は48.01倍と非常に高い水準です。これは、株価が上昇した場合に買い残の利益確定売り、あるいは株価が下落した場合に投げ売りが発生し、さらなる下落圧力を高める可能性があることに留意が必要です。

主要株主構成

  • 光優ホールディングス: 51.52%
  • JPモルガン・チェース・バンク380815: 9.30%
  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 6.90%

筆頭株主である光優ホールディングスが50%以上の株式を保有しており、安定株主が経営の安定に貢献しています。機関投資家も上位に顔を揃えています。

8. 株主還元

配当利回りは会社予想で2.53%、予想配当性向は50.4%と、配当性向30-50%の健全な範囲に収まっており、利益に見合った安定的な株主還元姿勢を示しています。自社株買いに関する直近の具体的な情報はありませんが、令和7年9月に自己株式処分(公募・第三者割当)を実施しており、資本政策は機動的に行われています。今後も安定した利益成長と堅固な財務基盤を背景に、成長投資と株主還元のバランスを維持する方針が期待されます。

SWOT分析

強み

  • 財務健全性が極めて高く、自己資本比率や流動比率、F-Scoreが優良です。
  • 「信長の野望」「無双」など強力な既存IPを複数保有し、安定した収益源となっています。

弱み

  • 主力事業であるエンタテインメント事業が直近で減収減益となり、成長性に鈍化が見られます。
  • 信用倍率が非常に高く、将来的な需給悪化による株価下落リスクがあります。

機会

  • ゲーム市場全体の成長や、海外展開、新規プラットフォームへの対応により、事業拡大の余地があります。
  • 強固な財務基盤を活かしたM&Aや戦略的投資により、新たな収益機会を獲得できる可能性があります。

脅威

  • ゲーム業界の競争激化や開発費高騰、ヒット作の継続的な創出の難しさがあります。
  • 経済状況や消費動向の変化、為替変動が業績に与える影響は無視できません。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した配当と強固な財務体質を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と安定した配当実績は魅力です。
  • ゲーム業界の将来性に関心があり、中長期的な視点でIPの成長を期待できる投資家: 有力IPの継続的な成長に賭けたい方。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 足元のエンタテインメント事業の成長鈍化が一時的なものか、構造的なものか見極める必要があります。
  • 極めて高い信用倍率が株価に与える影響(特に売り圧力)に注意し、市場の需給バランスを常に確認することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • エンタテインメント事業の売上高・セグメント利益成長率: 直近の減収減益からの回復傾向が見られるか(例: 連続2四半期以上、対前年比プラス成長)。
  • 信用倍率: 需給改善を示す目安として、20倍以下への安定的な改善。

成長性: C (成長性鈍化)

直近の第3四半期累計決算では売上高・営業利益が前年同期比で減少しており、通期業績予想も減益を見込むなど、足元の成長性には懸念があります。

収益性: S (極めて優良)

ROEは15.95%(過去12ヶ月)、営業利益率は32.29%と、いずれも高い水準を維持しており、資本効率と本業の収益性が極めて優れています。

財務健全性: S (極めて優良)

自己資本比率は82.8%、流動比率は298%と非常に高く、Piotroski F-Scoreも8/9と、極めて安定した財務基盤を築いています。

バリュエーション: B (適正水準)

予想PERは業界平均の約87.5%、PBRは業界平均の約95.6%と、業界平均比で比較的に適正な水準にあり、割安感も割高感も強くありません。


企業情報

銘柄コード 3635
企業名 コーエーテクモホールディングス
URL http://www.koeitecmo.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,704円
EPS(1株利益) 83.84円
年間配当 2.53円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 7.3% 23.9倍 2,848円 10.9%
標準 5.6% 20.7倍 2,287円 6.2%
悲観 3.4% 17.6倍 1,745円 0.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,704円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,145円 △ 49%割高
10% 1,429円 △ 19%割高
5% 1,804円 ○ 6%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
コナミグループ 9766 20,835 29,898 34.76 5.26 17.8 0.91
バンダイナムコホールディングス 7832 3,909 25,408 19.54 2.96 16.3 1.86
カプコン 9697 3,663 19,524 38.27 6.13 22.5 1.09

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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