企業の一言説明
イー・ギャランティは売掛債権保証や信販保証を手がける伊藤忠系の金融サービス企業であり、地銀などとの提携を積極化することで成長を加速させている点が特徴です。
総合判定
堅実成長と高収益を実現するも、市場からは高評価で割高
投資判断のための3つのキーポイント
- 企業倒産リスクに備える保証ニーズの高まりを背景に、売上・利益ともに安定的に成長を続けています。
- 自己資本比率73.3%、ROE15.80%、営業利益率49.17%と、極めて高い財務健全性と収益性を両立しています。
- 業界平均と比較してPER、PBRともに割高な水準にあり、既に高い成長期待が織り込まれている可能性が高い状況です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に高い |
| 収益性 | S | 極めて優良 |
| 財務健全性 | S | 非常に堅固 |
| バリュエーション | D | 割高 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1732.0円 | – |
| PER | 22.76倍 | 業界平均10.3倍 |
| PBR | 3.95倍 | 業界平均0.9倍 |
| 配当利回り | 2.19% | – |
| ROE | 15.05% | – |
1. 企業概要
イー・ギャランティは、企業間の売掛債権や金融機関に対する信販保証のリスクを引受け、再保険化することで、国内外の信用リスクをサービスとして提供しています。伊藤忠グループの一員として、強固なネットワークと信用情報を活用し、高い技術的独自性と参入障壁を持つビジネスモデルを構築しています。
2. 業界ポジション
同社は金融(除く銀行)セクターのその他金融業に属し、売掛債権保証という専門性の高いニッチ市場で独自の地位を確立しています。伊藤忠商事との連携や、地銀など全国の金融機関との積極的な提携を通じて販路を拡大しており、特定の競合が少ないマーケットで優位性を築いています。
3. 経営戦略
中期経営計画「Accelerate 2028」では、売上200億円、経常利益100億円、ROE/ROIC20%といった高い目標を掲げています。新卒採用・教育による営業力強化、営業IT化による生産性向上、代理店チャネルの拡大を通じて成長を加速させる方針です。また、配当性向50%以上や機動的な自己株取得など株主還元も重視しています。直近では2026年3月に配当権利落ち日を迎え、2026年5月15日に決算発表が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
S&P 500 52-Week Change 3: 32.94%
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 (S) | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAがプラスであることから、基本的な収益性は確保されています。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が基準値を上回り、株式の希薄化も認められないため、健全性が保たれています。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも良好な水準にあることから、資本効率と事業効率が高いと評価できます。 |
【収益性】
- 営業利益率: 過去12ヶ月で49.17%と非常に高く、本業で圧倒的な利益を生み出す優良企業です。
- ROE: 過去12ヶ月で15.80%と、株主資本を効率的に活用し、高い収益を上げている優良企業(一般的な目安10%以上)です。
- ROA: 過去12ヶ月で11.18%と、総資産に対する収益性も非常に高く、資産全体を効率的に活用していると評価できます(一般的な目安5%以上)。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 実績で73.3%と極めて高く、財務基盤が非常に強固で安定していることを示します。
- 流動比率: 直近四半期で2.29と、短期的な支払能力に問題ない健全な水準(一般的に200%以上が目安)です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連2023.03 | -954百万円 | 3238百万円 | -4192百万円 | -713百万円 | 10727百万円 |
| 連2024.03 | -1152百万円 | 3132百万円 | -4284百万円 | -1330百万円 | 8243百万円 |
| 連2025.03 | 4412百万円 | 4101百万円 | 311百万円 | -1441百万円 | 11215百万円 |
2025年3月期には営業キャッシュフローが大きく増加し、フリーキャッシュフローも黒字転換しました。これは本業で稼ぐ力が強化され、事業活動が順調であることを示唆しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 2025年3月期は1.17(営業CF41億100万円 ÷ 純利益34億9100万円)であり、純利益を上回る営業キャッシュフローを生み出しており、利益の質は健全です。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算において、売上高進捗率は73.0%、営業利益進捗率は74.5%、経常利益進捗率は75.2%、純利益進捗率は75.7%と、通期予想に対して概ね順調に進捗しています。通期予想は期初から修正されていません。
【バリュエーション】
- PER: 会社予想22.76倍(実績ベース21.6倍)は、業界平均10.3倍と比較して大幅に割高な水準です。これは、同社の安定した高成長への大きな期待が株価に織り込まれていることを示唆しています。
- PBR: 実績3.95倍も、業界平均0.9倍と比較して大幅に割高であり、企業の純資産価値に対してプレミアムが付いている状態です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値:4.65/シグナル値:-4.29 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 53.5% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.17% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +2.07% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -1.20% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +5.12% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDとRSIは中立圏にあり、明確な短期的なトレンドシグナルは出ていません。株価は5日移動平均線と75日移動平均線を下回っている一方で、25日移動平均線と200日移動平均線を上回っており、短期から中期の方向性は拮抗していますが、長期的な上昇基調は維持されています。
【テクニカル】
- 現在株価1732.0円は、52週高値1,879円の66.4%の位置にあり、比較的高値圏で推移しています。
- 短期の5日移動平均線(1,735.00円)をわずかに下回っていますが、長期の200日移動平均線(1,646.88円)を上回っており、長期的なトレンドは上昇基調を維持しています。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -0.23% | +10.83% | -11.06%pt |
| 3ヶ月 | -5.66% | +9.53% | -15.19%pt |
| 6ヶ月 | +6.98% | +24.68% | -17.71%pt |
| 1年 | -3.08% | +76.19% | -79.27%pt |
当銘柄の株価パフォーマンスは、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年を通じ、日経平均およびTOPIXといった市場主要指数を大幅に下回っています。
6. リスク評価
📌 信用倍率6.70倍と高水準であり、将来的な売り圧力に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.08 | ◎良好 | 市場平均より値動きが非常に小さい |
| 年間ボラティリティ | 34.10% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -65.16% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.28 | △やや注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 1.07 | ○普通 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.47 | △やや注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.48 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.23 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
ポイント解説
この銘柄はベータ値0.08、R²0.23と市場との連動性は低い一方で、年間ボラティリティは34.10%と、市場全体の値動きに対して比較的独立した、しかし日々の価格変動はそこそこ大きい特性があります。過去には最大で65.16%の下落を経験しており、最大下落からの回復力を示すカルマーレシオも0.47とやや注意が必要な水準です。現在のボラティリティ水準は過去1年で通常の上位65%に位置しています。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±43万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 保証履行増のリスク: 景気悪化による企業倒産件数の増加は、保証履行額の増大を通じて収益を圧迫する可能性があります。
- 現預金減少リスク: 積極的な自己株式取得により、現預金残高が減少しており、今後の投資や急な資金需要への対応力が低下する懸念があります。
- 再保険市場価格変動リスク: 再保険化はリスク分散に寄与する一方で、再保険市場の価格変動がコスト増大につながる可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残514,700株、信用売残76,800株で、信用倍率は6.70倍と高水準です。買い残が多い状況は、将来的に株価の上値を抑える売り圧力となる可能性があります。
- 主要株主構成:
- 伊藤忠商事 (13.22%)
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) (9.96%)
- 江藤公則 (6.67%)
8. 株主還元
- 配当利回り: 2.19% と、現在の株価水準では平均的な水準です。
- 配当性向: 2025年3月期予想で50.6%であり、利益を適切に配当に回す健全な水準にあります。
- 自社株買い: 直近で約56億6700万円規模の自己株式取得を実施しており、積極的な株主還元姿勢がうかがえます。
SWOT分析
強み
- 安定的なニーズと高い成長性を持つ売掛債権保証ビジネスモデルを確立しています。
- 極めて高い収益性と堅固な財務基盤を有しています。
弱み
- 業界平均と比較して、PER・PBRともに高水準であり、割高感が強いです。
- 市場主要指数と比較して、株価の相対パフォーマンスが見劣りします。
機会
- 企業間の信用供与は景気変動に左右され、倒産件数増加局面では保証ニーズが高まります。
- 提携金融機関やチャネル拡大により、サービス提供エリアと契約数の増加が見込めます。
脅威
- マクロ経済の悪化が深刻化した場合、保証債務の増加や保証履行額の急増リスクがあります。
- 自己株取得による現預金減少が、今後の成長投資や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 高い収益性と安定した財務基盤を持つ企業に長期で投資したい方。
- 特殊なビジネスモデルによるニッチ市場の成長性に期待する方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 現在の株価が高バリュエーションであるため、今後の成長シナリオが株価に既に織り込まれている可能性を考慮する必要があります。
- 信用倍率が高水準であり、需給悪化による株価調整のリスクに留意が必要です。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率: 45%以上を維持できるか、事業効率の目安として継続的にチェックすべきです。
- 保証残高の成長率: 年率10%以上の成長を維持できるか、これは今後の収益成長に直結するため重要です。
- PER: 市場全体や同業他社との比較で20倍以下への改善が見られるか、割安感の評価に際しての重要指標です。
10. 企業スコア
- 成長性: S(売上高、営業利益ともに安定的に二桁成長を継続しており、中期経営計画でも高い成長目標を掲げているため、極めて高い成長性が期待できます。)
- 収益性: S(ROE15.80%、営業利益率49.17%と非常に高く、業界平均を大きく上回る収益力を誇り、資本効率と事業効率が極めて優良であるため。)
- 財務健全性: S(自己資本比率73.3%、流動比率2.29と非常に高く、Piotroski F-Scoreも7点(S)と財務体質は極めて堅固であるため。)
- バリュエーション: D(PER22.76倍、PBR3.95倍がいずれも業界平均を大きく上回っており、現在の株価は高い成長期待が織り込まれており、割高感が強いため。)
企業情報
| 銘柄コード | 8771 |
| 企業名 | イー・ギャランティ |
| URL | http://www.eguarantee.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 金融(除く銀行) – その他金融業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,732円 |
| EPS(1株利益) | 76.09円 |
| 年間配当 | 2.19円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.6% | 24.0倍 | 2,631円 | 8.8% |
| 標準 | 5.8% | 20.9倍 | 2,109円 | 4.1% |
| 悲観 | 3.5% | 17.8倍 | 1,604円 | -1.4% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,732円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,055円 | △ 64%割高 |
| 10% | 1,317円 | △ 31%割高 |
| 5% | 1,662円 | △ 4%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ラクーンホールディングス | 3031 | 688 | 146 | 18.29 | 3.01 | 18.1 | 3.92 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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