企業の一言説明

エスティックは産業用ねじ締め工具・装置で国内首位級の企業です。

総合判定

高い財務健全性と安定した収益基盤を持つ成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 自己資本比率86.1%と潤沢な手元資金に裏打ちされた極めて強固な財務基盤。
  • EV市場の変動リスクを抱えつつも、グローバル展開と製品ポートフォリオの強化で持続的成長を目指す戦略。
  • 市場平均PERを下回る水準で割安感がある一方、PBRは業界平均よりやや高めで、過去の最大ドローダウンには注意が必要。

企業スコア早見表

観点 スコア 判定
成長性 B 緩やかな成長
収益性 A 高水準維持
財務健全性 S 極めて強固
バリュエーション B 概ね適正

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,023.0円
PER 8.55倍 業界平均10.7倍
PBR 0.96倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.83%
ROE 12.03%

1. 企業概要

エスティックは、電気式ねじ締め工具・装置や産業用ロボット、自動組立ラインの設計・製造・販売を手掛ける国内首位級メーカーです。主力製品はハンドナットランナやネジ締付装置、サーボプレス等で、高精度計測・省力化技術を強みとし、自動車工場向けを主な収益源としています。技術開発センターを拠点に研究開発にも注力。

2. 業界ポジション

機械業界において、産業用ねじ締め工具・装置の分野で国内首位級の地位を確立しています。高い技術力と長年の実績により、特に自動車製造ラインで強い競争力を持ち、タイ、米国、中国を含むグローバルな販売代理店ネットワークを通じて海外展開も積極的に行っています。特定の専門市場で優位性を構築しています。

3. 経営戦略

EV需要の動向に左右されつつも、インド・東南アジアなど堅調な市場への投資を強化。製品技術(機械・電子・電機制御・ソフト)を融合させ、高精度計測・省力化・エコロジーを実現する方針です。技術開発センター(TDC)の活用による新製品開発と、グローバル拠点を連携させた展開で持続的成長を目指します。

4. 財務分析

  • 【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益とROAがプラスで良好だが、営業CFのデータがないため満点ではない。
財務健全性 2/3 高い流動比率と株式希薄化がない点は評価できるが、D/Eレシオのデータがない。
効率性 2/3 営業利益率とROEは高いが、直近の四半期売上成長率がマイナス。
総合スコア6/9点は、エスティックの財務品質が「良好」であることを示し、堅実な経営基盤を保持していることを裏付けます。収益性では純利益と総資産利益率(ROA)がプラスであり、本業で着実に利益を生み出しています。財務健全性においては、短期的な支払い能力を示す流動比率が非常に高く、自己資本比率も極めて高水準を維持しているため、財務的な安定性は極めて高いと言えます。株式の希薄化も発生していません。一方で、負債の多寡を示すD/Eレシオや営業キャッシュフローに関する詳細データが不足しており、特に営業CFは利益の質を測る上で重要です。効率性では、高い営業利益率と自己資本利益率(ROE)を保っているものの、直近の四半期売上成長率がマイナスである点は、今後の成長トレンドを注視する必要があることを示唆しています。特にEV市場の変動による影響が顕在化している可能性があり、この点を踏まえた事業展開が重要です。
  • 【収益性】
    過去12ヶ月の営業利益率は18.42%と、機械業界の中でも非常に高い水準を維持しており、本業で高い稼ぐ力を示しています。株主資本利益率(ROE)も直近の連結実績で12.03%と、一般的な目安とされる10%を上回っており、株主からの投資を効率良く利益につなげている「良好」な状態です。総資産利益率(ROA)は7.42%と、総資産を効率的に活用して利益を生み出していることがうかがえます。
  • 【財務健全性】
    自己資本比率は連結で86.1%と極めて高く、負債が少なく安定した財務基盤を誇ります。流動比率も直近四半期で8.34倍と非常に高く、短期的な支払い能力にも全く懸念はありません。これは、急な景気変動や設備投資需要にも耐えうる強固な財務体質を有していることを示しており、投資家にとっては安心材料となります。
  • 【キャッシュフロー】
決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高
連2023.03 361百万円 620百万円 -259百万円 -173百万円 2,246百万円
連2024.03 -469百万円 376百万円 -845百万円 -244百万円 1,571百万円
連2025.03 1,972百万円 2,059百万円 -87百万円 -279百万円 3,359百万円
エスティックのキャッシュフローは、2025年3月期に営業活動によるキャッシュフローが**2,059百万円**と大幅に改善し、フリーキャッシュフローも黒字へと転換しました。これは、本業で生み出す現金が豊富であり、かつ大規模な投資を伴わない健全な財務活動を行えていることを示しています。直近四半期の現金及び預金残高は一時的に減少しているものの、全体としては潤沢な手元資金を確保していると評価できます。
  • 【利益の質】
    営業キャッシュフローに対する純利益の比率(営業CF/純利益比率)は、直近のキャッシュフロー計算書の詳細データが不足しているため、正確な算出はできません。しかし、過去の傾向を見ると、本業からのキャッシュ創出力は安定しており、質的な懸念は低いと推測されます。
  • 【四半期進捗】
    2026年3月期第3四半期累計の決算短信によれば、通期予想に対する売上高進捗率は63.4%と概ね順調ですが、営業利益進捗率は53.4%、親会社株主に帰属する当期純利益進捗率は52.7%と、利益面では最終四半期での巻き返しが求められます。特に直近四半期の売上成長率が前年比で-11.40%、純利益成長率も-33.30%と大幅に減速しており、EV市場の鈍化や中国経済の影響が顕在化している可能性があります。

5. 株価分析

  • 【バリュエーション】
    エスティックのPER(会社予想)は8.55倍であり、業界平均の10.7倍と比較して低水準にあり、利益面から見ると割安感が強いと言えます。一方、PBR(実績)は0.96倍と、業界平均の0.7倍を上回っています。これは、純資産と比較して株価がやや高めに評価されていることを示唆しており、PBR基準では業界平均よりはやや割高と判断されます。PERの割安感とPBRの適正~やや割高感を総合すると、現在の株価は概ね適正水準に近いと言えるでしょう。
  • 【テクニカルシグナル】
指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -4.94 / シグナルライン: -7.12 / ヒストグラム: 2.18 MACDがシグナルラインを上回っているが、ヒストグラムはわずかなプラスで安定傾向にあり、短期的な強いトレンドは発生していない「中立」状態です。
RSI 中立 48.7% RSIが50%前後で推移しており、買われすぎでも売られすぎでもない「中立」のレンジに位置しています。
5日線乖離率 +0.14% 株価が5日移動平均線をわずかに上回っており、短期的なモメンタムは弱含みで推移しています。
25日線乖離率 -0.02% 株価が25日移動平均線とほぼ同水準にあり、短期的なトレンドは方向感に乏しい状態です。
75日線乖離率 -1.06% 株価が75日移動平均線をわずかに下回っており、中期的な下落トレンドへの懸念が見られます。
200日線乖離率 +0.78% 株価が200日移動平均線を上回っており、長期的なトレンドは上昇基調を維持しています。
MACD、RSIともに中立圏にあり、売買の動機付けとなる明確なシグナルは発生していません。移動平均線も短期から長期で混在しており、方向感を見定めにくい状況です。
  • 【テクニカル】
    現在の株価(1,023.0円)は52週高値(1,126.0円)から約9%下、52週安値(775.0円)から約32%上に位置しており、中期的なレンジの中間よりやや上に位置しています。移動平均線を見ると、短期の5日線と25日線に近く推移しており明確なトレンドは表れていませんが、75日線は下回る一方、200日線は上回っており、長期的な目線では安定傾向にあると評価できます。
  • 【市場比較】
期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -4.21% +5.86% -10.07%pt
3ヶ月 +2.81% +8.07% -5.25%pt
6ヶ月 +0.69% +20.37% -19.68%pt
1年 +18.27% +87.80% -69.54%pt
エスティックの株価は過去1年間で**+18.27%**と上昇しているものの、日経平均株価の**+87.80%**と比較すると大きくアンダーパフォームしており、市場全体の堅調な動きには乗り切れていない状況が続いています。

6. リスク評価

  • 【注意事項】
    ⚠️ 信用倍率0.00倍は信用売残が0であることを指しますが、信用買残が1,145,800株と発行済株式数約1割を占めており、将来的な売り圧力に繋がり株価変動に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
  • 【リスク指標テーブル】

    基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.20 ○普通 市場平均と比べ値動きが小さい
年間ボラティリティ 17.83% ◎良好 1年間で価格のブレ幅は小さい
最大ドローダウン -93.01% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.15 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか
#### リスク効率指標
指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.28 ▲注意 下落リスクだけで見たリターン効率は低い
カルマーレシオ 0.10 ▲注意 最大下落からの回復力は低い
#### 市場連動性
指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.27 ○普通 日経平均とあまり連動しない
0.07 値動きのうち市場要因で説明できる割合
  • 【ポイント解説】
    この銘柄はベータ値0.20、市場相関0.27と市場全体との連動性が低く、個別企業の要因が株価に与える影響が大きい「独自型」の値動きをする傾向があります。年間ボラティリティ17.83%は比較的「良好」な水準ですが、現在のボラティリティは過去1年で通常(上位66%)程度の水準です。しかし、過去の最大ドローダウンが-93.01%と極めて大きく、下落からの回復には2134日間を要した実績もあり、リスク効率指標も注意が必要です。
  • 【投資シミュレーション】
    > 仮に100万円投資した場合: 年間で±17.83万円程度の変動が想定されます。
    > 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
    > ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
  • 【事業リスク】
    EV需要の変動による設備投資の遅延や地域差は業績に直接影響を与え、通商政策・関税等の国際的な規制変化が海外事業に不利に働く可能性があります。また、原材料・エネルギー価格の上昇や為替変動、サプライチェーンの遅延も収益を圧迫する要因となり得ます。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況
    信用買残が1,145,800株存在する一方、信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍です。これは将来的な売り圧力が少ないと解釈できる一方で、流動性が低く、買いの燃料が不足している可能性も示唆しています。
  • 主要株主構成
    • 自社(自己株口) 15.30%
    • 鈴木弘 13.42%
    • (株)日伝 9.52%

8. 株主還元

配当利回りは2.83%(会社予想)、配当性向は24.40%と、利益に占める配当額の割合が低く、非常に健全な水準です。過去の配当性向の推移を見ても、20%台を安定して維持しており、業績に連動した無理のない配当政策を実施しています。特段の自社株買いの情報は記載されていませんが、この配当性向であれば、現在の配当水準は持続可能であり、将来的な増配余地も大きいと判断できます。

SWOT分析

強み

  • 産業用ねじ締め工具・装置市場における技術的優位性と国内首位級の地位。
  • 自己資本比率86.1%と非常に強固な財務基盤と潤沢な手元資金。

弱み

  • EV市場の変動に業績が左右されやすく、直近の四半期売上・利益成長率がマイナス。
  • 市場の注目度が相対的に低く、信用売残が少ないことで需給面での流動性に課題。

機会

  • インド・東南アジア市場など、成長が見込まれる海外地域の販路拡大と投資強化。
  • 技術開発投資により製品ポートフォリオを強化し、新たな収益源を確立。

脅威

  • EV市場の不確実性、通商政策・関税等の国際情勢変化、為替変動リスク。
  • 原材料価格の高騰や競合他社との技術開発競争の激化。

この銘柄が向いている投資家

  • 極めて安定した財務基盤を重視し、リスクを抑えたい投資家。
  • 緩やかな業績成長と安定した配当を期待する長期的な視点を持つ投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • EV市場の動向や海外投資案件の進捗が業績に与える影響を注視する必要がある。
  • 過去の最大ドローダウンが極めて大きく、市場変動時には大きな下落幅を経験する可能性を考慮すべき。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外売上高比率: EV市場の変動を補完するため海外売上比率50%以上を安定的に維持できるか。
  • 営業利益率: 直近の減益傾向から営業利益率18%以上を安定して維持できる状態まで回復できるか。
  • 受注残高・受注高の開示状況: 現時点では未開示だが、もし情報公開されれば先行指標として注目。

10. 企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 B 売上・利益は緩やかに成長も直近は鈍化傾向。
収益性 A ROE・営業利益率ともに高い水準を維持。
財務健全性 S 自己資本比率が高く潤沢な現金も確保。
バリュエーション B PERは割安だがPBRが業界平均を上回る。

企業情報

銘柄コード 6161
企業名 エスティック
URL http://www.estic.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,023円
EPS(1株利益) 119.64円
年間配当 2.83円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 2.1% 9.8倍 1,306円 5.2%
標準 1.6% 8.6倍 1,109円 1.9%
悲観 1.0% 7.3倍 914円 -1.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,023円

目標年率 理論株価 判定
15% 559円 △ 83%割高
10% 698円 △ 47%割高
5% 880円 △ 16%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
マキタ 6586 5,588 15,647 21.43 1.46 7.8 1.71
日東精工 5957 771 308 13.40 0.77 6.3 3.11
TONE 5967 484 113 14.15 0.89 7.0 1.85

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.39)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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