企業の一言説明
名村造船所は中大型のバラ積み船を主力とする造船中堅企業で、傘下に函館どつくや佐世保重工を持つ、国内有数の輸送用機器メーカーです。
総合判定
高い成長性と財務健全性を誇る一方で、直近の業績鈍化と割高感が懸念される構造改革の過渡期にある銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- 過去数期で売上高・利益が急回復し、高い営業利益率とROEを達成している高収益企業であること。
- Piotroski F-Scoreが8/9点と財務健全性が極めて優良であり、潤沢なキャッシュフローを創出していること。
- 直近四半期は減収減益で通期も減益予想であること、そして現在の株価はPER/PBRにおいて業界平均と比較して割高であること。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 直近四半期が減収減益で、通期も減益を予想 |
| 収益性 | S | 高い営業利益率と株主資本利益率を維持 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良な財務体質と強固な自己資本基盤 |
| バリュエーション | D | PER/PBRが業界平均を大きく上回り割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 4075.0円 | – |
| PER | 15.72倍 | 業界平均7.3倍 |
| PBR | 2.26倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 0.98% | – |
| ROE | 28.55% | – |
1. 企業概要
名村造船所は1911年創業、1931年設立の造船中堅企業です。船舶の製造・販売を主軸に、修繕船、鋼構造物・機械の製造販売も手掛けています。中大型のバラ積み船を主力とし、国内の主要造船所である函館どつく、佐世保重工を傘下に持ちます。
2. 業界ポジション
国内造船業界において中堅どころの地位を確立し、特にバラ積み船やタンカー製造に強みを持っています。傘下に国内の有力造船所を擁することで、生産能力や技術力を強化し、競合他社に対する競争優位性を構築しています。
3. 経営戦略
足元では新造船の受注残高が約4,400億円と前期比で15.1%増加し、修繕船や鉄構・機械事業の受注残高も堅調に伸びており、今後の業績基盤を強化しています。有利子負債の削減と現金及び預金の増加、投資有価証券の拡大も進め、財務体質を強化しつつ将来の成長投資余力を確保しています。直近の重要イベントとしては2026年5月14日の決算発表を控えています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
名村造船所の財務品質をPiotroski F-Scoreで評価した結果は以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 優良 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がプラス、ROAがプラス。営業CFに関する個別データは評価対象外。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 自己資本比率が高水準、D/Eレシオが低い、株式希薄化なし。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率が高水準、ROEが高水準、四半期売上成長率がプラス。 |
解説: 総合スコア8/9点は極めて優良な財務品質を示しています。特に財務健全性と効率性の面で満点を獲得しており、財務基盤が強固で収益を生み出す効率性が高いことが評価されます。収益性スコアは2/3ですが、これは評価項目の一つがデータなしと判定されたためであり、実際には純利益とROAがプラスであることから、質の高い収益性を有しています。
【収益性】
名村造船所の収益性は極めて良好です。過去12か月の営業利益率は20.40%と非常に高く、ROE(実績)は16.93%、ROAも6.98%といずれも一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大きく上回っています。これは、株主資本を効率的に活用し、資産からも高い利益を生み出していることを示しています。
【財務健全性】
財務健全性も大変優れています。自己資本比率は50.0%と高く、企業の安定性を示しています。また、流動比率は1.77倍(177%)であり、短期的な支払い能力も十分確保されています。有利子負債比率(Total Debt/Equity)も12.43%と低く、借入依存度が低い健全な財務体質です。
【キャッシュフロー】
名村造船所は過去数年間、安定して営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローを創出しています。
| 決算期 | フリーCF (百万円) | 営業CF (百万円) | 投資CF (百万円) | 財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 7,737 | 8,999 | -1,262 | -3,384 |
| 2024.03 | 25,486 | 27,405 | -1,919 | 571 |
| 2025.03 | 32,469 | 37,727 | -5,258 | 2,287 |
解説: 2023年3月期以降、営業キャッシュフローは一貫してプラスで推移し、その規模も大きく拡大しています。投資キャッシュフローは安定的にマイナスですが、これは成長に向けた投資が行われていることを示唆します。フリーキャッシュフローも継続してプラスで、本業で稼いだ資金を自由に使える余力が十分にあることがわかります。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は、過去12か月で約1.25倍(営業CF25,151百万円 / 純利益20,153百万円)と1.0倍を大きく上回っており、帳簿上の利益が実際に現金として裏付けられている、質の高い利益構造であると言えます。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗率は売上高72.1%、営業利益74.9%、親会社株主に帰属する純利益85.3%です。純利益は順調に進捗していますが、売上高と営業利益はやや遅れ気味であり、直近四半期で減収減益となっている点には注意が必要です。
【バリュエーション】
名村造船所のPER(会社予想)は15.72倍、PBR(実績)は2.26倍です。これに対し、輸送用機器業界の平均PERは7.3倍、平均PBRは0.5倍となっており、名村造船所の株価は業界平均と比較して割高な水準にあります。高い成長性と収益性が評価されている一方で、現在の株価には将来への期待がある程度織り込まれていると考えられます。
【テクニカルシグナル】
直近のテクニカルシグナル状況は以下の通りです。
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -180.35 / シグナル値: -169.98 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 41.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.37% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -7.28% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -11.22% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +1.83% | 長期トレンドからの乖離 |
解説: MACDは中立を示しており明確なトレンド転換シグナルは出ていませんが、RSIも41.1%と中立圏にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状態です。株価は短期・中期移動平均線を明確に下回っており、直近では下落トレンドにあることが示唆されますが、長期の200日移動平均線は上回っているため、長期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。
【テクニカル】
現在の株価4,075.0円は、52週高値6,050.0円からは大きく乖離し、52週安値1,555.0円からは高い位置にあります。52週レンジ内では55.6%の位置にあり、約半分よりやや高い水準です。直近株価は5日移動平均線(4,099.0円)、25日移動平均線(4,441.0円)、75日移動平均線(4,574.0円)をすべて下回っており、短期的には調整局面が続いていると見られます。しかし、200日移動平均線(3,984.57円)は上回っており、長期的な目線では支持線として機能する可能性があります。
【市場比較】
名村造船所の市場指数との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -15.43% | +10.22% | -25.65%pt |
| 3ヶ月 | -12.23% | +9.06% | -21.29%pt |
| 6ヶ月 | +5.46% | +22.33% | -16.86%pt |
| 1年 | +100.44% | +78.19% | +22.26%pt |
総括: 過去1年間では日経平均を22.26%ポイント上回る非常に優れたパフォーマンスを示しましたが、直近の1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の期間では日経平均を下回っており、短期から中期にかけては市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない状況です。
【リスク指標テーブル】
名村造船所の定量リスク指標は以下の通りです。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 76.84% | ▲注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -53.59% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.32 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 1.76 | ◎良好 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 1.54 | ◎良好 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.48 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.23 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
ポイント解説: 名村造船所の株価は年間ボラティリティが76.84%と高く、値動きが激しい傾向にあります。過去の最大ドローダウンは-53.59%と大きいため、投資に際しては相応のリスクを覚悟する必要があります。しかしながら、下落リスクに見合うリターン効率を示すソルティノレシオ、最大下落からの回復力を示すカルマーレシオはいずれも非常に良好な水準です。市場相関は0.48と中程度で、市場全体の動きからある程度独立した値動きをする特性も持ち合わせています。現在のボラティリティは過去1年で通常水準(上位46%)です。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±77万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 市況変動リスク: 造船業界は世界経済や海上輸送需要に大きく左右され、新造船価格や受注量の変動が業績に影響を及ぼします。
- 原材料価格変動リスク: 船舶製造に使用される鋼材などの主要原材料価格の変動は、製造コストを直撃し、収益性を圧迫する可能性があります。
- 為替変動リスク: 受注や決済が外貨建てで行われることが多いため、為替レートの変動が売上高や利益に影響を与えるリスクがあります。
7. 市場センチメント
信用買残が1,871,800株、信用売残が1,143,600株で、信用倍率は1.64倍です。買残が売残をわずかに上回っていますが、極端な高水準ではなく、現時点での将来的な売り圧力は限定的と考えられます。
主要株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)(11.04%)、日本製鉄(7.24%)、日本カストディ銀行(信託口)(3.79%)など、機関投資家や事業会社が上位を占めています。
8. 株主還元
会社予想の年間配当は40.00円で、現在の株価に対する配当利回りは0.98%です。2026年3月期予想に基づく配当性向は15.44%であり、利益に対する配当の水準は健全です。現在、自社株買いに関する情報は開示されていません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 高い収益性(営業利益率、ROE) 極めて健全な財務基盤と潤沢なCF |
安定した事業運営と積極的な成長投資の原資となる |
| ⚠️ 弱み | 直近四半期の減収減益 業界平均と比較して割高な株価バリュエーション |
業績モメンタムの鈍化を懸念させ、株価調整のリスクがある |
| 🌱 機会 | 新造船受注残高の積み上がり 環境規制強化によるエコシップ需要増 |
将来の収益源確保と、市場拡大に乗る機会が期待される |
| ⛔ 脅威 | 世界経済・市況変動リスク 原材料価格や為替の変動リスク |
景気後退やコスト増が業績に直接的な打撃を与える |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 成長戦略を重視する中長期投資家 | 豊富な受注残高が示す今後の業績成長と財務健全性が魅力 |
| リスク許容度が高い投資家 | 株価のボラティリティが高いものの、回復力も期待できるため |
この銘柄を検討する際の注意点
- 直近の業績動向: 第3四半期は減収減益となっており、通期での減益予想への修正も考慮し、今後の業績モメンタムを注意深く監視すべきです。
- バリュエーションの割高感: PER/PBRが業界平均と比較して高いため、業績の成長が期待を下回った場合、株価が大きく調整する可能性があります。
- 高ボラティリティ特性: 年間ボラティリティが76.84%と高く、短期間での株価変動が大きいため、リスク管理を徹底する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 新造船隻価格 | – | 市況の上昇と安定化 | 企業収益に直結する重要指標 |
| 新造船の受注残高 | 4,400億円 | 年間売上高の3倍以上を維持 | 将来の売上高成長の先行指標 |
| 営業利益率 | 20.40% | 15%以上を維持 | 高い収益性の持続性を示す |
企業情報
| 銘柄コード | 7014 |
| 企業名 | 名村造船所 |
| URL | http://www.namura.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,075円 |
| EPS(1株利益) | 259.25円 |
| 年間配当 | 0.98円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 15.3% | 16.6倍 | 8,783円 | 16.6% |
| 標準 | 11.8% | 14.5倍 | 6,538円 | 9.9% |
| 悲観 | 7.1% | 12.3倍 | 4,481円 | 1.9% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,075円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 3,254円 | △ 25%割高 |
| 10% | 4,064円 | △ 0%割高 |
| 5% | 5,128円 | ○ 21%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 三井E&S | 7003 | 5,623 | 5,797 | 18.28 | 2.77 | 18.6 | 0.88 |
| ジャパンエンジンコーポレーション | 6016 | 12,030 | 1,010 | 21.73 | 5.74 | 33.5 | 0.71 |
| 内海造船 | 7018 | 13,150 | 296 | 14.81 | 1.78 | 18.4 | 0.76 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.43)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。