企業の一言説明
JSPは発泡樹脂を製造・販売する大手企業で、自動車部品や住宅断熱材、食品包装材など多岐にわたる用途に製品を提供するグローバル企業です。
総合判定
割安な高配当堅実企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて健全な財務体質と安定したキャッシュフロー: Piotroski F-Score 7/9 (S)が示すように財務健全性が高く、自己資本比率65.6%、営業CF/純利益比率2.10倍と、堅牢な財務基盤と現金創出力が強みです。
- 業界平均に対し著しく割安なバリュエーション: PER10.53倍、PBR0.59倍は、業界平均(PER20.4倍、PBR1.1倍)と比較して大幅に割安であり、株価の上昇余地が期待されます。
- 市場連動性が高く、収益性と成長性には改善余地: ROE5.52%と収益性は業界平均に劣り、売上高の成長率も控えめです。過去1年の日経平均に対する株価パフォーマンスは大きく下回っており、資本効率の改善が今後の課題です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 売上高成長率が控えめであるため |
| 収益性 | C | ROEと営業利益率がベンチマーク以下 |
| 財務健全性 | S | 自己資本比率が高く、F-Scoreも優良 |
| バリュエーション | S | 業界平均に対しPER・PBRが著しく割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,331.0円 | – |
| PER | 10.53倍 | 業界平均20.4倍 |
| PBR | 0.59倍 | 業界平均1.1倍 |
| 配当利回り | 3.86% | – |
| ROE | 5.16% | – |
1. 企業概要
JSPは三菱ガス化グループに属する発泡樹脂の製造・販売大手企業です。自動車部品の衝撃吸収材、住宅・建材用断熱材、食品・工業用包装材など、幅広い用途に発泡ポリスチレン材「ARPRO」や「STYRODIA」などの高機能製品を提供し、世界的に事業を展開しています。独自性の高い技術が、多様な産業分野での強固な顧客基盤と参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
JSPは高機能発泡樹脂の分野で国内大手の一角を占め、自動車、建設、食品といった主要産業において重要な素材サプライヤーとしての地位を確立しています。製品の多用途性とグローバルな生産・販売体制が強みで、特に軽量性、断熱性、衝撃吸収性に優れた製品開発で技術的優位性を維持しています。競合他社が存在するものの、特定の高機能領域での実績と信頼が強固な競争力となっています。
3. 経営戦略
JSPは安定した事業基盤を維持しつつ、持続的な利益成長を目指しています。2026年3月期第3四半期は堅調な進捗を見せ、通期業績予想は修正済みであり、安定した収益力に自信をのぞかせます。また、退職給付制度の一部を確定拠出年金へ移行するなど、財務体質の最適化も進めています。今後のイベントとしては、2026年3月30日に当期配当の権利確定に係る配当落ち日が実施されました。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 優良:純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てプラス |
| 財務健全性 | 3/3 | 優良:流動比率良好、D/Eレシオ低く、株式希薄化なし |
| 効率性 | 1/3 | 普通:営業利益率・ROEは基準未達も、売上成長はプラス |
JSPの財務品質はPiotroski F-Scoreで7点と「優良」判定を受けています。純利益と営業キャッシュフローがプラスであり、ROAも健全であるため、収益性は優良と評価されます。また、流動比率が市場平均を大きく上回り、有利子負債も少ないため、財務健全性も極めて良好です。効率性においては、営業利益率およびROEが改善の余地を残していますが、四半期売上成長率はプラスを維持しています。
【収益性】
- 営業利益率: 過去12ヶ月で7.91%です。これは本業の稼ぐ力としては一般的な水準ですが、高収益企業とされるベンチマーク(15%)には達しておらず、改善の余地があります。
- ROE(自己資本利益率): 過去12ヶ月で5.52%です。株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が低く、一般的な目安とされる10%を下回っています。
- ROA(総資産利益率): 過去12ヶ月で2.88%です。総資産に対する利益率は低い水準にあり、資産の有効活用が課題です。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 過去12ヶ月の実績で65.6%と非常に高い水準です。これは、返済義務のない自己資本の割合が高く、財務基盤が極めて安定しており、外部環境の変化や不測の事態にも十分に耐えうることを示しています。
- 流動比率: 直近四半期で2.14倍です。これは流動資産が流動負債の2倍以上あることを意味し、短期的な支払い能力に全く問題なく、極めて健全性が高いと評価できます。
【キャッシュフロー】
| 指標 | 金額 |
|---|---|
| 営業CF | 121億4,000万円 |
| FCF | 8億3,863万円 |
営業活動によるキャッシュフローは過去12ヶ月で121億4,000万円と潤沢であり、本業で堅実に現金を創出できていることが示されています。一方でフリーキャッシュフローは8億3,863万円であり、投資活動後に企業が自由に使える手残り資金としてはやや控えめな水準となっています。これは、今後の成長に向けた設備投資などが活発に行われている可能性を示唆しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 2.10倍と非常に高い水準です。これは会計上の純利益に対して、実質的な営業活動によるキャッシュフローが大幅に上回っていることを示し、利益の質が極めて優良であると評価できます。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期累計の業績は、通期予想(修正済み)に対し、売上高約76.0%、営業利益約87.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益約97.1%と、特に利益面で非常に順調に進捗しています。純利益が通期予想のほぼ達成水準にあることから、来期以降の期待も高まります。
【バリュエーション】
- PER(株価収益率)は会社予想で10.53倍と、業界平均の20.4倍と比較して大幅に割安な水準にあります。株価が1株あたり利益の何年分かを示すこの指標は、利益創出能力に対して株価が過小評価されている可能性を示唆します。
- PBR(株価純資産倍率)は実績で0.59倍と、業界平均の1.1倍と比較して大幅に割安です。これは株価が1株あたり純資産を下回っており、企業の解散価値よりも低い評価を受けている状態です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | デッドクロス | -28.11 / -25.96 | 短期下落トレンドの可能性を示す |
| RSI | 中立 | 39.9% | 買われすぎでも売られすぎでもない |
| 5日線乖離率 | – | -1.12% | 直近のモメンタムはやや弱い |
| 25日線乖離率 | – | -2.06% | 短期トレンドから下方向への乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -8.00% | 中期トレンドから下方向への乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +4.91% | 長期トレンドからは上方向への乖離 |
MACDがデッドクロスを示しており、短期的な下落トレンドへの転換の可能性を示唆しています。RSIは中立圏にあり、過熱感や売られすぎ感はありません。
【テクニカル】
現在の株価2,331.0円は、52週高値2,934.00円からは約20%低い水準にあります。直近の移動平均線を見ると、5日移動平均線(2,357.40円)、25日移動平均線(2,380.00円)、75日移動平均線(2,533.65円)の全てを下回っており、短期から中期的な下降トレンドが示唆されます。一方で、200日移動平均線(2,221.43円)は上回っており、長期的な目線では上昇トレンドが維持されている状況です。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -3.08% | +13.42% | -16.50%pt |
| 3ヶ月 | -9.51% | +12.42% | -21.94%pt |
| 6ヶ月 | +22.75% | +23.08% | -0.33%pt |
| 1年 | +27.87% | +76.66% | -48.79%pt |
過去1年間において、JSPの株価パフォーマンスは日経平均を48.79%ポイント大きく下回っています。特に直近の1ヶ月、3ヶ月では日経平均が上昇する中でJSPは下落しており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていないことが示唆されます。TOPIXに対しても同様に劣後する結果となっています。
6. リスク評価
- 注意事項: ⚠️ 信用倍率が5.61倍と高水準です。これは買い残が売り残を大きく上回っている状態であり、将来的な買い方の投げ売りや、新たな売り圧力につながる可能性があるため注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.13 | ◎良好 | 市場平均よりも値動きは非常に小さい |
| 年間ボラティリティ | 28.90% | ○普通 | 1年間で株価がどれくらい変動しうるか |
| 最大ドローダウン | -74.89% | ▲注意 | 過去最悪で株価が7割以上下落した経験あり |
| シャープレシオ | -0.31 | ▲注意 | リスクを取った割にはリターンが得られていない期間に注意 |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.36 | △やや注意 | 下落リスクに対して十分なリターンがあるとは言えない |
| カルマーレシオ | 0.12 | ▲注意 | 最大下落からの回復力が低い傾向にある |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.58 | ◎良好 | 日経平均と緩やかに連動して値動きする |
| R² | 0.34 | – | 株価変動の約34%が市場全体の動きで説明できる |
【ポイント解説】
JSPのベータ値は0.13と非常に低く、市場全体の変動と比較して株価は穏やかに推移する傾向があります。年間ボラティリティは28.90%と普通水準です。ただし、過去の最大ドローダウンは-74.89%と非常に大きく、一度下落局面に入ると、元に戻るまでに555日間を要したという記録があり、この水準の下落は今後も起こり得ることを示唆しています。現在のボラティリティは過去1年で「通常水準」にあり、シャープレシオやカルマーレシオが低いことから、現時点ではリスクに対するリターン効率が低いと評価されます。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±33万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 原材料価格の変動: 発泡樹脂の主原料は石油化学製品であるため、原油価格やナフサ価格の変動が製造コストに直結し、収益を圧迫するリスクがあります。
- 為替変動リスク: 海外売上高が大きいため、円高に進行した場合、海外子会社の業績を円換算した際に減少し、連結業績に悪影響を与える可能性があります。
- 景気変動による需要の変化: 自動車、建設、消費財など、JSPの製品が使われる主要産業の景気動向は、製品需要に直接的な影響を与え、業績を変動させる可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が39,800株に対し信用売残が7,100株と、信用倍率は5.61倍と買い持ちが売り持ちを大きく上回っています。これは、将来的な買い残の解消(売り)によって株価の上値が抑えられる可能性があります。主要株主は、親会社である三菱瓦斯化学が39.54%を保有しているほか、自社(自己株口)が16.57%を保有しており、安定した株主構成となっています。
8. 株主還元
JSPは、3.86%(会社予想)という魅力的な配当利回りを提供しており、現在の市場環境では比較的高水準です。配当性向は41.4%(2026年3月期予想)と健全な水準であり、利益の範囲内で安定した配当の継続が期待できます。ニュース動向としても自社株消却が発表されており、株主価値向上への積極的な姿勢が伺えます。現時点では配当性向が健全な範囲にあることから、配当持続可能性は高いと考えられます。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 非常に優れた財務健全性と安定したキャッシュフロー 世界的な発泡樹脂市場での確固たる地位と技術的独自性 |
企業経営の安定性が高く、長期的な視点での投資に適する |
| ⚠️ 弱み | 低いROE、ROA、営業利益率 市場全体に対する株価の長期的な劣後 |
資本効率の改善が株価の上昇トレンド形成に不可欠 |
| 🌱 機会 | 自動車の軽量化や高性能断熱材需要の世界的な拡大 新規用途・新製品開発による市場の創出 |
環境意識の高まりや製造業の進化が成長の追い風となる |
| ⛔ 脅威 | 原材料価格高騰や為替レートの変動 競争激化による製品価格の下落圧力 |
コスト管理体制とグローバルサプライチェーンの監視が重要 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定配当を求める長期投資家 | 魅力的な配当利回りと健全な配当性向が継続期待できる |
| 割安株投資家 | 業界平均に対し著しく割安なバリュエーションで放置 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性の低さと改善の遅れ: ROEや営業利益率が低水準にあり、資本効率の改善が進まない場合、株価の上昇が限定的になる可能性があります。
- 需給バランスの悪化リスク: 信用倍率が比較的高く、将来的に買い残の解消に伴う売り圧力が発生し株価の重しとなる可能性があります。
- 市場に対する株価の軟調な推移: 過去1年間にわたり市場平均に大きく劣後しており、市場のトレンドから取り残されるリスクを考慮すべきです。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| ROE | 5.52% | 8%以上への改善 | 資本効率の向上と株主還元評価に繋がる |
| 営業利益率 | 7.91% | 10%以上への回復 | 本業の収益力強化が企業価値向上を示す |
| 信用倍率 | 5.61倍 | 3倍以下への改善 | 需給バランスの健全化が株価上昇を後押し |
企業情報
| 銘柄コード | 7942 |
| 企業名 | JSP |
| URL | https://www.co-jsp.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,331円 |
| EPS(1株利益) | 221.31円 |
| 年間配当 | 3.86円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.2% | 12.1倍 | 6,455円 | 22.7% |
| 標準 | 14.8% | 10.5倍 | 4,644円 | 14.9% |
| 悲観 | 8.9% | 9.0倍 | 3,030円 | 5.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,331円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,323円 | △ 0%割高 |
| 10% | 2,902円 | ○ 20%割安 |
| 5% | 3,662円 | ○ 36%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カネカ | 4118 | 4,807 | 3,028 | 9.76 | 0.60 | 6.5 | 3.32 |
| 積水化成品工業 | 4228 | 415 | 195 | – | 0.41 | 0.0 | 2.40 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.57)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。