企業の一言説明

市進ホールディングスは学習塾や予備校の運営を主軸に、介護福祉サービスも展開する中堅教育サービス企業です。

総合判定

高い収益性を持つが財務に課題を抱える成長期待銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 稀に見る高ROEと効率的な収益獲得能力が最大の魅力です。
  • 教育事業の安定基盤に加え、介護福祉事業の成長も期待できます。
  • 自己資本比率の低さと借入金比率の高さは財務健全性への主要なリスク要因です。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 C 売上高成長率は低いが純利益は大幅増加
収益性 S ROEが非常に高く効率的な利益創出
財務健全性 C 自己資本比率が低く有利子負債は高水準
バリュエーション B 業界平均PERに対し株価はやや割安と評価

※スコア凡例: S=優良 / A=良好 / B=普通 / C=やや不安 / D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 426.0円
PER 9.65倍 業界平均15.0倍
PBR 1.39倍 業界平均1.2倍
配当利回り 2.35%
ROE 27.22%

1. 企業概要

市進ホールディングスは、千葉発祥の学習塾大手として「市進予備校」を首都圏で展開。小学生から高校生・高卒生向けの集団指導・個別指導塾に加え、幼児教育や介護福祉サービスも提供しています。学研グループの一員であり、多角的な教育・福祉事業で収益を確立しています。

2. 業界ポジション

教育サービス業界において、市進ホールディングスは首都圏を基盤とする中堅学習塾グループとして一定の存在感を発揮しています。特に地域に根差したブランド力と、集団指導・個別指導の両面で多様なニーズに対応できる点が強み。介護福祉サービスとのシナジーも今後鍵となります。

3. 経営戦略

主力の教育事業では少子化への対応として個別指導やICT活用を推進し、介護福祉事業では高齢化社会のニーズを捉え事業を拡大しています。直近では投資有価証券売却益を計上しており、財務体質の強化や成長投資へ繋げる方針と推測されます。今後のイベントとして2027年2月25日が配当権利落ち日です。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

F-Scoreは企業の財務的な健全性や収益力を9項目で評価する指標で、点数が高いほど財務品質が良好とされます。市進ホールディングスのF-Scoreは7点と「S: 優良」判定であり、財務品質は全体的に高い水準にあります。

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 優良
収益性 3/3 ✅純利益、✅営業キャッシュフロー、✅ROAが全てプラス
財務健全性 2/3 ✅流動比率が高く、✅株式希薄化なし(D/Eレシオは課題)
効率性 2/3 ✅ROEが高く、✅四半期売上成長率がプラス(営業利益率は課題)

収益性に関しては、純利益、営業キャッシュフロー、ROA(全資産に対する利益率)がいずれもプラスであり、本業で堅実に現金を稼ぎ、資産を効率的に活用して利益を創出していることが評価ポイントです。財務健全性では、流動比率が高いことや株式の希薄化がないことは良好ですが、負債資本倍率(D/Eレシオ)が1.0を超えている点は、改善の余地があることを示唆しています。効率性については、非常に高いROE(株主資本利益率)とプラスの四半期売上成長率が評価されますが、営業利益率が10%を下回っている点は今後の改善が期待される領域です。

【収益性】

市進ホールディングスの過去12ヶ月の営業利益率は8.77%と、一般的な目安とされる10%には届かないものの、比較的安定した水準を維持しています。特筆すべきはROE(Return On Equity:株主資本利益率)で、過去12ヶ月の実績は26.98%と、ベンチマークの10%を大きく上回る極めて高い水準を誇ります。これは、株主からの資金を非常に効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、経営の巧みさが伺えます。ただし、ROEが高くなる要因として、利益の水準だけでなく、自己資本が相対的に少ない場合も影響するため、財務健全性とのバランスで評価することが重要です。ROA(Return On Assets:総資産利益率)は4.15%とベンチマークの5%には僅かに達していないものの、総資産から見ても堅実な収益を上げています。

【財務健全性】

市進ホールディングスの自己資本比率は18.4%と、一般的な目安とされる30%を下回っており、財務基盤の強化が課題として挙げられます。同社は教育施設や介護施設運営のために土地・建物などの固定資産を多く保有している可能性があり、それが負債の増加に繋がっていると考えられます。流動比率は156%であり、短期的な支払い能力は比較的確保されていると言えますが、流動負債が44億8,400万円、固定負債が63億9,600万円と、総負債が108億8,100万円に上るため、長期的な負債の圧縮が望まれます。これは、特に金利上昇局面においては、利払い負担増大のリスクとなる可能性があります。

【キャッシュフロー】

市進ホールディングスの過去3期のキャッシュフローは以下の通りです。

決算期 フリーCF (百万円) 営業CF (百万円) 投資CF (百万円)
2024.02 395 657 -262
2025.02 426 1,189 -763
2026.02 1,645 1,365 280

営業キャッシュフロー(営業CF)は過去3年間で堅調に推移しており、本業で継続的に現金を稼ぎ出していることが分かります。特に2026年2月期は13億6,500万円の力強い営業CFを創出しました。これに伴い、自由に使用できる資金を示すフリーキャッシュフロー(FCF)も2026年2月期には16億4,500万円と大幅に増加しています。これは、投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)がプラスに転じていることも一因であり、資産売却などによる資金流入があったことを示唆します。潤沢なFCFは、負債返済や株主還元、将来の成長投資に充当する余力があることを意味します。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は2.17であり、純利益を大幅に上回る営業キャッシュフローを創出しています。この比率が1.0以上であれば利益の質が健全と評価されますが、2.0を超える水準は極めて優良であり、会計上の利益が実際に現金として裏付けられていることを強く示しています。これは架空の利益計上リスクが低いことを意味し、企業の収益力の信頼性を高める要因となります。

【四半期進捗】

2026年2月期の連結決算は、売上高が186億5,300万円(前年比+1.1%)、営業利益が8億9,900万円(前年比▲2.1%)、親会社株主帰属当期純利益が6億2,800万円(前年比+98.1%)でした。純利益が大幅に伸びたのは、投資有価証券売却益6億9,275万円という特別利益が大きく貢献したためです。
一方、2027年2月期の会社予想では、売上高187億2,100万円(前年比+0.4%)、営業利益9億2,800万円(前年比+3.2%)と本業は堅実な成長を見込んでいるものの、特別利益の剥落により親会社株主帰属当期純利益は3億5,500万円(前年比▲43.5%)と大幅な減益を予想しています。このため、通期の利益目標に対する進捗率は、営業利益ベースでは順調に進むと考えられますが、純利益は特殊要因を除いた本業の成長を見極める必要があり、今後の発表に注目する必要があります。

【バリュエーション】

市進ホールディングスのPER(株価収益率)は会社予想で9.65倍であり、業界平均の15.0倍と比較して割安な水準にあります。これは、企業の稼ぐ力に比べて現在の株価が低く評価されている可能性を示唆します。また、PBR(株価純資産倍率)は実績で1.39倍であり、業界平均の1.2倍よりやや高い水準ですが、市場において企業の純資産価値を上回る評価を受けていることを意味します。目標株価(業種平均PER基準)が1,159円、目標株価(業種平均PBR基準)が368円と大きく乖離しており、PERで見れば割安感がありますが、PBRで見ると妥当な水準とも解釈できます。

【テクニカルシグナル】

現在のテクニカル指標は以下の通りです。

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD: 0.61 / シグナル: 0.05 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 49.5% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.37% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +0.60% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -2.43% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -3.35% 長期トレンドからの乖離

現在の株価は426.0円であり、5日移動平均線に対してわずかに下回っていますが、25日移動平均線は上回っています。これは短期的な上昇モメンタムがやや弱まっているものの、比較的安定した推移を示唆します。一方で、75日移動平均線および200日移動平均線は下回っており、中期・長期的な視点では株価が下降トレンドの範疇にあると捉えられます。MACDは中立状態にあり、RSIも50%前後で推移していることから、株価は現状、明確なトレンド感を欠き、ややレンジ相場にある可能性を示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価426.0円は、52週高値475.00円から約10%下、52週安値399.00円から約7%上に位置しており、直近1年間のレンジの中間やや安値圏にあります。より長期的な視点で見ると、3年高値561.00円からは大きく下回っており、過去の最高値水準と比較すると割安感があるとも言えます。現在、株価は75日移動平均線と200日移動平均線を下回っているため、今後の上昇にはこれらのラインがレジスタンス(上値抵抗線)として意識される可能性があります。一方、直近1ヶ月のレンジでは下限の414.00円がサポート(下値支持線)となることが考えられます。

【市場比較】

日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +0.95% +15.48% -14.53%pt
3ヶ月 -6.78% +13.30% -20.08%pt
6ヶ月 -4.48% +21.50% -25.98%pt
1年 +4.93% +76.64% -71.72%pt

市進ホールディングスの株価パフォーマンスは、全ての期間において日経平均を大幅に下回っています。これは、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていないことを示唆しており、同銘柄は市場変動とは異なる独自の要因で動いている傾向が見られます。R²(決定係数)が0.08と非常に低いことから、株価変動のわずか8%しか市場要因で説明できず、残りの92%は個別企業の業績やニュース、投資家の評価といった個別要因に依存していると解釈できます。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.19 ◎良好 市場平均より値動きが大きいか小さいか
年間ボラティリティ 19.02% ◎良好 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -33.09% △やや注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ 0.57 ○普通 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ -0.46 ▲注意 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ -0.23 ▲注意 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.29 ○普通 日経平均とどれだけ連動するか
0.08 値動きのうち市場要因で説明できる割合

※判定の見方: ◎良好 ○普通 △やや注意 ▲注意

【ポイント解説】

市進ホールディングスの株価は、ベータ値が0.19と非常に低いため、市場全体の変動に比べて穏やかな値動きをする傾向があります。年間ボラティリティも19.02%と良好な水準ですが、過去の最大ドローダウンは-33.09%に達しており、短期間で大きな下落を経験する可能性には注意が必要です。現在のボラティリティは過去1年で「低」水準にあり、直近の値動きは落ち着いています(ATRは4円、株価の約0.9%)。しかし、ソルティノレシオ(下落局面のリターン効率)およびカルマーレシオ(最大下落からの回復力)がいずれもマイナス値を示しており、下落リスクに対するリターン効率や回復力には課題があると言えます。市場相関は0.29、R²は0.08と低く、市場全体のトレンドにあまり連動せず、個別要因によって株価が形成される傾向が強い銘柄です。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±19万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの5%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 少子化・人口減少: 主力事業である教育サービスの市場規模縮小圧力が継続しており、生徒獲得競争が激化する可能性があります。
  • 競争激化: 教育業界は新規参入や異業種からの参入が相次ぎ、競合他社との差別化や生徒獲得のためのマーケティング費用増加が収益を圧迫するリスクがあります。
  • 賃金上昇: サービス業であるため人件費比率が高く、人材確保のための賃金上昇や最低賃金引き上げが利益率に影響を与える可能性があります。
  • 介護保険制度改定: 介護福祉サービスは国の介護保険制度に大きく依存しており、制度改定があれば収益構造に直接的な影響を受けるリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が7,500株に対し信用売残が0株で、信用倍率は0.00倍となっており、信用取引における売り圧力が極めて低い状態です。ただし、直近の出来高は700株と非常に少なく、流動性が低い点には注意が必要です。主要株主は学研ホールディングスが37.65%、自社(自己株口)が22.29%を保有しており、安定株主が過半数を占めることで、株価の急激な変動が抑制される傾向があります。

8. 株主還元

配当利回りは2.35%、配当性向は12.94%と非常に低く、利益に余裕を持った配当を実施しています。同社は2026年2月期に自社株式取得に9,050万円を支出しており、配当と併せて自己株買いを組み合わせることで、株主還元への積極的な姿勢を見せています。配当性向が健全な水準(30-50%)よりも低いことは、将来的な増配余地があるとも解釈できます。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 高いROEと営業CF/純利益比率
学研グループとの連携と安定株主
少ない資本で効率的に稼ぎ、上場企業グループの安定性がある
⚠️ 弱み 自己資本比率の低さと高D/Eレシオ
市場連動性が低く独自の動きをする
財務基盤に脆弱性があり、株価が外部要因に左右されにくい特質がある
🌱 機会 介護福祉サービスの成長性
低PERによる割安評価と増配余地
高齢化社会で需要が高く、現在の株価に上昇余地を秘めている可能性がある
⛔ 脅威 少子化による教育事業の競争激化
金利上昇による借入コスト増加
収益源の主力事業には構造的な課題があり、金融市場の変動に敏感である

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
高い収益性を重視する投資家 ROEが極めて高く、効率的な経営で企業価値を高めています
安定志向のバリュー投資家 PERが業界平均より低く、株価の変動が穏やかである傾向です

この銘柄を検討する際の注意点

  • 財務健全性への注視: 自己資本比率の低さと有利子負債の多さは、金利上昇局面でリスクとなり得るため、今後の改善動向を継続的に確認すべきです。
  • 純利益の変動性: 2026年2月期は特別利益で純利益が急増しましたが、特別要因の影響を除いた本業の利益成長を評価する必要があります。
  • 低い流動性: 出来高が少なく、信用買残が信用売残を大幅に上回ることから、投資資金の回収に時間がかかる可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
自己資本比率 18.4% 25%以上への回復 財務基盤の安定性向上を示すため
D/Eレシオ 2.56倍 2.0倍以下への改善 負債削減による財務健全化を確認するため
営業利益率 8.77% 10%以上への改善 本業の稼ぐ力の向上を示すため

企業情報

銘柄コード 4645
企業名 市進ホールディングス
URL http://www.ichishin.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 426円
EPS(1株利益) 44.15円
年間配当 2.35円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.6% 11.1倍 1,149円 22.4%
標準 14.3% 9.7倍 831円 14.8%
悲観 8.6% 8.2倍 547円 5.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 426円

目標年率 理論株価 判定
15% 422円 △ 1%割高
10% 527円 ○ 19%割安
5% 665円 ○ 36%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
9778 5,510 38 29.40 0.90 3.5 2.17
京進 4735 326 27 13.69 0.64 5.1 2.39
秀英予備校 4678 322 21 10.80 0.48 4.4 3.10

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.57)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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