企業の一言説明
東京都競馬は、大井競馬場や伊勢崎オートレース場といった公営競技施設の賃貸を主力事業とし、遊園地事業(東京サマーランド)や不動産賃貸(倉庫、商業施設)も展開する多角的な企業です。
総合判定
堅実な収益基盤を持つ成熟企業だが成長鈍化が課題
投資判断のための3つのキーポイント
- 安定した公営競技施設賃貸と高収益性の財務体質が魅力。
- 積極的な株主還元姿勢(増配予想、自社株消却)が評価できる。
- 遊園地事業や既存事業の多角化による成長戦略の進捗が今後の鍵。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 売上高成長率は堅実だが伸びは緩やか |
| 収益性 | S | 営業利益率とROEが非常に高い水準 |
| 財務健全性 | S | 自己資本比率が高くF-Scoreも優良 |
| バリュエーション | S | PER・PBRが業界平均より割安水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 5,620円 | – |
| PER | 13.56倍 | 業界平均17.0倍 |
| PBR | 1.54倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 2.60% | – |
| ROE | 11.26% | – |
1. 企業概要
東京都競馬は、主に大井競馬場や伊勢崎オートレース場の施設を賃貸する公営競技事業を中核としています。その他、アミューズメント施設「東京サマーランド」の運営、倉庫や商業施設の賃貸、IT投票システムの提供、建設管理サービスも手掛ける多角経営企業です。安定した施設賃貸収益を基盤とし、IT投票システムの拡大にも注力しています。
2. 業界ポジション
公営競技施設賃貸という独自のニッチ市場において、大井競馬場という国内有数の施設を保有する強固なポジションを確立しています。直接的な競合は少ないものの、総合的なレジャー・エンターテイメント市場においては、他のテーマパークやアミューズメント施設と競合します。安定した賃料収入が強みですが、事業の多様化における競争力強化が課題です。
3. 経営戦略
東京都競馬は2025年12月期に売上高417億円、営業利益154億円を達成し、2026年12月期は売上高425億円(前期比+2.0%)、営業利益158億円(前期比+2.7%)と堅実な成長を見込んでいます。2026年1月には68万株の自己株式を消却し、株主還元の強化を図りました。2026年3月には代表取締役社長の交代も控えており、新たな経営体制の下で安定成長と収益性の維持を目指します。また、2026年6月29日には配当の権利落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
当銘柄の財務品質をPiotroski F-Scoreで評価します。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 優良 |
| 収益性 | 3/3 | 純利益が黒字、営業キャッシュフローがプラス、資産を効率的に活用し利益を生み出しているため |
| 財務健全性 | 2/3 | 負債比率が低く株式もほぼ希薄化していないが、短期的な支払能力にやや改善余地があるため(流動比率が1.5を下回る) |
| 効率性 | 3/3 | 高い営業利益率とROEを維持し、売上も堅実に成長しているため |
【収益性】
過去12ヶ月の営業利益率は34.08%と非常に高く、収益力の優れた企業です。ROEは11.26%で、株主資本を効率的に活用して利益を生み出しており、一般的な目安とされる10%を上回っています。ROAも7.76%と、総資産に対する利益貢献度も良好です。
【財務健全性】
自己資本比率は75.3%と非常に高く、強固な財務基盤を有しています。流動比率は1.30倍で、短期的な負債の支払い能力は一般的ですが、F-Scoreの基準である1.5倍にはわずかに届いていません。
【キャッシュフロー】
当社のキャッシュフローは以下の通りです。
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF |
|---|---|---|---|---|
| 2023.12 | 128億円 | -87億円 | -83億円 | 41億円 |
| 2024.12 | 161億円 | -86億円 | -54億円 | 75億円 |
| 2025.12 | 199億円 | -128億円 | -87億円 | 71億円 |
過去3期にわたり営業キャッシュフローは順調に増加しており、本業で安定して現金を稼ぎ出しています。投資活動によるキャッシュフローは継続的な設備投資を反映してマイナスですが、フリーキャッシュフローは安定してプラス圏を維持しており、事業からの現預金創出能力は高いと言えます。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は1.90倍であり、営業活動によって生み出されるキャッシュフローが純利益を大幅に上回っています。これは、利益の質が非常に高く、会計上の利益が実質的な現金の裏付けを伴っている健全な状態を示しています。
【四半期進捗】
2025年12月期の売上高は417億円、営業利益は154億円でした。2026年12月期の通期予想では、売上高425億円(前期比+2.0%)、営業利益158億円(前期比+2.7%)と堅調な増収増益を見込んでおり、着実な進捗が期待されます。
【バリュエーション】
当社のPERは13.56倍であり、業界平均の17.0倍と比較して割安な水準にあります。PBRも1.54倍で、業界平均の1.8倍より低く、純資産に対して株価が過小評価されている可能性があります。これらの指標から、バリュエーションは良好と判断できます。
【テクニカルシグナル】
以下の表が示すように、テクニカル指標は中立からやや弱気を示唆しています。
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -17.68 / シグナル値: 5.73 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 41.4% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.85% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -2.65% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -1.05% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +2.52% | 長期トレンドからの乖離 |
RSIが41.4%であるため、買われすぎでも売られすぎでもない中立な状態です。MACDも中立を示しており、明確なトレンドは確認できません。
【テクニカル】
現在の株価5,620円は、52週高値6,080円と安値4,165円の中間より高値圏である76.9%に位置しています。移動平均線を見ると、5日、25日、75日の短期・中期移動平均線を下回っており、直近はやや下落圧力がかかっている状態ですが、200日移動平均線上には位置しており、長期的な底堅さは保たれています。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -1.23% | +15.48% | -16.71%pt |
| 3ヶ月 | +0.72% | +13.30% | -12.58%pt |
| 6ヶ月 | -1.75% | +21.50% | -23.25%pt |
| 1年 | +33.65% | +76.64% | -42.99%pt |
過去1年では株価が大きく上昇したものの、日経平均の上昇率には及ばず、市場全体をアンダーパフォームしています。特に直近数ヶ月は日経平均の大幅上昇に対し、当銘柄は軟調な動きとなっています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率3.86倍、将来の売り圧力に注意。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.28 | ◎良好 | 市場平均より値動きが大きいか小さいか |
| 年間ボラティリティ | 24.01% | ○普通 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -84.51% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.29 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.41 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.11 | ▲注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.49 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.24 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
この銘柄はベータ値0.28と非常に低く、市場全体(日経平均など)の値動きに対して穏やかな特性を持つ非連動型銘柄と言えます。年間ボラティリティは24.01%と普通レベルですが、過去に-84.51%という非常に大きな下落(最大ドローダウン)を経験しており、その回復には長い期間を要した経緯があります。市場との相関は0.49と良好な範囲ですが、シャープレシオやカルマーレシオが低く、リスクに見合うリターンを効率的に生み出せていない可能性も指摘されます。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±36万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 公営競技の人気変動: 競馬・オートレースの人気低下や参加者減少は、施設賃料収入に直接影響を与える可能性があります。
- レジャー需要の変化: 東京サマーランドの運営など遊園地事業は、競合環境の変化や消費者のレジャー嗜好の変化、天候によって収益が変動しやすいです。
- 不動産市況の変動: 倉庫や商業施設の賃貸事業は、不動産市場の景気動向や金利上昇の影響を受ける可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残は56,000株に対し、信用売残は14,500株で、信用倍率は3.86倍となっています。これは買い残が売り残よりも多く、将来的な売り圧力となる可能性を秘めています。
- 主要株主構成:
- 東京都 (27.78%)
- 特別区競馬組合 (12.78%)
- 自社(自己株口) (9.48%)
8. 株主還元
当社の予想配当利回りは2.60%で、配当性向は2025年12月期が30.1%と健全な水準にあります。2026年12月期には年間配当146円(中間60円、期末86円)を予定しており、配当性向は35.2%に増加する見込みで、積極的な株主還元姿勢が伺えます。2026年1月には68万株の自己株式消却も実施しており、資本効率の向上にも力を入れています。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 公営競技施設賃貸による安定収益 高い自己資本比率と収益性 |
安定的なキャッシュフローと配当が期待できる |
| ⚠️ 弱み | 遊園地事業の収益性低迷 市場連動性が低く、個別要因での株価変動 |
多角化事業の成長が全体業績の足を引っ張る恐れがある |
| 🌱 機会 | IT投票システムのさらなる拡大 インバウンド観光需要回復 |
成長ドライバーとしてのデジタル化推進に期待できる |
| ⛔ 脅威 | ギャンブル依存症対策強化による規制 レジャー嗜好の多様化と競合激化 |
政策変更や市場トレンドの変化が事業収益に影響する可能性がある |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定配当を求める長期投資家 | 堅固な財務基盤と増配予想で安定したインカムゲインが期待できる |
| ディフェンシブ株を好む投資家 | 低ベータ値と独自の事業で市場変動の影響を受けにくい |
この銘柄を検討する際の注意点
- 公営競技の動向: 収益の大部分を占める公営競技事業の顧客動向や法規制の変更は業績に大きな影響を与えるため注視が必要です。
- 遊園地事業の立て直し: 遊園地事業の売上・利益が低迷しているため、抜本的な改善策とその進捗が株価評価に影響を与える可能性があります。
- 成長鈍化リスク: 堅実な成長を維持しているものの、爆発的な成長は見込みにくい事業特性があり、キャピタルゲインを追求する場合には物足りないかもしれません。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 34.08% | 35%以上への上昇 | 収益性の持続性を測る指標 |
| 遊園地事業利益 | 475百万円 | 500百万円以上への回復 | 多角化事業の改善動向を示す |
| 自己資本比率 | 75.3% | 70%を下回る場合 | 財務健全性の変化を確認する |
企業情報
| 銘柄コード | 9672 |
| 企業名 | 東京都競馬 |
| URL | http://www.tokyotokeiba.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 5,620円 |
| EPS(1株利益) | 414.48円 |
| 年間配当 | 2.60円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.2% | 15.6倍 | 9,143円 | 10.3% |
| 標準 | 5.5% | 13.6倍 | 7,355円 | 5.6% |
| 悲観 | 3.3% | 11.5倍 | 5,624円 | 0.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 5,620円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 3,664円 | △ 53%割高 |
| 10% | 4,576円 | △ 23%割高 |
| 5% | 5,775円 | ○ 3%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オリエンタルランド | 4661 | 2,434 | 43,831 | 35.28 | 3.71 | 12.7 | 0.57 |
| ラウンドワン | 4680 | 881 | 2,550 | 14.31 | 2.99 | 24.7 | 2.04 |
| GENDA | 9166 | 560 | 1,051 | 17.50 | 1.58 | 9.1 | 1.42 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.57)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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