企業の一言説明

オークマはNC(数値制御)装置を自社開発・内製化する技術を特色とする、老舗の工作機械メーカーです。マシニングセンタにおいて首位級のシェアを誇り、複合加工機なども手掛けるグローバル企業です。

総合判定

堅実な財務基盤を持つが、現在の収益性と割高なバリュエーションには注意が必要な、構造改革の過渡期にある銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • NC内製技術とグローバル展開による強固な事業基盤が強み。
  • 自己資本比率76.3%と流動比率3.64倍という極めて高い財務健全性を誇る。
  • 直近の収益性は一時的に低下しており、PERは業界平均を大幅に上回るため、現在の株価には割高感が見られる。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 D 売上・EPSともに直近減少傾向にあるため
収益性 C ROE・営業利益率ともにベンチマークを下回るため
財務健全性 S 自己資本比率・流動比率が極めて高くF-Scoreも良好なため
バリュエーション C PERが業界平均より大幅に割高な水準にあるため

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4450.0円
PER 26.93倍 業界平均16.6倍
PBR 1.12倍 業界平均1.4倍
配当利回り 2.25%
ROE 4.21%

1. 企業概要

オークマは1898年創業の老舗工作機械メーカーで、高精度なNC(数値制御)工作機械を製造・販売しています。NC装置の自社開発が特徴で、マシニングセンタやCNC旋盤、複合加工機などを主力製品としています。自動車、半導体、航空機、医療機器など幅広い産業にソリューションを提供し、国内外で事業を展開するグローバル企業です。

2. 業界ポジション

工作機械業界において、オークマはマシニングセンタで首位級の地位を確立しています。NC装置を内製する数少ないメーカーであり、この技術的独自性が高精度・高機能な製品開発を可能にし、同業他社に対する強固な参入障壁となっています。グローバルに販売網を持ち、特に米国や欧州市場にも強い存在感を示しています。

3. 経営戦略

オークマは高付加価値製品への転換とグローバル市場でのシェア拡大を追求しています。2026年1月23日には江南工場エンジニアリングセンターなどの設備投資のため、150億円のタームローンを借入れたと開示しており、将来の生産性向上と技術力強化を図る姿勢が見られます。今後の2026年3月期決算発表(2026年5月12日予定)で、これらの投資戦略の進捗と具体的な成果に注目が集まります。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益とROAがプラス
財務健全性 3/3 流動比率・D/Eレシオが優良で株式希薄化なし
効率性 0/3 営業利益率・ROE・四半期売上成長率が基準未達

Piotroski F-Scoreは5/9点で「良好」と判定されます。特に「財務健全性」は3/3点と満点で、極めて安定した財務基盤を示しています。一方で「収益性」は、提供データに営業キャッシュフローの情報がないものの、純利益とROAがプラスであることから評価はされています。「効率性」は0/3点と課題が大きく、営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも基準を下回っているため、効率的な利益創出と収益性の改善が急務であることが示唆されます。

【収益性】

オークマの過去12ヶ月の営業利益率は7.15%、ROE(実績)は4.21%、ROA(過去12ヶ月)は3.06%です。一般的な目安とされるROE10%やROA5%と比較すると、現状の収益性はやや低調であり、資本を効率的に活用して利益を生み出す力には改善の余地があると言えるでしょう。これは特に「効率性」のF-Scoreが0点であったことと整合します。

【財務健全性】

自己資本比率(実績)は76.3%と極めて高く、また流動比率(直近四半期)は3.64倍(364%)と、短期的な支払い能力も非常に優れています。これは、外部負債への依存度が低く、手元資金が潤沢であることを示しており、突発的な経済変動や事業環境の変化に対しても非常に強い耐性を持つ、極めて健全な財務体質であると言えます。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF (百万円) 営業CF (百万円) 投資CF (百万円) 財務CF (百万円) 現金等残高 (百万円)
2023.03 9,533 16,061 -6,528 -7,616 64,696
2024.03 -7,328 5,251 -12,579 -10,727 49,242
2025.03 2,545 17,802 -15,257 -3,498 48,276

営業キャッシュフローは2024年3月期に一時的に減少したものの、2025年3月期には178億2百万円と大幅に回復しており、本業で安定して現金を稼ぎ出す力は健在です。投資キャッシュフローは継続して大規模なマイナスとなっており、設備投資に積極的であることが伺えます。フリーキャッシュフローは2025年3月期は25億45百万円のプラスを確保しており、投資を賄いつつも余剰資金を生み出しています。

【利益の質】

過去12ヶ月の営業キャッシュフロー(178億2百万円)と純利益(106億3百万)を比較すると、営業CF対純利益比率は約1.68倍となります。これは1.0倍を大きく上回る水準であり、会計上の利益が実際のキャッシュフローを伴っていることを示唆しているため、非常に健全な利益であると評価できます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の売上高は前年同期比+11.8%の1,665億8百万円、営業利益は同+3.1%の104億41百万円と増収増益を達成しました。通期予想(変更なし)に対する進捗率は、売上高75.7%、営業利益74.6%、当期純利益85.4%と概ね順調に進捗しており、通期予想達成に向けて着実に推移していると見られます。

【バリュエーション】

オークマのPER(会社予想)は26.93倍、PBR(実績)は1.12倍です。業界平均PERが16.6倍であることと比較すると、PERは市場全体や同業他社と比較してかなり割高な水準にあります。これは、現在の利益水準に対して株価が期待先行で買われている、あるいは投資家の成長期待が高いことを示唆しています。PBRは業界平均1.4倍を下回っており、純資産価値に比べては比較的適正な評価を受けていると言えるでしょう。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
5日線乖離率 +4.53% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +10.50% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +8.92% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +17.42% 長期トレンドからの乖離

MACDシグナル、RSI状況はともに「中立」を示しており、明確なトレンド転換シグナルは出ていません。しかし、全ての移動平均乖離率がプラスを示していることから、株価は短期・中期・長期の全ての移動平均線を上回っており、上昇基調にあることを示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価4,450円は、52週高値4,690円に比較的近く、52週レンジ内では86.0%の位置にあります。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回って推移しており、短期から長期にわたって強気なトレンドが形成されています。直近の株価は上昇トレンドにあると言えるでしょう。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +27.69% +15.48% +12.21%pt
3ヶ月 +16.64% +13.30% +3.35%pt
6ヶ月 +25.00% +21.50% +3.50%pt
1年 +45.90% +76.64% -30.74%pt

オークマの株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の期間において、日経平均株価を大きく上回るパフォーマンスを示しています。特に1ヶ月では12.21%ptもの差をつけて市場をアウトパフォームしており、強い買い圧力が伺えます。一方で、この1年間の長期では日経平均の上昇には及ばなかったものの、TOPIX対比ではアウトパフォームしており、市場全体と比較しても相対的に堅調な値動きを見せています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率5.29倍、将来の売り圧力に注意。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.58 ◎良好 市場平均より値動きは穏やか
年間ボラティリティ 37.91% △やや注意 1年間で価格変動が大きい傾向
最大ドローダウン -86.64% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.18 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られていない側面

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.40 △やや注意 下落リスクだけで見たリターン効率は改善余地あり
カルマーレシオ 0.16 ▲注意 最大下落からの回復力は低い

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.32 ◎良好 日経平均と連動性は低い
0.10 値動きのうち市場要因で説明できる割合は小さい

【ポイント解説】

オークマの株価はベータ値0.58と市場平均に比べて穏やかな値動きをする傾向がありますが、年間ボラティリティは37.91%とやや高く、短期的な価格変動が大きい点には注意が必要です。定量リスク分析から、過去には最大-86.64%という極めて大きな下落(最大ドローダウン)を経験しており、その下落から現時点ではまだ完全に回復しておらず(回復所要日数: 未回復)、もし同程度の下落が今後起こった場合、元値に戻るためには648.3%もの大幅な上昇が必要となる点には警戒が必要です。シャープレシオやカルマーレシオも低い水準にあり、過去のリスク対リターン効率は良くないことが示唆されます。

【投資シミュレーション】

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±50万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 景気変動の影響: 工作機械の需要は設備投資に直結するため、世界経済の景気後退期には受注が減少し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替変動リスク: グローバル展開が広いため、特に円高に振れた場合には、海外売上高の円換算額が減少し、収益が悪化するリスクがあります。
  • 技術革新と競争激化: AIやIoTを活用したスマートファクトリー化の進展に伴い、技術革新のスピードが速まっており、競争力を維持するための継続的な研究開発投資が不可欠です。

7. 市場センチメント

信用倍率は5.29倍と、信用買い残が信用売り残を大きく上回る状況です。これは、株価が上昇するとの期待から買いが多く入っていることを示唆しますが、一方で、将来的にこれらの買い残が売りに出されることで、株価の上値が重くなる、あるいは下落する際の売り圧力となる可能性も潜在しています。主要株主は、日本マスタートラスト信託銀行(16.34%)、自社(自己株口)(10.36%)、日本カストディ銀行(10.07%)などが占めており、機関投資家やインサイダーによる安定的な保有が進んでいます。

8. 株主還元

オークマの配当利回り(会社予想)は2.25%、配当性向は63.1%です。直近の配当性向はやや高い水準にありますが、利益を超える配当ではありません。同社は、継続的な配当を行う方針を示しており、堅実な株主還元策であると言えるでしょう。2026年3月期の年間配当は100円を予定しており、株主への還元姿勢は維持されています。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み NC内製による技術的優位性
極めて高い財務健全性
競争優位性と事業安定性を長期的に支える
⚠️ 弱み 直近の収益性低下
バリュエーションの割高感
業績回復が期待値に達しないと株価下落リスクがある
🌱 機会 半導体・EV分野における高精度加工需要
M&A等を通じた新規事業・技術領域拡大
新たな成長ドライバーとなる可能性を秘めている
⛔ 脅威 世界経済の減速と設備投資抑制
為替変動、原材料価格の高騰
外部環境の変化が業績に直接的な影響を与える

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
安定した財務基盤を重視する長期投資家 高い自己資本比率と潤沢な手元資金でリスク耐性が高い
高い技術力による成長期待に投資する投資家 工作機械の核となるNC技術を内製し差別化している

この銘柄を検討する際の注意点

  • 景気変動の影響: 工作機械業界は景気変動に敏感であり、世界経済の動向が業績に影響を与えることを認識すべきです。
  • バリュエーションの割高感: PERが業界平均より大幅に高いため、今後の業績や成長期待が株価に織り込まれている可能性があり、目標株価との乖離に注意が必要です。
  • 収益性の回復遅延: 低調なROEと営業利益率の改善が遅れる場合、投資家の評価が下がり、株価が調整されるリスクがあります。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 7.15% 10%以上への回復 収益改善の明確な兆候となる
新規受注高 データなし 前年同期比10%以上の増加 将来の売上成長を予測する指標
為替レート 円安方向への推移 輸出比率が高く業績への影響大

企業情報

銘柄コード 6103
企業名 オークマ
URL https://www.okuma.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,450円
EPS(1株利益) 165.27円
年間配当 2.25円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 29.2倍 4,824円 1.7%
標準 0.0% 25.4倍 4,195円 -1.1%
悲観 1.0% 21.6倍 3,747円 -3.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,450円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,091円 △ 113%割高
10% 2,612円 △ 70%割高
5% 3,295円 △ 35%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ジェイテクト 6473 1,809 5,765 57.62 0.74 3.2 3.31
DMG森精機 6141 2,888 4,111 39.13 1.18 3.0 3.63
牧野フライス製作所 6135 11,800 2,937 15.14 1.09 8.5 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.59)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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