企業の一言説明

東亜建設工業は海洋土木に強みを持つ総合建設業を展開する業界大手の企業です。

総合判定

成長性高いがPBRは割高な構造改革過渡期企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 海洋土木に強みを持つ安定した事業基盤と、海外事業の高い成長性:国内土木・建築に加え、海外事業が売上・利益を牽引。
  • 高い収益性を示すROEと利益率改善の兆し:ROEは高水準を維持し、通期業績の上方修正も見られる。
  • 市場平均を上回るPBRによる割高感と、信用倍率の高止まり:バリュエーションに割高感があり、将来的な売り圧力が懸念される。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 S 売上高・利益の堅調な伸び。
収益性 A ROEは良好だが営業利益率に改善余地。
財務健全性 A Piotroski F-Scoreは良好。
バリュエーション C PERは適正だがPBRは割高。

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,805.0円
PER 12.32倍 業界平均14.0倍
PBR 1.99倍 業界平均1.1倍
配当利回り 3.28%
ROE 14.75%

1. 企業概要

東亜建設工業は、1920年設立の旧浅野系海洋土木大手です。国内の港湾・空港建設などの海洋土木に加え、陸上土木や民間建築も手掛ける総合建設業を展開。海外ODA案件にも積極的で、多角的な収益モデルを確立しています。専門技術を要する海洋土木分野における高い参入障壁が強みです。

2. 業界ポジション

同社は、海洋土木分野で国内有数の実績を持つ大手企業であり、高い技術力と実績で業界内で強固な地位を築いています。総合建設業大手の一角として、特にインフラ整備需要において安定的な事業機会を確保。競合他社と比較しても、海洋土木に特化した専門性で優位性を保っています。

3. 経営戦略

2026年3月期第3四半期の決算短信では、通期売上高3,450億円、営業利益231億円への上方修正を発表しました。特に海外事業の利益が大きく伸長しています。経営陣は決算説明会を通じて、株主や投資家への事業理解促進と透明性確保を重視。3月30日に配当落ち日を控えています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性を9つの指標で評価するスコアリングシステムです。7-9点(S)=優良、5-6点(A)=良好、3-4点(B)=普通、1-2点(C)=やや懸念、0点(D)=要注意と評価されます。

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益が黒字でROAもプラス
財務健全性 2/3 負債比率は健全だが流動比率に課題
効率性 2/3 ROEは高水準も営業利益率に改善余地

解説: 東亜建設工業のPiotroski F-Scoreは6/9点と「良好」な水準です。収益性では純利益とROAがプラスを確保しており、利益創出能力が認められます。財務健全性では、負債比率は良好ですが流動比率が1.5倍を下回っており、短期支払能力に改善の余地があります。効率性では、ROEが10%を大きく上回る高水準にありますが、営業利益率が10%に僅かに届かないため、さらなる改善が期待されます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 9.42%
    • 業界平均と比較し、比較的良好な水準です。利益率改善に向けた取り組みが継続的に進められています。
  • ROE(過去12か月): 16.40%
    • 株主資本を効率的に活用し、高い利益を上げている優良な水準(ベンチマーク10%)。
  • ROA(過去12か月): 4.92%
    • 総資産に対する利益率は、ベンチマークの5%に迫る水準であり、資産活用効率は「普通」と評価されます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 35.6%
    • 中小企業庁の統計では製造業の平均が約38%であることから、建設業界としては標準的な水準です。
  • 流動比率(直近四半期): 1.41
    • 短期債務を弁済する能力を示す指標であり、一般的に200%(2倍)が望ましいとされる中でやや低い水準です。

【キャッシュフロー】

決算期 営業CF(百万円) フリーCF(百万円) 現金等残高(百万円)
2023.03 -13,947 -16,525 28,278
2024.03 39,350 36,711 57,044
2025.03 -14,255 -14,162 41,583

解説: 営業キャッシュフローは年度によって大きく変動する傾向が見られます。2024年3月期は大幅なプラスでしたが、直近の2025年3月期はマイナスに転じています。フリーキャッシュフローも同様に変動が大きく、継続的なキャッシュ創出力には注意が必要です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 直近の2025年3月期は営業CFがマイナスであるため、利益の質には注意が必要です。しかし、2024年3月期は営業CFが純利益の3.74倍と非常に健全な水準でした。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計では、通期売上高予想に対して74.4%、営業利益予想に対して85.7%、純利益予想に対して80.3%と、利益面で特に好調な進捗を見せています。通期予想の上方修正も発表されており、好調な業績が期待されます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 12.32倍
    • 業界平均PER14.0倍と比較して低く、利益面から見るとやや割安な水準にあります。
  • PBR(実績): 1.99倍
    • 業界平均PBR1.1倍を大きく上回っており、純資産に対して株価が割高に評価されている可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
RSI 中立 40.4% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.48% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -7.03% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -17.68% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +3.34% 長期トレンドからの乖離

解説: RSIは中立水準ですが、全ての短期および中期移動平均線を下回る状況です。

【テクニカル】

現在の株価2,805.0円は、52週高値4,680.00円から大きく下落し、52週安値1,375.00円との間の44.4%の位置にあります。短中期的な移動平均線(5日、25日、75日)は株価の上に位置しており、株価は下降トレンドにあることを示唆しています。しかし、長期的な200日移動平均線上には位置しており、長期的な基盤は維持されています。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -13.55% +10.74% -24.29%pt
3ヶ月 -11.23% +11.53% -22.76%pt
6ヶ月 +19.19% +22.35% -3.16%pt
1年 +110.63% +71.36% +39.27%pt

総括: 直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月では日経平均を下回るパフォーマンスですが、過去1年間では日経平均を39.27%ポイント大きく上回る成績を上げています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が15.62倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
年間ボラティリティ 43.56% △やや注意 1年間で価格変動が大きい可能性があります
最大ドローダウン -79.82% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.91 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られていない可能性

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.52 △やや注意 下落リスクだけで見たリターン効率に課題
カルマーレシオ 0.19 ▲注意 最大下落からの回復力に懸念

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.44 ◎良好 日経平均と中程度に連動する傾向
0.19 値動きのうち市場要因で説明できる割合

ポイント解説: 東亜建設工業の株価は年間ボラティリティが43.56%とやや高く、値動きが比較的激しい特性があります。過去の最大ドローダウンは-79.82%を記録しており、過去に非常に大きな下落を経験しています。市場連動性は0.44と中程度で、ある程度市場全体の動きに影響を受けつつも、独自の要因で変動する側面も持ち合わせています。現在のボラティリティ水準は過去1年で「通常」の範囲(上位56%)にあります。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±43万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 資機材価格の高騰: 建設プロジェクトの原価上昇により、利益率が圧迫される可能性があります。
  • 労務費の上昇: 人件費の増加が利益に影響を与え、収益性を低下させる要因となり得ます。
  • 海外事業における地政学的リスク: ODA案件や海外展開が多いことから、各国の政治経済情勢や通商政策の変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が915,100株、信用売残が58,600株であり、信用倍率は15.62倍と高水準です。これは、将来的な売り圧力が存在する可能性を示唆しており、株価の上昇を抑制する要因となる可能性があります。
  • 主要株主構成:
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)
    • 自社(自己株口)
    • 太平洋セメント

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.28%
    • 市場平均と比較しても魅力的な水準にあります。
  • 配当性向(2026年3月期予想): 40.4%
    • 利益を安定的に配当に回す健全な水準です(30-50%が一般的)。
  • 自社株買いの状況: データなし

【配当持続可能性】

配当性向は40.4%と健全な範囲内であり、現在の利益水準であれば配当の持続可能性は高いと考えられます。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 海洋土木における高い専門性と実績
海外事業が牽引する成長性
安定的な受注と高収益化への期待
⚠️ 弱み 原料価格・労務費上昇による利益率圧迫
直近のキャッシュフローの不安定さ
コスト管理が業績の鍵となる
資金繰り動向を注視すべき
🌱 機会 国内外のインフラ投資需要の拡大
M&A等による事業領域の拡大
大型案件獲得で業績上振れの可能性
シナジー創出で成長加速
⛔ 脅威 信用倍率の高さによる売り圧力
国際情勢や為替変動リスク
潜在的な株価調整リスクに注意
海外事業リスクの監視が必要

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
成長性と配当利回りを重視する投資家 堅調な利益成長と安定した配当が評価できるから。
建設・インフラ業界に注目する投資家 海洋土木という専門性で安定した需要が見込めるから。

この銘柄を検討する際の注意点

  • PBRの割高感: 業界平均を大きく上回るPBRは、株価の調整リスクを考慮すべきです。
  • 信用倍率の高止まり: 信用買い残が多い状況は、将来的な売り圧力を生み、株価の上昇を抑制する可能性があります。
  • キャッシュフローの変動性: 営業キャッシュフローが年度により大きく変動するため、継続的な資金創出能力を注視すべきです。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 9.42% 10%以上への回復 収益性改善を示唆
信用倍率 15.62倍 10倍以下への改善 売り圧力の低下を確認
海外事業利益 4,978百万円 前年比+10%以上 成長ドライバーの持続性

企業情報

銘柄コード 1885
企業名 東亜建設工業
URL http://www.toa-const.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,805円
EPS(1株利益) 227.75円
年間配当 3.28円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 19.6% 14.2倍 7,894円 23.1%
標準 15.1% 12.3倍 5,661円 15.2%
悲観 9.0% 10.5倍 3,677円 5.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,805円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,827円 ○ 1%割安
10% 3,531円 ○ 21%割安
5% 4,456円 ○ 37%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
五洋建設 1893 1,760 5,033 15.72 2.59 18.5 2.50
第一建設工業 1799 3,745 781 14.73 0.90 7.3 3.47
若築建設 1888 3,625 469 11.46 0.92 8.4 3.64

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.65)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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