企業の一言説明

青山商事は、紳士服専門店の最大手であり、主力のアパレル事業に加え、カード事業やリペア、フランチャイジー、不動産など多角的な収益の柱を持つ小売企業です。

総合判定

割安な成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 業界トップのブランド力と多様なセグメント(カード・リペア等)による安定した収益基盤。
  • PBR 0.57倍という極めて低い市場評価と、伝統的な配当志向を持つバリュエーション。
  • 2027年3月期における実質減配リスクと、高い信用倍率による短期的な需給の重さ。

銘柄スコアカード

観点 評価 判定根拠
収益力 B ROE等は低水準だが利益率は一定水準を維持
安全性 A 自己資本比率は健全で流動性は高い
成長性 C 売上のCAGRは低調で成長鈍化傾向
株主還元 A 配当利回りは高いが性向が高く持続性に留意
割安度 S PBR 0.57倍と資産面から見て割安水準
利益の質 A 営業キャッシュフローは利益を上回り健全

総合: A

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 713.0円
PER 13.34倍 業界平均21.3倍
PBR 0.57倍 業界平均1.8倍
配当利回り 5.32%
ROE 3.90%

企業概要

青山商事は1964年に設立され、紳士服業界における不動の最大手として全国に事業を展開しています。看板である「洋服の青山」を中核とし、近年はビジネスウェアのみならず、靴修理のミスターミニットや飲食フランチャイズ、不動産開発など、非アパレル分野への投資を加速させることで収益を多角化しています。これにより、景気変動の影響を受けやすい衣料品販売の依存度を抑制し、収益の安定化を図る経営モデルを構築しています。

業界ポジション

国内紳士服市場では圧倒的な店舗網を誇り、郊外型店舗における高い認知度が競合に対する最大の強みです。一方、働き方の多様化やオフィスカジュアルの浸透という構造的な変化に対応するため、既存のスーツ中心モデルからの脱却に取り組んでいます。セレクトショップ展開や雑貨事業の強化により、若年層や非ビジネス層の顧客獲得を進めていますが、依然として消費サイクルの影響を受けやすいセクターに属しています。

競争優位性 (Moat)

観点 評価 根拠
ブランド・知名度 強い 長年のテレビCMと郊外店舗による圧倒的認知度
スイッチングコスト 中程度 ポイントカードとカード事業を通じた囲い込み
ネットワーク効果 中程度 全国規模の店舗網による物流効率とサービス連携
コスト優位 (規模の経済) 強い 大量調達による販売原価の抑制と全国物流網
規制・特許 判断材料不足

経営戦略

中期経営計画では、既存店のリブランディングと非アパレル事業による収益性の向上が鍵となっています。特にカード事業やリペア事業は、高い再来店頻度を通じて顧客との接点を長期化させる役割を果たしています。最近の動きでは、2026年3月末付けでの株式分割(1株→3株)を実施し、投資家の裾野拡大を図っています。今後のイベントとしては、8月上旬の決算発表が注目点であり、特に販売着数の回復有無や、今後の配当政策の詳細な方針が株価を左右する見込みです。

収益性

当期ROEは 3.90% とベンチマークの10%を下回っており、資本効率の改善が課題です。営業利益率は約 5.6% を確保しており、低迷する売上環境でも一定の稼ぐ力を維持しています。

財務健全性

自己資本比率は 57.9% と強固な水準であり、倒産リスクは極めて低いと言えます。流動比率も 3.14倍 と余裕があり、短期借入金に対する返済能力も万全です。

キャッシュフロー

期間 営業CF FCF
直近 99億円 12億円

(単位: 億円)
営業活動によるキャッシュフローは安定しており、本業で現金を創出できる体制です。フリーキャッシュフローがプラスを維持している点は評価できますが、投資額の拡大に伴う変動には注意が必要です。

利益の質

営業CF/純利益比率は 1.44 であり、会計上の利益よりも多くの現金を獲得できており、極めて質が高い状態です。

四半期進捗

売上高は前年同期比 ▲3.5% 、営業利益は ▲15.8% となっています。販管費のコントロールは一定の成果を出していますが、トップラインの伸長が今後の業績浮上の鍵となるでしょう。

バリュエーション

PERは 13.34倍 、PBRは 0.57倍 です。業界平均を大きく下回るPBRは、強固な資産基盤に対する市場評価の低さを反映しており、依然として割安な水準にあります。

テクニカル分析

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 ▲30.73/▲22.83 トレンド方向が定まらない中立状態
RSI 売られすぎ 30.7 過熱感なく底値圏を示唆
5日線乖離率 +1.34% 短期的な調整から落ち着いた動き
25日線乖離率 -9.29% トレンドからの乖離による修正期待
75日線乖離率 -14.22% 中期的な売られすぎを示唆
200日線乖離率 -12.71% 長期下落トレンドの範疇

現在の株価は各移動平均線を下回る位置にあり、上値の重い展開が続いています。52週高値から大きく乖離し、安値水準に近いことから、下値支持ラインの再確認が必要です。

市場比較

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 ▲14.10% +7.63% ▲21.73%pt
3ヶ月 ▲21.01% +7.90% ▲28.91%pt
6ヶ月 ▲7.84% +21.12% ▲28.96%pt
1年 +4.24% +66.84% ▲62.60%pt

日経平均と比較して相対的なパフォーマンスは低迷しており、市場の強力な上昇局面に乗れていない状況です。

注意事項

⚠️ 信用倍率8.50倍、将来の売り圧力に注意

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 ▲0.30 ◎良好 市場平均に対して逆相関または鈍い動き
年間ボラティリティ 138.01% ▲注意 変動が激しくリスクが高い
最大ドローダウン ▲89.60% ▲注意 過去の価格変動リスクは非常に大きい
シャープレシオ 0.63 ○普通 リスクあたりのリターンは並み

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.22 ▲注意 下落リスクに対する効率は悪い
カルマーレシオ 0.06 ▲注意 最大下落幅からの回復力は限定的

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.38 ◎良好 市場全体との連動は低い(個別材料重視)
0.14 殆どが独自要因で動いている傾向

ポイント解説

この銘柄は非常に高いボラティリティを有しており、年間を通じて株価が激しく変動する傾向があります。市場との相関は低く、独自材料による反応が先行します。過去の最大ドローダウンが深いため、長期保有にはリスク管理が必要です。

投資シミュレーション

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±36万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3.0%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

事業リスク

  • ファッショントレンドの変化により、主力であるビジネスウェアの売上が急減するリスクがあります。
  • 原材料価格や物流費の高騰が営業利益率を圧迫する可能性があります。
  • 競合との価格競争激化により、収益性が低迷する懸念があります。

信用取引状況

信用倍率は8.50倍となっており、買残が売残を大きく上回る状態です。需給面では買いが重く、株価上昇時に「戻り売り」が入りやすい需給環境と言えます。

主要株主構成

株主名 保有割合
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 14.64%
(株)HK 7.58%
日本カストディ銀行(信託口) 7.11%

株主還元

配当利回りは 5.32% と高水準ですが、2027年3月期に向けた配当減少と配当性向の高さには留意が必要です。
【配当持続可能性】⚠️ 配当性向が高く、減配リスクに注意。利益水準の回復がなければ、現行の配当水準維持は困難になる可能性があります。

カタリスト整理

上昇要因 下落要因
短期 (〜3ヶ月) 株式分割による流動性向上と買い増し 配当減少への失望売りと信用買残の解消
中長期 (〜2 年) 不動産・カード事業の収益貢献拡大 ビジネスウェア市場の縮小継続と消費低迷

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 圧倒的店舗網
多角化ビジネス
収益の安定化に寄与
⚠️ 弱み 低ROE
高齢化する消費層
成長の鈍化を招く要因
🌱 機会 非アパレル成長
配当利回り
バリュー投資家の注目点
⛔ 脅威 オフィスカジュアル化
消費縮小
中長期の利益成長抑制

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
低PBR志向のバリュー投資家 現行の株価は資産価値に対して著しく過小評価であるため。
配当利回りを重視する投資家 減配リスクを許容できる範囲で高利回りであるため。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 配当方針の変更: 減配が現実化した場合、利回り目的の株主が離脱し株価が下落する可能性があります。
  • 需給の悪化: 信用倍率が高い現状では、株価が戻るたびに買残整理の売りが出る「上値の重さ」を意識する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 5.6% 7%以上への回復 本業の競争力回復を測るため
信用倍率 8.5倍 5倍以下への改善 受給環境の適正化を測るため

企業情報

銘柄コード 8219
企業名 青山商事
URL http://www.aoyama-syouji.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 713円
EPS(1株利益) 53.54円
年間配当 5.32円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 19.8% 15.3倍 2,027円 23.8%
標準 15.2% 13.3倍 1,451円 15.9%
悲観 9.1% 11.3倍 940円 6.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 713円

目標年率 理論株価 判定
15% 742円 ○ 4%割安
10% 927円 ○ 23%割安
5% 1,170円 ○ 39%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
AOKIホールディングス 8214 1,697 1,470 15.31 0.98 6.3 4.71
はるやまホールディングス 7416 683 112 56.44 0.47 0.8 2.26
コナカ 7494 232 81 7.45 0.44 6.6 4.31

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.2.6)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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