企業の一言説明
エム・エイチ・グループは美容室「mod's hair」を運営する、ヘアサロン事業を主軸とするサービス業の企業です。
総合判定
業績悪化と割高感が強い高リスク銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- 有名ブランド「mod's hair」を軸に多角化展開するサービス業企業だが、足元の業績は大幅に悪化し赤字に転落しています。
- 財務健全性に課題があり、営業キャッシュフローもマイナスとなるなど、事業運営における資金創出力に不安があります。
- 株価バリュエーションは極めて割高であり、足元の業績や財務状況からは正当化が難しい水準です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 売上高成長が低く利益も減少基調 |
| 収益性 | D | 赤字転落し低ROE・低営業利益率 |
| 財務健全性 | C | 自己資本比率が低く流動性も不安 |
| バリュエーション | D | PER・PBRが業界平均を大きく超過 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 246.0円 | – |
| PER | 189倍 | 業界平均15.0倍 |
| PBR | 5.48倍 | 業界平均1.2倍 |
| 配当利回り | 0.20% | – |
| ROE | -5.25% | – |
1. 企業概要
エム・エイチ・グループは美容室「mod's hair」の運営を主軸とし、ヘアメイクアーティストのマネジメント、プライベートブランド(PB)商品の開発・販売、美容室支援サービス、キャリアデザイン関連事業など多角的に展開しています。国内フランチャイズ展開に加え、中国・台湾への進出も行い、オンラインストアでの商品販売も手掛けています。
2. 業界ポジション
国内美容業界において「mod's hair」という高いブランド認知度を持つものの、美容室は参入障壁が比較的低く、競合が多数存在する飽和市場です。同社は直営とフランチャイズの組み合わせで展開していますが、市場シェアに関する具体的なデータは提供されていません。競合に対する強みはブランド力とPB製品開発、弱みは市場価格競争への対応力と収益性です。
3. 経営戦略
直近の決算短信では、2026年6月期第2四半期において売上高は前年同期比で微減、営業利益は大幅な減少を記録し、中間純損失を計上しました。しかし、同社は通期予想(売上高2,000,000千円、営業利益30,000千円、当期純利益15,000千円)を修正しておらず、下期での大幅な回復を見込んでいると推測されます。今後のイベントとして、2026年6月29日に配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
財務品質を評価するPiotroski F-Scoreは、収益性、財務健全性、効率性の3つの観点から総合的に評価します。エム・エイチ・グループのF-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 3/9 | B: 普通 |
| 収益性 | 0/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAいずれも基準満たさず |
| 財務健全性 | 2/3 | D/Eレシオ < 1.0、株式希薄化なし |
| 効率性 | 1/3 | 四半期売上成長率 > 0% |
総合スコアが「3/9 (B: 普通)」と評価されていますが、その内訳を見ると、収益性スコアが0点と非常に低い水準にあります。これは直近12ヶ月の純利益と営業キャッシュフローがいずれもマイナスであり、 ROAもマイナスであるためです。財務健全性はD/Eレシオの低さと株式希薄化の抑制により良好なポイントを得ていますが、流動比率は基準を満たしていません。効率性では四半期売上成長率がプラスではあるものの、営業利益率とROEが低いため、全体として企業が収益を生み出し、それを効率的に活用する能力に課題があることを示唆しています。
【収益性】
- 営業利益率: 過去12ヶ月で3.07%と低水準です。美容業界の競争環境も影響し、コスト管理に課題があることを示唆しています。
- ROE (自己資本利益率): 過去12ヶ月で-5.25%とマイナスであり、株主資本を適切に活用して利益を生み出せていない状況です。一般的に、ROEは10%以上が良好な目安とされます。
- ROA (総資産利益率): 過去12ヶ月で-0.71%とマイナスであり、会社の総資産を効率的に活用して利益を生み出せていない状況です。一般的にROAは5%以上が目安とされます。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 直近中間期で24.2%と、一般的に健全とされる30%以上の水準を下回っており、財務基盤の脆弱性を示しています。
- 流動比率: 直近四半期で1.25と、短期的な支払い能力の目安とされる150%以上を大きく下回っており、運転資金の安定性にやや不安があります。
【キャッシュフロー】
エム・エイチ・グループのキャッシュフロー状況は以下の通りです。
| 決算期(過去12ヶ月) | 値 |
|---|---|
| 営業CF | -1,700万円 |
| フリーCF | -1,262万円 |
直近12ヶ月の営業キャッシュフロー(営業CF)は-1,700万円とマイナスであり、本業での現金の創出力が不足していることを示しています。設備投資などを賄うためのフリーキャッシュフロー(FCF)も-1,262万円とマイナスで、事業活動から得られる現金流だけでは投資や債務返済を賄えない状況です。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は、営業キャッシュフローがマイナス、純利益もマイナスであるため、利益の質は極めて低い状態です。これは会計上の利益が現金として伴っていないことを意味し、支払い能力や事業継続性に対する懸念を示唆します(D: 要注意)。
【四半期進捗】
2026年6月期第2四半期決算短信によると、通期予想に対する売上高の進捗率は47.3%ですが、営業利益の進捗率はわずか0.9%に留まっています。これは、下半期に売上高・利益ともに大幅な改善がなければ、通期目標達成は非常に困難であることを強く示唆しており、業績の下方修正リスクが高いと考えられます。
【バリュエーション】
- PER (株価収益率): 189倍と、業界平均の15.0倍と比較して極めて高い水準にあり、大幅に割高と判断されます。これは足元の利益が極めて低い(過去12ヶ月では赤字)ため分母が非常に小さくなることで、形式的に高くなっている可能性も指摘できます。
- PBR (株価純資産倍率): 5.48倍と、業界平均の1.2倍と比較して著しく高く、純資産の価値から見ても大幅に割高と判断されます。目標株価(業種平均PBR基準)が54円とされており、現状の株価246円との間に大きな乖離が見られます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 5日線乖離率 | – | -1.28% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -1.55% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +4.40% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +9.37% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDシグナルとRSI状況はいずれも「中立」とされています。
【テクニカル】
現在の株価246.0円は、52週高値280.00円と52週安値204.00円のレンジ内で、中程度やや高めの57.5%位置にあります。短期的には5日移動平均線(249.20円)と25日移動平均線(249.88円)を下回っており、短期的な下落トレンドまたは調整局面にあることを示唆しています。一方で、75日移動平均線(235.63円)と200日移動平均線(224.91円)は上回っており、中期から長期のトレンドは依然として上昇基調を維持しています。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +2.93% | +11.40% | -8.47%pt |
| 3ヶ月 | +6.03% | +11.23% | -5.19%pt |
| 6ヶ月 | +11.82% | +25.50% | -13.68%pt |
| 1年 | +22.39% | +75.73% | -53.34%pt |
エム・エイチ・グループの株価は全ての期間で日経平均株価のパフォーマンスを大幅に下回っており、市場全体の強い上昇トレンドに乗れていないことが分かります。一方で、TOPIX比では1ヶ月と3ヶ月で上回っており、大型株が牽引する日経平均とは異なる値動きをしています。
【注意事項】
⚠️ 信用買残が172,400株ある一方で信用売残が0株のため信用倍率が0.00倍と表示されていますが、これは市場における売りヘッジが機能しにくい状況を示しており、将来の買い残の返済による売り圧力に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 35.23% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -30.28% | △やや注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.15 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.64 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.59 | ○普通 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.21 | ○普通 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.04 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
エム・エイチ・グループの株価は、年間ボラティリティが35.23%とやや高く、値動きの幅が比較的大きい特性があります。過去の最大ドローダウンは-30.28%に達しており、再び同様の下落が起こりうる点は留意すべきです。シャープレシオは-0.15とマイナスであり、リスクを取ったとしても十分なリターンが得られていないことを示唆しており、リスクに対するリターン効率は低いと言えます。市場相関係数が0.21と低く、R²も0.04であることから、日経平均のような市場全体の動向とはあまり連動せず、企業固有の要因で株価が動く傾向にある銘柄です。現在のボラティリティは通常水準にあります。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±37万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 業績悪化の継続: 直近の中間期決算で営業利益がほぼゼロとなり純損失を計上しており、通期目標達成が非常に困難であることから、今後の業績下振れリスクが大きいです。
- 競争激化と人材確保: 美容業界は競争が激しく、顧客獲得や優秀な美容師の確保、育成が常に課題となります。人件費高騰も収益を圧迫する可能性があります。
- 個人消費の低迷: 美容室やPB商品の売上は個人消費の動向に大きく左右されるため、景気後退や消費マインドの悪化が直接的なリスクとなります。
7. 市場センチメント
信用買残が172,400株で前週比+13,100株と増加傾向にある一方で、信用売残は0株です。そのため信用倍率は0.00倍となっています。これは、将来的に信用買いの返済売りが発生する可能性に対して、空売りによる下支えがないことを意味し、株価の調整局面では売り圧力が強まる懸念があります。主要株主は潤首有限公司(31.75%)、剣豪集団(16.33%)、青山洋一(5.64%)などが上位を占めており、特定株主の保有割合が高いのが特徴です。
8. 株主還元
エム・エイチ・グループの配当利回りは、年間配当予想0.50円に対し、現在株価246.0円で計算すると0.20%となります。過去12ヶ月の配当性向は222.22%と、利益を大幅に上回る配当を実施している状態です。
【配当持続可能性】
⚠️ 配当性向が222.22%と非常に高く、利益を超える配当を実施中。現水準の維持は困難な可能性があります。ただし、2026年6月期の通期予想純利益(15,000千円)で年間配当0.50円が実現すれば、予想EPS(約1.3円)に基づく配当性向は約38.5%と健全水準に改善する見込みですが、現状の業績(中間純損失)を考慮すると、その予測の実現可能性には疑問符がつきます。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 「mod's hair」の高いブランド認知度 PB商品の開発力と海外展開 |
ブランド力を活用し顧客基盤を維持・拡大 |
| ⚠️ 弱み | 直近の業績悪化と赤字転落 低い自己資本比率と流動比率 |
財務基盤の弱さから事業継続リスクを抱える |
| 🌱 機会 | 美容室支援サービスとヘアメイク事業の成長 オンライン販売チャネルの強化 |
成長事業への投資で収益構造の改善を目指す |
| ⛔ 脅威 | 激しい業界競争と人件費高騰 下半期の業績回復見込みの不確実性 |
利益圧迫要因を監視し業績修正の動向を注視 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 高いリスクを許容できる投資家 | 業績不振だが将来的な回復を期待する余地 |
| 中長期的な事業構造改善に期待する投資家 | 新規事業や海外展開が軌道に乗れば成長の可能性 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 業績の下振れリスク: 直近の営業利益進捗率が極めて低く、通期目標達成が困難なため、今後の業績修正に注意が必要です。
- 割高なバリュエーション: PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、現状の業績や財務状況からは株価の正当化が難しいことを理解すべきです。
- 財務基盤の脆弱性: 自己資本比率の低さやキャッシュフローのマイナスは、予期せぬ事態への対応力に懸念があるため、財務改善の動向を注視すべきです。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業利益進捗率 | 0.9% | 50%以上への回復 | 通期目標達成の可否を判断 |
| 自己資本比率 | 24.2% | 30%以上への改善 | 財務健全性の改善を示す |
| 営業キャッシュフロー | -1,700万円 | プラスへの転換 | 本業での資金創出力回復 |
企業情報
| 銘柄コード | 9439 |
| 企業名 | エム・エイチ・グループ |
| URL | http://mhgroup.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ビューティガレージ | 3180 | 1,543 | 196 | 19.48 | 2.41 | 13.2 | 1.03 |
| AB&Company | 9251 | 1,201 | 183 | 12.45 | 2.02 | 16.3 | 4.99 |
| 田谷 | 4679 | 261 | 19 | 96.66 | 2.43 | 4.8 | 0.00 |
関連情報
証券会社
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