企業の一言説明
エイチ・アイ・エスは格安航空券を主軸に海外・国内旅行を展開する、事業多角化を進める大手旅行代理店の企業です。
総合判定
回復途上ながら財務基盤に課題を抱える成長期待銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- コロナ禍からの旅行需要回復を背景に、売上高・営業利益はV字回復を継続し、成長期待が高い。
- ホテル事業や九州産交グループが好調で、多様な収益源が成長を牽引しています。
- 自己資本比率が低く、借入金が多いため、財務健全性の改善が急務であり、信用倍率の高さも懸念材料です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 売上は伸長も利益の安定成長は途上 |
| 収益性 | C | ROE・営業利益率ともに低水準のため |
| 財務健全性 | D | 自己資本比率が極めて低いため |
| バリュエーション | A | PER・PBRが業界平均より割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1046.0円 | – |
| PER | 8.69倍 | 業界平均17.0倍 |
| PBR | 1.30倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 2.39% | – |
| ROE | 8.78% | – |
1. 企業概要
エイチ・アイ・エスは、海外・国内旅行の企画・販売を手掛ける大手旅行代理店です。格安航空券に強みを持ち、ホテル事業や地域交通事業の九州産交グループも展開し、多様な収益モデルを構築しています。かつて主力だったハウステンボスは売却済みです。
2. 業界ポジション
旅行業界において、エイチ・アイ・エスは格安航空券や個人旅行分野で高い知名度と市場プレゼンスを誇っています。コロナ禍で厳しい時期を経験しましたが、現在は回復基調にあり、ホテル・地域交通事業での収益多角化を通じて競合との差別化を図り、市場での存在感を維持しています。
3. 経営戦略
2026年10月期の通期予想では増収増益を見込んでおり、旅行需要の回復を確実に捉える戦略を推進しています。特にホテル事業や地域事業での収益多角化を通じて、安定的な成長を目指す方針です。今後のイベントとして、2026年6月12日に次期決算発表、10月29日に配当落ち日を予定しています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 4/9 | B: 普通 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAはプラスだが営業CFはデータなし |
| 財務健全性 | 1/3 | 流動比率・D/E比率に課題、株式希薄化はなし |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率・ROEは基準未達、売上成長はプラス |
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性や収益力を9つの項目で評価する指標で、4/9点と「普通」判定です。収益性に関しては、純利益がプラスであり本業で利益を上げられている状態を示し、総資産に対する利益率であるROAもプラスで資産効率が見られます。しかし、営業キャッシュフローのデータが不足しているため、事業活動による現金の稼ぐ力を完全に評価することは難しい状況です。
財務健全性については、流動比率が0.83と低く、短期的な支払能力に課題があることを示唆しています。負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオも2.4562倍と高く、借入金への依存度が高い財務構造となっており、改善が必要です。一方で、株式の希薄化は回避されており、既存株主への配慮はうかがえます。
効率性に関しては、営業利益率が5.26%、ROE(株主資本利益率)が8.19%とともに、企業が効率的に利益を生み出すための一般的な目標水準には達していません。ただし、四半期の売上成長率はプラスを維持しており、事業は拡大傾向にあることが評価できます。
【収益性】
過去12か月の営業利益率は5.26%、ROE(株主資本利益率)は8.19%、ROA(総資産利益率)は1.85%です。営業利益率は一般的に見て低水準であり、ROEも東証の目安である10%を下回っています。これは、株主から預かった資本を効率的に利益に結びつけられていない可能性があります。ROAも低く、資産全体を効率的に活用して利益を生み出す力がまだ弱いことを示しています。
【財務健全性】
直近の自己資本比率は14.4%と非常に低い水準にあります。自己資本比率が低いと、企業の財務基盤が脆弱であり、外部環境の変化や不測の事態に弱い傾向があります。また、短期的な支払能力を示す流動比率は0.83であり、流動負債に対し流動資産が不足している状況です。これは、短期的な資金繰りに課題を抱える可能性があることを示唆しており、財務面での改善が急務と言えます。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 | 現金比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023.1 | -153億円 | 309億円 | -462億円 | -117億円 | 1108億円 | 25.14 |
| 2024.1 | 748億円 | 292億円 | 456億円 | -551億円 | 1322億円 | 32.08 |
| 2025.1 | 102億円 | 212億円 | -110億円 | -364億円 | 1063億円 | 27.53 |
直近2025.1期の営業キャッシュフローは212億円のプラスを維持しており、事業活動から安定的に現金を創出していることが伺えます。フリーキャッシュフローもプラスですが、これは投資支出が減少した影響も大きく、財務キャッシュフローは継続してマイナスで債務返済や配当支払いが行われています。結果として現金等残高は2024.1期から減少傾向にあります。
【利益の質】
過去12か月の純利益が46億3千万円に対し、直近の営業キャッシュフロー(2025.1期)は212億円と、営業CF/純利益比率は約4.58倍です。この比率が1.0を大きく上回ることは、利益が現金としてしっかりと手元に残っていることを示唆しており、利益の質は非常に健全であると評価できます。
【四半期進捗】
2026年10月期 第1四半期決算短信によると、売上高は前年同期比+8.5%、営業利益は+2.2%、純利益は△2.5%となっています。通期予想(売上4,200億円、営業利益140億円、純利益90億円)に対する進捗率は、売上高24.1%、営業利益38.0%、純利益38.1%と、営業利益と純利益が売上高に先行して進捗しており、順調な滑り出しを見せています。
【バリュエーション】
エイチ・アイ・エスのPER(株価収益率)は8.69倍、PBR(株価純資産倍率)は1.30倍です。同業他社の業界平均PER17.0倍、PBR1.8倍と比較すると、PER、PBRともに業界平均を大きく下回っており、現在の株価には割安感があることが示唆されます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 5日線乖離率 | – | -1.36% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -2.60% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -12.43% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -19.81% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDシグナルとRSI状況は共に中立ですが、移動平均線乖離率は短期から長期にかけて全てマイナスであり、現在の株価が各移動平均線を下回っていることを示しています。
【テクニカル】
現在の株価1,046.0円は、52週高値1,721.0円から大きく下落し、52週安値1,018.0円に近い水準で推移しており、レンジ内の下限3.8%の位置にあります。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を大きく下回っていることから、下降トレンドが継続していると考えられます。短期および中期のサポートラインが現在の株価周辺に位置している点を注視する必要があります。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -1.60% | +11.40% | -13.00%pt |
| 3ヶ月 | -20.70% | +11.23% | -31.92%pt |
| 6ヶ月 | -20.82% | +25.50% | -46.32%pt |
| 1年 | -35.51% | +75.73% | -111.24%pt |
エイチ・アイ・エスは過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全ての期間において、日経平均を大幅に下回るパフォーマンスを見せています。特に長期になるほどその差は拡大しており、市場全体の成長ペースと比較して、この銘柄は大きく出遅れている状況が伺えます。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率12.32倍と高水準で、将来の売り圧力に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.41 | ◎良好 | 市場平均より値動きが大きいか小さいか |
| 年間ボラティリティ | 32.49% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -77.78% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.91 | ○普通 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.26 | ▲注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.10 | ▲注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.35 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.13 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
エイチ・アイ・エスの株価は、ベータ値0.41と市場相関係数0.35が比較的低いことから、市場全体の動きに強く連動するタイプではなく、企業独自のニュースや業績が株価に影響を与えやすい銘柄と言えます。年間ボラティリティは32.49%で「やや注意」水準と、一日の値動きは市場平均より穏やかですが、長期的な視点で見ると変動幅は大きい可能性があります。現在のボラティリティ水準は過去1年で「通常」のレベルです。
特に注目すべきは最大ドローダウン-77.78%であり、過去に極めて大規模な下落を経験しています。これは、投資した資産が一時的に大幅に減少するリスクがあったことを示し、今後も同様の大きな下落が発生する可能性を否定できません。最大の下落からの回復には1077日を要しており、回復力を示すカルマーレシオも0.10と低いことから、長期的な視点でのリスク管理が重要です。シャープレシオは0.91と普通ですが、下落局面におけるリスク効率を示すソルティノレシオが0.26と低い「注意」レベルであるため、下落リスクに対してのリターンの効率は低いと言えます。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±32.49万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 燃料サーチャージや為替変動が旅行商品の価格に影響し、収益を圧迫する可能性があります。
- 国内外の景気変動や地政学リスク、感染症の再拡大が旅行需要に直接的な影響を及ぼし、業績を悪化させる懸念があります。
- オンライン旅行代理店(OTA)の台頭や新規参入企業との競争激化は、価格競争を招き、収益性の低下につながる可能性があります。
信用取引状況
信用買残が1,891,500株である一方、信用売残は153,500株と少なく、信用倍率は12.32倍と高水準です。これは、将来的な株価上昇を期待して買い建てている投資家が多く、需給面では今後の投げ売りによる株価に下押し圧力がかかる可能性を秘めています。
主要株主構成
- 澤田秀雄: 22.49% (17,958,000株)
- 日本マスタートラスト信託銀行: 9.2% (7,349,000株)
- 自社(自己株口): 6.42% (5,123,400株)
8. 株主還元
エイチ・アイ・エスの配当利回りは会社予想で2.39%(現在株価基準)です。1株配当は25.00円(2026年10月期予想)で、配当性向は31.75%となっています。自社株買いに関する直近のデータは確認できませんでした。
【配当持続可能性】
配当性向が31.75%であり、利益に対する配当の割合は健全な水準にあり、持続可能性は高いと考えられます。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | コロナ禍からの旅行需要回復 ホテル事業・地域交通事業の収益貢献 |
主要事業の業績を力強く牽引 収益源の多角化と安定化に寄与 |
| ⚠️ 弱み | 低い自己資本比率と高い負債比率 競争激しい旅行業界でのブランド力維持 |
外部環境悪化時に財務悪化リスクが拡大 価格競争激化で収益性圧迫の可能性 |
| 🌱 機会 | インバウンド需要の継続的な拡大 多様な旅行形態へのニーズ対応 |
国際線回復で更なる収益成長が見込める 新たな旅行サービスで顧客基盤を拡大する |
| ⛔ 脅威 | 燃料価格や為替レートの変動 パンデミックや地政学リスクの再燃 |
事業コスト増加や旅行代金高騰を招く 旅行需要の急減と業績悪化を招く |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 観光・旅行業界の回復を期待する投資家 | コロナ禍からの回復と成長シナリオに魅力を感じるため。 |
| 割安感を重視する投資家 | 業界平均に比べPER・PBRが割安水準にあるため。 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 低い自己資本比率: 財務状況を改善し、安定的な経営基盤を確立できるか注視が必要です。
- 信用倍率の高止まり: 将来的な信用買い残の解消が株価上値を抑える可能性があります。
- 外部環境の変動が大きい: 燃料価格や為替、サプライチェーン変動が業績に大きく影響します。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 14.4% | 20%以上への回復 | 財務健全性向上の最重要指標 |
| 営業利益率 | 5.26% | 10%以上への改善 | 本業の収益力強化を示す |
| 信用倍率 | 12.32倍 | 5倍以下への改善 | 需給面からの株価上昇の兆候 |
企業情報
| 銘柄コード | 9603 |
| 企業名 | エイチ・アイ・エス |
| URL | https://www.his.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,046円 |
| EPS(1株利益) | 120.42円 |
| 年間配当 | 2.39円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 10.0倍 | 1,203円 | 3.0% |
| 標準 | 0.0% | 8.7倍 | 1,046円 | 0.2% |
| 悲観 | 1.0% | 7.4倍 | 935円 | -2.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,046円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 526円 | △ 99%割高 |
| 10% | 657円 | △ 59%割高 |
| 5% | 829円 | △ 26%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リゾートトラスト | 4681 | 1,746 | 3,790 | 18.67 | 2.46 | 14.0 | 1.94 |
| KNT-CTホールディングス | 9726 | 2,000 | 546 | 8.03 | 3.60 | 13.2 | 0.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.54)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。