企業の一言説明

新田ゼラチンはゼラチン、コラーゲンペプチド、食品材料、バイオメディカル製品を手掛ける、ゼラチンで世界大手、コラーゲンペプチドで国内2位の素材・化学企業です。

総合判定

財務優良な割安成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高い収益性と強固な財務基盤: ROEは21.49%と高水準で、自己資本比率も51.2%と安定しています。Piotroski F-Scoreは8/9と優良な財務品質を示しています。
  • コラーゲンペプチド・バイオメディカル分野の成長: 主力のゼラチン事業で安定した基盤を築きつつ、健康・美容分野のコラーゲンペプチドや医療分野のバイオメディカルが高成長を牽引しています。
  • 業界平均を大きく下回るPER/PBR: PER 6.93倍PBR 0.92倍と、業界平均と比較して割安感があり、PBRは1倍を割れています。
  • 直近は調整局面も、長期では堅調: 過去1年間の株価リターンは+54.38%と大きく上昇しましたが、直近では日経平均を下回るパフォーマンスで調整局面に入っています。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 C 四半期売上成長は鈍化も、利益は大きく改善
収益性 S ROE21%超、営業利益率11%超と非常に高水準
財務健全性 S 自己資本比率50%超、Fスコア8/9で極めて良好な水準
バリュエーション A PERは業界平均を大幅に下回り、PBRも1倍割れ

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1181.0円
PER 6.93倍 業界平均15.9倍
PBR 0.92倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.54%
ROE 21.49%

※PBRについて、業界平均PBR0.7倍に対し当銘柄0.92倍ですが、1倍割れという点で割安感はあります。

1. 企業概要

新田ゼラチンは1918年創業のゼラチン専門メーカーで、ゼラチン、コラーゲンペプチド、食品材料、バイオメディカル製品の製造・販売をグローバルに展開しています。動物由来および魚鱗・魚皮由来のコラーゲンを独自の酵素分解技術で加工し、食品・医薬・健康・美容など幅広い産業に素材を提供しており、特に医療分野向け高機能製品にも強みを持っています。

2. 業界ポジション

同社はゼラチン分野で世界大手の一角を占め、コラーゲンペプチドでも国内2位の地位を確立しています。食品添加物から医薬品、サプリメント、再生医療用素材まで多岐にわたる用途に対応できる技術力と供給網を強みとし、特定のニッチ市場で高いブランド力と参入障壁を築いています。

3. 経営戦略

新田ゼラチンは、収益性重視の事業構成見直しと有利子負債削減を着実に進めています。成長戦略として、インドでの増産投資により新興国市場の需要を取り込むとともに、ERP(企業資源計画)導入による経営基盤強化を図っています。過去には北米子会社清算に伴う税負担軽減が純利益増加に寄与しており、Ex-Dividend Date(2026年3月30日)がすでに実施されています。

4. 財務分析

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで優良な収益性を示します。
財務健全性 3/3 流動比率が1.5以上、D/Eレシオ1.0未満、株式希薄化なしと健全性が極めて高いです。
効率性 2/3 営業利益率11.44%、ROE21.49%と高水準ですが、四半期売上成長率が0%と伸び悩んでいる点が改善余地です。
  • 【収益性】
    営業利益率は11.44%と良好な水準です。ROE(株主資本利益率)は21.49%とベンチマーク10%を大きく上回り、株主資本を効率的に活用して利益を生み出しています。ROA(総資産利益率)も6.28%とベンチマーク5%を超え、資産全体からの収益性も良好です。
  • 【財務健全性】
    自己資本比率は51.2%と高い水準を維持しており、財務基盤は非常に安定しています。流動比率は3.00倍と短期的な支払い能力に全く問題がなく、極めて健全です。
  • 【キャッシュフロー】
決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2023.03 -20億3,800万円 -5億4,000万円 -14億9,800万円 18億2,400万円 28億4,600万円 6.84%
2024.03 18億8,900万円 49億1,100万円 -30億2,200万円 -16億1,000万円 32億9,700万円 8.25%
2025.03 40億700万円 51億8,300万円 -11億7,600万円 -25億5,400万円 46億3,600万円 11.47%
過去12ヶ月の営業キャッシュフローは**55億8,000万円**と潤沢であり、本業で安定して現金を創出しています。フリーキャッシュフローも**29億円**とプラスで、事業活動から得られた資金で投資や借入返済を賄える余裕があります。
  • 【利益の質】
    営業CF/純利益比率は1.23倍と1.00倍を上回っており、「S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))」と評価できます。これは、計上されている利益が実際のキャッシュを伴っていることを示し、利益の質が極めて高いことを意味します。
  • 【四半期進捗】
    2026年3月期第3四半期累計の通期予想に対する進捗率は、売上高70.4%、営業利益90.4%、純利益89.9%です。利益面では通期達成に向けて順調に進捗していると言えますが、売上高はやや計画を下回るペースです。

5. 株価分析

  • 【バリュエーション】
    現在のPERは6.93倍、PBRは0.92倍です。業界平均PER15.9倍と比較すると大幅に割安であり、PBRも1倍割れと、全体的に割安感のある水準と言えます。業種平均PER基準の目標株価は3985円と現在の株価を大きく上回る可能性がありますが、業種平均PBR基準では903円と、バリュエーション指標によって評価が大きく分かれています。
  • 【テクニカルシグナル】
指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD: -20.02 / シグナル: -21.39 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 41.0% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -1.34% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -2.55% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -8.25% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +4.42% 長期トレンドからの乖離
現在のMACDは中立となっており、明確なトレンドシグナルは出ていません。RSIは41.0%で売られすぎ・買われすぎのどちらでもない水準です。
  • 【テクニカル】
    現在の株価1181.0円は52週高値1487.0円から約20%低い位置にあり、52週レンジ内では比較的中央より下(58.0%)に位置しています。株価は短期・中期移動平均線(5日線、25日線、75日線)を下回っていますが、長期移動平均線(200日線1130.14円)は上回っており、短期的な下落トレンドの中でサポートされるかが注目されます。
  • 【市場比較】
期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -4.37% +10.74% -15.12%pt
3ヶ月 -6.05% +11.53% -17.58%pt
6ヶ月 +17.40% +22.35% -4.95%pt
1年 +54.38% +71.36% -16.98%pt
過去1年間で見ると当銘柄は**+54.38%**と堅調に推移しましたが、日経平均のパフォーマンスには劣後しています。特に直近1ヶ月、3ヶ月では日経平均を大きく下回るパフォーマンスとなっており、相対的に株価は調整局面にあると言えます。

6. リスク評価

  • 【注意事項】
    ⚠️ 信用倍率が15.47倍と高水準で、将来的な売り圧力に注意が必要です。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
年間ボラティリティ 36.12% △やや注意 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -28.01% △やや注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.39 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.88 ○普通 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.94 ○普通 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.51 ◎良好 日経平均とどれだけ連動するか
0.26 値動きのうち市場要因で説明できる割合
  • 【ポイント解説】
    新田ゼラチンの株価は市場相関係数が0.51と比較的高く、市場全体(日経平均)の動きに連動しやすい特性があります。年間ボラティリティは36.12%とやや高めで、過去には-28.01%の最大ドローダウンを経験しており、現状の株価も直近高値から-19.82%の下落水準です。現在のボラティリティは過去1年で通常の水準です。
  • 【投資シミュレーション】
    > 仮に100万円投資した場合: 年間で±35万円程度の変動が想定されます。
    > 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
    > ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
  • 【事業リスク】
    • 為替変動リスク: ドル安は海外売上比率の高い同社の業績にマイナス影響を与える可能性があります。
    • 原材料・エネルギー価格の変動: 主要原料(動物由来や魚鱗・魚皮など)や製造コストに直接影響し、収益を圧迫する可能性があります。
    • 主要顧客依存と需要変動: 特定の主要顧客や特定食品・医薬品分野への供給が多いため、需要変動が業績に大きく影響する可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況
    現在の信用買残は165,500株、信用売残は10,700株で、信用倍率は15.47倍と買い残が売り残を大幅に上回っています。これは、今後、信用買いの期限(半年)が来た場合に売り圧力となる可能性があるため注意が必要です。
  • 主要株主構成
    • アイビーピー: 19.05%
    • ニッタ: 4.57%
    • 自社取引先持株会: 2.74%

8. 株主還元

新田ゼラチンの配当利回りは2.54%(会社予想)で、1株配当は年間30.00円を予定しています。過去12ヶ月の配当性向は14.4%と非常に低い水準で、利益の大部分を内部留保しており、再投資や財務基盤の強化に充てられています。自社株買いに関する具体的な計画は開示されていません。
【配当持続可能性】: 配当性向が14.4%と低く、非常に健全な水準にあり、減配リスクは低いと考えられます。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 高付加価値製品を持つ技術力
強固な財務基盤
安定収益と成長のための投資余力につながる
⚠️ 弱み 売上高成長の鈍化傾向
信用倍率の高さ
株価上昇の妨げや将来的な売り圧力に注意
🌱 機会 健康・美容分野(コラーゲンペプチド)の需要拡大
バイオメディカル分野の成長
収益性向上と新たな収益柱の確立が期待できる
⛔ 脅威 原材料価格・為替の変動
地政学リスクや貿易規制
利益率圧迫や事業環境悪化リスクを監視すべき

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
割安株を好むバリュー投資家 PBR1倍割れ、低PERと割安感があり、業績回復期待も大きい
安定した財務基盤を重視する投資家 高い自己資本比率とF-Score8/9で財務健全性が極めて高い

この銘柄を検討する際の注意点

  • 売上高成長の鈍化: 直近の四半期での売上成長が見られず、今後の本格的な成長加速を確認する必要があります。
  • 信用取引における将来的な売り圧力: 信用倍率が高水準であり、需給悪化による株価調整リスクに留意が必要です。
  • 為替変動リスク: 特にドル安が業績にマイナス影響を与える可能性があるため、為替動向を注視すべきです。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
四半期売上成長率(前年比) 0.0% 5%以上への回復 本業の成長力回復を判断する
信用倍率 15.47倍 5倍以下への改善 需給改善による売り圧力緩和
営業利益率 11.44% 12.8%以上への継続 継続的な収益構造改善の進捗

企業情報

銘柄コード 4977
企業名 新田ゼラチン
URL http://www.nitta-gelatin.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,181円
EPS(1株利益) 170.54円
年間配当 2.54円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.6% 8.0倍 3,188円 22.1%
標準 14.3% 6.9倍 2,306円 14.5%
悲観 8.6% 5.9倍 1,516円 5.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,181円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,156円 △ 2%割高
10% 1,444円 ○ 18%割安
5% 1,822円 ○ 35%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ニッピ 7932 11,710 338 13.01 0.82 6.5 5.40
荒川化学工業 4968 1,252 258 14.35 0.41 3.0 3.99
仙波糖化工業 2916 709 80 15.54 0.64 4.3 2.11

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.65)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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