企業の一言説明

ツムラは漢方薬特化型で国内最大手の製薬企業です。医療用漢方製剤の製造販売を主力とし、高齢者医療や婦人科、がん領域など幅広いカテゴリーで高いシェアを誇ります。

総合判定

割安で高配当な成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 医療用漢方薬市場における圧倒的な国内シェアと高い参入障壁。
  • 中国事業を成長エンジンに据えた海外展開と収益構造の多様化。
  • 安定したキャッシュ・フローを背景とした高水準の株主還元。

銘柄スコアカード

観点 評価 判定根拠
収益力 B 利益成長の安定性はあるが利益率向上が鍵。
安全性 A 自己資本比率が高く財務は良好な水準。
成長性 A 中国事業の急拡大が成長を牽引する力。
株主還元 S 高い配当利回りと配当性向の安定性。
割安度 S 市場水準に対し極めて割安に放置。
利益の質 C CFと純利益の間に一時的な乖離あり。

総合: A

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,724.0円
PER 10.60倍 業界平均27.8倍
PBR 0.86倍 業界平均1.4倍
配当利回り 4.24%
ROE 9.04%

企業概要

ツムラは、日本国内において医療用漢方製剤の製造・販売を行うリーディングカンパニーです。全国の医療機関で処方される医療用漢方薬の供給を通じてヘルスケアを支えています。1893年の創業以来、科学的根拠に基づいた漢方薬の開発を展開し、特に婦人科領域や高齢者ケアにおける独自の地位を確立しています。その強固な販売網と製剤化技術は、高い参入障壁を形成しており、他社の追従を許さない強みとなっています。

業界ポジション

国内漢方薬市場では圧倒的なシェアを保持しており、事実上のカテゴリーリーダーとして君臨しています。競合に対する強みは、長年の診療データ蓄積に基づいた製品群と、医療機関向けの営業力(MR)です。弱みとしては、漢方薬自体の生産管理が天候等の自然要因に左右されやすい点が挙げられます。PER/PBRは業界平均水準を大きく下回っており、現在の市場価値は企業の本源的価値に対し過小評価されている可能性があります。

競争優位性 (Moat)

観点 評価 根拠
ブランド・知名度 強い 圧倒的な国内シェアと長年の信頼性。
スイッチングコスト 中程度 医師の処方習慣に基づいた安定的な処方。
ネットワーク効果 中程度 漢方医学コミュニティでの情報発信力。
コスト優位 (規模の経済) 強い 国内最大級の製造インフラと原材料確保力。
規制・特許 中程度 漢方薬特有の製造承認と品質管理制度。

経営戦略

中期経営計画では、「心身の調和」を目指し、漢方の科学的価値の証明と普及に注力しています。特に成長分野として中国市場での拠点を拡大し、医薬品としての漢方薬(中薬)の存在感を高める戦略を採る。最近では、上海虹橋中薬飲片の連結子会社化により、調剤薬局市場を通じた販路を拡充しました。将来的には、がん支持療法やメンタルヘルス領域での処方拡大を狙う。今後は、更なる収益源の多角化として、アジア圏を主としたグローバルな漢方活用を掲げています。

収益性

売上高は前年同期比+6.4%と堅調ですが、営業利益は▲12.2%の減益となりました。ROEは9.04%、ROAは7.6%といずれも業界標準を満たす水準であり、資本効率の改善が見られます。

財務健全性

自己資本比率は54.3%と高く、長期的な経営基盤は極めて安定しています。流動比率も4.19と非常に高く、手元流動性は十分であると判断できます。

キャッシュフロー

期間 営業CF フリーCF
2026.03 247億円 ▲256億円

子会社投資や生産設備投資に伴う支出が増加したため、フリーCFはマイナスを記録しています。営業キャッシュフロー自体はプラスを維持しており、本業による稼ぐ力は健在です。

利益の質

営業CF/純利益比率は0.88となっており、利益のキャッシュ裏付けは十分に確保されている状況です。

四半期進捗

2027年3月期に向けた着実な拡大が見込まれており、売上は+10.9%の増収予想と、成長軌道への回帰が期待されています。

バリュエーション

PER 10.6倍、PBR 0.86倍という水準は、同業他社比較において極めて割安な状態です。解散価値に近い評価となっており、下値余地は限定的と考えられます。

テクニカル分析

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 ▲10.13/▲7.1 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 47.8 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.05% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -0.75% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -2.20% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -2.71% 長期トレンドからの乖離

現在の株価は移動平均線を下回る位置にあり、短期的な調整局面です。上値の重い展開が続いていますが、200日線付近での反発が見られるか注視が必要です。

市場比較

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 ▲0.19% +5.37% ▲5.56%pt
3ヶ月 ▲5.60% +21.70% ▲27.30%pt
6ヶ月 ▲3.52% +32.40% ▲35.92%pt
1年 +8.48% +73.90% ▲65.42%pt

日経平均の力強い上昇トレンドに対し、相対的に劣後するパフォーマンスとなっており、市場全体の恩恵を十分には享受できていません。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.06 ◎良好 市場平均より値動きが小さい
年間ボラティリティ 30.92% △やや注意 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン ▲50.64% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ 0.14 △やや注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.41 △やや注意 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.17 ▲注意 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.29 ○普通 日経平均とどれだけ連動するか
0.09 値動きのうち市場要因で説明できる割合

ポイント解説

市場との連動性は低く、独自の値動きをする特性があります。ボラティリティは30%を超えており、過去の下落率から見ても中長期での投資において一時的な含み損を許容する耐性が必要です。

投資シミュレーション

仮に100万円投資した場合: 年間で±31万円程度の変動が想定されます。
分散投資の目安: ポートフォリオの3.0%程度が目安です。
※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

事業リスク

  • 天候不順等による生薬原材料の調達不安定化、価格高騰リスク。
  • 中国事業における規制変更や地政学リスクの影響。
  • 医療用医薬品の薬価改定による収益押し下げリスク。

信用取引状況

信用倍率は4.94倍であり、買い残が積み上がっている状況は今後の需給的圧力を示唆します。

主要株主構成

株主名 保有割合
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 15.59%
中国銀行(香港)中国平安人寿保険 10.00%
ステート・ストリート・バンク&トラスト 5.56%
日本カストディ銀行(信託口) 5.51%
ブライト・ライド(香港) 2.20%

株主還元

配当利回りは4.24%と高水準であり、配当総額を増やす姿勢が評価されます。配当性向は39.4%と健全な範囲に収まっており、現水準の配当維持に向けた財務的余力は十分にあります。

カタリスト整理

上昇要因 下落要因
短期 (〜3ヶ月) 配当権利確定に向けた買い需要の増加 信用買残整理に伴う需給の悪化
中長期 (〜2 年) 中国での漢方製剤販売のさらなる拡大 円高転換による海外利益の目減り

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 強固な国内シェア・技術力
高い参入障壁
安定したキャッシュ生成に直結する
⚠️ 弱み 原材料調達のリスク
利益率の停滞
原材料高時は即座に利益を圧迫する
🌱 機会 中国市場の深耕
新領域への活用拡大
成長の二の矢となり株価を押し上げる
⛔ 脅威 薬価改定の影響
地政学的不安
年1度の収益変動要因として監視が必要

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
インカムゲイン重視の長期投資家 4%を超える高配当利回りが魅力的なため。
割安バリュー株狙いの投資家 業績安定に対し株価評価が低い状態のため。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 原材料の供給不足: 生薬は農産品であるため天候リスクに左右されやすく、収益が突発的に悪化する恐れがある。
  • 中国事業の展開: 政治的な規制や市場環境変化により、期待成長率を維持できない可能性がある。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 13.4% 15%以上への向上 利益改善の確認のため
信用倍率 4.94倍 3倍以下への低下 需給の自律回復のため

企業情報

銘柄コード 4540
企業名 ツムラ
URL http://www.tsumura.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 医薬品 – 医薬品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,724円
EPS(1株利益) 351.46円
年間配当 4.24円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 13.6% 12.2倍 8,111円 16.9%
標準 10.5% 10.6倍 6,130円 10.6%
悲観 6.3% 9.0倍 4,295円 3.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,724円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,062円 △ 22%割高
10% 3,824円 ○ 3%割安
5% 4,826円 ○ 23%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
科研製薬 4521 3,860 1,703 26.20 0.99 4.4 4.92
持田製薬 4534 3,200 1,164 11.64 0.80 7.1 2.65
杏林製薬 4569 1,150 689 46.00 0.46 1.0 2.17

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.2.27)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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