1. 企業情報
日本ラッド株式会社は、エンタープライズソリューションおよびIoTインテグレーション事業を展開する企業です。1971年に設立され、東京都に本社を置いています。主な事業内容には、パッケージソフトウェアの提供、クラウドサービス、IoTプラットフォームサービス、システム設計・製造・導入・アフターサービスなどが含まれます。特に、流通や車載向けのハードとソフトの統合技術に強みを持ち、AI自動生成技術やビッグデータ、FPGA技術にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本ラッドは、情報通信業界において独立系のシステムインテグレーター（SI）としての地位を確立しています。競争優位性としては、IoTソリューションの開発力や、ハードウェアとソフトウェアの統合技術が挙げられます。一方で、業界全体の人材不足や円安によるコスト増といった課題も抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「人からプロダクトアセットベースへの収益構造転換」を目指す中期経営計画を策定しています。具体的には、DX（デジタルトランスフォーメーション）ソリューションやAIソリューションの提供を強化し、各セグメントでのサービスの掘り下げと統合プラットフォーム構想を推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
日本ラッドの収益モデルは、ソフトウェア開発やIoTインテグレーションサービスに依存しています。市場ニーズの変化に対しては、AI技術やビッグデータの活用を通じて柔軟に対応しています。また、自己資本比率が高く、財務的な安定性が確保されています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、IoTプラットフォームやAI自動生成技術の開発に注力しており、特に医療や産業向けのIoTソリューションが主力製品となっています。これにより、収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価は814.0円で、PERは13.52倍、PBRは1.39倍です。業界平均PER（17.6倍）やPBR（1.6倍）と比較すると、割安感があるといえます。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を考慮すると、814.0円は年初来高値（2,424円）に対しては低い水準であり、安値圏に位置しています。過去10日間の株価は変動がありましたが、全体的には下落傾向が見受けられます。
8. 財務諸表分析
直近の売上高は3,984.68百万円、営業利益は266.52百万円、純利益は327.92百万円です。自己資本比率は68.1%と高く、財務的には安定しています。過去数年にわたり、売上は増加傾向にあり、特に2024年3月期の売上は前年同期比6.1%増となっています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは1.23%で、年間配当は10.00円です。配当性向は8.55%と低く、今後の成長投資に重きを置いていることが伺えます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で814.0円と上昇しており、出来高も45,400株と活発です。市場の関心は高まっているものの、過去の高値からは大きく下落しているため、投資家の慎重な姿勢も見受けられます。
11. 総評
日本ラッドは、IoTインテグレーションやエンタープライズソリューションに強みを持つ企業であり、競争優位性を維持しています。経営戦略としては、収益構造の転換やAIソリューションの強化が進められています。財務的には安定しており、株価も割安感がありますが、業界全体の人材不足やコスト増といった課題も考慮する必要があります。今後の成長が期待される一方で、慎重な投資判断が求められます。
企業情報
| 銘柄コード | 4736 |
| 企業名 | 日本ラッド |
| URL | http://www.nippon-rad.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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