1. 企業情報
ＣＩＪ（Computer Institute of Japan, Ltd.）は、システム開発及び関連サービスを提供する独立系ソフトウェア受託開発会社です。主な製品には、セキュアなペーパーレス会議システム「SONOBA COMET」、契約管理システム「Ofigo」、多様なプログラム言語やデータベースに対応したシステム移行ツール「LeGrad」があります。また、デジタルトランスフォーメーション、システム開発、ITコンサルティング、オフショア開発サービスなども手掛けています。設立は1976年で、横浜に本社を置き、従業員数は約1,620人です。
2. 業界のポジションと市場シェア
ＣＩＪは、特にOS周辺技術に強みを持つ独立系の2次請けシステム開発会社であり、NTTデータや日立製作所向けの案件が多く、売上の約40%を占めています。競争が激しい業界の中で、技術力と顧客基盤により一定の競争優位性を確保していますが、競合他社との価格競争や技術革新のスピードが課題です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「ITの戦略的パートナーになる」という中期経営計画「BEIT50」を掲げています。この計画の下、デジタル化の進展に対応したサービスの強化や、新たな技術の導入を進めています。特に、生成AIなどのICT技術の活用が期待されています。
4. 事業モデルの持続可能性
ＣＩＪの収益モデルは、システム開発やITコンサルティングに基づいています。デジタル化の進展に伴い、企業のIT投資が増加しているため、持続可能な成長が見込まれます。また、顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供が可能であり、市場の変化に適応する力があります。
5. 技術革新と主力製品
ＣＩＪは、特にOS周辺の技術に定評があり、独自の製品群を提供しています。主力製品であるSONOBA COMETやOfigoは、業務効率化を図るための重要なツールとなっており、収益の牽引役となっています。また、サービスロボットやパッケージソフトの開発も行っています。
6. 株価の評価
現在の株価は472.0円で、PERは21.25倍、PBRは1.87倍です。業界平均PER（23.2倍）やPBR（2.3倍）と比較すると、若干割安感があります。EPSは22.21円で、配当利回りは2.97%です。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見てみると、472.0円で本日安値を記録しており、過去の高値（1,027円）からは大きく下落しています。現在の株価は年初来安値346円に近い水準であり、安値圏に位置しています。
8. 財務諸表分析
直近の売上高は約257億円で、前年比で増加していますが、営業利益は981百万円（前年比3.5%減）となっています。自己資本比率は79.1%と高く、財務の安全性は良好です。ROEは6.62%、ROAは6.53%と、効率的な資本運用がなされています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは2.97%で、年間配当は14.00円を予想しています。配当性向は112.85%と高めですが、安定した配当の維持が期待されます。また、自己株買いも行われており、株主還元に積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
最近の株価は下降傾向にあり、特に直近10日間での株価は下落しています。投資家の関心は、業績の回復や新たな技術革新に向けた取り組みにシフトしていると考えられます。
11. 総評
ＣＩＪは、強力な技術力を背景にシステム開発市場で一定の地位を築いていますが、競争が激化する中での課題も抱えています。デジタル化の進展に伴うIT投資の増加が期待される中、経営戦略の実行が鍵となります。株価は安値圏にあり、投資機会として注目される可能性がありますが、業績の回復と市場環境の変化に注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 4826 |
| 企業名 | CIJ |
| URL | http://www.cij.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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