1. 企業情報
- 事業内容: 若築建設は、海上土木工事を強みとする中堅ゼネコンです。港湾・空港建設、海洋土木、陸上土木、建築工事、不動産事業を展開しています。官公庁向けの工事が多いですが、民間設備工事や海外事業も強化しています。
- 特徴: 北九州を地盤とし、1890年創業の歴史ある企業です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 海上土木分野で一定の地位を確立していますが、大手ゼネコンと比較すると中堅規模です。
- 競争優位性: 海上土木における長年の実績と技術力、官公庁との安定的な関係が強みです。
- 課題: 建設業界全体が直面する人手不足、資材価格高騰の影響を受けやすいと考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 詳細な情報は公開されていませんが、決算短信から、公共投資や民間設備投資の動向を注視し、事業を展開していることが伺えます。
- 中期経営計画: 詳細な情報は公開されていませんが、DX投資や人的投資を拡大していることから、業務効率化や人材育成に注力していると考えられます。
- 重点分野: 海上土木、陸上土木、建築工事、不動産事業のバランスを取りながら、官公庁向け工事に加え、民間設備工事や海外事業の強化を図っていると推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 建設工事の請負が中心であり、公共事業への依存度が高いと考えられます。不動産事業も展開しており、ポートフォリオを多様化しています。
- 市場ニーズへの適応力: 海上土木技術は、インフラ整備や防災対策など、社会的なニーズに合致しており、安定的な需要が見込めます。
- リスク: 建設業界特有の、景気変動や資材価格変動、人手不足などのリスクがあります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 詳細な情報は公開されていませんが、DX投資を行っていることから、建設技術の効率化や省力化、安全性の向上を目指していると考えられます。
- 主力製品・サービス: 海上土木工事、陸上土木工事、建築工事が収益の柱です。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 259.14円
- PER（会社予想）: 13.66倍
- BPS（実績）: 3,660.81円
- PBR（実績）: 0.97倍
- 現在の株価: 3,410.0円
- 割安・割高の判断: PER、PBRともに業界平均（PER:14.0、PBR:1.1）を下回っており、割安感があります。ただし、業績の変動や今後の成長性も考慮する必要があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、3,375円から3,860円の範囲で変動しており、2月21日の終値は3,415円でした。
- 移動平均線: 50日移動平均線（3,670.60円）を下回っており、200日移動平均線（3,510.15円）も下回っています。
- 高値・安値: 年初来高値は4,055円、年初来安値は2,917円です。
- 判断: 株価は、直近では下落傾向にあり、高値圏からは距離がある状態です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は840億円、2025年3月期は877億円（会社予想）と、前期比で減少しています。
- 営業利益: 2024年3月期は62.36億円、2025年3月期は47億円（会社予想）と、前期比で減少しています。
- 経常利益: 2024年3月期は65.41億円、2025年3月期は47億円（会社予想）と、前期比で減少しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は54.42億円、2025年3月期は33億円（会社予想）と、前期比で減少しています。
- ROE（実績）: 11.67%
- ROA（過去12か月）: 3.34%
- 自己資本比率（実績）: 50.6%
- 評価: 売上高、利益ともに減少傾向にあり、業績はやや低調です。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.56%
- 1株配当（会社予想）: 126.00円
- 配当性向: 49.94%
- 株主還元策: 配当を実施しています。
- 評価: 配当利回りは平均的であり、安定した株主還元を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動傾向: 直近では下落傾向にあります。
- 信用取引: 信用買い残は増加、信用売り残は減少しており、買い優勢の状況です。信用倍率は31.17倍と高い水準です。
- 株価への影響要因: 業績、建設業界の動向、金利変動、資材価格、人手不足などが影響を与える可能性があります。
- 出来高: 12,100株と、出来高は少ない傾向にあります。
11. 総評
若築建設は、海上土木を強みとする中堅ゼネコンです。財務体質は安定していますが、足元の業績は低調であり、売上高、利益ともに減少傾向にあります。株価は割安感があり、配当も実施していますが、今後の業績回復と成長戦略に注目する必要があります。建設業界の動向、特に公共投資の行方や、資材価格・人手不足の影響を注視し、投資判断を行う必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1888 |
| 企業名 | 若築建設 |
| URL | http://www.wakachiku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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