1. 企業情報
日本電気硝子（以下、NEG）は、FPD（フラットパネルディスプレイ）用ガラスで世界トップクラスのシェアを持つ、特殊ガラス製品の製造・販売会社です。主な事業は、FPD用ガラス基板、化学強化用ガラス、ガラス繊維、光学デバイス用ガラスなど多岐にわたります。主な顧客は韓国、台湾、中国の液晶パネルメーカーです。
2. 業界のポジションと市場シェア
NEGは、FPD用ガラス基板において高い競争力と世界トップクラスの市場シェアを有しています。しかし、FPD市場は市況変動の影響を受けやすく、競合他社との価格競争も激化する可能性があります。また、自動車用ガラス繊維も手掛けており、こちらは安定した需要が見込めます。
3. 経営戦略と重点分野
NEGは、中期経営計画「EGP2028」に基づき、ノンコア資産の処分や政策保有株式の縮減を進めています。重点分野としては、FPD用ガラス事業の安定的な収益確保に加え、機能材料分野（複合材、医療、耐熱、建築など）の強化を図っています。
4. 事業モデルの持続可能性
NEGの収益モデルは、FPD市場の需要に大きく依存しています。FPD市場は技術革新が速く、競合も多いため、市場ニーズの変化への迅速な対応が不可欠です。機能材料分野の強化は、事業ポートフォリオの多様化に繋がり、リスク分散に貢献する可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
NEGは、FPD用ガラス基板やガラス繊維など、高度な技術を要する製品を主力としています。特に、FPD用ガラス基板は、薄型化、高精細化に対応した製品開発が重要です。また、自動車の軽量化に貢献するガラス繊維も、今後の成長が期待される分野です。
6. 株価の評価
- 株価: 3,601.0円
- EPS（会社予想）: 185.84円
- PER（会社予想）: 19.38倍
- BPS（実績）: 5,996.61円
- PBR（実績）: 0.60倍
PERは業界平均（18.3倍）をやや上回っています。PBRは0.60倍と低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,500円～3,670円の間で推移しており、2月27日の終値は3,601円でした。年初来高値（3,929円）からは下落していますが、年初来安値（2,965円）からは上昇しています。50日移動平均線（3,434.04円）と200日移動平均線（3,467.36円）を上回っており、短期的には上昇トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2023年12月期は2,799億7400万円、2024年12月期（過去12ヶ月）は2,955億1300万円と増収傾向にあります。
- 営業利益: 2023年12月期は-104億2100万円の赤字でしたが、2024年12月期（過去12ヶ月）は-18億400万円と赤字幅が縮小しています。
- 当期純利益: 2023年12月期は-261億8800万円の赤字でしたが、2024年12月期（過去12ヶ月）は197億2500万円と黒字に転換しています。
- ROE（実績）: 2.49%
- ROA（過去12か月）: 0.49%
2024年12月期は、売上高の増加と、特別利益の計上により、大幅な増益となっています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.03%
- 1株配当（会社予想）: 145.00円
- 配当性向: 91.76%
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向も高めです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、業績改善と配当利回りの高さから、上昇傾向にあります。信用買い残は増加傾向にあり、投資家の関心も高まっていると考えられます。
11. 総評
日本電気硝子は、FPD用ガラスで世界トップクラスのシェアを持つ企業であり、業績も回復傾向にあります。高い配当利回りも魅力的です。しかし、FPD市場の変動リスクや、機能材料分野の成長が今後の課題となります。PERは業界平均をやや上回っており、今後の業績推移と市場動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5214 |
| 企業名 | 日本電気硝子 |
| URL | http://www.neg.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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