1. 企業情報
宮地エンジニアリンググループは、橋梁・鉄骨構造物の設計、製作、架設、メンテナンスを主な事業とする企業です。吊り橋などの特殊な橋梁に強みを持ち、公共インフラ整備に貢献しています。旧三菱重工系のエンジニアリング会社を傘下に持ち、橋梁だけでなく建築鉄骨分野でも高い施工能力を有しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
宮地エンジニアリンググループは、国内の橋梁・鉄骨業界において大手の一角を占めています。公共事業への依存度が高く、国のインフラ投資動向に業績が左右される傾向があります。競争優位性としては、高度な技術力と豊富な実績、特に吊り橋などの特殊橋梁における高い技術力が挙げられます。課題としては、公共事業の減少や競争激化、資材価格の高騰などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画（2022～2026年度）に基づき、グループ全体の経営管理体制の強化、安定した黒字体質の確立を目指しています。具体的には、国内鋼橋市場の変化に対応し、新設関連工事、大規模更新・保全関連工事、民間工事に経営資源を集中させています。技術開発やデジタルトランスフォーメーションによる生産性向上も重点分野としています。また、資本コストや株価を意識した経営にも取り組んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
宮地エンジニアリンググループの収益モデルは、公共事業への依存度が高く、国のインフラ投資の動向に影響を受けやすい構造です。しかし、老朽化したインフラの更新需要や、高速道路の大規模更新・大規模修繕工事など、安定した需要が見込まれる分野にも注力しており、事業の持続可能性を高めています。市場ニーズの変化への対応としては、技術革新によるコスト削減や、民間工事への注力などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
宮地エンジニアリンググループは、橋梁技術において高い技術力を有しています。特に吊り橋などの特殊橋梁の設計・施工技術に強みがあります。技術開発の動向としては、生産性向上やコスト削減に向けた取り組みが重要です。主力製品は、橋梁、鉄骨構造物であり、これらの製品が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 12.44倍（業界平均：17.5倍）
- PBR（実績）: 1.25倍（業界平均：0.7倍）
- EPS（会社予想）: 149.09円
- BPS（実績）: 1,480.37円
PERは業界平均と比較して割安感があります。PBRは業界平均より高いですが、自己資本の充実度を示唆しています。EPSとBPSは、企業の収益性と資産価値を示しており、今後の株価の指標となります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年2月21日の1785円から上昇傾向にあり、2025年3月7日には1854円で取引されています。年初来高値は2530円、年初来安値は1602円であり、現在の株価は年初来安値からは上昇していますが、年初来高値からは大きく下落しています。50日移動平均線は1906.58円、200日移動平均線は2077.07円であり、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には693億6500万円を計上しました。
- 営業利益: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には79億500万円を計上しました。
- 当期純利益: 2024年3月期には43億5400万円を計上しました。
- ROE（実績）: 11.58%
- ROA（過去12か月）: 7.21%
- 自己資本比率（実績）: 53.5%
財務状況は安定しており、収益性も高い水準を維持しています。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.26%
- 1株配当（会社予想）: 97.50円
- 配当性向: 59.00%
- 自社株買い: 2025年3月期には35万株の自己株式取得を実施。
高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。配当性向も安定しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年2月21日以降、上昇傾向にあります。信用買い残は多く、信用倍率は22.38倍と高い水準です。これは、個人投資家の期待感の表れと見られます。株価への影響を与える要因としては、公共事業の動向、資材価格の変動、受注状況などが挙げられます。
11. 総評
宮地エンジニアリンググループは、橋梁・鉄骨分野で高い技術力と実績を持つ企業です。財務状況は安定しており、高い配当利回りも魅力的です。PERは業界平均より割安であり、今後の業績拡大への期待も持てます。ただし、公共事業への依存度が高く、インフラ投資の動向に業績が左右される点には注意が必要です。直近の株価は上昇傾向にありますが、年初来高値からは下落しているため、今後の株価の推移を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 3431 |
| 企業名 | 宮地エンジニアリンググループ |
| URL | http://www.miyaji-eng.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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