1. 企業情報
日本色材工業研究所は、化粧品および医薬部外品のOEM(相手先ブランド製品製造)を主軸とする企業です。口紅やマスカラなどのメイクアップ製品に強みがあり、特に口紅などの高機能品に定評があります。傘下にフランスの化粧品会社を有し、グローバルな展開も行っています。製薬会社など異業種からの受託も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
化粧品OEM業界における日本色材工業研究所の具体的な市場シェアは公開情報からは不明ですが、口紅やマスカラなどのメイクアップ製品に強みを持つことから、ニッチ市場において一定のプレゼンスを確立していると考えられます。
競争優位性:
- 高機能品への強み: 口紅などの高機能品に強みを持つことは、高付加価値製品への対応力を示唆し、競争優位性につながっています。
- OEM事業: OEM事業は、多様なブランドからの需要に対応できる柔軟性を持っています。
課題:
- 市場変動の影響: 化粧品市場は、消費者の嗜好やトレンドの変化、経済状況の影響を受けやすいです。
- 原材料費・人件費上昇: インフレによる原材料費や人件費の上昇は、利益を圧迫する可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
中期事業戦略ビジョン (2022-2026) に基づき、事業を推進しています。
中期経営計画の具体的な施策:
- 中期経営計画の諸施策を着実に実行しています。
重点分野:
- 国内・海外の化粧品メーカーからの受注獲得。
- 高付加価値製品の開発・製造。
- コスト管理による収益性向上。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
OEM事業が中心であり、顧客からの受注に基づいて収益を上げています。
市場ニーズの変化への適応力:
- 多様な製品への対応: 様々なブランドのニーズに対応できる柔軟性を持っています。
- 技術革新への対応: 新しい化粧品成分や技術への対応が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- 詳細な技術開発の動向は公開情報からは不明です。
収益を牽引している製品やサービス:
- 口紅、マスカラなどのメイクアップ製品が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,010.0円
- PER(会社予想): 5.15倍 (業界平均: 15.9)
- PBR(実績): 0.56倍 (業界平均: 0.7)
- EPS(会社予想): 196.11円
- BPS(実績): 1,815.11円
- 配当利回り(会社予想): 1.98%
評価:
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月21日に1,041円の高値をつけた後、株価は下落傾向にあります。200日移動平均線は1294.32円、50日移動平均線は1102.00円となっており、現在の株価はこれらの移動平均線を大きく下回っています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年2月期: 15,050百万円
- 2025年2月期(過去12ヶ月): 17,200百万円
- 2025年2月期(予想): 16,877百万円(前期比4.3%減)
売上高は、2025年2月期は増加しましたが、2025年2月期(予想)では減少を見込んでいます。
利益:
- 営業利益: 2025年2月期(過去12ヶ月)644.788百万円、2025年2月期(予想)411百万円
- 当期純利益: 2025年2月期(過去12ヶ月)433.824百万円、2025年2月期(予想)411百万円
営業利益、当期純利益ともに、2025年2月期(予想)では減少を見込んでいます。
その他の指標:
- ROE(実績): 5.89%
- 自己資本比率(実績): 22.5%
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 1.98%
- 1株配当(会社予想): 20.00円
- 配当性向: 9.66%
配当は実施されています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動傾向:
直近の株価は下落傾向にあります。
株価への影響を与える要因:
- 化粧品市場の動向
- 原材料費、人件費などのコスト変動
- 為替変動
- 地政学的リスク
11. 総評
日本色材工業研究所は、化粧品OEMを主軸とし、口紅などの高機能品に強みを持つ企業です。PER、PBRは割安感があり、配当も実施されています。しかし、直近の株価は下落傾向にあり、業績予想も減収減益を見込んでいます。
現時点では、株価は割安感があるものの、業績の先行きには不透明感があります。投資を検討する際には、今後の業績動向や市場環境の変化を注視する必要があります。
企業情報
銘柄コード | 4920 |
企業名 | 日本色材工業研究所 |
URL | http://www.shikizai.com/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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