1. 企業情報
栗本鐵工所は、鋳鉄管を主力とする企業です。その他、産業機械、バルブ、建設資材、環境関連設備など幅広い事業を展開しています。近年では、燃料電池関連やナノテク関連、炭素繊維素材の開発にも注力しており、事業の多角化を進めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 鋳鉄管分野では大手の一角を占めています。
- 競争優位性: 長年の事業で培った技術力と、幅広い製品ラインナップが強みです。
- 課題: 鉄鋼業界全体が直面する原材料価格の変動や、需要の変動の影響を受けやすい可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 詳細なビジョンは公開情報から特定できませんでしたが、事業多角化と技術革新による成長を目指していると考えられます。
- 中期経営計画: 2025年3月期の決算短信からは、ライフライン、機械システム、産業建設資材の各事業における戦略が示唆されています。具体的には、ライフライン事業における電力・鉄鋼向け案件の獲得、機械システム事業におけるプレス機器やプラント案件の拡大などが挙げられます。
- 重点分野: ライフライン事業、機械システム事業、産業建設資材事業が主要な柱です。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 鋳鉄管などのインフラ関連製品は、安定した需要が見込めます。産業機械や環境関連設備は、景気変動の影響を受けやすいものの、技術革新や社会ニーズの変化に対応することで、持続的な成長を目指しています。
- 市場ニーズへの適応力: 環境問題への関心の高まりを受け、環境関連設備の需要増加が期待できます。また、インフラ老朽化対策や防災対策など、社会的なニーズに対応した製品・サービスの提供が重要になります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 炭素繊維素材の開発や、燃料電池関連技術など、新技術への取り組みが見られます。
- 主力製品: 鋳鉄管、バルブ、産業機械、環境関連設備など、幅広い製品群が収益に貢献しています。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 453.58円
- PER（会社予想）: 10.44倍
- BPS（実績）: 6,967.91円
- PBR（実績）: 0.68倍
- 業界平均PER: 8.0
- 業界平均PBR: 0.6
PERは業界平均よりやや高い水準ですが、PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、4,420円から4,735円の間を推移しており、上昇傾向にあります。
- 50日移動平均線: 4,664.80円
- 200日移動平均線: 4,336.38円
- 年初来高値: 4,990円
- 年初来安値: 3,800円
株価は50日移動平均線を上回っており、上昇トレンドにあると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は125,925百万円と、前期比で微増しています。
- 営業利益: 2024年3月期は7,461百万円と、前期比で増加しています。
- 経常利益: 2024年3月期は7,944百万円と、前期比で増加しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は5,470百万円と、前期比で増加しています。
- ROE（実績）: 7.13%
- ROA（過去12か月）: 2.64%
- 自己資本比率（実績）: 54.1%
過去数年間の業績は、緩やかながらも改善傾向にあります。自己資本比率も高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.84%
- 1株配当（会社予想）: 229.00円
- 配当性向: 53.23%
- 自社株買い: 現時点では、自社株買いに関する情報は開示されていません。
高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
- 株価への影響要因: 業績動向、業界の動向、原材料価格の変動、金利動向などが、株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
栗本鐵工所は、鋳鉄管を主力とし、安定した収益基盤を持つ企業です。事業多角化を進め、技術革新にも積極的に取り組んでいます。財務体質は良好で、高い配当利回りも魅力的です。株価は上昇トレンドにあり、今後の業績拡大にも期待が持てます。ただし、業界の動向や原材料価格の変動など、注意すべき点もあります。
企業情報
| 銘柄コード | 5602 |
| 企業名 | 栗本鐵工所 |
| URL | http://www.kurimoto.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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