1. 企業情報
- 企業名: 株式会社ヨータイ
- 設立: 1936年8月1日
- 所在地: 大阪府貝塚市
- 従業員数: 537人
- 事業内容: 主に鉄鋼業向けの耐火物（高温処理用の耐火れんが等）を製造・販売。電炉・高炉向けが中心だが、セメント、ガラス、電子部品、環境システム分野にも納品。エンジニアリング事業として炉の設計・施工・保守も手掛ける。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 独立系の中堅耐火物メーカー。住友大阪セメント系でありながら、納入先は多岐にわたる。鉄鋼業界向けに強みを持つが、セメント・ガラス・電子部品向けにも展開。
- 競争優位性・課題: 高炉・電炉向けの高品質耐火物で一定の競争力。業界再編や原材料価格の変動、鉄鋼需要の変化、海外勢との競争が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 鉄鋼向けを主軸としつつ、セメント・ガラス等の非鉄分野や電子部品分野への展開強化。高付加価値製品の開発・提供、エンジニアリング事業の拡大。
- 中期経営計画・重点施策: ・高機能耐火物の開発
・新規分野（環境・電子部品等）への進出
・生産性向上・コストダウン
・自己株式消却や従業員持株インセンティブ導入による資本効率向上
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 耐火物の販売に加え、設計・施工・保守まで一貫したサービス提供。鉄鋼・セメント等の基幹産業の設備投資や定期的なメンテナンス需要に支えられる。
- 市場ニーズ変化への適応: 鉄鋼業界依存度が高いが、非鉄・電子部品分野への拡大でリスク分散を図る。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 高温・高耐久性を持つ耐火物の開発や、顧客ニーズに応じたカスタム製品の提供。環境負荷低減型や省エネ型耐火物の開発にも注力。
- 主力製品・サービス: 鉄鋼用耐火れんが（電炉・高炉向け）、セメント・ガラス用耐火物、電子部品用新素材、炉設計・施工・保守サービス。
6. 株価の評価
- 現在株価: 1,775円
- EPS（会社予想）: 131.86円
- BPS（実績）: 1,750.86円
- PER（会社予想）: 13.48倍（業界平均18.3倍）
- PBR（実績）: 1.02倍（業界平均1.4倍）
- 評価: 業界平均と比較してPER・PBRとも割安な水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間は1,770円台で安定し、年初来高値（1,784円）付近で推移。50日・200日移動平均線（1,716.66円／1,680.50円）より上で推移しており、高値圏。
- 直近の値動き: 1,770円台でのもみ合いが続いている。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2021年3月期：23,555百万円
2022年3月期：25,912百万円
2023年3月期：28,251百万円
2024年3月期：29,129百万円
増収傾向が続く。
– 利益: 営業利益・純利益とも2023年3月期をピークにやや減少傾向。
– キャッシュフロー: 現金保有高は十分。総資産41,025百万円、自己資本比率76.5%と財務健全性が高い。
– ROE/ROA: ROE 12.2%、ROA 5.34%（いずれも実績値）。資本効率は良好。
– 利益率: 営業利益率13.27%、純利益率10.78%と高水準。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 5.06%（会社予想）
- 1株配当: 90円（会社予想）
- 配当性向: 50.98%
- 自社株買い: 自己株式消却実施
- 方針: 安定配当と資本効率向上を重視
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近は高値圏で安定推移。過去1年で22.62%上昇。
- 出来高・信用動向: 信用買残はやや高め（信用倍率8.08倍）、直近の買残減少傾向。
- 投資家関心: 配当利回りの高さや財務健全性が注目されている。
11. 総評
ヨータイは鉄鋼向け耐火物で高いシェアと技術力を持つ中堅メーカーです。売上は堅調に推移し、財務体質も非常に良好です。近年は利益の伸びがやや鈍化していますが、非鉄分野や新素材分野への展開でリスク分散を図っています。株価は業界平均より割安で推移し、配当利回りも高水準です。今後は鉄鋼需要や原材料価格の動向、新分野での成長が注目されます。
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資判断を助言・推奨するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 5357 |
| 企業名 | ヨータイ |
| URL | http://www.yotai.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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