1. 企業情報
株式会社朝日工業社（証券コード: 1975）は、空調・衛生設備工事を主力とする企業です。加えて、半導体製造や液晶パネル製造に関わるハイテク環境制御装置の開発・設計・製造も手掛けています。民間からの受注が中心であり、高い技術力とメーカー機能を併せ持つことが特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
朝日工業社は、空調・衛生設備工事業界において大手の一角を占めています。特に、ハイテク環境制御装置の分野では、高い技術力と実績を有しており、競争優位性を持っています。
課題:
- 建設投資の動向に業績が左右される可能性があります。
- 原材料価格の高騰や人件費の上昇など、コスト増加のリスクがあります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
詳細なビジョンは決算短信からは読み取れませんでしたが、空調・衛生設備工事とハイテク環境制御装置の双方を事業の柱として、技術革新と顧客ニーズへの対応を通じて、持続的な成長を目指していると考えられます。
中期経営計画:
中期経営計画に関する具体的な情報は、決算短信からは得られませんでした。
重点分野:
- ハイテク環境制御装置分野の強化
- 環境技術開発への注力
- 建設投資の動向に合わせた事業展開
4. 事業モデルの持続可能性
朝日工業社の事業モデルは、以下の要素によって持続可能性が支えられています。
* 高い技術力: ハイテク環境制御装置の開発・製造における技術力は、競合他社との差別化要因となり、安定的な収益確保に貢献しています。
* 多様な顧客基盤: 民間企業を中心に、幅広い顧客基盤を有しており、特定の業界や顧客に依存しない安定した収益構造を築いています。
* 市場ニーズへの対応: 環境規制の強化や省エネルギー化へのニーズの高まりに対応した製品・サービスの提供を通じて、市場ニーズの変化に対応しています。
リスク:
- 建設投資の減少や、半導体市況の悪化は、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新のスピードが速いため、継続的な研究開発投資が必要となります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
ハイテク環境制御装置の開発に注力しており、半導体製造や液晶パネル製造といった高度な技術を必要とする分野で、高いシェアを獲得しています。
収益を牽引している製品やサービス:
- 空調・衛生設備工事
- ハイテク環境制御装置
6. 株価の評価
EPS（会社予想）: (連)240.84円
PER（会社予想）: (連)8.74倍
BPS（実績）: (連)1,536.65円
PBR（実績）: (連)1.37倍
- 現在の株価2,104円をEPSで割ると、PERは8.74倍となり、業界平均の14.0倍と比較して割安感があります。
- 現在の株価をBPSで割ると、PBRは1.37倍となり、業界平均の1.1倍と比較して割高感があります。
結論:
現時点では、PERからは割安感があり、PBRからは割高感があるため、総合的な判断が必要です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年5月1日の終値は2,104円であり、4月28日の2,098円から上昇しています。年初来高値は2,370円、年初来安値は1,620円であり、現在の株価は年初来高値に近づいています。50日移動平均線は1985.44円、200日移動平均線は1743.55円であり、現在の株価は両移動平均線を上回っています。
結論:
株価は上昇傾向にあり、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には801億7000万円を計上しています。2025年3月期第3四半期（累計）の売上高は626億7600万円で、前年同期比で4.9%減少しています。
営業利益: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には27億円を計上しています。2025年3月期第3四半期（累計）の営業利益は40億4800万円で、前年同期比で40.6%増加しています。
経常利益: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には37億6700万円を計上しています。2025年3月期第3四半期（累計）の経常利益は44億2800万円で、前年同期比で38.4%増加しています。
ROE（実績）: (連)10.01%
ROA（過去12か月）: 5.03%
自己資本比率（実績）: (連)46.1%
キャッシュフロー: 決算短信からは詳細なキャッシュフローの情報は得られませんでした。
結論:
売上高は減少していますが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は増加しており、収益性は改善しています。ROEは10.01%と、一定の収益性を示しています。自己資本比率は46.1%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 5.70%
1株配当（会社予想）: 120.00円
配当性向: 25.97%
朝日工業社は、高い配当利回りを維持しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。2025年3月期の年間配当は110円を予定しており、記念配当20円を含んでいます。
自社株買い:
自社株買いに関する情報は、今回のデータからは得られませんでした。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動傾向:
直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強いと判断できます。
株価への影響を与える要因:
- 建設投資の動向
- 半導体市場の動向
- 業績予想の達成状況
- 配当政策
11. 総評
朝日工業社は、空調・衛生設備工事とハイテク環境制御装置を主力とする企業であり、高い技術力と安定した収益基盤を有しています。業績は、売上高が減少しているものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は増加しており、収益性は改善しています。高い配当利回りも魅力的です。
株価は上昇傾向にあり、高値圏に位置しています。PERは割安感がありますが、PBRは割高感があります。
投資を検討する際には、今後の業績動向、特に建設投資や半導体市場の動向に注目し、株価の変動リスクを考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1975 |
| 企業名 | 朝日工業社 |
| URL | http://www.asahikogyosha.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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