1. 企業情報
株式会社MS&Consultingは、外食・小売業などのサービス業向けに顧客満足度調査(ミステリーショッピングリサーチ、以下MSR)を提供する企業です。50万人を超えるモニターを抱え、業界トップクラスの実績があります。その他、店舗運営支援システムやコンサルティングサービスも提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
MSR市場において、同社は大手として高いシェアを占めています。競争優位性としては、豊富なモニター数と長年の実績に基づくノウハウが挙げられます。課題としては、景気変動の影響を受けやすい内需型サービス産業に属している点、人件費や物価上昇の影響を受けやすい点が考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、MSR事業の再構築による取引拡大と利益率の回復を目指しています。また、SaaSやコンサルティングサービスの回復も重点分野としています。中期経営計画の具体的な施策については、決算短信に記載されている範囲では詳細な情報は見当たりませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益モデルは、MSRを中心とした顧客満足度調査と、関連する店舗運営支援システムやコンサルティングサービスです。市場ニーズの変化への適応力としては、デジタル化の進展に対応したサービスの提供が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
同社は、MSRサービスを主力としています。技術開発の動向や独自性に関する具体的な情報は、公開情報からは限定的です。
6. 株価の評価
- 株価: 371.0円 (2025年5月2日終値)
- EPS (1株あたり当期利益): -68.46円 (2025年2月期)
- BPS (1株あたり純資産): 640.92円 (2025年2月期末)
EPSがマイナスであるため、PER(株価収益率)は算出できません。PBR(株価純資産率)は、371.0円 / 640.92円 = 約0.58倍となります。
業界平均PER:15.0、業界平均PBR:1.2と比較すると、PBRは割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月21日に422円の高値をつけた後、下落傾向にあります。5月2日の終値は371円であり、52週安値(359円)に近づいています。50日移動平均線(423.30円)と200日移動平均線(464.73円)を下回っており、弱気相場を示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年2月期は2,552百万円で、前期比7.6%増の見込み。
- 営業利益: 2025年2月期は237百万円の営業損失。
- 当期利益: 2025年2月期は276百万円の当期損失。
- ROE (自己資本利益率): -10.26% (過去12か月)
- ROA (総資産利益率): -4.30% (過去12か月)
2025年2月期は、のれんの減損損失を計上した影響で、営業損失、当期損失となっています。売上高は増加傾向にあるものの、利益率は改善の余地があります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 0.00%
- 配当性向: 0.00%
- 配当実績: 2024年2月期は9.00円の配当を実施しましたが、2025年2月期は無配を予定しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買残が減少し、信用倍率は0.00倍と、信用取引による買い圧力が低い状態です。
株価への影響要因としては、業績の回復、MSR市場の動向、競合他社の動向などが挙げられます。
11. 総評
MS&Consultingは、MSR市場で高いシェアを持つ企業ですが、2025年2月期は減損損失の影響で赤字決算となりました。売上高は増加傾向にあるものの、利益率の改善が課題です。株価は下落傾向にあり、テクニカル面でも弱気なシグナルが出ています。今後の業績回復と、MSR事業の成長戦略に注目する必要があります。
企業情報
銘柄コード | 6555 |
企業名 | MS&Consulting |
URL | https://www.msandc.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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