1. 企業情報
株式会社TAKARA & COMPANY（7921）は、ディスクロージャー（情報開示）関連事業を主力とする企業です。具体的には、有価証券報告書などの法定開示書類や、株主・投資家向けの任意開示書類の作成支援、翻訳・通訳サービスを提供しています。ディスクロージャー事業では、企画提案、デザイン制作、印刷、電子化など、幅広いサービスを提供しています。また、M&A関連の翻訳、ESG/統合報告書の作成支援など、事業領域を拡大しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
TAKARA & COMPANYは、ディスクロージャー関連事業において、国内大手の一角を占めています。特に、有価証券報告書の作成支援においては、高い実績と顧客基盤を有しています。通訳・翻訳事業も展開しており、ディスクロージャー関連事業とのシナジー効果も期待できます。
競争優位性:
- 豊富な実績とノウハウ
- 幅広いサービスラインナップ
- 上場企業を中心とした強固な顧客基盤
課題:
- 競合他社との差別化
- 市場ニーズの変化への対応
- 人件費やコストの上昇
3. 経営戦略と重点分野
堆 誠一郎氏を代表とする経営陣は、ディスクロージャー関連事業と通訳・翻訳事業の成長を目指しています。
中期経営計画（詳細不明）:
- ディスクロージャー関連事業の強化
- 統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入促進
- IR関連サービスの拡充
- 通訳・翻訳事業の拡大
- グローバル展開の強化
- AI翻訳サービスの開発・販売
4. 事業モデルの持続可能性
TAKARA & COMPANYの事業モデルは、企業のディスクロージャー義務と、グローバル化の進展による翻訳ニーズを背景としています。
収益モデル:
- ディスクロージャー関連事業：法定開示書類作成支援、IR関連サービス
- 通訳・翻訳事業：翻訳、通訳サービス
市場ニーズの変化への適応力:
- デジタル化、オンライン化への対応
- ESG/統合報告書作成支援など、新たなニーズへの対応
- AI翻訳技術の活用
5. 技術革新と主力製品
TAKARA & COMPANYは、技術革新にも積極的に取り組んでいます。
技術開発の動向:
- AI翻訳サービスの開発・販売
- ディスクロージャー関連業務の効率化ツール開発
主力製品・サービス:
- 有価証券報告書作成支援
- 統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」
- 翻訳・通訳サービス
- IR関連サービス
6. 株価の評価
- 株価: 3,385円
- PER（会社予想）: 10.72倍 (業界平均: 14.5倍)
- PBR（実績）: 1.57倍 (業界平均: 1.3倍)
- EPS（会社予想）: 315.89円
- BPS（実績）: 2,153.93円
- 配当利回り（会社予想）: 2.66%
PERは業界平均を下回っており、割安感がある可能性があります。PBRは業界平均を上回っています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月28日に年初来高値3,625円を記録した後、調整局面に入り、5月8日の終値は3,385円となっています。50日移動平均線（3,250.20円）および200日移動平均線（2,940.24円）を上回っており、中期的な上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年5月期には275.68億円、2025年5月期第3四半期累計では210.40億円。
営業利益: 2025年5月期第3四半期累計では24.70億円と、前年同期比で減少。
純利益: 2025年5月期第3四半期累計の親会社株主に帰属する四半期純利益は16.99億円と、前年同期比で減少。
ROE（実績）: 11.50%
自己資本比率（実績）: 76.4%
売上高は増加傾向にあるものの、利益面ではコスト増の影響を受け、減少傾向にあります。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.66%
- 1株配当（会社予想）: 90.00円
- 配当性向: 40.13%
- Ex-Dividend Date: May 29, 2025
安定的な配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、4月28日に年初来高値をつけた後、調整局面に入っています。信用買残は減少傾向にあり、信用倍率は2.83倍と、やや高めです。
株価への影響要因:
- 業績動向
- 市場全体の動向
- ディスクロージャー関連市場の成長性
- M&A関連の動向
11. 総評
TAKARA & COMPANYは、ディスクロージャー関連事業で強固な基盤を持ち、安定的な収益を上げています。株価はPERで割安感があり、高い自己資本比率も魅力です。
ポジティブな点:
- ディスクロージャー関連事業における高いシェア
- 安定的な配当
- 高い自己資本比率
- デジタル化、AI技術への対応
懸念点:
- 利益率の低下
- 競合激化
- 市場環境の変化
総合的な見解:
TAKARA & COMPANYは、安定した事業基盤と高い財務健全性を有する企業です。今後の業績動向、特に利益率の改善と、新たな事業への取り組みに注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7921 |
| 企業名 | TAKARA & COMPANY |
| URL | https://www.takara-company.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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