1. 企業情報
小林製薬は、OTC医薬品（市販薬）、医薬部外品、芳香剤、衛生用品などを製造・販売する企業です。芳香剤分野で国内首位であり、医薬品や健康食品などニッチ製品の開発にも強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 芳香剤分野で国内首位を誇り、家庭用品分野で一定の地位を確立しています。ニッチ市場に特化した製品開発力も強みです。
- 競争優位性: 芳香剤分野でのブランド力、多様な製品ラインナップ、ニッチ市場への対応力が強みです。
- 課題: 紅麹関連製品の回収問題による業績への影響、原材料価格やエネルギーコストの高騰、競合他社との競争激化などが課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 2024年12月期決算短信では、紅麹関連製品の回収事案発生により、中期経営計画を取り下げています。
- 重点分野:
- ポートフォリオマネジメント経営の推進
- SKU数の最適化
- 広告効率の改善
- 不採算事業の見直し
- 新製品開発
- 海外事業成長
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 芳香剤や医薬品などの自社製品の販売が中心です。
- 市場ニーズへの適応力: ニッチ市場への対応力や新製品開発を通じて、市場ニーズの変化に対応しようとしています。しかし、紅麹問題のようなリスクへの対応も重要です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 新製品開発に注力し、消費者のニーズに応える製品を提供しています。
- 主力製品: 芳香剤、医薬品（アネトン、熱さまシートなど）、健康食品など。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 37.94倍
- PBR（実績）: 1.87倍
- EPS（会社予想）: 141.25円
- BPS（実績）: 2,862.28円
- 業界平均PER: 20.4
- 業界平均PBR: 1.1
小林製薬のPERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均よりも高いです。
7. テクニカル分析
- 直近の株価: 5,359円（2025年5月8日終値）
- 年初来高値: 6,220円
- 年初来安値: 5,050円
- 50日移動平均: 5,533.96円
- 200日移動平均: 5,675.87円
- 直近10日間の株価推移: 株価は下落傾向にあり、50日、200日移動平均線を下回っています。
現在の株価は、年初来高値から下落しており、50日、200日移動平均線を下回っていることから、弱気相場と判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年12月期は165,600百万円（△4.5%）
- 営業利益: 2024年12月期は24,860百万円（△3.6%）
- 経常利益: 2024年12月期は26,861百万円（△1.7%）
- 当期純利益: 2024年12月期は10,067百万円（△50.5%）
- ROE（実績）: 4.83%
- ROA（過去12か月）: 5.80%
- 自己資本比率: 80.2%
2024年12月期は、紅麹関連製品の影響により、売上高、利益ともに減少しています。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.94%
- 1株配当（会社予想）: 104.00円
- 配当性向: 75.32%
- 自社株買い: 情報なし
配当利回りは平均的です。配当性向は高めです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近では下落傾向にあります。
- 株価への影響要因: 紅麹関連製品の回収問題による業績への影響、今後の業績回復への期待、市場全体の動向などが影響を与える可能性があります。
- 信用取引: 信用買い残は増加、信用売り残も増加しており、信用倍率は3.05倍と高めです。
11. 総評
小林製薬は、芳香剤分野で強固な地位を築き、ニッチ製品開発力も有する企業です。しかし、紅麹関連製品の回収問題により、業績は悪化しています。株価は下落傾向にあり、割高感があります。今後は、業績の回復、新製品開発、海外事業の成長などが注目されます。投資にあたっては、リスク要因を十分に考慮し、今後の業績動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4967 |
| 企業名 | 小林製薬 |
| URL | http://www.kobayashi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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