1. 企業情報
北日本紡績は、合成繊維の紡績糸および織物の製造・販売を主な事業とする企業です。産業用・衣料用紡績に特化しており、帝人からの受託生産が大きな割合を占めています。また、廃プラスチックのリサイクル事業や、不織布マスクなどのヘルスケア製品の製造・販売も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
北日本紡績は、合繊紡績業界に属しています。同社の具体的な市場シェアに関する情報は公開されていませんが、帝人の受託生産が主体であることから、特定の顧客との関係性が強いと考えられます。
競争優位性:
- 帝人からの安定的な受託生産
- 廃プラスチックリサイクル事業への参入
課題:
- 繊維業界全体の需要変動の影響を受けやすい
- 原材料価格やエネルギーコストの変動リスク
- 赤字経営からの脱却
3. 経営戦略と重点分野
北日本紡績は、2025年3月期から2027年3月期に係る新中期経営計画を公表しています。「未来の環境に貢献します」を長期ビジョンとして掲げ、コアとなる新規事業を推進しています。
重点分野:
- 紡績事業：防護衣料用途向け増産
- テキスタイル事業：中東及び東アジア各マーケットにおける需要回復
- ヘルスケア事業：中部薬品工業の商品別販売状況の好調維持
- リサイクル事業：リサイクル市場の需要動向への対応
4. 事業モデルの持続可能性
北日本紡績の収益モデルは、主に紡績事業とテキスタイル事業に依存しています。これらの事業は、景気変動や業界の需要動向に左右されやすく、持続可能性には課題があります。廃プラスチックのリサイクル事業は、環境意識の高まりを背景に成長の可能性を秘めていますが、中国経済の減速の影響を受けて利益率が低下しています。
5. 技術革新と主力製品
北日本紡績は、紡績技術を基盤としています。具体的な技術革新に関する情報は限定的ですが、防護衣料用途向けの増産など、顧客ニーズに合わせた製品開発を行っていると考えられます。
主力製品:
- 合成繊維紡績糸
- 織物
- 不織布マスク
- 廃プラスチックリサイクル
6. 株価の評価
- 株価: 172.0円 (2025年5月9日終値)
- EPS（会社予想）: -0.58円
- PER（会社予想）: — (算出不可)
- BPS（実績）: 45.96円
- PBR（実績）: 3.74倍
EPSがマイナスであるため、PERは算出できません。PBRは3.74倍であり、業界平均PBRの0.5倍と比較すると割高な水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、151円から183円の間を変動しており、200円を割った水準で推移しています。年初来高値は209円、年初来安値は99円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、年初来高値に近づいている状況です。50日移動平均線は150.88円、200日移動平均線は106.21円であり、移動平均線を上回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は1,307百万円、2025年3月期第3四半期累計では1,216百万円
- 営業利益: 2024年3月期は-61百万円、2025年3月期第3四半期累計では-35百万円
- 当期純利益: 2024年3月期は-115百万円、2025年3月期第3四半期累計では-31百万円
- ROE（実績）: -12.39%
- 自己資本比率（実績）: 48.4%
過去数年間の業績は、売上高は増加傾向にあるものの、営業損失、当期純損失を計上しており、収益性は低い状況です。ROEはマイナスであり、自己資本比率は48.4%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
北日本紡績は、現在無配当です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、52週高値に近づいています。出来高も増加傾向にあり、投資家の関心が高まっている可能性があります。
株価への影響要因:
- 業績の回復
- 新中期経営計画の進捗
- 原材料価格やエネルギーコストの変動
- 為替相場の変動
11. 総評
北日本紡績は、合繊紡績を主軸とし、廃プラスチックリサイクル事業など多角化を進めています。しかし、業績は赤字が続いており、収益性の改善が急務です。新中期経営計画における事業戦略の実行と、市場環境の変化への対応が、今後の株価を左右する重要な要素となります。株価は、直近で上昇傾向にありますが、業績の改善が確認されるまでは、慎重な投資判断が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3409 |
| 企業名 | 北日本紡績 |
| URL | http://www.ktbo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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