1. 企業情報
日本坩堝は、特殊耐火物の大手メーカーであり、主に鋳造用ルツボを主力製品としています。工業炉や焼却炉のエンジニアリング事業も展開しています。自動車部品向けの鋳造用ルツボに強みを持ち、鉄鋼向けや築炉工事も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本坩堝は、耐火物業界において中堅企業として位置づけられています。鋳造用ルツボの分野では一定のシェアを有していると考えられます。
* 競争優位性: 自動車部品向けなど、特定の顧客セグメントに強みを持つ可能性があります。
* 課題: 業界全体の競争激化、原材料価格の変動、需要変動の影響を受けやすい可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- 決算短信によると、営業と技術が一体となり、主力製品や新製品の拡販活動を積極的に推進しています。
中期経営計画:
- 詳細な中期経営計画の情報は、今回のデータからは読み取れませんでした。
重点分野:
- 耐火物事業
- エンジニアリング事業
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 鋳造用ルツボなどの耐火物販売、工業炉・焼却炉のエンジニアリングが主な収益源です。
- 安定的な需要が見込める自動車部品向けに強みを持っています。
市場ニーズの変化への適応力:
- 自動車産業の動向や、鉄鋼業界の需要変動に影響を受けやすいと考えられます。
- 新製品開発や、顧客ニーズへの対応が重要になります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- 詳細な技術開発の情報は、今回のデータからは読み取れませんでした。
収益を牽引している製品やサービス:
- 鋳造用ルツボが主力製品です。
- 工業炉・焼却炉エンジニアリングも収益に貢献しています。
6. 株価の評価
- 株価: 599.0円（2025年5月9日終値）
- PER（会社予想）: 9.93倍（業界平均7.3）
- PBR（実績）: 0.71倍（業界平均0.7）
- EPS（会社予想）: 60.35円
- BPS（実績）: 846.38円
評価:
- PERは業界平均を上回っています。
- PBRは業界平均と同程度です。
- EPSとBPSを考慮すると、割安感があるとは言い切れません。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 629円
- 年初来安値: 576円
- 50日移動平均: 601.88
- 200日移動平均: 602.71
- 直近の株価動向:
- 直近10日間の株価は、598円～601円のレンジで推移しており、方向感に乏しい状況です。
- 50日移動平均線と200日移動平均線付近で推移しており、中長期的なトレンドも判断が難しい状況です。
判断:
- 現在の株価は、高値圏でも安値圏でもなく、もみ合いの状況と判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期: 9,610百万円（前年比8.7%増）
- 過去5年間の売上高は、増加傾向にあります。
利益:
- 営業利益: 2024年3月期は334百万円（前年比105.8%増）
- 経常利益: 2024年3月期は395百万円（前年比118.3%増）
- 当期純利益: 2024年3月期は285百万円（前年比812.4%増）
- 過去5年間で、利益は大きく改善しています。
キャッシュフロー:
- 詳細なキャッシュフローの情報は、今回のデータからは読み取れませんでした。
ROE（実績）: 6.77%
ROA（過去12か月）: 2.67%
自己資本比率（実績）: 49.9%
評価:
- 過去1年間で、売上高、利益ともに大きく増加しており、業績は好調です。
- 自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.01%
- 1株配当（会社予想）: 18.00円
- 配当性向: 23.75%
- 自社株買い: 2025年3月期の配当は増配予定です。
評価:
- 配当利回りは、まずまずの水準です。
- 配当性向は低く、今後の増配余地があると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動:
- 直近10日間の株価は、小幅な変動に留まっています。
- 信用取引:
- 信用買残: 537,600株（前週比+400株）
- 信用倍率: 0.00倍
- 信用売残: 0株
- 出来高:
- 直近10日間の出来高は低調です。
株価への影響を与える要因:
- 業績動向（特に自動車関連産業の需要）
- 原材料価格の変動
- 配当政策
11. 総評
ポジティブな点:
- 業績が好調であり、売上高、利益ともに増加しています。
- 自己資本比率が高く、財務体質は良好です。
- 配当利回りもまずまずの水準です。
ネガティブな点:
- 株価は、方向感に乏しい状況です。
- PERは業界平均を上回っています。
- 業界の競争激化や、原材料価格の変動、需要変動の影響を受けやすい可能性があります。
総合的な見解:
日本坩堝は、業績好調で、財務体質も良好です。しかし、株価は方向感に乏しく、PERは割高感があります。今後の業績動向、特に自動車関連産業の需要や、配当政策に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5355 |
| 企業名 | 日本坩堝 |
| URL | http://www.rutsubo.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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