1. 企業情報

概要

フジ・メディア・ホールディングスは、日本の大手放送持株会社で、フジテレビなどを中核としたフジサンケイグループの中核企業です。主力は地上波テレビ放送ですが、衛星放送、ラジオ、動画配信、コンテンツ制作、ゲーム、音楽、広告、出版、通販など幅広いメディア・コンテンツ事業を展開しています。さらに、都市開発(オフィスビル・商業施設・マンション等の開発・運営)、ホテル・リゾート事業、ITシステム、人材、海外事業など多角化も進めています。
【連結事業構成(2024.3)】
– メディア・コンテンツ:76%(営業利益率4%)
– 都市開発・観光:22%(営業利益率15%)
– その他:1%(営業利益率5%)

2. 業界のポジションと市場シェア

フジ・メディア・ホールディングスは、民間地上波放送業界の大手5社(日本テレビ、TBS、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビ)の一角です。

競争優位性

  • コンテンツ制作力と知名度、グループシナジー
  • 不動産や観光など非放送分野の収益源も確保

課題

  • 若年層のテレビ離れ・視聴率低迷
  • 広告収入の伸び悩み、動画配信等の新興メディアとの競争激化

3. 経営戦略と重点分野

ビジョン・戦略

  • メディア・コンテンツ事業の収益力強化と多角化
  • 都市開発・観光など非放送事業の拡大
  • デジタル領域(動画配信・IP活用・EC等)の強化

中期経営計画

  • 既存メディアの効率化・収益性向上
  • コンテンツの海外展開・IPビジネス推進
  • 不動産・観光事業の新規開発・収益基盤強化

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

  • 広告収入、コンテンツ販売、物販・通販、賃貸収入、ホテル・観光収入など多様

市場ニーズの変化への適応

  • 動画配信やデジタル広告、IP活用など新たな収益源へのシフトを進行中
  • 放送依存からの脱却を図る多角化戦略

5. 技術革新と主力製品

技術開発・独自性

  • 動画配信プラットフォーム(FOD等)の強化
  • オリジナルドラマ・アニメ・バラエティ等のコンテンツ制作力

収益を牽引する事業

  • テレビ広告・番組制作
  • 不動産賃貸・開発
  • ホテル・観光施設運営
  • 通販(ディノス・セシール等)

6. 株価の評価

  • 株価:2,854円
  • BPS(1株当たり純資産):4,210.84円
  • PBR(株価純資産倍率):0.68倍(業界平均2.3倍を大きく下回る)
  • EPS(会社予想):-95.17(直近12か月実績は195.84円)
  • PER(会社予想):算出不可(赤字予想のため)

BPSに対して株価は割安水準。業界平均と比較してもPBRは低い。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:3,433円
  • 年初来安値:1,574円
  • 50日移動平均:2,750.21円
  • 200日移動平均:2,078.43円
  • 直近株価:2,854円(50日・200日平均を上回る)
  • 直近10日間の推移:2,770円~2,976円のレンジで推移、やや上昇基調

現在の株価は年初来高値圏からはやや下落したものの、移動平均線を上回っており高値圏に近い。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:5664億円(前年比+5.8%)
  • 営業利益:335億円(前年比+6.8%)
  • 純利益:370億円(前年比-21%)
  • ROE:4.37%(直近12か月は4.84%)
  • ROA:1.58%
  • 自己資本比率:59.2%(財務健全)
  • キャッシュフロー:現金保有額1,950億円、流動比率2.20(資金繰り良好)
  • 利益率:営業利益率9.16%、純利益率7.36%
  • 過去数年の傾向:売上・営業利益は安定的に推移、純利益は変動あり

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想):1.75%(50円/株)
  • 配当性向:25.03%(直近実績)
  • 5年平均配当利回り:3.10%(直近はやや低下傾向)
  • 自社株買い:自己株式保有比率8.99%、株主還元策として一定の自社株買い実施

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価直近の動き:5月初旬に高値をつけた後、やや調整も底堅い動き
  • 出来高:直近10日間で平均300万株前後、流動性高い
  • 信用取引:信用倍率1.19倍とやや買い長
  • 投資家構成:インサイダー保有37.8%、機関投資家33.4%、浮動株比率は低め

11. 総評

フジ・メディア・ホールディングスは、放送業界大手としての地位に加え、不動産・観光・通販など多角化による収益基盤の強化を進めています。テレビ広告市場の構造変化や視聴率低迷など課題もありますが、デジタル領域や非放送事業の拡大により持続的な成長を模索しています。財務基盤は堅固で、株価はBPS・PBRからみて割安感も見られます。配当利回りは直近やや低下していますが、安定的な株主還元策を維持しています。株価は高値圏にあり、投資家の関心も高い状況です。


企業情報

銘柄コード 4676
企業名 フジ・メディア・ホールディングス
URL http://www.fujimediahd.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By シャーロット

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