1. 企業情報

  • 企業名: 西日本フィナンシャルホールディングス株式会社
  • 本社所在地: 福岡市博多区博多駅前3-1-1
  • 設立: 2016年10月3日
  • 代表者: 村上 英之
  • 事業内容: 西日本シティ銀行、長崎銀行、西日本信用保証、九州リース等を傘下に持つ金融持株会社。主に九州地方を中心に、銀行業(預金、融資、資産運用、決済等)、リース、信用保証、海外進出支援、人材サービスなど多角的な金融・非金融サービスを展開。国内のみならず、香港、中国、シンガポールにも拠点を持つ。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界区分: 地方銀行(Regional Banks)
  • ポジション: 九州地方を中心とした有力地銀グループ。西日本シティ銀行は福岡県を中心に高いシェアを持ち、長崎銀行と連携し広域展開。大手地銀と比べると規模は中堅だが、地域密着型のサービス展開と多角化戦略が特徴。
  • 競争優位性・課題: 地域経済との強い結びつきが優位点。人口減少や低金利環境、デジタル化競争への対応が課題。地銀再編の流れや、非金融分野(人材、海外進出支援等)の強化が差別化要素。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 「地域とともに成長する総合金融グループ」を掲げ、地域経済の活性化支援とともに、収益源の多様化を推進。
  • 中期経営計画の重点施策:
    • 地域企業へのコンサルティング・ソリューション強化
    • デジタル化・DX推進(ネットバンキング、キャッシュレス等)
    • 非金融サービス(人材、海外進出支援等)の拡大
    • 資産運用・リース事業の強化
    • 経費削減・効率化による収益力向上

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 預金・貸出を中心とした伝統的な銀行モデルに加え、リース、信用保証、コンサルティング、海外支援、人材サービス等の多角化で安定化を図る。
  • 市場ニーズへの適応力: 地域経済の変化や顧客ニーズの多様化に対応するため、非金融分野やデジタル分野への進出を強化。人口減少リスクや金利環境の変化に対する対応力が今後の課題。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: ネットバンキング、モバイルバンキング、キャッシュレス決済等のデジタルサービスを強化。地域企業向けのデジタルソリューションや業務効率化にも注力。
  • 主力サービス: 地域企業・個人向けの融資、預金、資産運用、リース、信用保証、海外進出支援、人材派遣・コンサルティング等。

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 265.64円
  • BPS(実績): 3,931.30円
  • 株価: 2,162円
  • PER(会社予想): 8.10倍(業界平均: 10.7倍)
  • PBR(実績): 0.55倍(業界平均: 0.4倍)

評価:
PERは業界平均を下回り、PBRは業界平均を上回る。収益性・資産価値に対して割安感がある一方、自己資本比率の低さ(4.0%)がリスク要素となる。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 2,260円
  • 年初来安値: 1,557円
  • 直近株価: 2,162円(5/15終値)
  • 50日移動平均: 1,985.44円
  • 200日移動平均: 1,893.60円

評価:
直近株価は年初来高値圏にあり、50日・200日移動平均を上回る推移。短期的には強い上昇トレンドが見られる。

8. 財務諸表分析

  • 売上(経常収益):
    • 2025年3月期: 196,415百万円(前年比+5.8%)
    • 2024年3月期: 185,708百万円
    • 2023年3月期: 174,209百万円
  • 純利益:
    • 2025年3月期: 30,982百万円(前年比+31.4%)
    • 2024年3月期: 23,576百万円
    • 2023年3月期: 26,064百万円
  • ROE: 5.52%
  • ROA: 0.23%
  • 自己資本比率: 4.0%
  • 営業キャッシュフロー: -6,342億円(銀行業特有の一時的な変動要因が含まれる可能性あり)

傾向:
売上・利益は増加傾向。収益性指標は地銀として標準的だが、自己資本比率が低く財務の健全性には注意が必要。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 4.18%
  • 1株配当(会社予想): 90円
  • 配当性向: 33.72%
  • 自社株買い: 自己株式保有比率4.73%
  • 方針: 安定配当を基本としつつ、業績に応じた還元を実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 5月上旬から上昇基調が続き、5/14には年初来高値を更新。出来高も増加傾向。
  • 信用取引動向: 信用買残が増加し、信用倍率は36.95倍と高水準。短期的な投資家の関心が高まっている。

11. 総評

西日本フィナンシャルホールディングスは、九州地方を中心とした有力地銀グループであり、銀行業を核にリース、信用保証、非金融サービスなど多角的な事業展開が特徴です。近年は収益・利益とも増加傾向にあり、配当利回りも高水準を維持しています。デジタル化や非金融分野への進出など、持続可能な成長に向けた戦略も進行中です。
一方で、自己資本比率の低さや、地銀業界共通の構造課題(人口減少、低金利、競争激化)への対応が引き続き重要なテーマです。株価は年初来高値圏にあり、モメンタムも強い状況です。


企業情報

銘柄コード 7189
企業名 西日本フィナンシャルホールディングス
URL http://www.nnfh.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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By シャーロット

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